559 / 566
異世界転生 26日目
第530話 「お前は大きな勘違いしている」
しおりを挟む
「えっとあの、だって、この前もさんざん脅しに脅して帰ったじゃないですか……」
半泣きになりながら、それでもココは必死に勇気を振り絞って《神焉竜》にくらいついてみせた。
だというのに――、
「? キサマは何の話をしておるのじゃ?」
「ええぇぇっ!?」
何を言っとんじゃこいつは?って感じで首を傾げた《神焉竜》に、ココの顔がありえねぇ!って感じに引き攣った。
「えっと、ちょっと前、《神滅覇王》に恭順を誓うかそれとも滅びるか今すぐ選べって迫ってきたじゃないですか……?」
ああ……それな。
それを聞いて俺はあることに思い至ったよ。
あれだよ、時期的にはトワと出会った前後かな。
南方大森林の東側1/3を切り取ってきたとか《神焉竜》が自慢げに言ってきた時のことだと思う。
森の民を脅してまわったあげく、エルフの秘宝をカツアゲしてきたんだよな……。
結果的に俺はその秘宝のおかげでトワ=《スサノオ》の荷電粒子砲を封じることができて、命を救われたから強くは言えないんだけど。
「なんじゃ、そのことか。キサマらに己の生き死にを選らばせてやろうなどと、妾もずいぶんと丸くなったものよのぅ」
「えぇぇぇぇ……?」
うわぁ、すごい理論……。
しかもマジのガチで言ってるんだもんなぁ。
「で、それがどうしたのじゃ?」
「いえその、《神焉竜》さんが来ると、なんていうか、みんなが怯えるって言うか――」
「殺すぞ」
「ひぃぃ――っ!?」
《神焉竜》の殺気が暴力的なほどに爆発した。
「待て待て《神焉竜》! 早まるな!!」
俺は《神焉竜》が言い終わる前に即座に反応すると、《神焉竜》に飛びかかり後ろからぎゅむっとその身体を抱きしめた。
前に『妾が殺すと言った時、それはすでに殺した後なのじゃ』とかなんとか笑えないセリフを言ってたからな。
精霊さんとの知恵比べでガーゴイルをぶっ壊した時だったかな。
いやー危ないところだった。
殺人事件が起こってしまう前にギリギリ間に合ってよかったよ。
「止めるでない主様。妾は今より、この道理を知らぬ愚かなケモノがいったい誰にモノを言うたか、あの世で後悔するまで徹底的に教え込んでやらねばならぬのじゃからの」
「だから待てって言ってるだろ!? まず《神焉竜》、お前は大きな勘違いしている」
「勘違いじゃと……?」
「そうだ、勘違いだ。ココはな、ただ見るだけで怯えてしまうほどにお前のことが強く尊い最強の存在であるって言ったんだ。つまり今のはお前のことをこれ以上なく褒めたんだよ!」
「褒めたのじゃ?」
「そうだ! ストロングでノーブルなお前が来ると、畏れ多くてもはや日常生活もままならないって言ったんだよ。だよな、ココ!?」
非言語コミュニケーション系S級チート『目は口ほどにものを言う』発動!
俺は、視線だけで相手になんとなく言いたいことを伝えるS級チートを発動すると、《神焉竜》から見えないように必死にウインクをしてココに話を合わせてくれるようアイコンタクトをとった。
その甲斐もあって、
「あ、うん、そう意味だったの! ごめんなさい言葉足らずで! 反省しています!」
ココがうまいこと話を合わせてくれる。
「なんじゃ、そう言うことであったのか。そうならそうと早く言うのじゃ。危うく消し炭にするところじゃったではないか」
「あ、はい、以後気を付けます!」
その言葉と共に《神焉竜》が放っていた恐ろしいほどの殺気が霞のように薄れていく。
ほっ、どうにか事なきを得たようだな……んもう、《神焉竜》ったらすぐキレるんだから……。
「そう言うわけだから、おまえはちょっとお留守番していてくれ。すぐ帰って来るからさ」
「……主様にそうまで言われては仕方ないの。やれやれまったく偉大すぎるというのも時に不便なものじゃ」
「分かってくれて嬉しいよ、うん……」
でも俺もだいぶん《神焉竜》の取り扱いに慣れてきた感あるよね。
この手際の良さと来たら、そろそろ《神焉竜》マイスターを名乗ってもいいんじゃないだろうか?
