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てんつぶ

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そのオメガは特別だった。20231007

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そのオメガは特別だった。

強い意志を宿した瞳、首にいくつもの噛み跡を付けて笑う美しさはアルファでなくとも魅了される。
彼は「逆転オメガ」と呼ばれる特異オメガだ。うなじを噛ませる事でアルファは他に番いを持てなくなるが特異オメガの彼は1人に縛られない。
番いとなった男たちは特異オメガのために膝を折る。それを見た周囲は彼を尻軽だのビッチだのと陰に日向に罵るのだが、それでも特異オメガは凛と前を向く。
その噂を聞いた1人のアルファは呆れた。アルファに生まれたのにオメガ1人に囚われるなんて愚の骨頂だと。
遊び相手として何人ものオメガと関係を持ち、ベータだろうと男女見境なく抱く男だった。
ヒートのセックスも嫌いじゃないが、それだけでオメガなんかと番うなんてごめんだと思っている男だった。

そんな2人がたまたま、偶然、運命的に出会う。
だがアルファは特異オメガの歯型だらけのうなじに眉をひそめ暴言を吐くし、特異オメガもそんな露骨な態度を見せるアルファを嫌悪した。

特異オメガの噛み跡だらけのうなじは友人のオメガを守ったからで。
オメガたちの誘惑に苦しむ、番いを失った親友を守るためで。
ベータの恋人と結婚する誓いを立てた友人のためであり、そうして色んな理由で救いを求めたアルファを赦した結果だった。

それを知らず嫌悪するアルファと同じく嫌悪する特異オメガはお互い惹かれていく。
そんな自分の浅慮をアルファが後悔したのは特異オメガのヒートの時で。
「汚くてごめん」と泣く特異オメガのうなじを愛ゆえに噛んだ時だった。

2人は運命と呼ばれる番いだ。特異オメガはそれから生涯に渡って、二度と誰にもうなじを噛ませることは無かった。

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