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人間を愛玩する世界線にいる人外くん。 20230604
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人間を愛玩する世界線にいる人外くん。周囲は人間を飼ってるけど人外くんはどうせ人間は先に死んじゃう、悲しくなるから飼わない主義。たまに友達の人間を見に行って「可愛いー」って癒される。
ある日橋の下にダンボール、中を見ると人間の幼体が寝てた。
「拾ってください」なんて書かれた小さなそれには首輪もなくて、多分違法に繁殖させたか産ませたものの育てられなくなったか。元々人間は小さいけど、初めて現物を見た幼体はさらに小さくて、庇護欲の湧いた人外くんは思わず拾ってしまう。
男の子だったので「人間くん」と名付けた。
人間くんは生意気で、わがままだった。見た目はとっても可愛いけど、やれ一緒に寝ろだの風呂に入れろだの要求が多い。友達に聞いても彼らの家の人間は素直で何でもニコニコ聞き分けがいいらしい。
まあ個体差かな、可愛いからいいかと既に人外くんはメロメロ。
人外くんの生活は賑やかになった。人間くんはあっという間に大きくなって、気づけば成体になった。人間は生体になってから60年しか生きない。終わりが来ることを考えると悲しくなって、人間くんをギュッと抱きしめて不安を追い払う。
だけど人外くんは良いことを思いついた。
生体になった人間くんに、つがいを与えて、生まれた幼体も可愛がろうと。代わりを用意しておけば寂しくないよね、とニコニコ。
それを人間くんに提案すると、今まで見たことないくらいキレられた。暴れる人間くんをどうにかなだめようとオロオロする人外くん。
しばらく暴れた人間くんは、今度はボロボロ泣き出す。人間くんが泣くのを見るのは初めてだった人外くんは、一層慌てた。そろそろーっと小さな体を抱きしめて、抵抗されない所でヨシヨシ撫でる。人間くんは何だかんだ甘えたで、こうされるのが好きだから。
「子供扱いする」
「えっ、子供扱いじゃないよ」
人間はこうして可愛がるものだと思ってたけど、違ったのか?と首を傾げる人外くん。
「アンタが好きだ」と突然デレる人間くんに大喜びの人外くん。「当たり前だよ!僕も大好き!愛してる!」とニコニコ。
人外くんの言葉を聞いて人間くんは今まで見たことないくらい幸せに笑った。
「えっ、可愛…」ってドキドキする人外くんに人間くんは抱きついて「じゃあ俺とつがいになってくれるんだな、嬉しい」なんて蕩けた声を出す。
あれー好きってそういう意味!?と冷や汗をかく人外くん。
だけどホワホワ嬉しそうな人間くんに本当の事を言い出せない。結局なし崩しに言われるがまま抱いてしまった。ちっちゃい人間くんの体は壊れそうで、自分の生殖器が入るのか不安だったけど、こんな日のために拡張してきたと人間くんは誇らしげに言う。その健気さに胸を打たれて、もっと大事にしようと誓う人外くん。世の中、人間との交尾は違法ではないが結婚は認められてない。どちらも同族で結婚するのが当たり前だ。
人外くんも適齢期で結婚を勧められてたけど、ヤキモチ焼きな人間くんのために50年ほど結婚しない事にした。
人間くんとの毎日は、喧嘩もするけど楽しかった。よその人間と違って喜怒哀楽が激しくて、だけどその分愛されてると感じられた。気がつけば人外くんも心から人間くんを愛していた。
「人間同士はつがいにお揃いの指輪をつけると聞いたよ」と指輪を渡すと滝のように涙を零した。
「人間にもペットがいるんだろう?」と猫と呼ばれる小さな生き物を渡すと思いのほか喜んだ。少し猫を可愛がりすぎて、ムッとする人外くんを、人間くんは笑ってヨシヨシしてくれた。
だけどある日、人間くんが倒れた。慌てて人間病院に連れていくと入院になると言う。
人間くんも40歳になっていた。この頃から個体によっては死ぬ事もあると教えられていた人外くんは顔色を無くす。
人間くんがいない生活なんて、人外くんには耐えられない。幸いにして大きな病気ではなかったけど、前以上に過保護になる人外くん。
家から出さなくなったし、ちょっと咳き込むだけですぐ病院に連れていくようになってしまった。いつもそばに置くようになったし、夜中も不安で何度も起きる人外くん。
その生活に限界を感じたのは人間くんの方だ。ブチ切れ顔で人外くんを正座させて仁王立ち。
人間くんからしたら、持病もない自分はまだまだ30年は生きる。人外くんの寿命から見たらたった30年しかいられない。いくら話し合ってもこの感覚の差は埋められなかった。
そんな中、大切に飼っていた猫がとうとう寿命で死んでしまった。
「また別の猫を飼おう」と提案する人外くんだけど、人間くんは首を横に振る。
「あんたは、俺がしんだら次の人間を飼うか?」「…わからない」人外くんは嘘が付けないタイプだ。人間くんは、人外くんのそんな所も好きだった。
「しぬことを恐れて閉じ込めてても、早かれ遅かれ俺は先にしぬ。いつしんでも良いように、悔いのないよういっぱい可愛がれ」
