人生初めての旅先が異世界でした!? ~ 元の世界へ帰る方法探して異世界めぐり、家に帰るまでが旅行です。~(仮)

葵セナ

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六章 異世界旅行編 4 大陸の最東端へ

842 夫婦の夜の在り方について

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 少し前まで居た村を眼下に、フジが運ぶ気球用のバスケットは、坑道のある高い山の上空を通過する。
 フジと同等以上のモンスターは生息してなかったらしく、高い山を通過する際にフジの影が映ると、フジが戦っていたと思わしき虫のモンスターが岩陰や亀裂に隠れた。
 フジに敗北するようなモンスターは、そう簡単には見つからない。
 狩り以外でフジが勝てると分かる相手とは、戦わせないようにしようかと、カズは考える。
 フジに一度敗北させるには、今は少しでも経験値を積ませないこと。
 そうでなければ、フジを負かせる相手は、現れないだろう。
 フジの成長を妨げる事になるので、できるだけ早く見付けたいと、カズは考えていた。

 高い山を越えた先には、入った坑道の反対側の横穴に続く山道があり、その手前には村があるも、人気が無いのが上空からでも分かった。
 破綻した国に行く者が減り、更に坑道が落盤して通れなくなったのを切っ掛けに、村を放棄して街にでも引っ越したと考えられる。
 高い山が国境になっているなら、国がある村と国が無い村では、他に移り住む決断の重さが違うのだろう。



 坑道に隠れ住んだ元冒険者の二人は、国のない街の冒険者ギルドで依頼を見付け、失敗して死亡した事にするつもりだった。
 国の繋がりない街では、二人の素性が分かるのは、討伐依頼に失敗して死亡した後になると考え、指名手配されていたとしても詳しくは調べられないと考えての事だろう。
 九割り方は上手くはいっていたが、カズ達が村に立ち寄った事で、計画は失敗した。
 国のない街の冒険者ギルドで塩漬けなった討伐依頼は、受けた冒険者から失敗の報告、もしくは依頼元から失敗の報告がなければ、依頼の期限が過ぎると依頼放棄として扱われる。
 それ以降に冒険者としての活動をしなければ、最後に受けた依頼によっては死亡したと処理される事もある。
 今回は依頼主の村が、冒険者ギルドに報告に行かなかった事で、死亡した事にされる予定だった。

 国が破綻せずに、冒険者ギルドの繋がりも細くならずにいたら、指名手配の二人だと即座に分かった事だろう。
 その事から依頼を受ける際に、犯罪歴を誤魔化したのではと考えられた。
 冒険者ギルドも国と強力しなければ、情報の伝達は遅く、指名手配されたお尋ね者にとっては格好の隠れ場になってしまうと、今回の事で国のない街の冒険者ギルドは、同じ様な事にならないためにと、身分の照会を徹底するようにした。
 坑道に隠れ住んで死んだと見せかけようとしていた、元Bランク冒険者のニガリと元Cランク冒険者のシキミは、出稼ぎに出ていた男衆が荷馬車で街に連れて行き、冒険者ギルドに引き渡した。
 指名手配の二人を拘束した経緯を、村長から聞いた通り話して、掛けられていた懸賞金を受け取り、食料を大量に購入して村に戻り、村人全員で移住について話し合う事になった。



 国境だった高い山を越えて、幾つもの集落を通り過ぎ、上空から行き来する者が多い街道の先に広い川があった。
 広い川の下流、街道が続く先に大きな街が視界に入った。
 人目を避けて、街道から離れた広い川の上流に降りた。
 街には翌日向かう事にして、カズは広い川のほとりに【アイテムボックス】から小屋と馬車を出し、気球用のバスケットを仕舞った。
 夕食の支度をするまではまだ時間があり、カズはレラと共に広い川で魚を捕る。
 フジの影が水面に映ると、魚が逃げてしまうので、陸上に待機させた。
 街で何をするか? は、夕食時に話し合う事にした。

