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六章 異世界旅行編 4 大陸の最東端へ
838 モンスター以外の潜伏者
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坑道内には光苔が生えており、ランタンの灯りを吸収して僅かに発光していた。
最初の別れ道を右に、そして次を左下に。
落盤して半分通路が塞がれてる場所を過ぎ、三つ叉では登っている通路を選び進む。
坑道の奥からモンスターの魔力を感知すると同時に、それ以外の魔力を感知した。
視界の端に表示させた【マップ】を拡大する。
ここまで進んて来た坑道は表示されているが、先は何もなって表示されてない。
ただ魔力を感知した事で、マップの通路が表示されてない場所に、モンスター以外の三つの点が表示されるようになった。
坑道に住み着いのはモンスターだけだと聞いていたのに、何故? と、カズの頭に疑問符が浮かぶ。
一つはモンスターの反応なのは分かる。
三つの内二つは敵対している反応を示していた。
残り一つは色からして、フジが見た村人だろう。
しかしフジの見た人物が本当に村人なら、坑道の奥に居る人物と接触して、住み着いたモンスターの討伐に来たカズの事を知らせたと考えれるのだが、敵対反応でないのが不可解。
村長からは村人が最近坑道に入っているとは聞いてないので、どういう状況なのか分からない。
反応がある場所まで200メートルの所で、カズは《隠密》と《隠蔽》のスキルを使用して、坑道の奥へと進む。
だんだんと地下水が岩の裂け目から流れ出て、気温が下がりひんやりとしてきた。
そして坑道の中間辺りは、今まで以上に複雑に入り組み、坑道に慣れた者の案内がなければ迷って出てこれなくなると聞いていた通りだった。
坑道に詳しい村人に聞いたが、既にモンスターが住み着いたと言っていた広間は通り過ぎた。
あとはマップの表示と、感知している魔力を頼りに坑道を進む。
坑道を左へ右へ、斜め上へ下へと進み、行き止まりを何度か引き返した。
この時点で坑道に入ってから一時間近くが経っていた。
一度アレナリアに〈念話〉を繋ぎ、異常はない事を確認して、更に先へと進む。
上に向かう坑道を進んで行くと、微かに話し声が聞こえてきた。
話し声から判断すると、二人の男と一人の女性が話している事が分かった。
思っていたよりもややこしい事に関わってしまったと、カズは溜め息が盛れる。
カズは一体のモンスターと三人の反応がある場所に向かう前に、アレナリアに再度《念話》を繋いで事情を説明してから先へ進んだ。
「ここに来るのは一人だけか?」
「そ、そうです」
「冒険者なんだな? ランクは? どんな装備してる?」
「村長と一緒に話を聞いていた方からは、冒険者としか…すみません。わかりません」
「ちッ。知らせに来るなら、そこまで調べて来い!」
男の怒鳴る声の後に、バチンと叩く音が坑道に響いた。
「ごめんなさいごめんなさい。わたしはどんな事されてもいいので、子供には何もしないでください」
「だったら入って来る冒険者を騙して、こちらとは反対方向に連れて行け。相手が男なら、その体を使えば簡単だろ」
三人のやり取りを聞くと、村人の女性は子供を人質に取られ、逆らえず言いなりになっていると分かる。
カズが隠蔽と隠密のスキルを使っているから気付けないのだろうが、声が響く坑道内で警戒せずに声量を上げて話してる時点で、実力は大したことないと考えられる。
ただ村人からしたら、例えレベル30の冒険者でも脅威になる。
もし坑道に住み着いたモンスターを手懐けていて、村全体が弱みを握られてるとしたら、村人全員が被害者という事になる。
ただしその逆、村人全員で訪れた者を騙してる可能性もあり得るので、決め付けた考えはしないようにする。
カズは一旦、坑道が複雑に入り組んでいる場所まで戻り、使用している隠蔽と隠密のスキルを解き、わざと魔力を感知しやすいように、制御している魔力を僅かに緩める。
そして実際に入り組んでいる場所に訪れた際に思った事を、坑道の奥に微かに聞こえるくらいの声量を言葉にして発する。
「聞いていた所にいなかったから更に奥に来てみたが、こんなに入り組んでたら、坑道に詳しい村の人と一緒に来ないと、出れなくなるな。さて、どうしよう?」
カズが発した言葉を聞き取った一人の男が、女性に坑道に来たカズの所に行けと指示する。
女性は叩かれた頬を押さえ、流れた涙の跡を服で拭いながら、言われた通りに坑道が一番入り組んでいる所に小走りで向かった。
「聞いた場所にいなかったし、これ以上行くと迷うから、一度村に戻ろうかなぁ(動いたな!)」
視界の端に表示しているマップの反応の一つが動き出した事で、男達に命令されて女性が、カズの居る場所に向かって来だしたと分かった。
接触するまでもう少し、大きめの独り言を発して、坑道を出る素振りをする。
