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22話 特訓開始
「光栄って……。因みに今の段階は――」
「『抑圧解放:フェーズ1』。お前たちの条件達成にまずはあと4段階後私にギアを上げさせないと駄目ってことだ」
「いくらなんでもそれはハードルが高いわよ!」
「んー?とか言いつつ、お前、亜人の方はこの殺気にあてられても普通にしていられるじゃないか?お前たち、昨日から今までダンジョンにいなかったってのに、どれだけレベルを上げたんだ?」
「それは……」
「ははは!もったいぶるねえ!でも戦えば一発だ!」
「ちょっと!いきなりって、そんなっ!?条件、3階層に行くための条件はともかく、報酬をもらう条件をっ――」
ミークの言葉を無視して突っ込んでくる荒井さんは最早モンスターよりモンスター。
ただ単純に正面から向かってくるのではなく、俺たちの視線を左右に揺らせて気持ちを逸らせながらというのが、強者のそれを余計に感じさせる。
「へぇ。目は付いてきてるな。じゃあ今度は防御面だ」
荒井さんはあっという間に距離を詰めると、ジャブを数発。
ジャブといえどもその威力は高い。
それなのに大きく振りかぶってくるわけではないから避けることはできず、とにかく両腕でガード。
ここに来るまでにスライムの死体を使って防御力強化小と防御力強化中のバフを付与させておいたのが功を奏した。
とはいえ、このままじゃ反撃の隙がないが……。
「当然だけど昨日よりも硬い!私の実力を察してるから、受け方もいくらかマシ!でも、その体勢を維持してるだけじゃただのサンドバッグ――」
「がああああああぁあぁああっ!!」
殴られた腕に早くも腫れを感じた始めたころ、戦闘に参加してこれないでいたミークがスキル『怒号』を発動させ、辺りに振動による衝撃波を生み出した。
ダメージはないのかもしれないけど、流石に大きな音には驚いたのか、一瞬たじろいだその瞬間に 俺は指刃で左手の人差し指を刃に変え、脇腹を刺した、はずだった。
「惜しいな。知能の低いモンスターだったらそれでダメージは入ってた。でも、あくまで『知能の低い』場合だけだ。覚えておけ、敵の攻撃ってのは防御力がある程度高く、視力強化が活きていれば、こうしていなすこともできるし、ノーダメージのまま身を引くこともできるってな」
攻撃の当たる直前、一瞬腹を後ろに下げた荒井さんはそのまま敢えて俺の指を肌に沿わせて先端を空に逃がしたのだ。
到底人間の技とは思えないけど、それを可能にするのがダンジョン。
それを思い知らせてくれるような達人芸だが……。
そんなのを俺たちにも強要するのはちょっと違いやありませんか?
「おい呆気にとられてないで、次の攻撃をすぐに出さないと駄目だろ。とはいえ、少しばかり驚かされたからな……あーなんだっけ、報酬?その話聞いてやらなくもないぞ」
「じゃあその段階ごとに私たちにモンスターの素材を譲ってもらってもいいかしら。それがどれくらいで引き上げられるかは分からないけど」
「なんだそんなことでいいのか?それなら構わないぞ。昨日と同じ素材はまだあるし、他にも結構貯まってるからな」
「やった!」
「ただ今のレベルじゃそれは無理だと思うぞ。お前たちも一頻り戦ったらその辺に転がってる奴らと同じでモンスターとの戦闘も詰んでもらいながらレベル上げだ。安心しろ、お前たちなら殺気で動きの鈍ってるモンスターたちで手こずったりはしない。ただ私と戦ったことは活かせ。相手を観察して攻撃の予測。それに対応できる動きを学べ 」
昨日は気づかなかったけど、やっぱりこの人も上に立ってる人なんだな。
戦闘を教えるとなると、途端に教師っぽさが出てきた。
口の悪さに反して優しさを感じるかも。
「さて、きっともうモンスターとの戦闘に切り替えてもいいのかもしれないが……。それだと私の気が収まらない。ずっと我慢してたんだ、もっともっと楽しませてくれ!」
前言撤回。
