白狼と虎と竜神

朱々丸

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第一章

八話

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ティーガの唇を強引に奪った口づけは、荒々しく、貪るように深かった。

ウォルカの長い舌がティーガの口内を蹂躙し、ざらついた虎の舌を絡め取り、ねっとりと絡みつく。

「っ!? よせ、おいっ……!」

ティーガは本気の口づけに抗おうと顔を背けようとした。

だがウォルカは、この根っからのお人好しの虎が自分の舌を噛めるはずはないと確信し、容赦なく追いかける。

次第に二人の息が上がり、口の周りが唾液でべとべとになる。
舌が絡み合う湿った音が部屋に響き、獣のフェロモンが濃く漂い始めた。

隙をついてティーガがウォルカを引き剥がした。
その腕力はウォルカより遥かに強く、ベッドに転がされそうになる。

「っはぁ、いい加減にしろって! ……落ち着けよ、お前が俺に力で敵うはずがねぇだろうが!」

だが、ウォルカは素早く体勢を立て直し、躊躇なくティーガの弱点である義足を掴んだ。
ティーガが一瞬硬直するのを見逃さず、素早く脚を開かせるように組み敷く。

手に触れたのは、魔導具が普及した今では滅多に見ないほど粗末な木製の義足だった。

まっとうな納税者なら主君のハクラ伯爵が補助金を出しているはずなのに――。

ウォルカは胸を締め付けられるような痛みを覚えるが、それを隠すようにティーガを睨みつけた。

そのまま、露わになった逞しい陰茎を握り締める。既に限界まで勃起したそれは、先走りを糸のように垂らし、熱く脈打っていた。

「……力で敵わない? ふん、お前の弱みは俺が一番よく知っている」

義足の継ぎ目を優しく撫でながら、もう一方の手で猛りを強く握りしめ、親指で先端を抉るようにこする。ぬるぬるとした蜜が指に絡み、滑りを増していく。

「お前は優しすぎるんだ、ティーガ。俺を傷つけられない。それに……」

体を密着させ、耳元で低く唸るように囁く。

「お前も興奮しているじゃないか。こんなに硬く熱くして、俺の手に溶けそうだ。嘘つきめ」

「は、ぅ……っ、うるせぇ……っ。そういう風に、なっちまってんだよ……っ」

ティーガはウォルカの手の動きにびくんと反応し、身体から力が抜けていく。
喘ぎ声を噛み殺すように牙を剥き出しにしながらも、腰が無意識に揺れ始めた。

快感に抵抗しないように、あるいは抵抗できぬように、この場所で調教されているのだ。

その姿に激しい苛立ちを覚えながらも、ウォルカの欲情はさらに燃え上がった。

紅い瞳が欲情に曇り、耳が勝手に動くのを抑えきれない。白い尾が興奮で激しくベッドを叩く。

「他の男の手にもこうやって反応するのか? 許せないな、ティーガ」

義足を押さえていた手をティーガの尻へと回し、指先で入口を執拗になぞった。

「……はあ、ここもこんなに濡れて……欲しがっているじゃないか。
誰でもいいのか? 俺を欲しがれよ。俺だけを見ていろ……」

「ちが、ぅンッ……、んっ……は……ぁ……やめ、あ、あぁ……っ……」

ティーガはウォルカの愛撫のすべてに応えるように甘く喘ぐ。
巨根からは蜜がしとどに溢れ、尻まで伝っていた 。

後孔をなぞる指にひくひくと動くそこは、濡れた音を立て、ウォルカの指を呑み込もうとする。

ティーガは次第に目を虚ろにし、口端から唾液を溢した。
それでも最後の理性にしがみつくように、顔を苦悶に歪める。

「はぁ、はー……はぁ、っだめ、だ……俺、は……」

ティーガの甘い喘ぎに、ウォルカの胸の奥が熱く疼いた。紅い瞳を細め、喜びに耳を震わせる。

苛立ちと愛おしさが混じり、ウォルカはさらに指を押し込み、熱い内壁を優しく探るように動かした。

「だめじゃないだろ、ティーガ。お前の身体は正直だ。俺の指をこんなに締め付けて、欲しがっている」

首筋に牙を軽く立てて息を吹きかけ、耳元で低く囁く。ウォルカ自身も限界まで硬くなった下腹部をティーガの太腿に押しつけた。

「もう他の男には応えるな。俺だけだ。お前を俺のものにする……今すぐ、全部俺の熱で満たしてやる。言えよ、ティーガ。俺を欲しがってるって……」

「あっ! はあ……ぁっ、あっ、あっイくっ! イく……っ!」

ティーガがびくんと跳ね、喘ぎを大きくする 。熱く蕩けた内部は待ち兼ねていたかのように指を貪り、身体が快感に仰け反っていく。

ついには耐え切れず、陰茎からびゅるびゅると白濁が噴き出した。

「イったな、ティーガ。俺の指一本でこんなに乱れて……可愛いじゃないか」

身体を密着させ、牙を立てて甘噛みする。
ウォルカの陰茎がティーガの太腿を熱く擦り、声が掠れた。

「まだ終わりじゃないぞ」

ティーガは余韻に胸を上下させながら、とろんとした顔をする。

やがて、まるで決まった流れであるかのように身体は勝手に動き、ウォルカの股間に顔を埋めた。

その猛りを口に含めば、躊躇なく喉の奥まで咥え、じゅぶと唾液の絡む音を立てて奉仕を始めた。猫科特有のざらついた舌を熱心に絡ませながら、物欲しげな視線をウォルカに送る。

そこにはもう理性などなく、欲望と期待に満ちていて、ウォルカの背筋に甘い痺れを走らせた。

「はぁ……、んぐ……、んっ……」

ウォルカはティーガのそんな姿に、憎らしさが混じった暗い喜びに陶酔する。
ざらついた舌が這う感触に身体が震え、紅い瞳が細くなった。

「……くっ、ティーガ……お前の舌、こんなに上手いなんて……熱くて……ざらざらしてやがる……」

毛並みに指を絡め、喉の奥まで深く咥え込まれる快楽に腰を押しつける。

「他の奴らにもこうやって……くそ、もう俺だけを見てろ…!全部を飲み込んで、俺のものだって証明しろ……!」

「ぐっ、うぅ、っ……っ……! んぐっ……」

ティーガはウォルカの言葉に従い、喉を深く開いていく。

喉の奥を突けば反射で先端が絞めつけられ、ウォルカは堪らず射精した。

「ぐっ! あぁッ! 出るっ、出すぞ……っ!」

指をティーガの頭に強く絡め、腰を押しつけながら、熱い奔流を喉奥に吐き出した。
狼の射精は長く続き、ティーガの喉を熱く満たす。

「はぁっ……はぁっ……! ティーガ……っはあ、こんなに締め付けて……お前……」

ティーガは生理的な涙に目を潤ませながら、ごくごくと喉を鳴らして飲み下し、ウォルカが手を離すまで従順に舌を沿わせ続けた。

ウォルカは堪らずティーガを押し倒し、その巨漢を組み敷く。

もはやティーガに抵抗はなく、自ら脚を開く。陰茎からとろりと溢れ落ちる白濁が後孔まで伝っていた。

「は、ぁ……、はぁ……、ウォルカ……」

切なげに名を呼ぶティーガ。

その潤んだ瞳を見つめ、ウォルカはついに自分自身のすべてを、彼の中へと突き立てようとしていた。
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