カズは頃合いを見て、元来た坑道を戻る。
女性はカズから少し離れた所で息を整えてから、小さなランタンで足元を照らしながら姿を現す。
「あの…すみません。村に来た冒険者の方ですよね?」
「誰?」
「驚かせてごめんなさい。わたしは、あなたが訪れた村に住むハアラと言います」
「村の人? ここにモンスターが住み着いて危険だと、村長から聞いてないんですか?」
「もしかしたら、討伐をお願いしたモンスターが場所を変えてるかも知れないと、坑道に詳しいわたしが、案内役として来てたんです」
村の女性ハアラの言っている事が本当なら、モンスターが住み着いた坑道に一人で来てるわけがない。
もし案内役として先に来たとしたら、坑道の外で待っていればいい。
「そうなんですか? 危険なのに、わざわざ」
「わたし達がお願いした事なので、当然の事です。わたしと一緒に来てください」
すぐに分かる嘘をついている村の女性ハアラに問い質す事はせず、話を合わせて付いて行く。
ハアラは入り組んだ細い坑道を通り、小部屋のような行き止まりの場所で足を止めた。
「ここは行き止まりのようですが、モンスターはこの近くですか?」
「討伐をお願いしたモンスターは、ここからもう少し先に行き、坑道を上がった場所にいます」
カズは【マップ】を見ると、ハアラが言った方向に、確かに反応のあったモンスターが動かずに居た。
行って確かめて見ない事には分からないが、討伐を頼まれたモンスターが今居る場所に、先程の順路以外の通路があってもおかしくはない。
ただ行き止まりの通路に案内したのは、カズをその肉体で誘惑して、何かしら理由をつけて、麻痺や睡眠の薬でも盛るように、とでも男達から言われているだろう。
理由は先程までハアラと一緒に居た男の一人が、後を付けて来ているから。
カズには魔力と気配だけでもある程度は分かるが、マップを見た際に通って来た坑道なので、付けて来た男が何処に居るか手に取るように分かる。
ハアラからの合図を待ち、動けなくなった所で、殺して所持品を奪おうとでも考えているのだろう。
「では、あなたはここで待ってたください。俺が一人でモンスターのいる所に行きます」
カズが頼まれたモンスターを討伐して来るから、ハアラに待つように言い、その場を離れようとする。
もちろんこれは、次に進めるための言動と行動。
「待ってください。先に報酬をお支払いします」
「それはモンスターを討伐して、村に戻った後で」
「失礼ですが、あなたが失敗しないと言い切れますか? 成功すれば良いのですが、死んでしまいゴーストにでもなって村を襲って来られては、今以上に苦しい状況になってしまいます。ですので……」
ハアラは話ながら服を脱ぎ、自身が持っていたランクの灯りを消し、一糸纏わぬ姿に。
最初の別れ道を右に、そして次を左下に。
落盤して半分通路が塞がれてる場所を過ぎ、三つ叉では登っている通路を選び進む。
坑道の奥からモンスターの魔力を感知すると同時に、それ以外の魔力を感知した。
視界の端に表示させた【マップ】を拡大する。
ここまで進んて来た坑道は表示されているが、先は何もなって表示されてない。
ただ魔力を感知した事で、マップの通路が表示されてない場所に、モンスター以外の三つの点が表示されるようになった。
坑道に住み着いのはモンスターだけだと聞いていたのに、何故? と、カズの頭に疑問符が浮かぶ。
一つはモンスターの反応なのは分かる。
三つの内二つは敵対している反応を示していた。
残り一つは色からして、フジが見た村人だろう。
しかしフジの見た人物が本当に村人なら、坑道の奥に居る人物と接触して、住み着いたモンスターの討伐に来たカズの事を知らせたと考えれるのだが、敵対反応でないのが不可解。
村長からは村人が最近坑道に入っているとは聞いてないので、どういう状況なのか分からない。
反応がある場所まで200メートルの所で、カズは《隠密》と《隠蔽》のスキルを使用して、坑道の奥へと進む。
だんだんと地下水が岩の裂け目から流れ出て、気温が下がりひんやりとしてきた。
そして坑道の中間辺りは、今まで以上に複雑に入り組み、坑道に慣れた者の案内がなければ迷って出てこれなくなると聞いていた通りだった。
坑道に詳しい村人に聞いたが、既にモンスターが住み着いたと言っていた広間は通り過ぎた。
あとはマップの表示と、感知している魔力を頼りに坑道を進む。
坑道を左へ右へ、斜め上へ下へと進み、行き止まりを何度か引き返した。
この時点で坑道に入ってから一時間近くが経っていた。
一度アレナリアに〈念話〉を繋ぎ、異常はない事を確認して、更に先へと進む。
上に向かう坑道を進んで行くと、微かに話し声が聞こえてきた。
話し声から判断すると、二人の男と一人の女性が話している事が分かった。
思っていたよりもややこしい事に関わってしまったと、カズは溜め息が盛れる。