――とまぁそんなこんながあって。
俺は『ちび太』を直してもらうべく、ココと一緒にココの生まれた村へ向かうことになったのだった。
半泣きになりながら、それでもココは必死に勇気を振り絞って《神焉竜》にくらいついてみせた。
だというのに――、
「? キサマは何の話をしておるのじゃ?」
「ええぇぇっ!?」
何を言っとんじゃこいつは?って感じで首を傾げた《神焉竜》に、ココの顔がありえねぇ!って感じに引き攣った。
「えっと、ちょっと前、《神滅覇王》に恭順を誓うかそれとも滅びるか今すぐ選べって迫ってきたじゃないですか……?」
ああ……それな。
それを聞いて俺はあることに思い至ったよ。
あれだよ、時期的にはトワと出会った前後かな。
南方大森林の東側1/3を切り取ってきたとか《神焉竜》が自慢げに言ってきた時のことだと思う。
森の民を脅してまわったあげく、エルフの秘宝をカツアゲしてきたんだよな……。
結果的に俺はその秘宝のおかげでトワ=《スサノオ》の荷電粒子砲を封じることができて、命を救われたから強くは言えないんだけど。
「なんじゃ、そのことか。キサマらに己の生き死にを選らばせてやろうなどと、妾もずいぶんと丸くなったものよのぅ」
「えぇぇぇぇ……?」
うわぁ、すごい理論……。
しかもマジのガチで言ってるんだもんなぁ。
「で、それがどうしたのじゃ?」
「いえその、《神焉竜》さんが来ると、なんていうか、みんなが怯えるって言うか――」
「殺すぞ」
「ひぃぃ――っ!?」
《神焉竜》の殺気が暴力的なほどに爆発した。
「待て待て《神焉竜》! 早まるな!!」
俺は《神焉竜》が言い終わる前に即座に反応すると、《神焉竜》に飛びかかり後ろからぎゅむっとその身体を抱きしめた。
前に『妾が殺すと言った時、それはすでに殺した後なのじゃ』とかなんとか笑えないセリフを言ってたからな。
精霊さんとの知恵比べでガーゴイルをぶっ壊した時だったかな。
いやー危ないところだった。
殺人事件が起こってしまう前にギリギリ間に合ってよかったよ。
「止めるでない主様。妾は今より、この道理を知らぬ愚かなケモノがいったい誰にモノを言うたか、あの世で後悔するまで徹底的に教え込んでやらねばならぬのじゃからの」
「だから待てって言ってるだろ!? まず《神焉竜》、お前は大きな勘違いしている」
「勘違いじゃと……?」
「そうだ、勘違いだ。ココはな、ただ見るだけで怯えてしまうほどにお前のことが強く尊い最強の存在であるって言ったんだ。つまり今のはお前のことをこれ以上なく褒めたんだよ!」
「褒めたのじゃ?」
「そうだ! ストロングでノーブルなお前が来ると、畏れ多くてもはや日常生活もままならないって言ったんだよ。だよな、ココ!?」
非言語コミュニケーション系S級チート『目は口ほどにものを言う』発動!
俺は、視線だけで相手になんとなく言いたいことを伝えるS級チートを発動すると、《神焉竜》から見えないように必死にウインクをしてココに話を合わせてくれるようアイコンタクトをとった。
その甲斐もあって、
「あ、うん、そう意味だったの! ごめんなさい言葉足らずで! 反省しています!」
ココがうまいこと話を合わせてくれる。
「なんじゃ、そう言うことであったのか。そうならそうと早く言うのじゃ。危うく消し炭にするところじゃったではないか」
「あ、はい、以後気を付けます!」
その言葉と共に《神焉竜》が放っていた恐ろしいほどの殺気が霞のように薄れていく。
ほっ、どうにか事なきを得たようだな……んもう、《神焉竜》ったらすぐキレるんだから……。
「そう言うわけだから、おまえはちょっとお留守番していてくれ。すぐ帰って来るからさ」
「……主様にそうまで言われては仕方ないの。やれやれまったく偉大すぎるというのも時に不便なものじゃ」
「分かってくれて嬉しいよ、うん……」
でも俺もだいぶん《神焉竜》の取り扱いに慣れてきた感あるよね。
この手際の良さと来たら、そろそろ《神焉竜》マイスターを名乗ってもいいんじゃないだろうか?
――とまぁそんなこんながあって。
俺は『ちび太』を直してもらうべく、ココと一緒にココの生まれた村へ向かうことになったのだった。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
男女比がおかしい世界の貴族に転生してしまった件
美鈴
ファンタジー
転生したのは男性が少ない世界!?貴族に生まれたのはいいけど、どういう風に生きていこう…?
最新章の第五章も夕方18時に更新予定です!
☆の話は苦手な人は飛ばしても問題無い様に物語を紡いでおります。
※ホットランキング1位、ファンタジーランキング3位ありがとうございます!
※カクヨム様にも投稿しております。内容が大幅に異なり改稿しております。
※各種ランキング1位を頂いた事がある作品です!
