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第八話:再訪の朝
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秋の気配が、朝の路地に深く、優しく溶け込んでいました。
木々の葉は、ほんの少しずつ赤や黄色に色づき始め、ひんやりとした空気が、かつてはけたましい蝉(せみ)の声で満ちていた通りを、静かに流れていきます。
その朝も、「記憶ベーカリー」の古い木の扉は、いつものように、静かに開かれていました。
店主のサトシは、湯気の立つコーヒーのように、ゆるやかに立ち昇るパンの香りに包まれながら、今日焼く一つ、一つのパン生地に、その温かい手をゆっくりと触れていきます。
店内の棚には、こんがりと焼きあがったばかりのメロンパンが並び、クロワッサンは黄金色の美しい層を幾重にも重ね、ずっしりとしたカンパーニュは、まるで小さな石のように、誇らしげにそこへ置かれていました。
いつも通りの、静かで穏やかな朝——。
ですが、その静けさを破るように、カラン、とドアベルを鳴らして入ってきたのは、どこか見覚えのある、一人の若者でした。
紺色の学生服の上にパーカーを羽織り、少しだけ伸びた前髪の奥の瞳には、わずかな迷いと、そして確かな決意が宿っているようでした。
それは——ユウタでした。
記憶ベーカリーを訪れるのは、数ヶ月ぶりのことです。
彼の足は、まるで吸い寄せられるように、この店へと向かっていました。数日前にスマートフォンの投稿を見てから、ずっと、この店のことが気になっていたのです。
初めて食べたあの時のパンの味。お店に流れる静かな空気。そして、温かく蘇った、あの日の記憶。
それらすべてが、ユウタの心の奥で、じんわりと、まるで生きているかのように息づいていたのです。
サトシは、ゆっくりと顔をあげ、ユウタと目を合わせました。そして、わずかに首をかしげます。
覚えている——けれど、余計な問いかけはしません。それが、サトシの「記憶ベーカリー」での流儀でした。
ユウタは、小さく頭を下げると、ゆっくりとパンの棚の前へ進みました。
今日も、あの日と同じように、美味しそうなメロンパンが並んでいます。
けれど、ユウタは、メロンパンを手に取る前に、ふと、別のパンに目を向けました。
——バターロール。
それは、ごく普通の、何の飾り気もない、シンプルなバターロールでした。
けれど、ユウタの目は、なぜかそこにふいに止まり、その小さなパンに吸い寄せられるようでした。
手を伸ばして、ひとつだけ取る。
そして、レジの前に立つと、目の前の静かな店主に向けて、胸に秘めた思いを絞り出すように、小さく呟きました。
「……あの、前に来たとき、メロンパンを買ったユウタです。……覚えてますか?」
サトシは静かにうなずくと、カウンターの奥にあるメモ帳に、さらさらと文字を書き始めました。
《また来てくれて、ありがとう》
それを見たユウタは、張り詰めていた気持ちが解けたように、ふっと安堵(あんど)の笑みを浮かべました。
ですが、その表情は、すぐに少し曇ります。
「……この前、ここでメロンパンを食べてから……お母さんのこと、すごく、たくさん思い出したんです。運動会の時のこととか、美味しい料理を作ってくれたこととか……」
ユウタの語尾が、少しだけ揺れていました。
「でも、やっぱり……思い出すだけじゃ、どうしたらいいかって、分からなくて……」
サトシは黙って、ユウタが選んだバターロールを、丁寧に袋に詰めます。
その手は、まるでユウタの心を優しく包み込むかのように、静かで、そして確かな温かさがありました。
《パンは、君が思い出を抱えていられるように焼いているんだ》
ユウタは、その文字を読んで、ハッと小さく息を呑みました。
「……覚えてるってこと、ちゃんと向き合わなきゃ、ってことですか?」
サトシは、ゆっくりと首を横に振ると、続けてメモ帳にひとこと、書き足しました。
《覚えてるだけで、じゅうぶんだよ》
ユウタは、何かを心の中で飲み込むように、黙って、深く頷きました。
会計を終え、温かい紙袋を両手で抱えたまま、ユウタはゆっくりと店を出ました。
