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16歳、
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東京第二高等学校
ドンッ
「いて、」
「前見て歩け、1年!」
「チビだな、お前」
移動教室が終わり1人教室に戻る所、廊下のど真ん中を雑談しながら歩く3年生にぶつかってしまう。
160cm程で男子の中でも細身のコウは、180cmはありそうなガタイの良い先輩にぶつかりよろける。
「あ?」
「チビ、やる気か?」
「おーい!おーい!先輩すんませ、コウ急げよ!先生呼んでるぞ!」
ドタドタと後ろから先輩たちと同じくらいガタイの良いツヨシが走り寄り、ペコペコと腰低く愛想笑いしながらコウの肩を押し連れ、自分たちの教室へと回収して行く。
「もう、すぐキレるなよな」
「キレてない」
コウは見た目から想像出来ないくらいキレやすい。本人はキレてないというがすぐ突っかかるような態度を取る。
特に先程あったような身長や顔、容姿に関わることに触れるとすぐにキレてしまう。
学校ではそれを回収したり、宥めるのが友達であるツヨシやユリカの役割になっている。
「コウ、またキレたの?少しは抑えなきゃね」
「また先輩とぶつかってチビだの言われてたんだよ」
「チビって言うな」
長めの前髪からギッと自分より背の高いツヨシを睨み付ける。コウはすっかりご機嫌斜めだ。
「もうそんなに怒らないの、よしよし」
目線が同じユリカはいつものように穏やかに笑い、コウのサラサラとした色の薄い髪をあやすように撫でる。
「ん?ユリカ、ちょっと背伸びたか?」
「そうかも、前よりコウの頭撫でやすくなったわ」
「撫でるな」
「コウは入学した時から変わってなさそうだな」
髪を撫でてくるユリカの手を緩くはらい、自分の席へ向かう。丁度担任の先生が教室へ入り帰りのHRとなった。
コウは14歳の時、ある事件の日から身長愚か、身体が成長しない。
2年前ー
日本 東京国 横浜軍事科学研究施設
この日は朝から雨の日だった。
一 コウの両親は科学者で研究施設に設けられた居住区の部屋に住んでいた。
「コウ、学校帰りに研究室に来てくれないか?やっと桜の復元に成功したんだ!」
「コウにも桜、見て欲しいわ」
「わかったよ」
父はタダシ、母はサクラと言い、植物学を専攻に研究をしていた。
2人とも幼き日に見た花々の復元に勤しむ、真面目で穏やかな性格の研究員だった。
特に国花で、母の名前でもあるサクラの復元に力を入れ、先刻ついに開花させる事が出来、2人は朝から浮き足だっていた。
一人息子のコウから見ても仲が良く、今の時代そうないくらい幸せな家庭だと思っていた。
施設内の中学校にコウは通い、放課後両親の約束通り研究室へ向かう。その道中、一機のヘリによる爆弾テロが起きる。
標的となっていたのは研究棟。施設の中でも一番高層の建物で、コウの両親が働く研究室もある場所だ。
雨だった為、保護通路を通り、通路内には警報と非難アナウンスが響き人々は逃げ惑う。
コウは嫌な予感がした。
背中に冷や汗が通る。
一目散に人を押しのけ研究室へ走った。
両親に渡されていた携帯通信端末のGPSを頼りに、指し示す上階を目指す。
何とか生きていたエレベーターに乗りフロアへ辿り着く。
ドアが開くと中心に大木と、それに咲く白色の小さな花が咲き誇り、雨風に攫われるように散っていた。
その床は花びらと赤い血が飛び散り、半壊しかけていた。天井も爆破で半壊、触れてはいけないと言われている雨が降りしきっていた。
初めて触れる雨は冷たかった。
「父さん、母さんどこ?!」
血や光景に身動ぐも、震える足で一歩一歩両親を探すべく前進する。
「コウ?!来るんじゃない!!!」
「父さん?!!」
父の声がする方へ駆け出す。
「ギギギ、さ、サクラはワタシのもの、ギギギッ!!!!」
「サクラ、やめろ!!ひぃっ!?」
ガッガッガッ ブシャアアアッ
「と、父さん?!母さん?!」
この世の物とは思えぬ奇声を上げ叫ぶ母を抱き締め抑え込む父。その父の頭に爪を立て引き剥がそうとし、更に肩へと噛み付き血飛沫が上がる。
とてつもない地獄の光景が広がる。
「ーッ!サクラああああ!!!」
「ギギギーッ!!」
父はスーツの胸ポケットに忍ばせていた護身用の拳銃を片手で取る。肩を噛まれ腕が引き千切られた。
奇声を上げ立ちはだかる目の前の母の脳天に向かい、父は引き金を引く。
パーーーンッ
その弾丸は脳天を貫き、目を四方に回しながらヨタヨタと後方へ後退り、窓が割れ隔たりがなくなった方へと倒れていった。
「か、母さん」
最後の様は、コウの知っていた母とは思えない程、遠い面影だった。
「コウ、すまない、愛してる…」
「父さん」
父は片腕をなくし血が流れ、床へと倒れ崩れた。
コウは遠のく意識の中父へ歩み寄り、その冷たくなる片手を握った。
そして、深い深い闇へ落ちて行った。
コウが14歳の時、両親はテロに巻き込まれ、科学汚染の雨に当たった事から母が狂人化。父を襲い、互いに息子の前で死別。
テロが止み、警察、研究員が来た時、光を通さぬ程の黒い装甲をした大きな卵がそこに浮いていたという。
