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ローラが招待状を直接公爵家に持ってきました。
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私はここ最近すっかり平和な毎日を過ごしていたせいで、若干それの存在を忘れつつあった。
しかし、それは今日、いきなりやって来たのだ。
平和に過ごす私を、許さないとでもいうかのように。
「お初お目にかかります。フォールスト公爵様。
ローラ・フリージアです。」
階下が騒がしかったので部屋からひょっこり顔を出してみると、そこには一瞬で平和な場所から辛い記憶に引き戻されてしまうような存在がいた。
階下にはレインと、対面にもう一人女性が立っている。
金色に輝く髪、歌うような声、そしてピンク色の瞳。
付き人とともに、そこにはローラが立っていた。
ローラは部屋から出た私にすぐに気が付いたようで、ピンク色の瞳が私を捉えた。
「こちらこそ、わざわざご足労いただきありがとう。」
レインがローラに労りの言葉をかける。
「身分の高い方には、こうして直接私が招待状をお持ちしておりますの。」
ローラはそう言ってレインに何かを渡した。
恐らくあれが、婚約パーティーの招待状なのかもしれない。
「でもまさか、姉がここにいるとは思いませんでしたわ。」
ローラは笑顔を崩さずに、私の方に視線を向けて言った。
その瞬間、体が動いてしまう。
婚約パーティーに出向かなければ会えないと思っていた存在が目の前にいるのだから、無意識にそうしてしまったのかもしれない。
とにかく私は、そのままの勢いで階段を降りてローラの所まで行き、ローラの肩をつかんだ。
「・・・ローラ!私、貴女に聞きたいことが・・・!」
聞きたいことがたくさんある。妖精というのは本当か、何故私にひどいことをするのか。
しかしローラの付き人にあっさり引きはがされてしまう。
ローラもローラで、私を汚い物でもみるかのように一瞬侮蔑の視線を送っただけで、すぐにレインの方へ視線を移した。
そして、言った。
「ねえ、ところでレイン様。私の歌を聴いていただけませんか?
自分で言うのもなんですが、私の歌は周りからも評判が良くて。」
だ、だめ・・・!
声にならない言葉を心の中で叫んだ。
やっぱりローラは、私の味方は全て奪う気のようだ。
恐れていたことが、こんなにも早く起こってしまった。
「ぜひ聞かせてもらいたい。美しい歌声なのだと、僕も噂は聞いているからね。」
レインには残念ながら私の意志が通じないようで、心よく了承してしまった。
「ありがとうございます。では、歌いますね。」
目を閉じて、例の歌を歌い始めたローラ。
あの時と同じように綺麗な歌声だ。
ローラの歌声を聞く度、私の心は少しずつ絶望に落ちていく。
幸せとは、長続きしないものなのね。
ローラが歌い終わり、周りは拍手に包まれた。
「噂通り、素晴らしい歌声だね。」
レインも拍手しながらローラを褒めた。
だめ、もうあんな場面を二回も見るなんて耐えられない。
そう思った私は、急いで部屋に戻ろうとした。
しかし、その時。
レインが私の腕を掴み、引き寄せた。
「待ってよ、ユリア。僕を置いていかないでよ。
フリージア嬢、ユリアが部屋に戻るので、僕も失礼するよ。」
私は、開いた口が塞がらなかった。
そういえば前に、ローラの歌声に操られないなんて言っていたけど、本当だったの!?
私と同じく動揺しているのか、ローラがレインの手を掴んだ。
「・・・フォールスト公爵様。私に対してそれだけ、ですか?」
そう言われたレインはきょとんとしている。
「何が?」
焦ったローラが立て続けにレインに聞いた。
「・・・私の事、どう思います?」
「別にどうも思わないけど。」
あっさりローラにそう答えるレイン。
どうやら本人が前に言っていた通り、本当にローラの歌声はレインに効果が無いようだ。
「すまないね、フリージア嬢。ユリアの顔色が少し優れないようだから、
今日はこの辺で失礼するよ。」
そう言って私の肩を抱いたまま、レインは私の部屋へ向かおうとした。
しかし、すぐ後ろからローラが叫んだ。
「お姉様は、男なら誰でもいいのね。男が好きなのね。
一体、公爵様にどんな手を使ったのかしら。」
普段なら、周りに人がいるときは私を罵ったりしないはずのローラが、相当動揺していたのか私を大袈裟に侮辱した。
言い返そうとした私を遮り、レインがローラに近いていく。
「ちょっと待て。聞き捨てならないな、それは。」
レインが今、どんな表情をしているのか分からないが、普段の軽快な様子からは想像もできないほど冷たい声だった。
静かな怒りが伝わってくるような。
そしてレインは、ローラの耳元に顔を近づけ何かを耳打ちした。
流石に何と言ったかは聞こえなかったが、今まで見たことないほどローラの表情が青ざめているので、あまりいい言葉ではないだろう。
「フリージア嬢。賢い君なら、もう今日はこれでお暇してくれるよね?」
レインがそう言うと、ローラは黙って悔しそうに屋敷を出て行った。
「レイン、ローラに一体何を言ったの?」
レインにそう聞いても、優しく頭を撫でるだけだった。
「ユリアは知らなくていい事だよ。」
レインは一体、何者なの?
