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異世界転生 16日目

第385話 SSS級チート『剣神』

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「おおぅ! すごいスゴイすごいぃヒっ! まさかSSS級になれるなんて!」

「なに喜んでるのか知らねーが、慢心したツケを今から支払わせてやる――! 神話級跳躍系SSS級チート『覇門遁行はもんとんこう』発動――」

 瞬間、俺の身体がその場から消えたかと思うと、

「きヒ――ッ?」

 即座に《魔神》の真後ろへと現れた――!
 そして、

「おおおおおおぉぉぉぉ―――――っっ!!」

 その無防備な背中へ向かって《天地創造セシ那由他ノ武御雷神剣クサナギノツルギ》を振り下ろす――!

 黒雲に稲妻光いなびかる雷鳴の如き豪撃を、

「ギヒッ!!」

 しかし《魔神》は俺に背を向けたまま、《絶望ニ染メヌカレシ闇紅ノ魔神剣グリムヴェル》を頭上斜め後ろに持ち上げると、それをなんなく受け止めてみせた。

「なになに、消えた!? 今、消えたよね!」

 さらに《魔神》ははしゃぐように声を上げると、《天地創造セシ那由他ノ武御雷神剣クサナギノツルギ》を受け止めたままで身体を器用にくるりと反転させて、その勢いを利用しての横薙ぎを一閃撃ち放ってくる――!

「ギひッ?」

 ――しかし俺はそこにはもういなかった。

 SSS級チート『覇門遁行はもんとんこう』――世界の揺らぎを利用してワープするグレンの奥義を昇華した神話級のSSS級チートによって、瞬間移動をしていたからだ。

「それ、どうも普通に移動しているわけじゃないみたいだね? いひひヒっッ、空間を跳躍したのかな? すごい、すごいね!!」

 大きな声で喚きたてながら、《魔神》は更なる攻撃を仕掛けてくる。
 溢れんばかりの力を惜しげもなく振り回し、SSS級に相応しい攻撃のギアをさらに上げた猛攻につぐ猛攻が、俺を幾度となく襲いくる――!

「チィッ! 『覇門遁行はもんとんこう』なら簡単に回避できるけど、それじゃあ追いかけっこになるだけで、こっちも決定打を入れられないからな……最初の瞬間移動不意打ちで決められたら楽だったんだけど。ま、相手もSSS級だもんな。そうはうまくいかないか」

 なら――、

「神話級戦闘系SSS級チート『剣神』発動――!」

 力ある言葉とともに、最強のS級チート『剣聖』が《真覚醒・神滅覇王しんめつはおう》のSSS級の力に引き上げられて、同じくSSS級の『剣神』へと昇華されてゆく――!

 《神滅覇王しんめつはおう》は最強のS級チート『剣聖』をベースに昇華・顕現させたSS級チートだ。
 そしてさらに《神滅覇王しんめつはおう》はSSS級チート《真覚醒・神滅覇王しんめつはおう》へと至った。

 しかしだ――、

「完全格上の《神焉竜しんえんりゅう》を相手にしても最後まで戦い続けた最強の『剣聖おまえ』が、異世界こっちに来てからずっと一緒に戦ってきた『剣聖おまえ』が――」

 俺は《真覚醒・神滅覇王しんめつはおう》を通して、今はそのコアとなっている相棒に率直な思いを伝えてゆく。

 13万5千あるチートの中で、お前だけは特別の特別なんだ――!

「――いいところでいつも裏方ばっかりやっていたらつまらないだろ? 今度は一緒に戦おうぜ相棒!」

 俺の言葉とともに、SSS級チート《真覚醒・神滅覇王しんめつはおう》と並び立つようにして、剣による近接戦闘に極限特化した神話級戦闘系SSS級チート『剣神』が顕現する――!!

「これで準備は完全に整った――さぁ行くぞ《魔神》」

 俺はSSS級チート『覇門遁行はもんとんこう』で《魔神まじん》の眼前に空間跳躍すると、同じくSSS級チート『剣神』の超絶技でもって《天地創造セシ那由他ノ武御雷神剣クサナギノツルギ》を《魔神まじん》へと振りかざした――!
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