人間くんはそういってニカッと笑う。置いていかれる不安は消えたわけじゃないけれど、人外くんはこんな人間くんだから好きになったんだと思い出す。
昔から我儘で生意気で、だけどそこが可愛い。
それから2人は色んな所にでかけて、同じ時間を過ごした。やっぱり喧嘩する事もあったけど、ずっとずーっと、仲良く幸せに暮らしましたとさ。
ある日橋の下にダンボール、中を見ると人間の幼体が寝てた。
「拾ってください」なんて書かれた小さなそれには首輪もなくて、多分違法に繁殖させたか産ませたものの育てられなくなったか。元々人間は小さいけど、初めて現物を見た幼体はさらに小さくて、庇護欲の湧いた人外くんは思わず拾ってしまう。
男の子だったので「人間くん」と名付けた。
人間くんは生意気で、わがままだった。見た目はとっても可愛いけど、やれ一緒に寝ろだの風呂に入れろだの要求が多い。友達に聞いても彼らの家の人間は素直で何でもニコニコ聞き分けがいいらしい。
まあ個体差かな、可愛いからいいかと既に人外くんはメロメロ。
人外くんの生活は賑やかになった。人間くんはあっという間に大きくなって、気づけば成体になった。人間は生体になってから60年しか生きない。終わりが来ることを考えると悲しくなって、人間くんをギュッと抱きしめて不安を追い払う。
だけど人外くんは良いことを思いついた。
生体になった人間くんに、つがいを与えて、生まれた幼体も可愛がろうと。代わりを用意しておけば寂しくないよね、とニコニコ。
それを人間くんに提案すると、今まで見たことないくらいキレられた。暴れる人間くんをどうにかなだめようとオロオロする人外くん。
しばらく暴れた人間くんは、今度はボロボロ泣き出す。人間くんが泣くのを見るのは初めてだった人外くんは、一層慌てた。そろそろーっと小さな体を抱きしめて、抵抗されない所でヨシヨシ撫でる。人間くんは何だかんだ甘えたで、こうされるのが好きだから。
「子供扱いする」
「えっ、子供扱いじゃないよ」
人間はこうして可愛がるものだと思ってたけど、違ったのか?と首を傾げる人外くん。
「アンタが好きだ」と突然デレる人間くんに大喜びの人外くん。「当たり前だよ!僕も大好き!愛してる!」とニコニコ。
人外くんの言葉を聞いて人間くんは今まで見たことないくらい幸せに笑った。
「えっ、可愛…」ってドキドキする人外くんに人間くんは抱きついて「じゃあ俺とつがいになってくれるんだな、嬉しい」なんて蕩けた声を出す。
あれー好きってそういう意味!?と冷や汗をかく人外くん。
だけどホワホワ嬉しそうな人間くんに本当の事を言い出せない。結局なし崩しに言われるがまま抱いてしまった。ちっちゃい人間くんの体は壊れそうで、自分の生殖器が入るのか不安だったけど、こんな日のために拡張してきたと人間くんは誇らしげに言う。その健気さに胸を打たれて、もっと大事にしようと誓う人外くん。世の中、人間との交尾は違法ではないが結婚は認められてない。どちらも同族で結婚するのが当たり前だ。
人外くんも適齢期で結婚を勧められてたけど、ヤキモチ焼きな人間くんのために50年ほど結婚しない事にした。
人間くんとの毎日は、喧嘩もするけど楽しかった。よその人間と違って喜怒哀楽が激しくて、だけどその分愛されてると感じられた。気がつけば人外くんも心から人間くんを愛していた。
「人間同士はつがいにお揃いの指輪をつけると聞いたよ」と指輪を渡すと滝のように涙を零した。
「人間にもペットがいるんだろう?」と猫と呼ばれる小さな生き物を渡すと思いのほか喜んだ。少し猫を可愛がりすぎて、ムッとする人外くんを、人間くんは笑ってヨシヨシしてくれた。
だけどある日、人間くんが倒れた。慌てて人間病院に連れていくと入院になると言う。
人間くんも40歳になっていた。この頃から個体によっては死ぬ事もあると教えられていた人外くんは顔色を無くす。
人間くんがいない生活なんて、人外くんには耐えられない。幸いにして大きな病気ではなかったけど、前以上に過保護になる人外くん。
家から出さなくなったし、ちょっと咳き込むだけですぐ病院に連れていくようになってしまった。いつもそばに置くようになったし、夜中も不安で何度も起きる人外くん。
その生活に限界を感じたのは人間くんの方だ。ブチ切れ顔で人外くんを正座させて仁王立ち。
人間くんからしたら、持病もない自分はまだまだ30年は生きる。人外くんの寿命から見たらたった30年しかいられない。いくら話し合ってもこの感覚の差は埋められなかった。
そんな中、大切に飼っていた猫がとうとう寿命で死んでしまった。
「また別の猫を飼おう」と提案する人外くんだけど、人間くんは首を横に振る。
「あんたは、俺がしんだら次の人間を飼うか?」「…わからない」人外くんは嘘が付けないタイプだ。人間くんは、人外くんのそんな所も好きだった。
「しぬことを恐れて閉じ込めてても、早かれ遅かれ俺は先にしぬ。いつしんでも良いように、悔いのないよういっぱい可愛がれ」
人間くんはそういってニカッと笑う。置いていかれる不安は消えたわけじゃないけれど、人外くんはこんな人間くんだから好きになったんだと思い出す。
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