私がその答えを知るのは、もう少し先のお話。
しかし、それは今日、いきなりやって来たのだ。
平和に過ごす私を、許さないとでもいうかのように。
「お初お目にかかります。フォールスト公爵様。
ローラ・フリージアです。」
階下が騒がしかったので部屋からひょっこり顔を出してみると、そこには一瞬で平和な場所から辛い記憶に引き戻されてしまうような存在がいた。
階下にはレインと、対面にもう一人女性が立っている。
金色に輝く髪、歌うような声、そしてピンク色の瞳。
付き人とともに、そこにはローラが立っていた。
ローラは部屋から出た私にすぐに気が付いたようで、ピンク色の瞳が私を捉えた。
「こちらこそ、わざわざご足労いただきありがとう。」
レインがローラに労りの言葉をかける。
「身分の高い方には、こうして直接私が招待状をお持ちしておりますの。」
ローラはそう言ってレインに何かを渡した。
恐らくあれが、婚約パーティーの招待状なのかもしれない。
「でもまさか、姉がここにいるとは思いませんでしたわ。」
ローラは笑顔を崩さずに、私の方に視線を向けて言った。
その瞬間、体が動いてしまう。
婚約パーティーに出向かなければ会えないと思っていた存在が目の前にいるのだから、無意識にそうしてしまったのかもしれない。
とにかく私は、そのままの勢いで階段を降りてローラの所まで行き、ローラの肩をつかんだ。
「・・・ローラ!私、貴女に聞きたいことが・・・!」
聞きたいことがたくさんある。妖精というのは本当か、何故私にひどいことをするのか。
しかしローラの付き人にあっさり引きはがされてしまう。
ローラもローラで、私を汚い物でもみるかのように一瞬侮蔑の視線を送っただけで、すぐにレインの方へ視線を移した。
そして、言った。
「ねえ、ところでレイン様。私の歌を聴いていただけませんか?
自分で言うのもなんですが、私の歌は周りからも評判が良くて。」
だ、だめ・・・!
声にならない言葉を心の中で叫んだ。
やっぱりローラは、私の味方は全て奪う気のようだ。
恐れていたことが、こんなにも早く起こってしまった。
「ぜひ聞かせてもらいたい。美しい歌声なのだと、僕も噂は聞いているからね。」
レインには残念ながら私の意志が通じないようで、心よく了承してしまった。
「ありがとうございます。では、歌いますね。」
目を閉じて、例の歌を歌い始めたローラ。
あの時と同じように綺麗な歌声だ。
ローラの歌声を聞く度、私の心は少しずつ絶望に落ちていく。
幸せとは、長続きしないものなのね。
ローラが歌い終わり、周りは拍手に包まれた。
「噂通り、素晴らしい歌声だね。」
レインも拍手しながらローラを褒めた。
だめ、もうあんな場面を二回も見るなんて耐えられない。
そう思った私は、急いで部屋に戻ろうとした。
しかし、その時。
レインが私の腕を掴み、引き寄せた。
「待ってよ、ユリア。僕を置いていかないでよ。
フリージア嬢、ユリアが部屋に戻るので、僕も失礼するよ。」
私は、開いた口が塞がらなかった。
そういえば前に、ローラの歌声に操られないなんて言っていたけど、本当だったの!?
私と同じく動揺しているのか、ローラがレインの手を掴んだ。
「・・・フォールスト公爵様。私に対してそれだけ、ですか?」
そう言われたレインはきょとんとしている。
「何が?」
焦ったローラが立て続けにレインに聞いた。
「・・・私の事、どう思います?」
「別にどうも思わないけど。」
あっさりローラにそう答えるレイン。
どうやら本人が前に言っていた通り、本当にローラの歌声はレインに効果が無いようだ。
「すまないね、フリージア嬢。ユリアの顔色が少し優れないようだから、
今日はこの辺で失礼するよ。」
そう言って私の肩を抱いたまま、レインは私の部屋へ向かおうとした。
しかし、すぐ後ろからローラが叫んだ。
「お姉様は、男なら誰でもいいのね。男が好きなのね。
一体、公爵様にどんな手を使ったのかしら。」
普段なら、周りに人がいるときは私を罵ったりしないはずのローラが、相当動揺していたのか私を大袈裟に侮辱した。
言い返そうとした私を遮り、レインがローラに近いていく。
「ちょっと待て。聞き捨てならないな、それは。」
レインが今、どんな表情をしているのか分からないが、普段の軽快な様子からは想像もできないほど冷たい声だった。
静かな怒りが伝わってくるような。
そしてレインは、ローラの耳元に顔を近づけ何かを耳打ちした。
流石に何と言ったかは聞こえなかったが、今まで見たことないほどローラの表情が青ざめているので、あまりいい言葉ではないだろう。
「フリージア嬢。賢い君なら、もう今日はこれでお暇してくれるよね?」
レインがそう言うと、ローラは黙って悔しそうに屋敷を出て行った。
「レイン、ローラに一体何を言ったの?」
レインにそう聞いても、優しく頭を撫でるだけだった。
「ユリアは知らなくていい事だよ。」
レインは一体、何者なの?
私がその答えを知るのは、もう少し先のお話。
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