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嵐を呼ぶウエディングドレス IV
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空は雲ひとつない快晴で時折り微風が頬を撫でるのが心地いい。
街の古い小さな教会では結婚式があるらしくいつもは寂れた印象の教会に珍しく忙しげに人の出入りがあった。
祭壇の前で花嫁を待つスチュアートは落ち着かなかった。数日前の結婚式では緊張などまったくしなかったのに、今日の結婚式では緊張からか喉はからからになり、いつもならしなやかに動く体もぎこちなく感じる。
教会の参列者用の席には、国王の姿があった。そしてジョイの件で王都を離れた一部の元側近達の姿も。ソコロ側にはソコロの母、公爵夫人の姿と、その横にソコロの兄の姿もあり兄の横には兄の嫁、イライザの姿も。前回の式では出張中で出席できなかったジエネッタの姿もある。が、アンバーの姿はなかった。デイブの姿はスチュアート側の席にある。
古くて小さい教会なのに、扉だけはとても立派で重厚感があった。パイプオルガンの音が室内に鳴り響き扉が開くと薄暗い教会の座席に座る人々は、半身捻り一斉に扉の方向へ視線を向けるが逆光で二つの人影しか確認できない。
赤い絨毯の上を2つの影がゆっくりと歩き出し、スチュアートの待つ祭壇前に近づいてく。目が慣れれば二人が誰だかは座席の人々もすぐに把握できた。
花嫁ソコロとその父、モルガン公爵だ。
花嫁ソコロの瞳は涙で潤んでいた。まさか父が今日、自分のエスコートをしてスチュアートの元まで連れて行ってもらえるなど思ってもみなかったからだ。控室から麻のドレスを着て教会の扉の前まで行き、父の姿を確認したときにはソコロは目を疑った。本当に父なのだと認識したら涙が溢れた。
久しぶりに会った父は変わらない様子で柔らかな笑みを浮かべてソコロの白い薔薇で飾った麻のドレスを褒め、そして腕をだすとソコロへつかまるように促す。ソコロは震える手で恐るおそる父につかまる。そんなソコロの手に父は大きな手を被せ、優しく包み込んだ。小さな頃から慣れ親しんだ、父の大きくて温かな手に嗚咽して泣きたくなるのをソコロは堪え、扉が開くのを待った。その間も会話はないが沈黙の時間を苦痛とは感じず、反対に父との思い出が浮かんでは消え浮かんでは消えて、ソコロの胸は詰まる。父はどうなのかとソコロが伺えば、父もまた表情には出さないものの、エスコートする腕にぐっと力が入っている様子から、思うところはあるのかもしれない。
ソコロは笑顔で笑顔でと自分にいい聞かせながら、絨毯の上を歩きスチュアートの元へ。そして花嫁の父から花婿へ花嫁が引き渡される。
スチュアートとモルガン公爵が対峙する。スチュアートの緊張の原因の義父モルガン公爵。スチュアートとデイブの懇願で今日この舞台に登場はしてもらえたが、スチュアートはソコロとのことを義父にすべて許してもらったわけではない。それだけに義父の前で弱みや粗相をするわけにはいかないと考えてしまい、スチュアートは極度の緊張を強いられた。
鋭い眼光をモルガン公爵はスチュアートに向ける。元王族の矜持がなんとかモルガン公爵の眼差しに怯むのをとどめた。認めていない、忘れるな小僧とでも言いたげなモルガン公爵にスチュアートは頭を下げる。今は勝てない。男としても、貴族としても……。だが必ずソコロに相応しいと義父に認めさせるとスチュアートは改めて誓うのだった。
教会の外に出ても前回のようにフラワーシャワーもなければなにもない。
