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異世界転生 16日目
第394話 やっぱり私は教皇にはなれません
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「解けろ――《天地開闢セシ創世ノ黄金剣》」
《魔神》の魂が完全に消滅した瞬間に、俺は《天地開闢セシ創世ノ黄金剣》の出力を一気にゼロまで落とし込んだ。
眩いばかりに光り輝いていた黄金剣が、一瞬で大気中に溶け消えてゆく。
「これでティモテは無事、なはず……きっと」
俺は無事を確認するべくティモテのもとへ小走りで――くっ、だめだ、さすがに身体が重い――歩いて近づいていった。
「ティモテ……?」
そっと優しく声をかけながら、地面に倒れているティモテを抱き起こすと――、
「マナシロさん……私、戻ってこれました……」
《魔神》じゃない、本当のティモテがそこにはいたのだった。
「ああ、よく頑張ったな」
それを見て俺はにっこりと微笑み返したんだけど、
「いいえ頑張ったのはマナシロさんたちです……私は何もしていません。身体を《魔神》に乗っ取られて、ただただ皆さんに迷惑をかけてしまっただけでした」
ティモテが申し訳なさそうに顔を伏せた。
「そんなことないさ」
「そんなことありますよ。あーあ、やっぱり私は聖女失格ですね。未来の教皇だなんて――そんな資格なんて、私にはとてもじゃないですけど無かったんだって、よくわかっちゃいました」
そう言って少し寂しそうに笑ったティモテ。
「そんなことないさ」
だから俺はもう一度、同じ言葉を繰り返した。
だってその言葉は励ましなんかじゃなく、俺の本心からの気持ちだったのだから。
しゃーない、ちょっと俺の心の内を語ってやるか。
「なぁティモテ。聖母マリア=セレシアは結果だけでなく過程も大切にしてたって、この前言ってたよな?」
「はい、その献身と奉仕の過程こそが、数多の奇跡という結果以上にマリアという女性の高潔さの証であるとするのが、主学派の考え方ですから」
「だったらさ。ずっと一人で自分の中の《魔神》について悩み続け、必死に戦ってきたティモテは――そんな高潔な努力の過程を経てきたティモテは、やっぱり教皇になるのにふさわしいと俺は思うんだ」
「ぁ……」
「だってそうだろう? 自分の中の《魔神》と何年も人知れず戦うなんて経験、他の誰もしてないんだぜ? そんなオンリーワンの経験を生かすことができるのは、他の誰でもないティモテだけだ」
「……そう、なのかもしれませんね」
「それに最後は勝ったしな。努力の末に勝利する。過程も結果も非の打ちどころのない完全勝利だ」
「でも勝ったのは皆さんの、マナシロさんのおかげです。私は《魔神》に乗っ取られているだけで、足を引っ張るだけのダメダメでした」
「――絵本のマリア」
「え?」
「絵本のマリアはさ、完ぺきな聖女じゃないんだろ? 悪いことをしたり失敗したりするけど、最後にはなぜか上手くいってしまう――そんな人間味あふれたマリアが、ダメな自分に勇気をくれるって、この前言ってたよな」
2人で夜明かしして話したときに、確かそんなことを言っていたはずだ。
「とりとめもない会話だったのに、覚えていてくれたんですね」
ティモテの一体どこにダメなところがあるのかすごく疑問で、印象に残ってたんだよな。
「だったらさティモテもそんな人間味のある聖女を目指したらいいんじゃないか? 失敗しても助けてもらってもいいじゃないか。完ぺきじゃないけどみんなの力を借りて頑張る――そんな人間味のある教皇ティモテを、目指したらいいんじゃないか?」
「人間味のある教皇……」
「そうだよ、この俺が保証しよう。ティモテは史上最高の教皇になる――いやこんなSSS級の経験をしたティモテが、最高の教皇にならないわけがない!」
熱弁の締めくくりに、俺は超どや顔でそう言った。
「……やっぱり私は教皇にはなれません」
だけどティモテの答えは変わらずで――。
