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第六部「チート学園」 異世界転生 ??日目
第444話 デュエリストたち
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「勝負だ、ケンセー! 決闘!」
「いいよ、セーヤくん! 決闘!」
俺の戦う意思を受け、エアーソフト剣を握ってからずっと待機状態にあった『最強S級チート』が、戦闘モードで起動する――!
行くぞ『剣聖』――!
思考が極限までクリアになり、身体中が戦意と剣気で満ちあふれてゆく――!
『剣聖』の戦闘モード発動とほぼ同じタイミングで、
「てりゃ~!」
ケンセーがのんきな声で――しかし爆発的な踏み込みからの、風を切るような鋭い右ハイキックを繰り出してきた。
それはへなちょこな運動神経のケンセーからは想像もできない、武術を極めた達人のムーブメント――!
「ほいっと――」
しかし俺はそれをしっかりと見切ると、十分な安全マージンをとってかわしてみせた。
ま、戦闘系の最強S級チート『剣聖』にとっては、これくらいは朝飯前だからな。
たいしたことない。
だけどそんな俺の回避行動を見たケンセーは、
「あれれ? 今のをセーヤくんがかわせるはずはないんだけど……まぐれ?」
キョトンとした顔をしながら首をかしげた。
アヒル口に人差し指を当てているのが実に可愛らしい。
「さーて、どうだろな?」
そして俺はというと、さっきの意趣返しとばかりに、ニヤリと笑ってすっとぼけてみせた。
「ふーん……。ま、なんでもいいや。なんにせよ、さすがはセーヤくんってことで」
ケンセーがニコッと笑う。
「だってまぐれでもかわしちゃうのはすごいよね! ほんとすごいすごい! ますます好きになっちゃった! 大好きセーヤくん!!」
はしゃぎながら言ったかと思うと、
「てりゃ~!」
再びのんきな声とともに、ケンセーがズドンと鋭く踏み込んでくる。
またもや右ハイキック――と見せかけての、今度は軌道を途中で変化させての打ち下ろしミドルキックだ――!
初見では『剣聖』ですらあわや被弾するかも――という研ぎ澄まされた変化技。
最初に頭部へと向かうことで意識を上にあげさせ、即座に鋭角に蹴り下ろしてガラ空きのボディを狙い撃つ。
流れるように美しい変化の軌道を描いた、射抜くようなピンポイントのミドルキックはしかし――、
「やっぱりな、この動きって――」
間違いない、見覚えがあるぞ。
これはチート能力だ――!
「よっと――!」
そしてまたもや俺はしっかりと見切って回避してみせたのだった。
「ケンセー、その力は蹴り技に特化した戦闘系A級チート『20世紀最後の暴君』だな?」
異世界転生してすぐ、ウヅキと初めて会った時にゴブリンを蹴散らすのに使った戦闘系上級チートだ。
多彩で鋭いキックによる圧倒的な制圧能力は、武器を持たない徒手空拳のルールならばかなうチートはおそらく存在しないだろう。
「……正解だよ。さすがはセーヤくんだね。むむっ? でもどーゆうこと……?」
ケンセーの顔が今度こそ、驚愕ではなく疑念の色に染まった。
「今のセーヤくんの動きはまぐれじゃなかった。うん、絶対にまぐれじゃかわせない攻撃だったもん。チートなしで丸腰なセーヤくんが、なんで今のを――」
そう言いかけたところで、ケンセーの視線があるものを見とがめて止まった。
「いいよ、セーヤくん! 決闘!」
俺の戦う意思を受け、エアーソフト剣を握ってからずっと待機状態にあった『最強S級チート』が、戦闘モードで起動する――!
行くぞ『剣聖』――!
思考が極限までクリアになり、身体中が戦意と剣気で満ちあふれてゆく――!
『剣聖』の戦闘モード発動とほぼ同じタイミングで、
「てりゃ~!」
ケンセーがのんきな声で――しかし爆発的な踏み込みからの、風を切るような鋭い右ハイキックを繰り出してきた。
それはへなちょこな運動神経のケンセーからは想像もできない、武術を極めた達人のムーブメント――!
「ほいっと――」
しかし俺はそれをしっかりと見切ると、十分な安全マージンをとってかわしてみせた。
ま、戦闘系の最強S級チート『剣聖』にとっては、これくらいは朝飯前だからな。
たいしたことない。
だけどそんな俺の回避行動を見たケンセーは、
「あれれ? 今のをセーヤくんがかわせるはずはないんだけど……まぐれ?」
キョトンとした顔をしながら首をかしげた。
アヒル口に人差し指を当てているのが実に可愛らしい。
「さーて、どうだろな?」
そして俺はというと、さっきの意趣返しとばかりに、ニヤリと笑ってすっとぼけてみせた。
「ふーん……。ま、なんでもいいや。なんにせよ、さすがはセーヤくんってことで」
ケンセーがニコッと笑う。
「だってまぐれでもかわしちゃうのはすごいよね! ほんとすごいすごい! ますます好きになっちゃった! 大好きセーヤくん!!」
はしゃぎながら言ったかと思うと、
「てりゃ~!」
再びのんきな声とともに、ケンセーがズドンと鋭く踏み込んでくる。
またもや右ハイキック――と見せかけての、今度は軌道を途中で変化させての打ち下ろしミドルキックだ――!
初見では『剣聖』ですらあわや被弾するかも――という研ぎ澄まされた変化技。
最初に頭部へと向かうことで意識を上にあげさせ、即座に鋭角に蹴り下ろしてガラ空きのボディを狙い撃つ。
流れるように美しい変化の軌道を描いた、射抜くようなピンポイントのミドルキックはしかし――、
「やっぱりな、この動きって――」
間違いない、見覚えがあるぞ。
これはチート能力だ――!
「よっと――!」
そしてまたもや俺はしっかりと見切って回避してみせたのだった。
「ケンセー、その力は蹴り技に特化した戦闘系A級チート『20世紀最後の暴君』だな?」
異世界転生してすぐ、ウヅキと初めて会った時にゴブリンを蹴散らすのに使った戦闘系上級チートだ。
多彩で鋭いキックによる圧倒的な制圧能力は、武器を持たない徒手空拳のルールならばかなうチートはおそらく存在しないだろう。
「……正解だよ。さすがはセーヤくんだね。むむっ? でもどーゆうこと……?」
ケンセーの顔が今度こそ、驚愕ではなく疑念の色に染まった。
「今のセーヤくんの動きはまぐれじゃなかった。うん、絶対にまぐれじゃかわせない攻撃だったもん。チートなしで丸腰なセーヤくんが、なんで今のを――」
そう言いかけたところで、ケンセーの視線があるものを見とがめて止まった。
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