雪女と鬼の長

河伊

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仲直りの主従ごっこ※

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不本意だが、六花は酒吞の寵愛を受けている。当然他の妻たちからしたら、六花の存在は邪魔で追い出したいはずだ。

郷から出たい六花と、六花を郷から追い出したいはずの妻たち。利害は一致する。六花は郷から脱出するため、妻たちのと協力作戦を実行することにした。



そうと決まればまず情報収集だ。六花はまだ酒吞の妻が自分の他に4人いることしか知らない。
酒吞とは極力関わりたくないし、六花の脱出作戦に勘付かれたら終わりだから詳しくは聞けない。となると聞けるのはトキだけだ。

「トキ、私以外の妻について教えてほしい。どんな人達なの?」
「どんな、と聞かれると困りますね。どの方も美しく優れた血筋の方々ですが……六花様の方がお美しいですよ」
「どの人も良い家の出なんだよね? 鬼の郷の勢力とか派閥とか、そういうことから教えてほしいな。私、まだこの場所のこと何も知らないから」

あわよくば『上昇志向が高い』や『権力欲が強い』という家を知りたい。そういう家の方が六花を邪魔に思っているはずだ。

「そうですね。六花様もある程度は知っておいたほうがよろしいです。この郷は酒吞様と4人の臣下様で成り立っております」

郷は5つに分かれており、酒吞の直轄領と4人の臣下それぞれの領地に分かれている。住民は皆、酒吞直属か4つの家のどれかに属していることになる。そして4つの家はそれぞれ、酒吞に一族の娘を嫁がせているのだ。

「当然のことながら、酒吞様の部下には直轄領のものが多いです。私も直轄領の民なので、他の派閥を気にすることなく六花様のお世話ができているというわけです。
4人の臣下様は『花』『虫』『風』『月』の1字を与えられていて、『花の家』といった形で呼ばれています」
「『虫』? 花鳥風月じゃないの? 『鳥』の家は?」
「鳥の家は昔ありましたが、一族は途絶えてしまいました。その後に入ったのが虫の家でございます」

花の家の長が熊童子(くまどうじ)、虫の家は金童子(かねどうじ)、風の家は虎熊童子(とらくまどうじ)、月の家は星熊童子(ほしくまどうじ)とトキは教えてくれたが、六花は聞き流した。家の長に興味はない。大切なのはその家が出した妻たちだ。

「それで? 花虫風月の家の妻はどんな人達?」
「奥方たちを名前で呼ぶことはあまりなく、通常『花の御方』といった形で呼ばれます。六花様の場合は『雪の御方』ですね。それでは花虫風月の順番で話しますね。

まずは花の御方・檜扇(ひおうぎ)様。4人の奥方の中では一番若いです。派手好きで裕福な花の家の財力で着飾っては、頻繁に催し物を開いて人を集めています。六花様が来るまでは1番寵愛を受けていました。

次は虫の御方・蛍(ほたる)様。深窓の令嬢といったご様子で、大人しく物静かです。表情もあまり変わらず何をお考えかよくわかりません。そのせいか酒吞様の通いも少なく、寵愛争いには遅れています。

次は風の御方・野分(のわき)様。自由奔放で色っぽい美女です。酒吞様の妻でありながら男を集めて夜な夜な騒いでいるとのお噂が……しかし酒吞様は黙認されています。妻の座に留める理由などないと思いますが。

最後に月の御方・あたら夜様。今の奥方の中で1番の古株で、良識ある素晴らしいお方です。そのため酒吞様からの信頼も厚く、1番丁重に扱われている妻です。あ、もちろん六花様の方が丁重に扱われていますよ? 過去に1度だけ酒吞様の御子を身ごもったことがありますが、流産してしまいました。あの時はお気の毒でした」
「なるほど」

話を聞いた限り、六花を1番邪魔だと感じているのは花の御方・檜扇だろう。六花が来るまでは自分が1番の酒吞のお気に入りだったのだ。なのにぽっと出の新入りに寵愛を奪われては面白くないに違いない。頻繁に催し物を開いているのは味方を増やすためや勢いの誇示のためだろうし、権力争いに意欲的のようだ。

花の家に協力してもらって、六花はこの郷を出ると決めた。そのためには檜扇や花の家と接触しなければならない。

「妻たちと出会う機会はあるの? 私はこの屋敷に閉じ込められてるけど、他の妻たち同士で交流はあったりする?」
「季節の行事では全員が一同に会しますよ。直近だと来週の端午の節句でございます」
「私もそれに出られる?」
「それは……酒吞様がお決めになることですから……」
「……」