けれど、扉の外に出て、数歩進んだところで、ユウタはふと、足を止めました。
少しだけ、振り返る。
ユウタは言葉を詰まらせ、両手で紙袋をぎゅっと抱きしめました。
「ここ、なくならないでください」
サトシは、静かにユウタの目を見つめ返しました。
言葉の代わりに、彼は小さく、しかし深く、頷きました。
「……また、来ます」
それは、誰かに強制された約束ではありませんでした。
彼自身の心から出た、確かな「宣言」でした。
サトシは、静かに頷きました。
秋の気配をまとった通りの風が、ふわりと店内に吹き込んできました。
秋の匂いと、優しいパンの香り、そして若者の「声なき言葉」が混ざり合って、記憶ベーカリーの空気に、深く染み込んでいくようでした。
そしてまた、静寂がお店に戻ります。
けれど、その静けさは、今日、少しだけ違っていました。
扉の軋む音もなく、街の喧騒も遠く、ただパンの優しい香りだけが、お店の空気を満たしています。
サトシはカウンターの奥で、今日最後のバタールパンの成形(せいけい)に、静かに取り掛かっていました。
そのとき、控えめな足音が、柔らかく店内に響きました。
視線を上げると、お店の扉の前に立っていたのは——ミサキでした。
ミサキのスマートフォンの画面に映っていたのは、「記憶ベーカリー」を訪れたという、誰かのSNS投稿でした。
——“この店、なくなっちゃうかもしれないんだって”
そんな不安な文とともに、あの懐かしい木製の扉と、美味しそうな焼きたてのメロンパンの写真が添えられていました。
(……そんな、こと……)
通勤途中、ぼんやりとした朝の空気の中で、ミサキの心はふいに、大きく揺さぶられました。
確かに数ヶ月前、一度だけこの店を訪れたことがあります。
胸の奥がじんわりと温かくなった、あの優しい味を、ミサキはふと思い出したのです。
そして今日、ミサキは休憩時間に、気がつけばこの路地裏にふらりと立ち寄っていました。
街の再開発の話も進んでいます。駅周辺が大きく変わっていく中で、もし、この温かいお店が消えてしまったら——。
ミサキがそっと扉を押すと、蝶番(ちょうつがい)がわずかに軋(きし)みました。
カウンターの奥で、店主のサトシが、静かにミサキの方を見ていました。
声はありません。ただ、あの日と同じ、優しく静かな微笑みだけが、ミサキを出迎えてくれました。
ミサキはそっと会釈して、一歩、二歩と足を踏み入れます。
棚には、あのときと同じようにメロンパンが並んでいました。
ほんのり焼き色のついたクッキー生地のふちは、かすかにひび割れていて、見るからに優しい甘さを放っています。
「……ひとつ、ください。メロンパンを」
そう言葉にすると、ミサキの胸の奥が、なぜだか少しだけ、キュッと痛みました。
きっと、あの日と同じ、温かい味を、今日もこのお店は焼いてくれているに違いない、とミサキは思いました。
なのに、あの投稿を見たとき、自分はもう来ないかもしれないと思っていたのです。
サトシは、微笑んだまま小さなメモ帳を取り、サラサラとペンを走らせます。
《ありがとうございます。変わらず、焼いています》
その文字を見た瞬間、ミサキの中にあった小さなざわめきが、すうっと、静かに消えていくのを感じました。
「……変わらず、か。そうですよね」
小さな紙袋に入れられたパンは、ほんのりと温かかったです。
それは、あの日と、同じ。だけど、たしかに、少しだけ違うパンのように感じられました。
ミサキは袋を受け取り、ぺこりと頭を下げます。
そのままくるりと踵(きびす)を返し、出入口へと向かいます。
開けかけた扉の前で、ふと立ち止まりました。
「……また、来てもいいですか?」
ミサキが振り返った先で、サトシはゆっくりと、力強く頷きました。
言葉ではなく、ただ一つの、その仕草で。サトシの優しい気持ちが、ミサキにしっかりと伝わりました。
路地に出ると、空はもう、ほんのりと茜色(あかねいろ)を帯び始めていました。
ミサキは、小さな紙袋を胸に抱え、駅とは逆方向の、来た時とは違う坂道を、ゆっくりと歩き出します。
まだ温かいメロンパンのぬくもりが、手のひらから胸元へと、じわじわと広がっていくようでした。
——この優しいパンの味は、きっと、これからも誰かの心を動かすはずだ。
