えぇー 俺が魔族しかも王族て???

腐りんご

文字の大きさ
9 / 49

8‥⭐️ 寝落ちは危険です!

しおりを挟む


☆☆☆


□城下街にて

 

 
 初、異世界の街。

 ワクワクするぜ! 
 
 街の通りに同じ形の建物を見かけるんでジーと見たら「交番」て文字が浮かんで見えたんだ。スーゲー。魔王(伊藤さん)交番作ったんだ。

 そーと交番、覗いたら中に騎士の制服を着たヒトが居て振り返って俺と目が合ったらギョットされた。騎士のヒト物凄い勢いで走り出て来て俺を上から眺めると膝を付いて頭を下げた。どっどうしよう・・・

「失礼しました。王家の方がナニか御用でしょうか」

「ああのう・・チョッと覗いただけなんで・・・」


「マックス顔を上げろ殿下がお困りだ」
 
 騎士のヒト、ハッと顔を上げた。

「ザック殿それにグーリド殿お二方ここでナニを?」

「二人で殿下の護衛だ」

「殿下?」

  グーリドがマックスさんに近付くと立ち上がらせて耳打ちした。

「静かに聞け、魔王陛下の御子息だ」

「ヒッー」

「なっナンでここにいるんですか」

「殿下は街の見学に来られただけだ気にするな!」



「・・・・・」


「気にせず仕事しろ!」


「気にするなって・・・ムリでしょう」


 俺はマックスさんに手を振って交番を離れた。


「で…殿下・・・可愛い」



 手を振ってニコと笑った殿下が可愛らしく見えなくなるまで見送っていた。



☆☆☆






「お・い・し・い」

 
 今、屋台に売られてる串焼きの肉買ったんだ。
 お店のヒト俺が声かけたらカタマッタんだよ。
 

「くっ黒い髪」

「あのう一本ください」

 店のヒト、ポカンとしてたなぁ。
 ヤッパリ珍しいんだな黒髪黒目。

 グーリドとザックさんにも「串焼き食べる?」て聞いたけど「「結構です」」てハモって言われたよ。みんなで食べたほうが美味しいのに・・・

 串焼きの肉汁垂れたんで手を舐めたらグーリドに手を掴まれた。


「殿下 、お行儀がわるいですよ」

「本当なら立ち食いも止めて頂きたいとこですが・・・」


「クリーン」

 グーリドが呟くと手の汚れが消えた。そのあと俺の顔をジーと見て唇に指を這わせた。唇についていた汚れもキレイになくなった。
 
「うっ」
 
 俺はたぶん絶対、真赤になってたんだと思う。
 心臓がバクバクして止まらなかったんだ。

 俺、本当にどうしたんだよ!

 グーリドも俺も男同士だぞ!

 落ち着け俺の心臓!

 俺は深呼吸をした。


「グーリドありがとう」

 やっとの想いでお礼を言ったらグーリドが・・・ニコと微笑んだ。
 
 ど・ど・どうしよう。
 
 ものすごいキレイな顔で微笑むんだぜ。
 
 ドクン!

 俺の心臓ヤバイ!

 
「ああぅぅ」
 
 
 ヤバイ変な声でてきた。


 誤魔化そうと思って・・・


「次の場所いこう!」てクルリと反対側を向き別の店に走った。



 ザックが身を屈めグーリドに話し掛けた。

「オイ、グーリドあまり殿下をからかうな」


「………………ふん」



「まったく困ったヤツだな」


 ザックは小さく呟いた。


 

 


 何件メかの店内を物色していたら……



「殿下」

「ザックさんなあに」

 上を見上げて返事を返した。ザックさんデッカイなぁ。

「そろそろ城に戻られた方がよろしいかと」


「もうそんな時間?」


「わかりました(笑)」

 
 俺は楽しかったので又来ようと心に誓ったのだった。


 ザックさん狭いからって運転席に乗るから帰りは馬車の中でグーリドと二人きりで気まずかった。
  だって、グーリドずーと俺見てニコニコしてるんだぜ。ナニ話していいか解んないし・・・けど勇気をだして話しかけてみた。