トキが同情的な顔で六花を見てくる。六花は唇を噛み締めた。嫌々、本当に嫌々だが酒吞に媚を売り、端午の節句の行事に出させてもらうようお願いしなければならない。




✻✻✻✻✻✻

昨夜、六花が怒って追い出したため、今夜の酒吞はしおらしく静々と六花の屋敷にやってきた。手には土産の饅頭を持っている。

酒吞は人影が見えるとビクッと体を揺らしたが、それがトキだと気づいてほっとした風になった。

「トキ。今日の六花の機嫌はどうだ」
「ご自分でお確かめになってはいかがですか。六花様は自室においでです」

それだけ言うとトキは奥の部屋に引っ込んでしまった。口調も態度もいつも通りのトキで何の情報も得られなかった。酒吞はまだ六花が怒っているのではないかと緊張しながら、六花の部屋に向かった。そして部屋の前の襖の前で立ち止まる。

「……六花、俺だ。昨日は悪かった。部屋に入れてくれないか」

返事はない。

「土産の饅頭を持ってきた。一緒に食べないか」

またしても返事はない。だが酒吞はめげずに話し続ける。

「おぬしの嫌がることをして悪かった。ここに閉じ込めている時点でおぬしの自由を奪っているというのに、調子に乗った。昨日も言った通り、他の妻とは離縁する。俺にはおぬしだけだ。何よりも大切にする。だからどうか、この哀れな男に情けをかけてはくれまいか」
「……お前がこの哀れな女に情けをかけてくれるなら考える」
「! 六花!」
「トキからもうすぐ端午の節句の行事があると聞いた。そこに私も連れて行け」
「ああ、ああ、わかった」
「それから夜の通いをもう少し減らせ。体が保たない。週3にしろ」
「それは無理だ。週5がよい」
「……間を取って週4」
「駄目だ。週5」
「……お前本当に反省してるのか?」

六花の呆れたような声に酒吞は慌てた。

「勿論だ! 反省している。だからこそ週7だったのを週5にしようと言っておるのではないか!」
「じゃあ1日の回数を減ら」「それも無理だ」

顔も合わせず襖を挟んだ言い合いは停滞した。沈黙が流れる。
はあ、と六花の微かなため息が廊下に漏れた。

「……結界の妖力封じをもう少し弱めろ。これじゃあろくに氷も作れない」
「わ、わかった。では週6」「週5だ!」
「あいわかった。夜伽は週5にしよう。だからもう中に入ってもいいか?」

スッと襖が開いた。夜着姿の六花が酒吞を中に招き入れる。

「好いた女の許しを得て入るのはいいものだな」
「いつもは無許可だったからな」
「そうツンケンするな。これから仲直りするのだから」
「お前の魔羅を私のまんこに入れることが仲直りか?」
「言い方というものがあるだろう……ではこうしよう。今日、俺はおぬしの言う通りに動くぞ。どこに触れてほしいか言ってくれ。それ以上のことはしない」

(じゃあ帰れと言えば帰るのか?)と言いかけて六花はぐっと堪えた。六花の脱出計画には「酒吞の寵愛を得て他の妻たちの邪魔となること」が前提条件だ。邪魔者でなければわざわざ追い出す理由もない。脱出のためにも酒吞を夢中にしておかなければならない。
はーっ、と息を吐いた後、六花は酒吞に向かって言った。

「……抱きしめろ」
「はいはい」

酒吞の肉厚で硬い体が六花を覆う。体温が高くて熱いが嫌な温もりではない。ぎゅうぎゅうと抱きしめられ、酒吞の匂いをかぎ六花はだんだん力を抜いていく。

(素肌で抱きしめられたほうがいいな)

六花は酒吞の胸板を押しのけると「脱げ」と言った。酒吞は少し目を見開いた後少し笑い、「承知した」と服を脱いだ。六花も自分で夜着を脱ぎ捨てた。

「もう1度抱きしめろ」

肌と肌がくっつき、六花の柔い肉が酒吞の体で押し潰される。傷と筋肉でデコボコの体に六花は抱きついて頬ずりする。

(なんで抱きしめられてるだけで気持ちいいんだろう……胸にもまんこにも触られてないのに。ずっとこうしていたい……)

しかし六花の腹に硬いものが押し付けられるのを感じた。六花をさらに気持ちよくするものだ。このぬるま湯のような心地よさもいいが、六花はもっと激しい快感がほしくなった。

六花は酒吞から離れ自分の股を触った。まだあまり濡れていなかった。すると六花は酒吞の手を取り自らの股へ導いた。

「ココを濡らせ」
「……仰せのままに」

酒吞は六花を抱き上げると布団の上に横たえた。その時、六花の口に一瞬口づけしたのを六花は咎めた。

「私の指示していないことはするな」
「これは失礼した。では姫君、脚を開いてもらえるか」
「いつから私が姫に……」
「鬼の長を傅かせているのだ。姫のようなものだろう」

