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海と社畜 20230725
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暑さにやられて仕事をサボり海に行った社畜くん。
だが思ったより海辺は快適じゃない事に気がついてしまった。青い空は灼熱地獄だし潮風はベタついていて、なんとかズボンをたくしあげて入った海水は思ったより生ぬるい。家族連れの間で社畜くんしょんぼり。
フラフラと入った海の家は焼きそばがやたら高くて、ぼったくり価格かと悲しくなりながらも1つ注文した。
だけどしょんぼりしながら口にした焼きそばは意外なほど美味しくて社畜くんびっくり。なにこれうっま...!と驚いてもう1つ注文して、ついでにビールも頼んだ。
金髪の店員くんは「美味しかった?嬉しーな、焼きそば作ったの俺だから!」なんて満面の笑みをうかべる。
社畜くんの疲れた心身にその笑顔は大変効いて一瞬で恋に落ちた。
店員くんは大学生でバイトをしているらしく、社畜の話術でシフトをさりげなく聞き出した。
それから社畜くんは日々仕事を定時まで切り上げ、電車に乗って海の家に通った。店員くんはいつも明るい笑顔で、社畜くんは大層癒されたし毎日夕飯の焼きそばは美味しくて幸せだった。
ある日、社畜くんは店員くんに飲みに誘われた。まさかの出来事に固まる社畜くん。
もちろん快諾して店員くんの仕事終わりを待つ。一緒に行った近くの居酒屋で2人でグラスを重ねた。
次第にいつもよりぎこちない笑顔になっていく店員くん。どうしたんだろう?と不安になる社畜くんに店員くんは頭を下げた。
「すいませんでした!」
突然の謝罪に社畜くんぽかん
聞けば海の家で社畜くんは毎日来るリーマンとして有名になっていたらしい。わざわざ通う理由は好きなやつがいるだろうと推測されていて、店員くんが聞き出してこいと言われたためこの飲みに誘ってくれたらしい。
「バイトのユミちゃんに付きまとうようならボコれ」と司令。
もちろんボコるつもりは全然ないです、と言われたものの社畜くんは陽キャこえーってちょっと引く。
もちろんユミちゃんに興味なんてないし、むしろユミちゃんてどの子?って感じなのだが。
その後は当たり障りのない会話をして切り上げた。
だけどさすがにそれ以降海の家に行くのは気が引けて、以前通りの残業生活に戻った。どうせ俺は陰キャの社畜だしなーと。あんな陽キャの店員くんに恋したのは身分違いだったんだと諦める事にした。
夏の暑さも厳しくなっていき、仕事の忙しさも極めていく。
なのに店員くんを忘れかけていたある日職場前で再会。
海で出会った時の店員くんとは少し雰囲気が違っていた。よく見たら金髪だった髪が随分暗い色になっていた。
偶然て凄いな、と思ってると店員くんが「待ち伏せすみません!」とすごい勢いで謝ってくる。どうやら飲んだ時、名刺を失敬されていたらしい。気が付かなかった。
だから職場前で出えたのかと納得している社畜くんの手を、店員くんは握る。
「本当は俺、陰キャで!」
店員くんは語った。大学デビューで髪を染めて夏バイトも海の家にしてみたものの、本物の陽キャに馴染めずしんどい時に現れたのが社畜くんだったらしい。
毎日のように来て店員くんが作った焼きそばを美味しそうに食べてくれるし、ぽつりぽつりとする会話も落ち着いていて好きになったと。
ユミちゃんの件は周りのバイト仲間に言われてだったけれど、好きな人がいないか探りも兼ねていたと自白した店員くん。
えー嘘まじで、えーーとパニくる社畜くんの手を店員くんはぎゅっと握った。
「パリピじゃないし海の家はバイト終わったけど、これからは社畜くんのために焼きそばつくるから。だから俺と付き合ってください!」
ふわふわとした気持ちのまま、社畜くんは頷いた。
夏は暑いし仕事はキツイ。