「あのね父上にお菓子買ったんだけど喜んでくれるかな?」

 人前では父上て呼ぶように魔王(伊藤さん)に言われてるんだ。
    

「陛下は甘いものが大好きですから喜ばれますよ」

「良かった」

 このあとグーリドが街の歴史とか話してたけど記憶にないんだ。俺不覚にも寝落ちしたんだ………


 ・・・・・……………



 
 街の歴史について説明を話し始めてすぐに殿下が目を閉じてしまった。お疲れになったんだろう。
 クッションを置き殿下の頭をのせ頭をなぜた。サラサラの黒髪がとても美しく心地よかった。
 私は城に着くまで殿下の寝顔を堪能することにした。



☆☆☆


 城の城門に到着したので殿下を起こすことにし声をかけた。


「殿下、城に到着しました」


 殿下に声をかけたがピクリともしない。私はかが見込んで殿下にもう一度話し掛け軽く揺すってみた。
 すると殿下が薄く目を開けた。






・・・殿下・・きて・・きだ・・

・・うん~・・

・・ねむい・・・

 誰か呼んでる・・・・・

・・・ダッコ・・・・
 


「「ダッコ」」


 殿下が両手を広げ飛び付いてきたので驚いてその場に尻餅を付いたが殿下を抱き止めた。私の首に腕を廻し離れなくなってしまった。
 よくよく見ればまだ眠っておられる。なんて寝ぼけかただ。殿下を持ち上げ立とうとしたとき・・・

 
「真人くん~お帰り」


 魔王陛下の声と共に馬車のドアがいきよいよく開いた。
 

「・・・なっ・・・・」

「・・・・・・」


 私と陛下は目を合わせたまま凍りついた。





               ☆

               ☆

               ☆

               ☆

               ☆



#読んで頂きありがとうございます。



しおりを挟む
感想 9

あなたにおすすめの小説

運悪く放課後に屯してる不良たちと一緒に転移に巻き込まれた俺、到底馴染めそうにないのでソロで無双する事に決めました。~なのに何故かついて来る…

こまの ととと
BL
『申し訳ございませんが、皆様には今からこちらへと来て頂きます。強制となってしまった事、改めて非礼申し上げます』  ある日、教室中に響いた声だ。  ……この言い方には語弊があった。  正確には、頭の中に響いた声だ。何故なら、耳から聞こえて来た感覚は無く、直接頭を揺らされたという感覚に襲われたからだ。  テレパシーというものが実際にあったなら、確かにこういうものなのかも知れない。  問題はいくつかあるが、最大の問題は……俺はただその教室近くの廊下を歩いていただけという事だ。 *当作品はカクヨム様でも掲載しております。

公爵家の末っ子に転生しました〜出来損ないなので潔く退場しようとしたらうっかり溺愛されてしまった件について〜

上総啓
BL
公爵家の末っ子に転生したシルビオ。 体が弱く生まれて早々ぶっ倒れ、家族は見事に過保護ルートへと突き進んでしまった。 両親はめちゃくちゃ溺愛してくるし、超強い兄様はブラコンに育ち弟絶対守るマンに……。 せっかくファンタジーの世界に転生したんだから魔法も使えたり?と思ったら、我が家に代々伝わる上位氷魔法が俺にだけ使えない? しかも俺に使える魔法は氷魔法じゃなく『神聖魔法』?というか『神聖魔法』を操れるのは神に選ばれた愛し子だけ……? どうせ余命幾ばくもない出来損ないなら仕方ない、お荷物の僕はさっさと今世からも退場しよう……と思ってたのに? 偶然騎士たちを神聖魔法で救って、何故か天使と呼ばれて崇められたり。終いには帝国最強の狂血皇子に溺愛されて囲われちゃったり……いやいやちょっと待て。魔王様、主神様、まさかアンタらも? ……ってあれ、なんかめちゃくちゃ囲われてない?? ――― 病弱ならどうせすぐ死ぬかー。ならちょっとばかし遊んでもいいよね?と自由にやってたら無駄に最強な奴らに溺愛されちゃってた受けの話。 ※別名義で連載していた作品になります。 (名義を統合しこちらに移動することになりました)