 カズは水属性魔法で魚を集めて、レラがその中から選び風属性魔法で仕留めて捕る。
 捕り過ぎはよくないが、フジの分があるので、最終的に二十二匹の40センチから60センチ程のグリーントラウトを捕った。
 カズとレラが魚を獲っている間に、アレナリアとビワはハーブティーを飲みながら、今後のことを話していた。
 特にアレナリアは夜伽について二人になれる場所と、回数を増やしたいと相談していた。
 一度全員で、なんてことをアレナリアが提案したが、ビワは恥ずかしいと否定。
 カズもその気にさせて誘い続ければ、可能性があるとアレナリアは確信した。
 部屋が狭くなるが、もう一台ベッドを並べておけば、毎日でもカズとする事が出来ると妄想して含み笑い。

 日が沈み出した頃に焚き火をして、夕食用のグリーントラウトを二匹焼く。 
 魚を焼いてる間に、カズは小屋の排水と排泄して流す場所を、目の前の広い川に設定をし直した。
 浄化を付与した機能も、ちゃんと働いているので、川に流しても問題はない。
 一作業終えて魚が焼けたのを確認すると、フジには生のまま丸ごとを三匹と、焼いた二匹を与えた。
 
 村で炊き出しをした事で、食材が少なくなってしまい、アイテムボックス内に作り置きしてある料理も、あと僅かになってまった。
 肉や魚なら狩りをすれば手に入るが、野菜や果物は自生している物を探すのは難しい。
 そこで野菜と果物の他に、主に食事を作るビワに選んでもらい、調味料を買い補充することにした。
 降り立った国の情報も得たいので、今回は大きな街を選び、帝国の金貨がそのまま使えるか? と、両替できるか? を、ここでも確かめる。

 話し合いながらの夕食を済ませ、ビワは食器の片付けをして、カズは焚き火の後始末をする。
 アレナリアとレラは先にシャワーを浴びで汗を流して歯を磨く。
 オリーブ王国を出てからは、クリーンやクリアの魔法で汚れを落としてきたが、帝国で歯を磨くブラシを発見していたので、それからは歯を磨くようにしてきていた。
 こういった習慣には、貴族でメイドをしていたビワは慣れていたが、アレナリアとレラはさぼり気味。
 特にレラは面倒くさがって、滅多に磨く事はしてなかったが、気持ちを切り替えたのは、故郷に両親を探しに行った後。
 たまたまキスをしようとしてる男女を見掛けた時に、男性が女性に口が臭いと引かれていたのを見てから。
 今まで気付いていても言わなかっただけで、カズは口が臭いのを気付いていたのだろうと。
 レラがちょくちょく歯を磨くようになったのを見て、アレナリアも磨く頻度が増えたのは、ちょっとした小話。

 フジは日が暮れると、小屋に寄り添って寝てしまった。
 ビワがシャワーを浴びて汗を流し、最後にカズがシャワーを浴びて出ると、アレナリアに話があると外に連れ出された。
 カズとレラが川で魚を捕ってる間に、ビワと話して決めたことを話す。

「話ってのはなんだ?」

「街でなら宿に泊まる際に、二部屋取る。外でなら二人は小屋で、カズと一人は馬車で。これなら二人っきりなれるでしょ」

「ああ……まぁ、そうだな。しかしどうしても声がな」
 
「土属性魔法で壁でも作れば、多少の音漏れは防げるでしょ。それとも、カズが防音のアイテムでも持ってるの?」

「それはないが……それをビワと話してたのか?」

 カズは防音の魔道具アイテムはないが、もしかしたらアイテムボックス内のカードを探せば? と、脳裏を過った。

「ええ。中々カズが受けてくれないから。レラにはビワが話してるはずよ。カズが承諾すれば、三人相手にしてくれてもいいのよ」

「それは、ビワが承諾しないだろ」

「ええ。でもまだ恥ずかしいからってね。

「そ、そうか……(これはその内に、二人か三人を同時に相手しないとならなくなるやも)」

「ってことだから、今夜は相手してね。声は抑えるようにするけど、小屋の中のビワ達が寝た後に、聞こえて起こしてしまうか試さないと。もちろんビワには承諾してもらったわよ。行きましょう」

 アレナリアは自分の腕をカズの腕に絡ませて、小屋から十数メートル離れた所に置いてある馬車に引っ張って行く。
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