かつての自分のように。これからの誰かのように。
そして、このお店の持つ「静かな灯り」が、まだ決して消えていないことを、ミサキは確かに感じていました。
木々の葉は、ほんの少しずつ赤や黄色に色づき始め、ひんやりとした空気が、かつてはけたましい蝉(せみ)の声で満ちていた通りを、静かに流れていきます。
その朝も、「記憶ベーカリー」の古い木の扉は、いつものように、静かに開かれていました。
店主のサトシは、湯気の立つコーヒーのように、ゆるやかに立ち昇るパンの香りに包まれながら、今日焼く一つ、一つのパン生地に、その温かい手をゆっくりと触れていきます。
店内の棚には、こんがりと焼きあがったばかりのメロンパンが並び、クロワッサンは黄金色の美しい層を幾重にも重ね、ずっしりとしたカンパーニュは、まるで小さな石のように、誇らしげにそこへ置かれていました。
いつも通りの、静かで穏やかな朝——。
ですが、その静けさを破るように、カラン、とドアベルを鳴らして入ってきたのは、どこか見覚えのある、一人の若者でした。
紺色の学生服の上にパーカーを羽織り、少しだけ伸びた前髪の奥の瞳には、わずかな迷いと、そして確かな決意が宿っているようでした。
それは——ユウタでした。
記憶ベーカリーを訪れるのは、数ヶ月ぶりのことです。
彼の足は、まるで吸い寄せられるように、この店へと向かっていました。数日前にスマートフォンの投稿を見てから、ずっと、この店のことが気になっていたのです。
初めて食べたあの時のパンの味。お店に流れる静かな空気。そして、温かく蘇った、あの日の記憶。
それらすべてが、ユウタの心の奥で、じんわりと、まるで生きているかのように息づいていたのです。
サトシは、ゆっくりと顔をあげ、ユウタと目を合わせました。そして、わずかに首をかしげます。
覚えている——けれど、余計な問いかけはしません。それが、サトシの「記憶ベーカリー」での流儀でした。
ユウタは、小さく頭を下げると、ゆっくりとパンの棚の前へ進みました。
今日も、あの日と同じように、美味しそうなメロンパンが並んでいます。
けれど、ユウタは、メロンパンを手に取る前に、ふと、別のパンに目を向けました。
——バターロール。
それは、ごく普通の、何の飾り気もない、シンプルなバターロールでした。
けれど、ユウタの目は、なぜかそこにふいに止まり、その小さなパンに吸い寄せられるようでした。
手を伸ばして、ひとつだけ取る。
そして、レジの前に立つと、目の前の静かな店主に向けて、胸に秘めた思いを絞り出すように、小さく呟きました。
「……あの、前に来たとき、メロンパンを買ったユウタです。……覚えてますか?」
サトシは静かにうなずくと、カウンターの奥にあるメモ帳に、さらさらと文字を書き始めました。
《また来てくれて、ありがとう》
それを見たユウタは、張り詰めていた気持ちが解けたように、ふっと安堵(あんど)の笑みを浮かべました。
ですが、その表情は、すぐに少し曇ります。
「……この前、ここでメロンパンを食べてから……お母さんのこと、すごく、たくさん思い出したんです。運動会の時のこととか、美味しい料理を作ってくれたこととか……」
ユウタの語尾が、少しだけ揺れていました。
「でも、やっぱり……思い出すだけじゃ、どうしたらいいかって、分からなくて……」
サトシは黙って、ユウタが選んだバターロールを、丁寧に袋に詰めます。
その手は、まるでユウタの心を優しく包み込むかのように、静かで、そして確かな温かさがありました。
《パンは、君が思い出を抱えていられるように焼いているんだ》
ユウタは、その文字を読んで、ハッと小さく息を呑みました。
「……覚えてるってこと、ちゃんと向き合わなきゃ、ってことですか?」
サトシは、ゆっくりと首を横に振ると、続けてメモ帳にひとこと、書き足しました。
《覚えてるだけで、じゅうぶんだよ》
ユウタは、何かを心の中で飲み込むように、黙って、深く頷きました。
会計を終え、温かい紙袋を両手で抱えたまま、ユウタはゆっくりと店を出ました。
けれど、扉の外に出て、数歩進んだところで、ユウタはふと、足を止めました。
少しだけ、振り返る。
ユウタは言葉を詰まらせ、両手で紙袋をぎゅっと抱きしめました。