モルガン公爵は早々に公爵夫人を伴って姿を消し、残った者はハーディング伯爵邸へ移動するが国王陛下もハーディング伯爵邸へ行きたいと駄々を捏ねられ、警備の問題もあり丁寧にお断りすると、渋々納得した国王陛下だが、その瞳にはありありと落胆の色を浮かべていた。余程息子が心配なのだろう。
ハーディング伯爵邸ではアンバーが出迎えた。ハーディング伯爵家の使用人だけでは人手が足りないだろうと、ドゥリー伯爵家の使用人を連れてきていた。式場には行っていなかったアンバーはイライザがいることに驚くが、そーいえばソコロの兄と結婚していたのを思い出した。
「これは父から。ソコロの持参金だ」
そう言ってソコロの兄が差し出した封筒を確認し、書類に目を通したスチュアートは目を見張ってソコロの兄を見返した。スチュアートの顔は驚き過ぎて間抜け顔になっていたに違いない。
「父からの気持ちだ。受け取っておけ」
「だが……」
ソコロの兄はすましてワインを口にする。もう一度スチュアートは書類の金額に目をやる。そしてまた目を見張る。金額がそれくらいに大きかった。
「父はソコロが可愛いのだよ。公爵家の当主だからソコロを駒の一つに使ったりはするが、感情としては可愛いが勝つのだろう。だから受け取っておけ。」
ソコロの兄は昔とまったく変わらない友情を示すかのように、スチュアートの肩を軽く叩いた。
そこへソコロがひょこっと現れてスチュアートのもつ書類に目をやると満面の笑顔になりスチュアートを見上げた。
「これだけあれば領地の立て直しに使えるわね!」
声を弾ませて言ったソコロに、兄はその前に屋敷の修繕が先ではと言いかけて、ソコロがあまりにもいい顔をしていたので、言うのを止め代わりに苦笑いを浮かべた。
「しかしあの父をよく説得できたな」
「あぁ……大変だった」
ソコロの兄の言葉にデイブと二人で画策した日々をスチュアートは回想し、ソコロの臍を曲げたときの頑固さは公爵譲りだと確信する。
そんなスチュアートの様子に笑いながら、ソコロの兄は妻のイライザを連れてハーディング伯爵邸をあとにした。
♦︎♢♦︎♢♦︎♢
ソコロは緊張しながら寝室でスチュアートを待っていた。今さらながら?一応は初夜なのだ。夜は大概二人で過ごしているから、こうして寝室で一人スチュアートを待つなど初めてで落ち着かない。
ベッド脇のサイドテーブルの上には読みかけの本もあるが手にとる気にもなれず、ベッドの上を転がってみたり、正座してみたり、飛び跳ねてみたり、枕を叩いてみたりしたが、どうやら無駄な努力だったらしく依然として落ち着かない上に心臓もどきどきとしてきた。
どうしよう、どうしたらいいのかしらと、ソコロがオロオロしだしたときに、寝室の扉ががちゃりと音を立てて開きスチュアートが入ってきた。
きゅん…………っとソコロの胸が鳴った。
「待たせたな……」
スチュアートも緊張した面持ちでソコロと対面する。
突然恥ずかしくなったソコロはスチュアートに言葉をかけられず、ほんのり顔を赤くして俯きながら頷いた。どうしよういつもみたいにスチュアートに接せられない。とソコロはどうしたらいいのと内心で焦っていた。余裕がないなど珍しい出来事。
スチュアートはそんなソコロを可愛いと思いつつ、ソコロがぺたっと座っているベッドへ移動するとソコロと対面して胡座をかいて座わり、俯くソコロの顎を優しくくいっと上げた。
「ふふふ、ソコロ可愛い。緊張してる?」
揶揄われたとソコロは思い、かぁっとさらに顔を赤くしてきっとスチュアートを睨んだ。だがスチュアートは余裕でそんなソコロをいなす。
「ソコロのそんな顔も可愛い」
スチュアートはソコロの手をとると指を絡ませ、腰を抱いてソコロを自分の方へ引き寄せる。自然とソコロの顔はスチュアートの胸の中に収められ、スチュアートはソコロの頭に自分の顎をのせると、片手は指を絡ませたまま器用に片手でぎゅっとソコロを抱きしめた。