酒吞に促されるまま六花は脚を開いた。その股ぐらに酒吞は顔を埋め、茂みの中をレロリと舐める。割れ目をねっとりなぞるのを繰り返され、六花は震えた。

れろ、ねちゅ、べろり……♡

「んうっ、ん、ああ……♡」
「姫様、俺はどれくらい舐めればいい?」
「あっ、わ、私がいいって言うまで♡」
「承った」
「ぅ、ああっ!?♡」

その瞬間、ぐりゅっと陰核を強く刺激された。そのままパクリと口に入れられレロレロレロと激しく速い間隔で舐められ続ける。

レロレロレロ、こりっこりっぐりゅっ、ちゅるぢゅるるるる♡♡

「アアッ、やっ♡吸ってなんて言ってなぃ♡ダメ、やめて♡」
「いやいや、まだまだ濡れていない」
「もういいアッ、らめっ♡」

ぬちゅり……

舌が媚肉をかき分けナカに入り込んだ。じゅぽ♡じゅぽ♡と舌を出し入れされて膣道の浅いところを擦られる。そして指でコリコリと花芯まで捏ねられた。

じゅるるるるる、ぬぽ、じゅぽ、にゅぽ♡
コリコリコリ♡ぐりぐり♡こりゅっ♡

「ア~~~~っっ、どうじは、だめ♡やあっ♡ひいっ♡」
「姫、お加減はどうか。もう濡れそうか?」
「ぬれてるッ♡もうぬれてるのッ♡♡うっ、ひあっ♡」
「もうすぐか……」

酒吞は花芯を虐めていた指を今度はナカに突き入れた。そして花芯の方にじゅっと吸い付き再びコリコリとねぶる。
にゅくにゅくっぐちゅ、くちゅくちゅ♡と指を出し入れされながら、花芯をれろれろと舐められる。舌と指の位置を逆にして責めを続ける。六花は翻弄されて、腰を浮かせくねくねと動いてしまう。

「姫、姫はどっちが舌でどちらが指がいい?」
「アアッ、そんにゃの♡、わかんないっっ♡あんっ♡ いやっ! かまないでぇっ!♡」
「どっちがいい?」
「ハァア、あ、どっちも♡どっちも、きもちいいっっ♡♡んお~~~~~っっっ!!!♡♡♡」

プシャアアアアア♡♡♡

六花は絶頂した。撒き散らされた潮は酒吞にもかかった。しかし酒吞は気にする様子もなく、潮を手で拭った。
ハアハアと息を整える六花に酒吞は次の指示を乞う。

「姫、これで十分濡れたろう。次は何をすればいい?」
「……みず。水が飲みたい」

酒吞は水差しから水を口に含むと、六花に口移しで飲ませた。普通に飲ませてほしかったが、六花は抵抗せず水を飲んだ。
そのまま酒吞は六花の口内に舌を入れた。ぬちゅ♡んちゅ♡と唾液の交換をする。

(んん♡くちすい♡すき♡♡)

六花は酒吞の首に腕を回し、夢中で舌を絡ませた。熱くて柔らかい酒吞の舌は、ざらざらトロトロと上顎や内頬を舐めてくる。

ちゅ♡ちゅる♡ちゅっ♡

接吻の最中、酒吞は六花の胸に手を伸ばし、もにゅもにゅ♡と悪戯してくる。口を塞がれているから六花は言い咎められなかった。口を離して酒吞に注意するより、今目の前の接吻の方が大事だった。

どれくらい口をくっつけていただろうか。唇がひりひり痛くなってきたくらいになって、ようやく六花は口づけをやめた。とろとろの蕩け切った顔で酒吞をぼんやり見上げる。何かを期待している顔。しかし今日の酒吞は六花の指示通りにしか動かない。

「六花、次はどうしてほしい?」
「次……」

潮を吹いた後も愛液は留まることを知らず六花の陰部はびしょ濡れだ。
六花は自ら脚を開き、恥丘を指でくぱあ♡と押し広げた。

「ココに、挿れろ」
「……何を?」
「ココに、お前の魔羅を挿れろ」
「承知した」

酒吞の陰茎はとっくにそそり立っている。よく見たら肉棒は濡れていた。

「もう精液を出したのか? その割には白くないが」
「ん? いやこれは精液ではない。先走りの汁よ。我慢していると精液より先に出てしまう」
「そういうものか……ぁ……♡」

濡れた六花の秘部に酒吞の陰茎が押し当てられた。そのままゆっくり、にゅぷぷぷ♡と膣に侵入する。

「~~~~~~っっ♡、んはっ♡」
「だいぶ慣れてきたな。動いていいか?」
「いい……、あ♡あっ♡ふぁっ♡」
「姫、こうやって浅いところを擦られるのと」

ずず…ぬちゃ♡にゅちゅ…ぬっぷ♡

「ああ……♡やぁん……♡」
「こうやって奥を突かれるの、どっちがいい?」

どちゅっ!♡ぱんっ!♡ぱちゅっ♡!

