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第六部「チート学園」 異世界転生 ??日目
第471話 13万5000 vs 30
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「にしてもビーム砲はないだろビーム砲は……チート波動砲って言ってたか?」
原理は単純、右の手の平にチートエネルギーを圧縮してチャージし、それを一気に放出したんだ。
しかしその威力ときたら、見ての通り文句なしに即死級だった。
《神焉竜》の《神焉の黒き炎》と同等かそれ以上の、対人技とは系統が異なる完全な広範囲殲滅攻撃だ。
「こんなもんまで使えるのかよ。なんだかんだで13万5000倍ブーストは伊達じゃねぇな……!」
そんな13万5000倍ブーストによるハイパワーを、ガンガン振り回してくるケンセーに対して、
「俺が今使えるチートは一体化しつつある『剣聖』と、2年S組に在籍していた約30種のチートだけか――」
13万5000vs30。
数の上では桁違いどころか4ケタ違いの圧倒的な数の差だ。
だけどそれを心細いなんて感じるような弱気な心は、俺には欠片もないのだった。
だって俺が手にしているチートたちときたら、『音速の貴公子』や『龍眼』『え? なんだって?』といった超強力なS級チートばかりなのだから!
「一緒に過ごして絆を深めた最高のチートたちがいてくれれば、そう簡単に負けはしない――!」
そうだよな、みんな!
俺の意思に応えるように《2年S組の剣》がブゥンと一度、小さく震える。
「「「おーっ!!」」」って、俺を後押しするようなチートっ子たちの声が聞こえた気がした。
みんなと想いを一つにした俺は、改めてケンセーの遠距離攻撃も念頭に戦略を修正しようとしていたんだけれど、
「あはっ、だいじょうぶだよ。そんなけいかいしなくても。だってほら、ちゃんとにげられたでしょ? そもそも飛び道具でせーやくんはころさないから」
ケンセーはそこで軽く言葉を切ると、うっとりとした表情で俺の顔を見つめてくる。
「せーやくんはちゃんとわたしのてで、ちょくせつ、ころしてあげるからね。じゃないとわたし、みたされないもん!」
「ああもう、こじらせてるなぁ……」
「ぜんぶせーやくんがいけないんだよ? もう、だいすきっ!」
イケナイと言いながら、その直後に脈絡もなくただただ心のおもむくままに俺への愛を叫んだケンセーは、またもや俺へと一直線に突っ込んできた。
「く――っ! わかっていてもやっぱ速い――!!」
体育館がガレキきすら残らず消し飛んで更地になった戦場は、壁や障害物が全くない回避の選択肢が極めて限られた完全平面フィールドだ。
このバトルフィールドにおいて、本能のおもむくままに振るわれるケンセーの暴力的で際限ない力の発露は、どこまでやっかいだった。
「くっそ徹頭徹尾スピードとパワーとでごり押しする気かよ――!」
遮るもののなくなったフィールドで繰り出されるケンセーの猛攻を、俺はどうにかこうにかしのいでいく。
「あは、せーやくんせーやくん!」
頬を紅潮させて俺の名前を繰り返し呼びながら、何度も何度も突進を重ねてくるケンセー。
俺はその動きを知覚系SS級チート『真なる龍眼』でかろうじて拾いながら、受け流し、いなしていった。
「もうせーやくんってば、いけずしないで!」
「いけずしてるわけじゃねー! てぃ――っ!」
もう何度目か分からないケンセーの突撃を、俺は上手く突進の軸をそらして威力を削いで受け流す。
今のケンセーは、『真なる龍眼』ですら動きを追いきれないほどの超スピードだ。
だけど俺だけしか見ず、俺以外の何も目に映っていないケンセーの動きは、単純な直線動作ばかりで、つまり動きはじめさえ補足できれば後の対処はそう難しくはないのだった。
そしてそれだけではない。
『真なる龍眼』と『剣聖』の最強コンビは、既にケンセーの速さとパワーにも慣れはじめていた――!