指を開いては絡め、開いては絡めをスチュアートは飽きることなく繰り返す。それを見ているソコロもスチュアートの子供じみた行為にふふっと笑みを漏らして指が絡まないように妨害を試みるが、スチュアートに力尽くで絡まれてしまう。
「ふふっ」
「ははっ」
ソコロの緊張もすっかり溶けてきて、柔らかい雰囲気が二人を包む。それを感じたのかスチュアートは絡めた指を解いて両手でソコロを抱きしめ、ソコロの頭から顎を離す。そして
「ソコロ、こんな私の妻になってくれてありがとう」
ソコロが見上げると真剣な瞳をしたスチュアートの顔があった。
「こちらこそ。妻にしてくれてありがとう。あと……父のことありがとう。とても、とても嬉しかった」
どんどんと涙が溢れてくる。ソコロは溢れる涙を止められなくて俯むいてしまう。
「喜んでくれたなら、頑張った甲斐があった」
「うん…………すごく……凄くうれしかった……ぐずっ」
「そうか」
スチュアートはソコロの頭を撫でていた手を止めると、ソコロをゆっくりとベッドへと押し倒し、唇に口づけをした。
「ソコロ、そばかすができてる」
額を擦り合わせ見つめ合いながらスチュアートは言った。
「ふふふ、この頃外にいることが多くて、日差しに当たっちゃうから」
公爵令嬢時代だったら使用人が気を遣ってソコロに日焼けなどさせなかっただろう。だがハーディング伯爵邸ではそこまでソコロに気を遣えるほど使用人の数がいない、足りてないくらいだ。
「ソコロのそばかすの数だけ愛する」
スチュアートの長い指がソコロのそばかすをなぞる。
「ふふふ、ならいっぱいそばかすをつくらないと」
「あぁ、いっぱいつくってくれ」
くすりと笑い合い、口付けをしてスチュアートとソコロは夫婦として、初めての夜を過ごすのだった。
♦︎♢♦︎♢♦︎♢
イライザちゃんの登場。悪役令嬢(間抜けすぎて悪役できないけど)なのにヒロインだと思い込んでるぶっ飛びキャラです。d( ̄  ̄)ソコロちゃんと同じ歳でソコロ兄の嫁さんになります。
街の古い小さな教会では結婚式があるらしくいつもは寂れた印象の教会に珍しく忙しげに人の出入りがあった。
祭壇の前で花嫁を待つスチュアートは落ち着かなかった。数日前の結婚式では緊張などまったくしなかったのに、今日の結婚式では緊張からか喉はからからになり、いつもならしなやかに動く体もぎこちなく感じる。
教会の参列者用の席には、国王の姿があった。そしてジョイの件で王都を離れた一部の元側近達の姿も。ソコロ側にはソコロの母、公爵夫人の姿と、その横にソコロの兄の姿もあり兄の横には兄の嫁、イライザの姿も。前回の式では出張中で出席できなかったジエネッタの姿もある。が、アンバーの姿はなかった。デイブの姿はスチュアート側の席にある。
古くて小さい教会なのに、扉だけはとても立派で重厚感があった。パイプオルガンの音が室内に鳴り響き扉が開くと薄暗い教会の座席に座る人々は、半身捻り一斉に扉の方向へ視線を向けるが逆光で二つの人影しか確認できない。
赤い絨毯の上を2つの影がゆっくりと歩き出し、スチュアートの待つ祭壇前に近づいてく。目が慣れれば二人が誰だかは座席の人々もすぐに把握できた。
花嫁ソコロとその父、モルガン公爵だ。
花嫁ソコロの瞳は涙で潤んでいた。まさか父が今日、自分のエスコートをしてスチュアートの元まで連れて行ってもらえるなど思ってもみなかったからだ。控室から麻のドレスを着て教会の扉の前まで行き、父の姿を確認したときにはソコロは目を疑った。本当に父なのだと認識したら涙が溢れた。