カズは一体のモンスターと三人の反応がある場所に向かう前に、アレナリアに再度《念話》を繋いで事情を説明してから先へ進んだ。
「ここに来るのは一人だけか?」
「そ、そうです」
「冒険者なんだな? ランクは? どんな装備してる?」
「村長と一緒に話を聞いていた方からは、冒険者としか…すみません。わかりません」
「ちッ。知らせに来るなら、そこまで調べて来い!」
男の怒鳴る声の後に、バチンと叩く音が坑道に響いた。
「ごめんなさいごめんなさい。わたしはどんな事されてもいいので、子供には何もしないでください」
「だったら入って来る冒険者を騙して、こちらとは反対方向に連れて行け。相手が男なら、その体を使えば簡単だろ」
三人のやり取りを聞くと、村人の女性は子供を人質に取られ、逆らえず言いなりになっていると分かる。
カズが隠蔽と隠密のスキルを使っているから気付けないのだろうが、声が響く坑道内で警戒せずに声量を上げて話してる時点で、実力は大したことないと考えられる。
ただ村人からしたら、例えレベル30の冒険者でも脅威になる。
もし坑道に住み着いたモンスターを手懐けていて、村全体が弱みを握られてるとしたら、村人全員が被害者という事になる。
ただしその逆、村人全員で訪れた者を騙してる可能性もあり得るので、決め付けた考えはしないようにする。
カズは一旦、坑道が複雑に入り組んでいる場所まで戻り、使用している隠蔽と隠密のスキルを解き、わざと魔力を感知しやすいように、制御している魔力を僅かに緩める。
そして実際に入り組んでいる場所に訪れた際に思った事を、坑道の奥に微かに聞こえるくらいの声量を言葉にして発する。
「聞いていた所にいなかったから更に奥に来てみたが、こんなに入り組んでたら、坑道に詳しい村の人と一緒に来ないと、出れなくなるな。さて、どうしよう?」
カズが発した言葉を聞き取った一人の男が、女性に坑道に来たカズの所に行けと指示する。
女性は叩かれた頬を押さえ、流れた涙の跡を服で拭いながら、言われた通りに坑道が一番入り組んでいる所に小走りで向かった。
「聞いた場所にいなかったし、これ以上行くと迷うから、一度村に戻ろうかなぁ(動いたな!)」
視界の端に表示しているマップの反応の一つが動き出した事で、男達に命令されて女性が、カズの居る場所に向かって来だしたと分かった。
接触するまでもう少し、大きめの独り言を発して、坑道を出る素振りをする。
カズは頃合いを見て、元来た坑道を戻る。
女性はカズから少し離れた所で息を整えてから、小さなランタンで足元を照らしながら姿を現す。
「あの…すみません。村に来た冒険者の方ですよね?」
「誰?」
「驚かせてごめんなさい。わたしは、あなたが訪れた村に住むハアラと言います」
「村の人? ここにモンスターが住み着いて危険だと、村長から聞いてないんですか?」
「もしかしたら、討伐をお願いしたモンスターが場所を変えてるかも知れないと、坑道に詳しいわたしが、案内役として来てたんです」
村の女性ハアラの言っている事が本当なら、モンスターが住み着いた坑道に一人で来てるわけがない。
もし案内役として先に来たとしたら、坑道の外で待っていればいい。
「そうなんですか? 危険なのに、わざわざ」
「わたし達がお願いした事なので、当然の事です。わたしと一緒に来てください」
すぐに分かる嘘をついている村の女性ハアラに問い質す事はせず、話を合わせて付いて行く。
ハアラは入り組んだ細い坑道を通り、小部屋のような行き止まりの場所で足を止めた。
「ここは行き止まりのようですが、モンスターはこの近くですか?」
「討伐をお願いしたモンスターは、ここからもう少し先に行き、坑道を上がった場所にいます」
カズは【マップ】を見ると、ハアラが言った方向に、確かに反応のあったモンスターが動かずに居た。
行って確かめて見ない事には分からないが、討伐を頼まれたモンスターが今居る場所に、先程の順路以外の通路があってもおかしくはない。
ただ行き止まりの通路に案内したのは、カズをその肉体で誘惑して、何かしら理由をつけて、麻痺や睡眠の薬でも盛るように、とでも男達から言われているだろう。
理由は先程までハアラと一緒に居た男の一人が、後を付けて来ているから。
カズには魔力と気配だけでもある程度は分かるが、マップを見た際に通って来た坑道なので、付けて来た男が何処に居るか手に取るように分かる。
ハアラからの合図を待ち、動けなくなった所で、殺して所持品を奪おうとでも考えているのだろう。
「では、あなたはここで待ってたください。俺が一人でモンスターのいる所に行きます」
カズが頼まれたモンスターを討伐して来るから、ハアラに待つように言い、その場を離れようとする。
もちろんこれは、次に進めるための言動と行動。
「待ってください。先に報酬をお支払いします」
「それはモンスターを討伐して、村に戻った後で」
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