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番外編
番外編③ 語り継がれる伝説
しおりを挟むこの国には、かつて一人の騎士がいたという。
貴族の生まれでありながら、剣を取り、王と国を守る道を選んだ女性。
その剣は、幾度も王宮を、そして人々を救ったと伝えられている。
だが、彼女の名を知る者は、もうほとんどいない。
「公爵令嬢だったらしい」
「いや、もともと王宮の騎士だったのでは?」
「影の組織と戦い続け、どこか遠くの地で生涯を終えたとも聞く……」
人々の間で語られる話は、どれも違っていた。
だが、王宮の一角にある騎士団の訓練場では、今でも時折、その名が囁かれる。
「リナ団長、今日も厳しいな……。」
「そりゃあな。彼女が育てた弟子だぜ?」
若い騎士たちがひそひそと話す中、訓練場の中央では、一人の女性が剣を振るっていた。
リナ・フェルナンド。
かつて、ただの新人騎士だった彼女は、今や騎士団を率いる立場にあった。
その視線の先には、城壁の上から見守るロイの姿がある。
「まったく、あの頃と変わらねえな。」
ロイは小さく笑い、遠くの空を見上げる。
(もし、あいつがここにいたら……何て言うだろうな。)
雲ひとつない青空の向こうに、かつての仲間の面影を思い浮かべながら、彼はそっと呟いた。
「お前の教えは、まだここに生きてるぜ、マリアンヌ。」
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