久しぶりに会った父は変わらない様子で柔らかな笑みを浮かべてソコロの白い薔薇で飾った麻のドレスを褒め、そして腕をだすとソコロへつかまるように促す。ソコロは震える手で恐るおそる父につかまる。そんなソコロの手に父は大きな手を被せ、優しく包み込んだ。小さな頃から慣れ親しんだ、父の大きくて温かな手に嗚咽して泣きたくなるのをソコロは堪え、扉が開くのを待った。その間も会話はないが沈黙の時間を苦痛とは感じず、反対に父との思い出が浮かんでは消え浮かんでは消えて、ソコロの胸は詰まる。父はどうなのかとソコロが伺えば、父もまた表情には出さないものの、エスコートする腕にぐっと力が入っている様子から、思うところはあるのかもしれない。
ソコロは笑顔で笑顔でと自分にいい聞かせながら、絨毯の上を歩きスチュアートの元へ。そして花嫁の父から花婿へ花嫁が引き渡される。
スチュアートとモルガン公爵が対峙する。スチュアートの緊張の原因の義父モルガン公爵。スチュアートとデイブの懇願で今日この舞台に登場はしてもらえたが、スチュアートはソコロとのことを義父にすべて許してもらったわけではない。それだけに義父の前で弱みや粗相をするわけにはいかないと考えてしまい、スチュアートは極度の緊張を強いられた。
鋭い眼光をモルガン公爵はスチュアートに向ける。元王族の矜持がなんとかモルガン公爵の眼差しに怯むのをとどめた。認めていない、忘れるな小僧とでも言いたげなモルガン公爵にスチュアートは頭を下げる。今は勝てない。男としても、貴族としても……。だが必ずソコロに相応しいと義父に認めさせるとスチュアートは改めて誓うのだった。
教会の外に出ても前回のようにフラワーシャワーもなければなにもない。
モルガン公爵は早々に公爵夫人を伴って姿を消し、残った者はハーディング伯爵邸へ移動するが国王陛下もハーディング伯爵邸へ行きたいと駄々を捏ねられ、警備の問題もあり丁寧にお断りすると、渋々納得した国王陛下だが、その瞳にはありありと落胆の色を浮かべていた。余程息子が心配なのだろう。
ハーディング伯爵邸ではアンバーが出迎えた。ハーディング伯爵家の使用人だけでは人手が足りないだろうと、ドゥリー伯爵家の使用人を連れてきていた。式場には行っていなかったアンバーはイライザがいることに驚くが、そーいえばソコロの兄と結婚していたのを思い出した。
「これは父から。ソコロの持参金だ」
そう言ってソコロの兄が差し出した封筒を確認し、書類に目を通したスチュアートは目を見張ってソコロの兄を見返した。スチュアートの顔は驚き過ぎて間抜け顔になっていたに違いない。
「父からの気持ちだ。受け取っておけ」
「だが……」
ソコロの兄はすましてワインを口にする。もう一度スチュアートは書類の金額に目をやる。そしてまた目を見張る。金額がそれくらいに大きかった。
「父はソコロが可愛いのだよ。公爵家の当主だからソコロを駒の一つに使ったりはするが、感情としては可愛いが勝つのだろう。だから受け取っておけ。」
ソコロの兄は昔とまったく変わらない友情を示すかのように、スチュアートの肩を軽く叩いた。
そこへソコロがひょこっと現れてスチュアートのもつ書類に目をやると満面の笑顔になりスチュアートを見上げた。
「これだけあれば領地の立て直しに使えるわね!」
声を弾ませて言ったソコロに、兄はその前に屋敷の修繕が先ではと言いかけて、ソコロがあまりにもいい顔をしていたので、言うのを止め代わりに苦笑いを浮かべた。
「しかしあの父をよく説得できたな」
「あぁ……大変だった」
ソコロの兄の言葉にデイブと二人で画策した日々をスチュアートは回想し、ソコロの臍を曲げたときの頑固さは公爵譲りだと確信する。
そんなスチュアートの様子に笑いながら、ソコロの兄は妻のイライザを連れてハーディング伯爵邸をあとにした。
♦︎♢♦︎♢♦︎♢
ソコロは緊張しながら寝室でスチュアートを待っていた。今さらながら?一応は初夜なのだ。夜は大概二人で過ごしているから、こうして寝室で一人スチュアートを待つなど初めてで落ち着かない。
