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異世界転生 25日目
第520話 「約束だからね? ね? ね?」
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「えっと、グレンがこの街の周囲を警戒してくれてる、だって?」
俺は若干の敵意と、少なくない疑念と、ありありとした不審を込めた視線をグレンに向けたんだけど、
「こたびの一件ではティモテ殿をはじめ多くの者に迷惑をかけた故な。結果として《魔神》は倒され、《魔王》も2度と転生することはなくなった。これまでの詫びと礼も兼ねてしばらくの間、我が力を貸せはしないかと思うての」
グレンは俺の鋭い視線なんてどこ吹く風で、渋い顔にわずかに笑みを忍ばせながら、飄々とそんなことを言って返すのである。
「悪いけどグレン、俺はそこまでアンタのことを信用はできないんだ」
《剣の魔将》グレンの強さは他でもない、この俺が一番わかっている。
グレンが一度その気になれば、いつでもティモテや女の子たちの命をとれるんだ。
そんな危険人物を近くに置いておくわけには――、
「まぁ待てマナシロ・セーヤ。ワシを信じられぬ気持ちは重々承知しておる。が、しかし少し考えてもみよ。もしワシにその気があれば、ここずっとお主が倒れておる間にいくらでもチャンスはあったろうて」
「それはまぁそうだな……」
俺が約1週間ほどぶっ倒れていた間、平穏無事にみんなが過ごせていたことは確かにグレンに害意がなかったことの裏返しではあるか……。
気分屋だけど勘の鋭い《神焉竜》も、グレンについて特に何も言っていなかったしな。
「どうやら納得とまではいかなくとも理解はできたようじゃの。そういうわけでしばらくこの街に厄介になる故、よろしく頼むぞ《神滅覇王》マナシロ・セーヤ」
そう言ってグレンは右手を差し出してきた。
「まぁそういうことなら……」
ぶっちゃけた話、グレンが仲間になってくれれば、これほど心強いことはない。
ムラッ気の強い《神焉竜》やフリーダムすぎてすぐにどっか行く精霊さん、時々ちょっとヌケてるシロガネと違って、理性的に行動し、かつ小回りの利く技を多数持つグレンは、同じSS級でも安定感が段違いだ。
「ただし少しでも不穏な動きをしたら――俺はアンタを斬る。一片の容赦もなくな」
言いながら俺は左手を日本刀の鞘にやると、
チャキッ。
親指で刀の鍔を押し上げて鯉口を切った。
「もちろん、好きにするがよい」
けれどそんな俺の脅しにも、グレンは全く動じた様子を見せはしない。
――ったく、今のがただの脅しだって完全に見透かしてやがるもんな。
「やれやれ……」
俺は100%ではないにしても、とりあえずのところは納得することにして、差し出されたグレンの右手を握り返した。
「交渉成立だの」
「ああそうだ1つだけ。ここにいるからにはみんなと仲良くしてくれよな?」
「心得ておこう」
「特に《神焉竜》は半端なくキレやすい性格だからさ。あまりイラつかせないでほしい――いえ、イラつかせないようにどうかいい感じにお願いします、ほんっとお願いします」
俺はガバッと頭を下げると、最後は懇願するようにお願いした。
「SSS級の《魔神》すら打ち破った《神滅覇王》マナシロ・セーヤがそうまで言うのだ、肝に銘じておこう」
「約束だからね? ね? ね?」
「う、うむ……最大限の努力を約束しよう」
俺のあまりに必死すぎる姿に、さすがのグレンも困惑を隠せないでいた。
でもほんと《神焉竜》を怒らせると怖いんだからね?
こうして《剣の魔将》グレンは、しばらくの間アウド街に滞在することになったのだった。
俺は若干の敵意と、少なくない疑念と、ありありとした不審を込めた視線をグレンに向けたんだけど、
「こたびの一件ではティモテ殿をはじめ多くの者に迷惑をかけた故な。結果として《魔神》は倒され、《魔王》も2度と転生することはなくなった。これまでの詫びと礼も兼ねてしばらくの間、我が力を貸せはしないかと思うての」
グレンは俺の鋭い視線なんてどこ吹く風で、渋い顔にわずかに笑みを忍ばせながら、飄々とそんなことを言って返すのである。
「悪いけどグレン、俺はそこまでアンタのことを信用はできないんだ」
《剣の魔将》グレンの強さは他でもない、この俺が一番わかっている。
グレンが一度その気になれば、いつでもティモテや女の子たちの命をとれるんだ。
そんな危険人物を近くに置いておくわけには――、
「まぁ待てマナシロ・セーヤ。ワシを信じられぬ気持ちは重々承知しておる。が、しかし少し考えてもみよ。もしワシにその気があれば、ここずっとお主が倒れておる間にいくらでもチャンスはあったろうて」
「それはまぁそうだな……」
俺が約1週間ほどぶっ倒れていた間、平穏無事にみんなが過ごせていたことは確かにグレンに害意がなかったことの裏返しではあるか……。
気分屋だけど勘の鋭い《神焉竜》も、グレンについて特に何も言っていなかったしな。
「どうやら納得とまではいかなくとも理解はできたようじゃの。そういうわけでしばらくこの街に厄介になる故、よろしく頼むぞ《神滅覇王》マナシロ・セーヤ」
そう言ってグレンは右手を差し出してきた。
「まぁそういうことなら……」
ぶっちゃけた話、グレンが仲間になってくれれば、これほど心強いことはない。
ムラッ気の強い《神焉竜》やフリーダムすぎてすぐにどっか行く精霊さん、時々ちょっとヌケてるシロガネと違って、理性的に行動し、かつ小回りの利く技を多数持つグレンは、同じSS級でも安定感が段違いだ。
「ただし少しでも不穏な動きをしたら――俺はアンタを斬る。一片の容赦もなくな」
言いながら俺は左手を日本刀の鞘にやると、
チャキッ。
親指で刀の鍔を押し上げて鯉口を切った。
「もちろん、好きにするがよい」
けれどそんな俺の脅しにも、グレンは全く動じた様子を見せはしない。
――ったく、今のがただの脅しだって完全に見透かしてやがるもんな。
「やれやれ……」
俺は100%ではないにしても、とりあえずのところは納得することにして、差し出されたグレンの右手を握り返した。
「交渉成立だの」
「ああそうだ1つだけ。ここにいるからにはみんなと仲良くしてくれよな?」
「心得ておこう」
「特に《神焉竜》は半端なくキレやすい性格だからさ。あまりイラつかせないでほしい――いえ、イラつかせないようにどうかいい感じにお願いします、ほんっとお願いします」
俺はガバッと頭を下げると、最後は懇願するようにお願いした。
「SSS級の《魔神》すら打ち破った《神滅覇王》マナシロ・セーヤがそうまで言うのだ、肝に銘じておこう」
「約束だからね? ね? ね?」
「う、うむ……最大限の努力を約束しよう」
俺のあまりに必死すぎる姿に、さすがのグレンも困惑を隠せないでいた。
でもほんと《神焉竜》を怒らせると怖いんだからね?
こうして《剣の魔将》グレンは、しばらくの間アウド街に滞在することになったのだった。
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