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しおりを挟む親切な生徒にもらったレジメには、信じ難いことが書いてあった。
1.生徒会役員及び風紀部役員にはむやみに近づいてはいけない。理由もなく近づく輩は親衛隊の制裁対象となる。
2.親衛隊持ちの人物ともむやみに接触を図ってはいけない。1と同様に親衛隊の制裁対象となることを心せよ。
3.上記の方々と接触を図りたい時は親衛隊への入隊許可を取ること。
4.生徒会役員及び風紀部役員が生活する特別寮への進入は禁止とする。
5.Eクラスには無闇に近づいてはいけない、どのような目にあっても自己責任と考えろ。
………生徒会や風紀部役員が人気者なのは良くわかった。まるでアイドル…いや、雲の上の存在扱いだ。
「あの、聞きたいんですけど…。」
前に座る二人に呼び掛けると、待ってましたとばかりに振り返られる。
「何、何がわからないっていうの?」
「この親衛隊っていうのは?」
「簡単に言うとファンクラブだね」
「ただのファンクラブだと思わないでよね!僕らは役員の皆様が過ごしやすいように心血注いでお仕えさせて頂いているんだから」
誇らしげに答えられる。聞けば自身も親衛隊に所属しているようだ。
「そ、そうなんだ。」
「ちなみに僕らは生徒会長の親衛隊だよ、君も良かったら入る?」
「い、いえ僕は…その、今回は遠慮しようかな……。」
ウォーターサーバーの入会を拒否するように断ると、無理には勧誘はされなかった。
「そう?気が変わったら言いなよね。」
「そうそう、どうせすぐ会長の魅力に気付くんだからさ!」
会長はとにかく素晴らしいのだそうだ。確かに入学式で見た彼は、遠目から見ても美形だった。
「生徒会と風紀委員の人は分かるけど、他の親衛隊持ちの人はどう判別するの?知らずに親しくなっても制裁されちゃうの?」
入学式で挨拶をしていた役員達ならいざ知らず。その他の親衛隊持ちとなると知らないうちに親しくしてしまうこともあるんじゃないだろうか。
それすらも制裁対象になるとしたら恐ろしい。
「親衛隊持ちの方は見ればわかるよ!オーラがまるで違うんだから!」
「親衛隊持ちの方は大抵自身の親衛隊員を沢山引き連れてらっしゃるからすぐにわかるんじゃないかな?それに僕らは親衛対象に近づいたからといって直ぐに制裁をするわけじゃなよ。こういう学院だから家同士の付き合いで話すこともあるし、純粋に友情を育んでらっしゃるようなら口出しはしないよ。」
なるほど、制裁という過激な文面に驚いたが理性的にきのうしているらしい。確かに社会の縮図のようなこの学園で、簡単に問題を起こすわけにもいかないのだろう。
「後もう1つだけ分からないことがあったんだけど、Eクラスには近づくなっていうのはどういうこと?Eクラスって普通科のEクラスだよね?」
僕が尋ねると、二人は声を潜めて教えてくれた。
「Eクラスは所謂不良ばかりのグループなんだよ、問題ばかり起こす生徒が押し込められてるクラスなんだ。」
「そうそう、Eクラスは別棟にあるからね、間違えて行っちゃうと大変な目に合うから気をつけて…。」
「大変な目って……。」
「暴力を振るわれたり、お金を巻き上げられたり、可愛い子だったりしたら強姦されたりもするって。」
「ごっ強姦って……。」
思わず絶句してしまう……、そんなの立派な犯罪じゃないか。
「あいつらは頭が可笑しいんだよ、大きな声じゃいえないけど…トップが大企業の跡取りなんだ。だから学校側も怖くて何も言えないんだよ。」
「神崎って奴が今のトップさ、直ぐに切れて何するかわかんないから気をつけて。」
「神崎…」
脳裏に先日親切にしてくれた晋の顔が過る、まさか、彼の筈がない。あんなに親切にしてくれたし、彼はまだ一年なのだ、トップである訳がない。
「神崎って言う人…、下の名前は…」「「キャー!!」」
その時急に歓声が聞こえ、回りが色めき立った。役員が会議室に入って来たようだ。目の前の二人も会長に熱い視線を送るのに夢中になり、話は中断してしまった。
役員の中には風紀委員長の月岡もいる…。月岡に以前言われた神崎晋とは関わるなという忠告を思い出した。…あれはそういう事だったのだろうか?
僕は不安に苛まれながら会長からの会議を始めると言う言葉を聞いたのだった。
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