「そ、そうか……」
ううっ、俺の熱弁が説得力なさすぎて泣ける件に関して……。
「だって――」
「ん?」
《魔神》の魂が完全に消滅した瞬間に、俺は《天地開闢セシ創世ノ黄金剣》の出力を一気にゼロまで落とし込んだ。
眩いばかりに光り輝いていた黄金剣が、一瞬で大気中に溶け消えてゆく。
「これでティモテは無事、なはず……きっと」
俺は無事を確認するべくティモテのもとへ小走りで――くっ、だめだ、さすがに身体が重い――歩いて近づいていった。
「ティモテ……?」
そっと優しく声をかけながら、地面に倒れているティモテを抱き起こすと――、
「マナシロさん……私、戻ってこれました……」
《魔神》じゃない、本当のティモテがそこにはいたのだった。
「ああ、よく頑張ったな」
それを見て俺はにっこりと微笑み返したんだけど、
「いいえ頑張ったのはマナシロさんたちです……私は何もしていません。身体を《魔神》に乗っ取られて、ただただ皆さんに迷惑をかけてしまっただけでした」
ティモテが申し訳なさそうに顔を伏せた。
「そんなことないさ」
「そんなことありますよ。あーあ、やっぱり私は聖女失格ですね。未来の教皇だなんて――そんな資格なんて、私にはとてもじゃないですけど無かったんだって、よくわかっちゃいました」
そう言って少し寂しそうに笑ったティモテ。
「そんなことないさ」
だから俺はもう一度、同じ言葉を繰り返した。
だってその言葉は励ましなんかじゃなく、俺の本心からの気持ちだったのだから。
しゃーない、ちょっと俺の心の内を語ってやるか。
「なぁティモテ。聖母マリア=セレシアは結果だけでなく過程も大切にしてたって、この前言ってたよな?」
「はい、その献身と奉仕の過程こそが、数多の奇跡という結果以上にマリアという女性の高潔さの証であるとするのが、主学派の考え方ですから」
「だったらさ。ずっと一人で自分の中の《魔神》について悩み続け、必死に戦ってきたティモテは――そんな高潔な努力の過程を経てきたティモテは、やっぱり教皇になるのにふさわしいと俺は思うんだ」
「ぁ……」
「だってそうだろう? 自分の中の《魔神》と何年も人知れず戦うなんて経験、他の誰もしてないんだぜ? そんなオンリーワンの経験を生かすことができるのは、他の誰でもないティモテだけだ」
「……そう、なのかもしれませんね」
「それに最後は勝ったしな。努力の末に勝利する。過程も結果も非の打ちどころのない完全勝利だ」
「でも勝ったのは皆さんの、マナシロさんのおかげです。私は《魔神》に乗っ取られているだけで、足を引っ張るだけのダメダメでした」
「――絵本のマリア」
「え?」
「絵本のマリアはさ、完ぺきな聖女じゃないんだろ? 悪いことをしたり失敗したりするけど、最後にはなぜか上手くいってしまう――そんな人間味あふれたマリアが、ダメな自分に勇気をくれるって、この前言ってたよな」
2人で夜明かしして話したときに、確かそんなことを言っていたはずだ。
「とりとめもない会話だったのに、覚えていてくれたんですね」
ティモテの一体どこにダメなところがあるのかすごく疑問で、印象に残ってたんだよな。
「だったらさティモテもそんな人間味のある聖女を目指したらいいんじゃないか? 失敗しても助けてもらってもいいじゃないか。完ぺきじゃないけどみんなの力を借りて頑張る――そんな人間味のある教皇ティモテを、目指したらいいんじゃないか?」
「人間味のある教皇……」
「そうだよ、この俺が保証しよう。ティモテは史上最高の教皇になる――いやこんなSSS級の経験をしたティモテが、最高の教皇にならないわけがない!」
熱弁の締めくくりに、俺は超どや顔でそう言った。
「……やっぱり私は教皇にはなれません」
だけどティモテの答えは変わらずで――。
「そ、そうか……」
ううっ、俺の熱弁が説得力なさすぎて泣ける件に関して……。
「だって――」
「ん?」
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