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上流階級出身オメガくんの巣作り。 20230531
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上流階級出身オメガくん。オメガだけど大事に可愛がられて育てられ周囲の環境も良好。友達のオメガはチラホラ許嫁が出来たり、早い子は恋愛で番ったりして自分もそろそろ…とソワソワしちゃうお年頃。雑誌で初めての巣作り特集なんか読んで未来のアルファに夢を見る。
そんなオメガくん、なんと運命の番いと出会う。だけど彼はまだ大学生で、その上身寄りがない苦学生だった。バイトと学業に忙殺される中、オメガくんとの時間を捻出してくれる。お金ならあるよ、と今まで貯めたお小遣いを出してもアルファくんには悲しい顔をされ慌てて引っ込める。
時間もお金もなくて外に遊びにも行けないけど、アルファくんの小さなアパートで慎ましく愛を育む二人。まだキス止まりでうなじも噛んでもらえていないけど、オメガくんは幸せだった。家でもニコニコふわふわしちゃって、家族にアラアラ…って見守られてる。
そんなオメガくん、付き合ってから初めての発情期に入った。アルファくんのそばに居たくて、ベータの運転手に無理を言ってアルファくんちまで押しかけるも留守。合鍵で中に入って待つものの、発情期で頭がぼんやり。「そうだ、巣作りしよう…上手に巣を作って褒めてもらお…へへへ」
だけどアルファくんちはとにかく物がない。服も2着を着回してるから外に干してるまだ乾いてない服と、今夜着るスエット。
仕方なく予備の下着を引っ張り出して、タオルとコップと教科書を敷布団の上に乗せた。真ん中に蹲って上から布団を掛ける。
「…なんか違う気がする」
雑誌で見た巣作りは、もっと服がこんもり綺麗な形をしてた。恥ずかしがる友達から聞き出した巣作りは、沢山の番いの私物に囲まれて幸せいっぱいだったと言っていた。
自分の巣を見てみると、下着と、硬い教科書やコップ。オメガくんは発情期の中で、ひとりで泣いた。
スンスン泣いてるところにアルファくんが帰ってくる。発情期のオメガくんが泣いててビックリ。慌てて駆け寄ると「来ないで!」って言われる。「巣が…巣が上手く出来なくて」
オメガくんの周りに綺麗に並べられた自分の私物。外にはためく服やスエットはそこになくて、「使って良かったのに」って言うと「だけど使ったら夜寝る時も明日も困るでしょ」って発情期にハフハフしながらも気遣ってくれるオメガくんに、胸がキューッとなるアルファくん。
「上手に巣作り出来てるよ。物がなくてごめん」って謝られてオメガくんは首を横に振る。
「上手く作れないから嫌われたらどうしようかって不安だった」と泣くオメガくん。物を持たない自分が悪いのにいじらしいことを言うオメガくんが可愛くて可愛くて。今までも、今も、鉄の理性で耐えてたアルファくんはとうとう陥落しちゃう。
うなじを噛むのは耐えに耐えたけど。
腕の中で眠るオメガくんのために、アルファくんは決心をする。
ヒートが明けるとオメガくんを連れて一緒に服を買いに行った。山盛り買ってオメガくんは目を白黒させる。
両親の遺した遺産や不労所得もあるから決して貧しい訳じゃない事。物を持たないのは趣味で、オメガくんを悲しませてまで貫きたい訳じゃない事。
「今度また巣作り見せてくれる?」って聞かれて笑顔で頷くオメガくん。
ふたりはそれからずっと幸せに暮らしましたとさ。
おしまい
そんなオメガくん、なんと運命の番いと出会う。だけど彼はまだ大学生で、その上身寄りがない苦学生だった。バイトと学業に忙殺される中、オメガくんとの時間を捻出してくれる。お金ならあるよ、と今まで貯めたお小遣いを出してもアルファくんには悲しい顔をされ慌てて引っ込める。
時間もお金もなくて外に遊びにも行けないけど、アルファくんの小さなアパートで慎ましく愛を育む二人。まだキス止まりでうなじも噛んでもらえていないけど、オメガくんは幸せだった。家でもニコニコふわふわしちゃって、家族にアラアラ…って見守られてる。
そんなオメガくん、付き合ってから初めての発情期に入った。アルファくんのそばに居たくて、ベータの運転手に無理を言ってアルファくんちまで押しかけるも留守。合鍵で中に入って待つものの、発情期で頭がぼんやり。「そうだ、巣作りしよう…上手に巣を作って褒めてもらお…へへへ」
だけどアルファくんちはとにかく物がない。服も2着を着回してるから外に干してるまだ乾いてない服と、今夜着るスエット。
仕方なく予備の下着を引っ張り出して、タオルとコップと教科書を敷布団の上に乗せた。真ん中に蹲って上から布団を掛ける。
「…なんか違う気がする」
雑誌で見た巣作りは、もっと服がこんもり綺麗な形をしてた。恥ずかしがる友達から聞き出した巣作りは、沢山の番いの私物に囲まれて幸せいっぱいだったと言っていた。
自分の巣を見てみると、下着と、硬い教科書やコップ。オメガくんは発情期の中で、ひとりで泣いた。
スンスン泣いてるところにアルファくんが帰ってくる。発情期のオメガくんが泣いててビックリ。慌てて駆け寄ると「来ないで!」って言われる。「巣が…巣が上手く出来なくて」
オメガくんの周りに綺麗に並べられた自分の私物。外にはためく服やスエットはそこになくて、「使って良かったのに」って言うと「だけど使ったら夜寝る時も明日も困るでしょ」って発情期にハフハフしながらも気遣ってくれるオメガくんに、胸がキューッとなるアルファくん。
「上手に巣作り出来てるよ。物がなくてごめん」って謝られてオメガくんは首を横に振る。
「上手く作れないから嫌われたらどうしようかって不安だった」と泣くオメガくん。物を持たない自分が悪いのにいじらしいことを言うオメガくんが可愛くて可愛くて。今までも、今も、鉄の理性で耐えてたアルファくんはとうとう陥落しちゃう。
うなじを噛むのは耐えに耐えたけど。
腕の中で眠るオメガくんのために、アルファくんは決心をする。
ヒートが明けるとオメガくんを連れて一緒に服を買いに行った。山盛り買ってオメガくんは目を白黒させる。
両親の遺した遺産や不労所得もあるから決して貧しい訳じゃない事。物を持たないのは趣味で、オメガくんを悲しませてまで貫きたい訳じゃない事。
「今度また巣作り見せてくれる?」って聞かれて笑顔で頷くオメガくん。
ふたりはそれからずっと幸せに暮らしましたとさ。
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