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第六部「チート学園」 異世界転生 ??日目
第462話 激突
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ダメージを堪えながら壁に手をつくことなく立ち上がった俺を見て、ケンセーもその意図するところを察したのだろう。
「ほんと『剣聖』ってば嫌味なんだから……凄すぎてほんと嫌になっちゃう」
ケンセーが苦り切った表情でつぶやいた。
「でも――今度は私が勝つから。10000倍ブーストで、『剣聖』を越えた超最強チートに私はなる!」
高らかに宣言すると同時に、再び鋭い踏み込みでもって猛然と迫りくるケンセー。
「いっつもクールに見下すその高慢ちきな鼻っ柱、ここでへし折ってやるんだからっ!」
入れ込みすぎだろって心配になるくらいに血気にはやったケンセーを、
「やれるもんならやってみろ――!」
俺はどっしりと構えて迎え撃った――!
10000倍ブーストされた『20世紀最後の暴君』と、最強の『剣聖』with《2年S組の剣》の2度目の激突だ。
「てりゃ! てりゃりゃりゃりゃ!!」
ケンセーから繰り出される、目にもとまらぬ激烈な蹴り蹴り蹴り蹴りのキックの乱舞。
さっきはまったく対処できなかったその苛烈に過ぎる攻撃を――、
「ふ――っ、は――っ、よ――っ!」
俺はギリギリのところでかわし、いなし、逸らし、捌いてゆく――!
「むむむっ!? ならこう! てりゃぁ! てりゃってりゃ!!」
「せい――っ、ふっ、はぁ――!」
ケンセーの攻撃は豪雨の後の濁流のようにどんどんと激しさを増していくものの、それに合わせるように俺のディフェンスも精度を高めていき――ケンセーの攻撃はあと一歩のところで俺には届かない!
最強チート『剣聖』は、乱れ飛ぶ多彩なキックの連続攻撃をギリギリのところで防ぎぎってみせていた。
「このっ! てりゃ! この! てりゃりゃっ!!」
「は――っ、ほ――っ、ふん――!」
届きそうで決して届かせない、そんなハイレベルな攻防をしばらく繰り返したあと――、
「何をどうやっても防御されるんだけど……どういうこと? さっきは手も足も出なかったっていうのに」
ケンセーは動きをいったん止めると、怪訝な顔をしながら俺の方を見つめてきた。
「なんで防御できるのかな? なにそれ意味わかんないんだけど?」
「さぁなんでだろうな? 意外と10000倍もたいしたことないんじゃないか?」
「――っ! そんなわけないもん……! てりゃぁぁぁぁぁっっ!!」
俺の挑発にカッとなり、雄たけびを上げて三度、さらに激しく攻勢に出てきたケンセーを、しかし俺はまたもや完全にシャットアウトしてみせたのだった。
「うん、確かに半端ない攻撃なんだけどさ。おおむね慣れてきたかな」
「うそでしょ……? 慣れだけでこんなすぐに対処できるようになるわけない……いくら『剣聖』が戦うことに特化した最強のS級チートでも、10000倍ブーストした『20世紀最後の暴君』はそう簡単には対応できないはず……なにかやっているはず……なにか……なにか……」
そこまで言ったところでケンセーの視線がピタッと止まった。
見ているのは俺の顔――いや俺の目だ。
「やれやれ、やっとこさ気づいたか」
それを見て俺はニヤリと笑った。
俺の左目は今、金色に妖しく輝いていた――。
「ほんと『剣聖』ってば嫌味なんだから……凄すぎてほんと嫌になっちゃう」
ケンセーが苦り切った表情でつぶやいた。
「でも――今度は私が勝つから。10000倍ブーストで、『剣聖』を越えた超最強チートに私はなる!」
高らかに宣言すると同時に、再び鋭い踏み込みでもって猛然と迫りくるケンセー。
「いっつもクールに見下すその高慢ちきな鼻っ柱、ここでへし折ってやるんだからっ!」
入れ込みすぎだろって心配になるくらいに血気にはやったケンセーを、
「やれるもんならやってみろ――!」
俺はどっしりと構えて迎え撃った――!
10000倍ブーストされた『20世紀最後の暴君』と、最強の『剣聖』with《2年S組の剣》の2度目の激突だ。
「てりゃ! てりゃりゃりゃりゃ!!」
ケンセーから繰り出される、目にもとまらぬ激烈な蹴り蹴り蹴り蹴りのキックの乱舞。
さっきはまったく対処できなかったその苛烈に過ぎる攻撃を――、
「ふ――っ、は――っ、よ――っ!」
俺はギリギリのところでかわし、いなし、逸らし、捌いてゆく――!
「むむむっ!? ならこう! てりゃぁ! てりゃってりゃ!!」
「せい――っ、ふっ、はぁ――!」
ケンセーの攻撃は豪雨の後の濁流のようにどんどんと激しさを増していくものの、それに合わせるように俺のディフェンスも精度を高めていき――ケンセーの攻撃はあと一歩のところで俺には届かない!
最強チート『剣聖』は、乱れ飛ぶ多彩なキックの連続攻撃をギリギリのところで防ぎぎってみせていた。
「このっ! てりゃ! この! てりゃりゃっ!!」
「は――っ、ほ――っ、ふん――!」
届きそうで決して届かせない、そんなハイレベルな攻防をしばらく繰り返したあと――、
「何をどうやっても防御されるんだけど……どういうこと? さっきは手も足も出なかったっていうのに」
ケンセーは動きをいったん止めると、怪訝な顔をしながら俺の方を見つめてきた。
「なんで防御できるのかな? なにそれ意味わかんないんだけど?」
「さぁなんでだろうな? 意外と10000倍もたいしたことないんじゃないか?」
「――っ! そんなわけないもん……! てりゃぁぁぁぁぁっっ!!」
俺の挑発にカッとなり、雄たけびを上げて三度、さらに激しく攻勢に出てきたケンセーを、しかし俺はまたもや完全にシャットアウトしてみせたのだった。
「うん、確かに半端ない攻撃なんだけどさ。おおむね慣れてきたかな」
「うそでしょ……? 慣れだけでこんなすぐに対処できるようになるわけない……いくら『剣聖』が戦うことに特化した最強のS級チートでも、10000倍ブーストした『20世紀最後の暴君』はそう簡単には対応できないはず……なにかやっているはず……なにか……なにか……」
そこまで言ったところでケンセーの視線がピタッと止まった。
見ているのは俺の顔――いや俺の目だ。
「やれやれ、やっとこさ気づいたか」
それを見て俺はニヤリと笑った。
俺の左目は今、金色に妖しく輝いていた――。
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