原理は単純、右の手の平にチートエネルギーを圧縮してチャージし、それを一気に放出したんだ。
しかしその威力ときたら、見ての通り文句なしに即死級だった。
《神焉竜》の《神焉の黒き炎》と同等かそれ以上の、対人技とは系統が異なる完全な広範囲殲滅攻撃だ。
「こんなもんまで使えるのかよ。なんだかんだで13万5000倍ブーストは伊達じゃねぇな……!」
そんな13万5000倍ブーストによるハイパワーを、ガンガン振り回してくるケンセーに対して、
「俺が今使えるチートは一体化しつつある『剣聖』と、2年S組に在籍していた約30種のチートだけか――」
13万5000vs30。
数の上では桁違いどころか4ケタ違いの圧倒的な数の差だ。
だけどそれを心細いなんて感じるような弱気な心は、俺には欠片もないのだった。
だって俺が手にしているチートたちときたら、『音速の貴公子』や『龍眼』『え? なんだって?』といった超強力なS級チートばかりなのだから!
「一緒に過ごして絆を深めた最高のチートたちがいてくれれば、そう簡単に負けはしない――!」
そうだよな、みんな!
俺の意思に応えるように《2年S組の剣》がブゥンと一度、小さく震える。
「「「おーっ!!」」」って、俺を後押しするようなチートっ子たちの声が聞こえた気がした。
みんなと想いを一つにした俺は、改めてケンセーの遠距離攻撃も念頭に戦略を修正しようとしていたんだけれど、
「あはっ、だいじょうぶだよ。そんなけいかいしなくても。だってほら、ちゃんとにげられたでしょ? そもそも飛び道具でせーやくんはころさないから」
ケンセーはそこで軽く言葉を切ると、うっとりとした表情で俺の顔を見つめてくる。
「せーやくんはちゃんとわたしのてで、ちょくせつ、ころしてあげるからね。じゃないとわたし、みたされないもん!」
「ああもう、こじらせてるなぁ……」
「ぜんぶせーやくんがいけないんだよ? もう、だいすきっ!」
イケナイと言いながら、その直後に脈絡もなくただただ心のおもむくままに俺への愛を叫んだケンセーは、またもや俺へと一直線に突っ込んできた。
「く――っ! わかっていてもやっぱ速い――!!」
体育館がガレキきすら残らず消し飛んで更地になった戦場は、壁や障害物が全くない回避の選択肢が極めて限られた完全平面フィールドだ。
このバトルフィールドにおいて、本能のおもむくままに振るわれるケンセーの暴力的で際限ない力の発露は、どこまでやっかいだった。
「くっそ徹頭徹尾スピードとパワーとでごり押しする気かよ――!」
遮るもののなくなったフィールドで繰り出されるケンセーの猛攻を、俺はどうにかこうにかしのいでいく。
「あは、せーやくんせーやくん!」
頬を紅潮させて俺の名前を繰り返し呼びながら、何度も何度も突進を重ねてくるケンセー。
俺はその動きを知覚系SS級チート『真なる龍眼』でかろうじて拾いながら、受け流し、いなしていった。
「もうせーやくんってば、いけずしないで!」
「いけずしてるわけじゃねー! てぃ――っ!」
もう何度目か分からないケンセーの突撃を、俺は上手く突進の軸をそらして威力を削いで受け流す。
今のケンセーは、『真なる龍眼』ですら動きを追いきれないほどの超スピードだ。
だけど俺だけしか見ず、俺以外の何も目に映っていないケンセーの動きは、単純な直線動作ばかりで、つまり動きはじめさえ補足できれば後の対処はそう難しくはないのだった。
そしてそれだけではない。
『真なる龍眼』と『剣聖』の最強コンビは、既にケンセーの速さとパワーにも慣れはじめていた――!
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