「ここ、なくならないでください」
サトシは、静かにユウタの目を見つめ返しました。
言葉の代わりに、彼は小さく、しかし深く、頷きました。
「……また、来ます」
それは、誰かに強制された約束ではありませんでした。
彼自身の心から出た、確かな「宣言」でした。
サトシは、静かに頷きました。
秋の気配をまとった通りの風が、ふわりと店内に吹き込んできました。
秋の匂いと、優しいパンの香り、そして若者の「声なき言葉」が混ざり合って、記憶ベーカリーの空気に、深く染み込んでいくようでした。
そしてまた、静寂がお店に戻ります。
けれど、その静けさは、今日、少しだけ違っていました。
扉の軋む音もなく、街の喧騒も遠く、ただパンの優しい香りだけが、お店の空気を満たしています。
サトシはカウンターの奥で、今日最後のバタールパンの成形(せいけい)に、静かに取り掛かっていました。
そのとき、控えめな足音が、柔らかく店内に響きました。
視線を上げると、お店の扉の前に立っていたのは——ミサキでした。
ミサキのスマートフォンの画面に映っていたのは、「記憶ベーカリー」を訪れたという、誰かのSNS投稿でした。
——“この店、なくなっちゃうかもしれないんだって”
そんな不安な文とともに、あの懐かしい木製の扉と、美味しそうな焼きたてのメロンパンの写真が添えられていました。
(……そんな、こと……)
通勤途中、ぼんやりとした朝の空気の中で、ミサキの心はふいに、大きく揺さぶられました。
確かに数ヶ月前、一度だけこの店を訪れたことがあります。
胸の奥がじんわりと温かくなった、あの優しい味を、ミサキはふと思い出したのです。
そして今日、ミサキは休憩時間に、気がつけばこの路地裏にふらりと立ち寄っていました。
街の再開発の話も進んでいます。駅周辺が大きく変わっていく中で、もし、この温かいお店が消えてしまったら——。
ミサキがそっと扉を押すと、蝶番(ちょうつがい)がわずかに軋(きし)みました。
カウンターの奥で、店主のサトシが、静かにミサキの方を見ていました。
声はありません。ただ、あの日と同じ、優しく静かな微笑みだけが、ミサキを出迎えてくれました。
ミサキはそっと会釈して、一歩、二歩と足を踏み入れます。
棚には、あのときと同じようにメロンパンが並んでいました。
ほんのり焼き色のついたクッキー生地のふちは、かすかにひび割れていて、見るからに優しい甘さを放っています。
「……ひとつ、ください。メロンパンを」
そう言葉にすると、ミサキの胸の奥が、なぜだか少しだけ、キュッと痛みました。
きっと、あの日と同じ、温かい味を、今日もこのお店は焼いてくれているに違いない、とミサキは思いました。
なのに、あの投稿を見たとき、自分はもう来ないかもしれないと思っていたのです。
サトシは、微笑んだまま小さなメモ帳を取り、サラサラとペンを走らせます。
《ありがとうございます。変わらず、焼いています》
その文字を見た瞬間、ミサキの中にあった小さなざわめきが、すうっと、静かに消えていくのを感じました。
「……変わらず、か。そうですよね」
小さな紙袋に入れられたパンは、ほんのりと温かかったです。
それは、あの日と、同じ。だけど、たしかに、少しだけ違うパンのように感じられました。
ミサキは袋を受け取り、ぺこりと頭を下げます。
そのままくるりと踵(きびす)を返し、出入口へと向かいます。
開けかけた扉の前で、ふと立ち止まりました。
「……また、来てもいいですか?」
ミサキが振り返った先で、サトシはゆっくりと、力強く頷きました。
言葉ではなく、ただ一つの、その仕草で。サトシの優しい気持ちが、ミサキにしっかりと伝わりました。
路地に出ると、空はもう、ほんのりと茜色(あかねいろ)を帯び始めていました。
ミサキは、小さな紙袋を胸に抱え、駅とは逆方向の、来た時とは違う坂道を、ゆっくりと歩き出します。
まだ温かいメロンパンのぬくもりが、手のひらから胸元へと、じわじわと広がっていくようでした。
——この優しいパンの味は、きっと、これからも誰かの心を動かすはずだ。
かつての自分のように。これからの誰かのように。
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