ざこてん〜初期雑魚モンスターに転生した俺は、勇者にテイムしてもらう〜

キノア9g
BL
「俺の血を啜るとは……それほど俺を愛しているのか?」 (いえ、ただの生存戦略です!!) 【元社畜の雑魚モンスター(うさぎ)】×【勘違い独占欲勇者】 生き残るために媚びを売ったら、最強の勇者に溺愛されました。 ブラック企業で過労死した俺が転生したのは、RPGの最弱モンスター『ダーク・ラビット(黒うさぎ)』だった。 のんびり草を食んでいたある日、目の前に現れたのはゲーム最強の勇者・アレクセイ。 「経験値」として狩られる!と焦った俺は、生き残るために咄嗟の機転で彼と『従魔契約』を結ぶことに成功する。 「殺さないでくれ!」という一心で、傷口を舐めて契約しただけなのに……。 「魔物の分際で、俺にこれほど情熱的な求愛をするとは」 なぜか勇者様、俺のことを「自分に惚れ込んでいる健気な相棒」だと盛大に勘違い!? 勘違いされたまま、勇者の膝の上で可愛がられる日々。 捨てられないために必死で「有能なペット」を演じていたら、勇者の魔力を受けすぎて、なんと人間の姿に進化してしまい――!? 「もう使い魔の枠には収まらない。俺のすべてはお前のものだ」 ま、待ってください勇者様、愛が重すぎます! 元社畜の生存本能が生んだ、すれ違いと溺愛の異世界BLファンタジー!

学院のモブ役だったはずの青年溺愛物語

紅林
BL
『桜田門学院高等学校』 日本中の超金持ちの子息子女が通うこの学校は東京都内に位置する幼少中高大院までの一貫校だ。しかし学校の規模に見合わず生徒数は一学年300人程の少人数の学院で、他とは少し違う校風の学院でもある。 そんな学院でモブとして役割を果たすはずだった青年の物語

男子高校に入学したらハーレムでした!

はやしかわともえ
BL
閲覧ありがとうございます。 ゆっくり書いていきます。 毎日19時更新です。 よろしくお願い致します。 2022.04.28 お気に入り、栞ありがとうございます。 とても励みになります。 引き続き宜しくお願いします。 2022.05.01 近々番外編SSをあげます。 よければ覗いてみてください。 2022.05.10 お気に入りしてくれてる方、閲覧くださってる方、ありがとうございます。 精一杯書いていきます。 2022.05.15 閲覧、お気に入り、ありがとうございます。 読んでいただけてとても嬉しいです。 近々番外編をあげます。 良ければ覗いてみてください。 2022.05.28 今日で完結です。閲覧、お気に入り本当にありがとうございました。 次作も頑張って書きます。 よろしくおねがいします。

拝啓、目が覚めたらBLゲームの主人公だった件

碧月 晶
BL
さっきまでコンビニに向かっていたはずだったのに、何故か目が覚めたら病院にいた『俺』。 状況が分からず戸惑う『俺』は窓に映った自分の顔を見て驚いた。 「これ…俺、なのか?」 何故ならそこには、恐ろしく整った顔立ちの男が映っていたのだから。 《これは、現代魔法社会系BLゲームの主人公『石留 椿【いしどめ つばき】(16)』に転生しちゃった元平凡男子(享年18)が攻略対象たちと出会い、様々なイベントを経て『運命の相手』を見つけるまでの物語である──。》 ──────────── ~お知らせ~ ※第3話を少し修正しました。 ※第5話を少し修正しました。 ※第6話を少し修正しました。 ※第11話を少し修正しました。 ※第19話を少し修正しました。 ※第22話を少し修正しました。 ※第24話を少し修正しました。 ※第25話を少し修正しました。 ※第26話を少し修正しました。 ※第31話を少し修正しました。 ※第32話を少し修正しました。 ──────────── ※感想(一言だけでも構いません!)、いいね、お気に入り、近況ボードへのコメント、大歓迎です!! ※表紙絵は作者が生成AIで試しに作ってみたものです。

たとえば、俺が幸せになってもいいのなら

夜月るな
BL
全てを1人で抱え込む高校生の少年が、誰かに頼り甘えることを覚えていくまでの物語――― 父を目の前で亡くし、母に突き放され、たった一人寄り添ってくれた兄もいなくなっていまった。 弟を守り、罪悪感も自責の念もたった1人で抱える新谷 律の心が、少しずつほぐれていく。 助けてほしいと言葉にする権利すらないと笑う少年が、救われるまでのお話。

寂しいを分け与えた

こじらせた処女
BL
 いつものように家に帰ったら、母さんが居なかった。最初は何か厄介ごとに巻き込まれたのかと思ったが、部屋が荒れた形跡もないからそうではないらしい。米も、味噌も、指輪も着物も全部が綺麗になくなっていて、代わりに手紙が置いてあった。  昔の恋人が帰ってきた、だからその人の故郷に行く、と。いくらガキの俺でも分かる。俺は捨てられたってことだ。

処理中です...