ベッド脇のサイドテーブルの上には読みかけの本もあるが手にとる気にもなれず、ベッドの上を転がってみたり、正座してみたり、飛び跳ねてみたり、枕を叩いてみたりしたが、どうやら無駄な努力だったらしく依然として落ち着かない上に心臓もどきどきとしてきた。
どうしよう、どうしたらいいのかしらと、ソコロがオロオロしだしたときに、寝室の扉ががちゃりと音を立てて開きスチュアートが入ってきた。
きゅん…………っとソコロの胸が鳴った。
「待たせたな……」
スチュアートも緊張した面持ちでソコロと対面する。
突然恥ずかしくなったソコロはスチュアートに言葉をかけられず、ほんのり顔を赤くして俯きながら頷いた。どうしよういつもみたいにスチュアートに接せられない。とソコロはどうしたらいいのと内心で焦っていた。余裕がないなど珍しい出来事。
スチュアートはそんなソコロを可愛いと思いつつ、ソコロがぺたっと座っているベッドへ移動するとソコロと対面して胡座をかいて座わり、俯くソコロの顎を優しくくいっと上げた。
「ふふふ、ソコロ可愛い。緊張してる?」
揶揄われたとソコロは思い、かぁっとさらに顔を赤くしてきっとスチュアートを睨んだ。だがスチュアートは余裕でそんなソコロをいなす。
「ソコロのそんな顔も可愛い」
スチュアートはソコロの手をとると指を絡ませ、腰を抱いてソコロを自分の方へ引き寄せる。自然とソコロの顔はスチュアートの胸の中に収められ、スチュアートはソコロの頭に自分の顎をのせると、片手は指を絡ませたまま器用に片手でぎゅっとソコロを抱きしめた。
指を開いては絡め、開いては絡めをスチュアートは飽きることなく繰り返す。それを見ているソコロもスチュアートの子供じみた行為にふふっと笑みを漏らして指が絡まないように妨害を試みるが、スチュアートに力尽くで絡まれてしまう。
「ふふっ」
「ははっ」
ソコロの緊張もすっかり溶けてきて、柔らかい雰囲気が二人を包む。それを感じたのかスチュアートは絡めた指を解いて両手でソコロを抱きしめ、ソコロの頭から顎を離す。そして
「ソコロ、こんな私の妻になってくれてありがとう」
ソコロが見上げると真剣な瞳をしたスチュアートの顔があった。
「こちらこそ。妻にしてくれてありがとう。あと……父のことありがとう。とても、とても嬉しかった」
どんどんと涙が溢れてくる。ソコロは溢れる涙を止められなくて俯むいてしまう。
「喜んでくれたなら、頑張った甲斐があった」
「うん…………すごく……凄くうれしかった……ぐずっ」
「そうか」
スチュアートはソコロの頭を撫でていた手を止めると、ソコロをゆっくりとベッドへと押し倒し、唇に口づけをした。
「ソコロ、そばかすができてる」
額を擦り合わせ見つめ合いながらスチュアートは言った。
「ふふふ、この頃外にいることが多くて、日差しに当たっちゃうから」
公爵令嬢時代だったら使用人が気を遣ってソコロに日焼けなどさせなかっただろう。だがハーディング伯爵邸ではそこまでソコロに気を遣えるほど使用人の数がいない、足りてないくらいだ。
「ソコロのそばかすの数だけ愛する」
スチュアートの長い指がソコロのそばかすをなぞる。
「ふふふ、ならいっぱいそばかすをつくらないと」
「あぁ、いっぱいつくってくれ」
くすりと笑い合い、口付けをしてスチュアートとソコロは夫婦として、初めての夜を過ごすのだった。
♦︎♢♦︎♢♦︎♢
イライザちゃんの登場。悪役令嬢(間抜けすぎて悪役できないけど)なのにヒロインだと思い込んでるぶっ飛びキャラです。d( ̄  ̄)ソコロちゃんと同じ歳でソコロ兄の嫁さんになります。
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