この人の性格本当にたちが悪いわ。
「『抑圧解放:フェーズ1』。お前たちの条件達成にまずはあと4段階後私にギアを上げさせないと駄目ってことだ」
「いくらなんでもそれはハードルが高いわよ!」
「んー?とか言いつつ、お前、亜人の方はこの殺気にあてられても普通にしていられるじゃないか?お前たち、昨日から今までダンジョンにいなかったってのに、どれだけレベルを上げたんだ?」
「それは……」
「ははは!もったいぶるねえ!でも戦えば一発だ!」
「ちょっと!いきなりって、そんなっ!?条件、3階層に行くための条件はともかく、報酬をもらう条件をっ――」
ミークの言葉を無視して突っ込んでくる荒井さんは最早モンスターよりモンスター。
ただ単純に正面から向かってくるのではなく、俺たちの視線を左右に揺らせて気持ちを逸らせながらというのが、強者のそれを余計に感じさせる。
「へぇ。目は付いてきてるな。じゃあ今度は防御面だ」
荒井さんはあっという間に距離を詰めると、ジャブを数発。
ジャブといえどもその威力は高い。
それなのに大きく振りかぶってくるわけではないから避けることはできず、とにかく両腕でガード。
ここに来るまでにスライムの死体を使って防御力強化小と防御力強化中のバフを付与させておいたのが功を奏した。
とはいえ、このままじゃ反撃の隙がないが……。
「当然だけど昨日よりも硬い!私の実力を察してるから、受け方もいくらかマシ!でも、その体勢を維持してるだけじゃただのサンドバッグ――」
「がああああああぁあぁああっ!!」
殴られた腕に早くも腫れを感じた始めたころ、戦闘に参加してこれないでいたミークがスキル『怒号』を発動させ、辺りに振動による衝撃波を生み出した。
ダメージはないのかもしれないけど、流石に大きな音には驚いたのか、一瞬たじろいだその瞬間に 俺は指刃で左手の人差し指を刃に変え、脇腹を刺した、はずだった。
「惜しいな。知能の低いモンスターだったらそれでダメージは入ってた。でも、あくまで『知能の低い』場合だけだ。覚えておけ、敵の攻撃ってのは防御力がある程度高く、視力強化が活きていれば、こうしていなすこともできるし、ノーダメージのまま身を引くこともできるってな」
攻撃の当たる直前、一瞬腹を後ろに下げた荒井さんはそのまま敢えて俺の指を肌に沿わせて先端を空に逃がしたのだ。
到底人間の技とは思えないけど、それを可能にするのがダンジョン。
それを思い知らせてくれるような達人芸だが……。
そんなのを俺たちにも強要するのはちょっと違いやありませんか?
「おい呆気にとられてないで、次の攻撃をすぐに出さないと駄目だろ。とはいえ、少しばかり驚かされたからな……あーなんだっけ、報酬?その話聞いてやらなくもないぞ」
「じゃあその段階ごとに私たちにモンスターの素材を譲ってもらってもいいかしら。それがどれくらいで引き上げられるかは分からないけど」
「なんだそんなことでいいのか?それなら構わないぞ。昨日と同じ素材はまだあるし、他にも結構貯まってるからな」
「やった!」
「ただ今のレベルじゃそれは無理だと思うぞ。お前たちも一頻り戦ったらその辺に転がってる奴らと同じでモンスターとの戦闘も詰んでもらいながらレベル上げだ。安心しろ、お前たちなら殺気で動きの鈍ってるモンスターたちで手こずったりはしない。ただ私と戦ったことは活かせ。相手を観察して攻撃の予測。それに対応できる動きを学べ 」
昨日は気づかなかったけど、やっぱりこの人も上に立ってる人なんだな。
戦闘を教えるとなると、途端に教師っぽさが出てきた。
口の悪さに反して優しさを感じるかも。
「さて、きっともうモンスターとの戦闘に切り替えてもいいのかもしれないが……。それだと私の気が収まらない。ずっと我慢してたんだ、もっともっと楽しませてくれ!」
前言撤回。
この人の性格本当にたちが悪いわ。
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