研究員である木戸 セイジがそれを持ち帰り、羽化させた。
中身はコウであった。
ドンッ
「いて、」
「前見て歩け、1年!」
「チビだな、お前」
移動教室が終わり1人教室に戻る所、廊下のど真ん中を雑談しながら歩く3年生にぶつかってしまう。
160cm程で男子の中でも細身のコウは、180cmはありそうなガタイの良い先輩にぶつかりよろける。
「あ?」
「チビ、やる気か?」
「おーい!おーい!先輩すんませ、コウ急げよ!先生呼んでるぞ!」
ドタドタと後ろから先輩たちと同じくらいガタイの良いツヨシが走り寄り、ペコペコと腰低く愛想笑いしながらコウの肩を押し連れ、自分たちの教室へと回収して行く。
「もう、すぐキレるなよな」
「キレてない」
コウは見た目から想像出来ないくらいキレやすい。本人はキレてないというがすぐ突っかかるような態度を取る。
特に先程あったような身長や顔、容姿に関わることに触れるとすぐにキレてしまう。
学校ではそれを回収したり、宥めるのが友達であるツヨシやユリカの役割になっている。
「コウ、またキレたの?少しは抑えなきゃね」
「また先輩とぶつかってチビだの言われてたんだよ」
「チビって言うな」
長めの前髪からギッと自分より背の高いツヨシを睨み付ける。コウはすっかりご機嫌斜めだ。
「もうそんなに怒らないの、よしよし」
目線が同じユリカはいつものように穏やかに笑い、コウのサラサラとした色の薄い髪をあやすように撫でる。
「ん?ユリカ、ちょっと背伸びたか?」
「そうかも、前よりコウの頭撫でやすくなったわ」
「撫でるな」
「コウは入学した時から変わってなさそうだな」
髪を撫でてくるユリカの手を緩くはらい、自分の席へ向かう。丁度担任の先生が教室へ入り帰りのHRとなった。
コウは14歳の時、ある事件の日から身長愚か、身体が成長しない。
2年前ー
日本 東京国 横浜軍事科学研究施設
この日は朝から雨の日だった。
一 コウの両親は科学者で研究施設に設けられた居住区の部屋に住んでいた。
「コウ、学校帰りに研究室に来てくれないか?やっと桜の復元に成功したんだ!」
「コウにも桜、見て欲しいわ」
「わかったよ」
父はタダシ、母はサクラと言い、植物学を専攻に研究をしていた。
2人とも幼き日に見た花々の復元に勤しむ、真面目で穏やかな性格の研究員だった。
特に国花で、母の名前でもあるサクラの復元に力を入れ、先刻ついに開花させる事が出来、2人は朝から浮き足だっていた。
一人息子のコウから見ても仲が良く、今の時代そうないくらい幸せな家庭だと思っていた。
施設内の中学校にコウは通い、放課後両親の約束通り研究室へ向かう。その道中、一機のヘリによる爆弾テロが起きる。
標的となっていたのは研究棟。施設の中でも一番高層の建物で、コウの両親が働く研究室もある場所だ。
雨だった為、保護通路を通り、通路内には警報と非難アナウンスが響き人々は逃げ惑う。
コウは嫌な予感がした。
背中に冷や汗が通る。
一目散に人を押しのけ研究室へ走った。
両親に渡されていた携帯通信端末のGPSを頼りに、指し示す上階を目指す。
何とか生きていたエレベーターに乗りフロアへ辿り着く。
ドアが開くと中心に大木と、それに咲く白色の小さな花が咲き誇り、雨風に攫われるように散っていた。
その床は花びらと赤い血が飛び散り、半壊しかけていた。天井も爆破で半壊、触れてはいけないと言われている雨が降りしきっていた。
初めて触れる雨は冷たかった。
「父さん、母さんどこ?!」
血や光景に身動ぐも、震える足で一歩一歩両親を探すべく前進する。
「コウ?!来るんじゃない!!!」
「父さん?!!」
父の声がする方へ駆け出す。
「ギギギ、さ、サクラはワタシのもの、ギギギッ!!!!」
「サクラ、やめろ!!ひぃっ!?」
ガッガッガッ ブシャアアアッ
「と、父さん?!母さん?!」
この世の物とは思えぬ奇声を上げ叫ぶ母を抱き締め抑え込む父。その父の頭に爪を立て引き剥がそうとし、更に肩へと噛み付き血飛沫が上がる。
とてつもない地獄の光景が広がる。
「ーッ!サクラああああ!!!」
「ギギギーッ!!」
父はスーツの胸ポケットに忍ばせていた護身用の拳銃を片手で取る。肩を噛まれ腕が引き千切られた。
奇声を上げ立ちはだかる目の前の母の脳天に向かい、父は引き金を引く。
パーーーンッ
その弾丸は脳天を貫き、目を四方に回しながらヨタヨタと後方へ後退り、窓が割れ隔たりがなくなった方へと倒れていった。
「か、母さん」
最後の様は、コウの知っていた母とは思えない程、遠い面影だった。
「コウ、すまない、愛してる…」
「父さん」
父は片腕をなくし血が流れ、床へと倒れ崩れた。
コウは遠のく意識の中父へ歩み寄り、その冷たくなる片手を握った。
そして、深い深い闇へ落ちて行った。
コウが14歳の時、両親はテロに巻き込まれ、科学汚染の雨に当たった事から母が狂人化。父を襲い、互いに息子の前で死別。
テロが止み、警察、研究員が来た時、光を通さぬ程の黒い装甲をした大きな卵がそこに浮いていたという。
研究員である木戸 セイジがそれを持ち帰り、羽化させた。
中身はコウであった。
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