初期スキルが便利すぎて異世界生活が楽しすぎる!
霜月雹花
ファンタジー
神の悪戯により死んでしまった主人公は、別の神の手により3つの便利なスキルを貰い異世界に転生する事になった。転生し、普通の人生を歩む筈が、又しても神の悪戯によってトラブルが起こり目が覚めると異世界で10歳の〝家無し名無し〟の状態になっていた。転生を勧めてくれた神からの手紙に代償として、希少な力を受け取った。
神によって人生を狂わされた主人公は、異世界で便利なスキルを使って生きて行くそんな物語。
書籍8巻11月24日発売します。
漫画版2巻まで発売中。
バーンズ伯爵家の内政改革 ~10歳で目覚めた長男、前世知識で領地を最適化します
namisan
ファンタジー
バーンズ伯爵家の長男マイルズは、完璧な容姿と神童と噂される知性を持っていた。だが彼には、誰にも言えない秘密があった。――前世が日本の「医師」だったという記憶だ。
マイルズが10歳となった「洗礼式」の日。
その儀式の最中、領地で謎の疫病が発生したとの凶報が届く。
「呪いだ」「悪霊の仕業だ」と混乱する大人たち。
しかしマイルズだけは、元医師の知識から即座に「病」の正体と、放置すれば領地を崩壊させる「災害」であることを看破していた。
「父上、お待ちください。それは呪いではありませぬ。……対処法がわかります」
公衆衛生の確立を皮切りに、マイルズは領地に潜む様々な「病巣」――非効率な農業、停滞する経済、旧態依然としたインフラ――に気づいていく。
前世の知識を総動員し、10歳の少年が領地を豊かに変えていく。
これは、一人の転生貴族が挑む、本格・異世界領地改革(内政)ファンタジー。
『スローライフどこ行った?!』追放された最強凡人は望まぬハーレムに困惑する?!
たらふくごん
ファンタジー
最強の凡人――追放され、転生した蘇我頼人。
新たな世界で、彼は『ライト・ガルデス』として再び生を受ける。
※※※※※
1億年の試練。
そして、神をもしのぐ力。
それでも俺の望みは――ただのスローライフだった。
すべての試練を終え、創世神にすら認められた俺。
だが、もはや生きることに飽きていた。
『違う選択肢もあるぞ?』
創世神の言葉に乗り気でなかった俺は、
その“策略”にまんまと引っかかる。
――『神しか飲めぬ最高級のお茶』。
確かに神は嘘をついていない。
けれど、あの流れは勘違いするだろうがっ!!
そして俺は、あまりにも非道な仕打ちの末、
神の娘ティアリーナが治める世界へと“追放転生”させられた。
記憶を失い、『ライト・ガルデス』として迎えた新しい日々。
それは、久しく感じたことのない“安心”と“愛”に満ちていた。
だが――5歳の洗礼の儀式を境に、運命は動き出す。
くどいようだが、俺の望みはスローライフ。
……のはずだったのに。
呪いのような“女難の相”が炸裂し、
気づけば婚約者たちに囲まれる毎日。
どうしてこうなった!?
最強無敗の少年は影を従え全てを制す
ユースケ
ファンタジー
不慮の事故により死んでしまった大学生のカズトは、異世界に転生した。
産まれ落ちた家は田舎に位置する辺境伯。
カズトもといリュートはその家系の長男として、日々貴族としての教養と常識を身に付けていく。
しかし彼の力は生まれながらにして最強。
そんな彼が巻き起こす騒動は、常識を越えたものばかりで……。
天才女薬学者 聖徳晴子の異世界転生
西洋司
ファンタジー
妙齢の薬学者 聖徳晴子(せいとく・はるこ)は、絶世の美貌の持ち主だ。
彼女は思考の並列化作業を得意とする、いわゆる天才。
精力的にフィールドワークをこなし、ついにエリクサーの開発間際というところで、放火で殺されてしまった。
晴子は、権力者達から、その地位を脅かす存在、「敵」と見做されてしまったのだ。
死後、晴子は天界で女神様からこう提案された。
「あなたは生前7人分の活躍をしましたので、異世界行きのチケットが7枚もあるんですよ。もしよろしければ、一度に使い切ってみては如何ですか?」
晴子はその提案を受け容れ、異世界へと旅立った。
ギルドの片隅で飲んだくれてるおっさん冒険者
哀上
ファンタジー
チートを貰い転生した。
何も成し遂げることなく35年……
ついに前世の年齢を超えた。
※ 第5回次世代ファンタジーカップにて“超個性的キャラクター賞”を受賞。
※この小説は他サイトにも投稿しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる