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第六部「チート学園」 異世界転生 ??日目
第404話 チート学園
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「あ、セーヤくんおはよー!」
「おはよーセーヤくん!」
「セーヤくん、おはようございます」
「セーヤくんちゃおー!」
ケンセーと並んで歩く通学路で、次々と女の子から声をかけられる俺こと麻奈志漏誠也、高校2年生。
「やばいな、俺ってばモテモテじゃん……」
俺は今まさに我が世の春を謳歌していた。
「あのね、私立チート学園は女子高なの。セーヤくんはそこに交換留学生で来たたった一人の男子なんだから、単に珍しいだけよ」
そんな俺を手見て、並んで隣を歩くケンセーが呆れたような顔をして言った。
「あーそういやそうだったっけ……? うん、そうだったな。でもま、モテモテハーレム的な状態には間違いない! ありがとう異世界――ん? ありがとう交換留学!」
今なんか無意識のうちに言いかけたけど、なんだろ……まぁいっか。
ケンセーの見ているだけで吸い込まれそうになる目と、ピンク色の可愛い可愛いオーラを見ていると、なんかもう細かいことはどうでもよくなってくる俺だった。
「オタサーの姫ならぬ女子高のセーヤくんなんだからね、ちょーし乗ってそこんとこ忘れないでよね」
「へいへい……あ、おはよー、今日も可愛いね~」
「……」
始業式でもホームルームでも帰り道でも、俺はひたすらに女の子にモテモテだった。
…………
……
「ふぅ、これが人生勝ち組ってやつか……敗北を知りたい」
お風呂あがり。
俺は自室のベッドでまったりと今日という素敵な日を振り返っていた。
そこに、
「ちょーしに乗るなし!」
ケンセーがやってきた。
従兄妹で幼馴染のケンセーは、親の都合でこの春からうちで同居しているのだった。
ノックもせずにドアを開けると勝手に入ってきて、俺の隣にちょこんと可愛く座る。
「あのな、人の部屋のドアを勝手に開けて勝手に入って来るなよ……」
「もう、従兄妹で幼馴染なのになにを今さらなこと言ってんの? 思春期ってやつ? あ、分かった、えっちな本読んでたんでしょ! 焚書よ焚書、出しなさい! ただし従兄妹で幼馴染ものは除きます」
「いや、読んでないから」
あとピンポイントで「従兄妹で幼馴染」を除外しているのはなんなの?
もしかしてケンセーも俺に気があるのかな?
ふふっ、可愛い奴め……。
「なんだかセーヤくんがまた馬鹿なことを考えている気がする……。で、今日一日過ごしてみてどうだった?」
「どうとは?」
「普通の一日だった? なにか感じたこととかなかった?」
「妙なことを聞くやつだな……そんなふんわりとしたことを聞かれてもな……あ、モテモテで最高だった! 明日も学校行くのが楽しみだよ、にゅふふふ」
「……」
「どうしたんだよ、変な顔して」
ケンセーがなにごとか言いたそうな、でも言えない――みたいなすごく微妙な顔で俺を見ていた。
「……別に? セーヤくんはほんとセーヤくんだなって思っただけ。変わらないね」
「なんだそりゃ……?」
「っていうか女の子の顔を変とか言うなし!」
「おっと、今のは俺が悪かった。ははは、すまんすまん。ケンセーは可愛いよ。さーてそろそろ寝るか。明日も楽しく過ごしたいな!」
「ダメだ……わかってたけど、色々とダメだこいつ」
「ん? なんか言ったか?」
「セーヤくんは幸せそうでいいなって言ったの。じゃあおやすみ! 明日は寝坊したらだめだかんね!」
「おう、おやすみ。寝坊したらまた起こしてくれ」
「ちゃんと自分で起きなさい!」
とか言いつつ「7時過ぎに起こしに来るから」と言って部屋から去っていったケンセー。
「まったく、ツンデレちゃんなんだから……」
静かになった自室で俺は更なるモテモテハーレム学園生活を想像しながら、ぐっすりと眠りについたのだった――。
「おはよーセーヤくん!」
「セーヤくん、おはようございます」
「セーヤくんちゃおー!」
ケンセーと並んで歩く通学路で、次々と女の子から声をかけられる俺こと麻奈志漏誠也、高校2年生。
「やばいな、俺ってばモテモテじゃん……」
俺は今まさに我が世の春を謳歌していた。
「あのね、私立チート学園は女子高なの。セーヤくんはそこに交換留学生で来たたった一人の男子なんだから、単に珍しいだけよ」
そんな俺を手見て、並んで隣を歩くケンセーが呆れたような顔をして言った。
「あーそういやそうだったっけ……? うん、そうだったな。でもま、モテモテハーレム的な状態には間違いない! ありがとう異世界――ん? ありがとう交換留学!」
今なんか無意識のうちに言いかけたけど、なんだろ……まぁいっか。
ケンセーの見ているだけで吸い込まれそうになる目と、ピンク色の可愛い可愛いオーラを見ていると、なんかもう細かいことはどうでもよくなってくる俺だった。
「オタサーの姫ならぬ女子高のセーヤくんなんだからね、ちょーし乗ってそこんとこ忘れないでよね」
「へいへい……あ、おはよー、今日も可愛いね~」
「……」
始業式でもホームルームでも帰り道でも、俺はひたすらに女の子にモテモテだった。
…………
……
「ふぅ、これが人生勝ち組ってやつか……敗北を知りたい」
お風呂あがり。
俺は自室のベッドでまったりと今日という素敵な日を振り返っていた。
そこに、
「ちょーしに乗るなし!」
ケンセーがやってきた。
従兄妹で幼馴染のケンセーは、親の都合でこの春からうちで同居しているのだった。
ノックもせずにドアを開けると勝手に入ってきて、俺の隣にちょこんと可愛く座る。
「あのな、人の部屋のドアを勝手に開けて勝手に入って来るなよ……」
「もう、従兄妹で幼馴染なのになにを今さらなこと言ってんの? 思春期ってやつ? あ、分かった、えっちな本読んでたんでしょ! 焚書よ焚書、出しなさい! ただし従兄妹で幼馴染ものは除きます」
「いや、読んでないから」
あとピンポイントで「従兄妹で幼馴染」を除外しているのはなんなの?
もしかしてケンセーも俺に気があるのかな?
ふふっ、可愛い奴め……。
「なんだかセーヤくんがまた馬鹿なことを考えている気がする……。で、今日一日過ごしてみてどうだった?」
「どうとは?」
「普通の一日だった? なにか感じたこととかなかった?」
「妙なことを聞くやつだな……そんなふんわりとしたことを聞かれてもな……あ、モテモテで最高だった! 明日も学校行くのが楽しみだよ、にゅふふふ」
「……」
「どうしたんだよ、変な顔して」
ケンセーがなにごとか言いたそうな、でも言えない――みたいなすごく微妙な顔で俺を見ていた。
「……別に? セーヤくんはほんとセーヤくんだなって思っただけ。変わらないね」
「なんだそりゃ……?」
「っていうか女の子の顔を変とか言うなし!」
「おっと、今のは俺が悪かった。ははは、すまんすまん。ケンセーは可愛いよ。さーてそろそろ寝るか。明日も楽しく過ごしたいな!」
「ダメだ……わかってたけど、色々とダメだこいつ」
「ん? なんか言ったか?」
「セーヤくんは幸せそうでいいなって言ったの。じゃあおやすみ! 明日は寝坊したらだめだかんね!」
「おう、おやすみ。寝坊したらまた起こしてくれ」
「ちゃんと自分で起きなさい!」
とか言いつつ「7時過ぎに起こしに来るから」と言って部屋から去っていったケンセー。
「まったく、ツンデレちゃんなんだから……」
静かになった自室で俺は更なるモテモテハーレム学園生活を想像しながら、ぐっすりと眠りについたのだった――。
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