「アッ! っあ!♡ ひいっ♡ わ、わかんないっ! どっちもしゅき!♡」
「指示してもらわないとわからんな」

ピタリと酒吞は動きを止めた。粘膜が擦れる水音も肉がぶつかる音もしなくなった。六花のハアハアと激しい息だけが聞こえる。
六花の下腹はきゅうきゅう♡と酒吞の陰茎をきついほどに締め付けていて、快感を求めて腰が揺れ始めた。しかしそれだけでは足りない。もっと気持ちよくなりたい。

「動いて……」
「どんな風に?」
「いつもみたいに」
「いつもって、色々やっているが」
「っ、もう、好きに動いていい!」
「仰せのままに」

どっっ…ちゅっ!!♡
ぱちゅっ♡ぱちゅ♡ぢゅぱっ♡ぱちゅんっ♡

「アッアッ、それ♡きもちいいっっ♡♡、しゅき♡♡」
「そうか。今日はこっちを触ってなかったな」

酒吞は六花の乳首を軽く摘んだ。そこは今日一切触れられていなかったのに、勃ち上がっていた。乳首を弄りながらも酒吞は腰の動きを止めない。

こりゅ、こしこしこし、くにくに♡
ぱんっ♡ぢゅぷんっ、ドプッ、ずちゅん♡

「っあん、もっと♡ もっとナカ、ごしごししてぇっ!♡♡」

酒吞は指示の通り肉壁に擦り付けるように陰茎を動かした。ひだの一つ一つが陰茎に吸い付き、摩擦で愛液は泡立っている。
六花は「アンッ!♡ やああっ!♡」と軽い絶頂を何度も繰り返した。その間隔は次第に狭くなっている。もはや常時絶頂状態にいるのと変わらなくなってきた。

(もう、頭まわんない♡♡)

「またイッちゃ♡♡ ~~んんっ♡♡、イくのとまんないっっ!!♡♡ああ~~っっ! ひ、ひぅぅぅぅ♡♡」
「いい声で鳴く。何度でもイくといい」

形の良い胸は酒吞の大きな手で揉みしだかれ、整った顔は涙と涎で濡れている。ふにゃふにゃの締まりの無い顔で六花はかん高く鳴いている。

「うあああ~っ!!♡♡♡ むり、もうむり、アアアア!!♡♡」

何度目かの絶頂で六花は爪先をピンと伸ばした。酒吞も熱く濃い精液をどくどくと六花の腹に吐き出した。
酒吞は1度陰茎を引き抜くと六花の乱れた髪を指で整えた。本当の従者のような動きだった。

「姫、次はどうする? それとももう終わりか?」
「……」

六花は体に力を入れて起き上がると、飛びつくように酒吞に抱きついた。酒吞も抱きしめ返す。

「もう1回……ぎゅってしながらやるやつ」
「あいわかった」

酒吞は六花を膝の上に抱き上げた。そして2人は舌を出し濃厚な口づけを交わした。

2回戦を仕掛けた六花だったがその途中で気絶してしまった。たびたび意識を取り戻しながら4回戦まで続き、やっと終わった時には朝日で明るくなってきていた。




✻✻✻✻✻✻

「いやあ、姫と従者ごっこはよかったな! 心做しか六花もいつもより乗り気だった。またやろう!」
「うるさい。もうやらない」

六花は昨夜の自分の痴態を思い出し布団に包まっていた。快楽に流されよくわからない主従ごっこをしていたことが、今さら恥ずかしくなっていた。
六花の横で酒吞は喜々と次の容貌を語る。

「次は人妻と寝取り男もいいな。どう思う?」
「知らない」
「俺が旦那の不在に押しかけた旦那の部下役をやるから、六花は嫌々言いながらもそれを拒めない若妻役をやってくれ」
「意味がわからない。なんで鬼の長のお前が部下役?」
「旦那の上司役だと現実に近くて罪悪感が湧く」
「ならそんなことしなければいいだろ……」


夜になると「旦那さんにいつもお世話になっている酒吞もいうものです」と酒吞が屋敷にやってきたが、六花は玄関で追い払った。その夜、酒吞は六花の家の敷居を跨がせてもらえずしょんぼり自分の屋敷に帰った。




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