だけど今日も帰れば店員くんが家で待っていてくれる。家の外にも漂う焼きそばのいい匂いに、社畜くんはにっこり微笑んでしまうのだった。
終
だが思ったより海辺は快適じゃない事に気がついてしまった。青い空は灼熱地獄だし潮風はベタついていて、なんとかズボンをたくしあげて入った海水は思ったより生ぬるい。家族連れの間で社畜くんしょんぼり。
フラフラと入った海の家は焼きそばがやたら高くて、ぼったくり価格かと悲しくなりながらも1つ注文した。
だけどしょんぼりしながら口にした焼きそばは意外なほど美味しくて社畜くんびっくり。なにこれうっま...!と驚いてもう1つ注文して、ついでにビールも頼んだ。
金髪の店員くんは「美味しかった?嬉しーな、焼きそば作ったの俺だから!」なんて満面の笑みをうかべる。
社畜くんの疲れた心身にその笑顔は大変効いて一瞬で恋に落ちた。
店員くんは大学生でバイトをしているらしく、社畜の話術でシフトをさりげなく聞き出した。
それから社畜くんは日々仕事を定時まで切り上げ、電車に乗って海の家に通った。店員くんはいつも明るい笑顔で、社畜くんは大層癒されたし毎日夕飯の焼きそばは美味しくて幸せだった。
ある日、社畜くんは店員くんに飲みに誘われた。まさかの出来事に固まる社畜くん。
もちろん快諾して店員くんの仕事終わりを待つ。一緒に行った近くの居酒屋で2人でグラスを重ねた。
次第にいつもよりぎこちない笑顔になっていく店員くん。どうしたんだろう?と不安になる社畜くんに店員くんは頭を下げた。
「すいませんでした!」
突然の謝罪に社畜くんぽかん
聞けば海の家で社畜くんは毎日来るリーマンとして有名になっていたらしい。わざわざ通う理由は好きなやつがいるだろうと推測されていて、店員くんが聞き出してこいと言われたためこの飲みに誘ってくれたらしい。
「バイトのユミちゃんに付きまとうようならボコれ」と司令。
もちろんボコるつもりは全然ないです、と言われたものの社畜くんは陽キャこえーってちょっと引く。
もちろんユミちゃんに興味なんてないし、むしろユミちゃんてどの子?って感じなのだが。
その後は当たり障りのない会話をして切り上げた。
だけどさすがにそれ以降海の家に行くのは気が引けて、以前通りの残業生活に戻った。どうせ俺は陰キャの社畜だしなーと。あんな陽キャの店員くんに恋したのは身分違いだったんだと諦める事にした。
夏の暑さも厳しくなっていき、仕事の忙しさも極めていく。
なのに店員くんを忘れかけていたある日職場前で再会。
海で出会った時の店員くんとは少し雰囲気が違っていた。よく見たら金髪だった髪が随分暗い色になっていた。
偶然て凄いな、と思ってると店員くんが「待ち伏せすみません!」とすごい勢いで謝ってくる。どうやら飲んだ時、名刺を失敬されていたらしい。気が付かなかった。
だから職場前で出えたのかと納得している社畜くんの手を、店員くんは握る。
「本当は俺、陰キャで!」
店員くんは語った。大学デビューで髪を染めて夏バイトも海の家にしてみたものの、本物の陽キャに馴染めずしんどい時に現れたのが社畜くんだったらしい。
毎日のように来て店員くんが作った焼きそばを美味しそうに食べてくれるし、ぽつりぽつりとする会話も落ち着いていて好きになったと。
ユミちゃんの件は周りのバイト仲間に言われてだったけれど、好きな人がいないか探りも兼ねていたと自白した店員くん。
えー嘘まじで、えーーとパニくる社畜くんの手を店員くんはぎゅっと握った。
「パリピじゃないし海の家はバイト終わったけど、これからは社畜くんのために焼きそばつくるから。だから俺と付き合ってください!」
ふわふわとした気持ちのまま、社畜くんは頷いた。
夏は暑いし仕事はキツイ。
だけど今日も帰れば店員くんが家で待っていてくれる。家の外にも漂う焼きそばのいい匂いに、社畜くんはにっこり微笑んでしまうのだった。
終
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