人生初めての旅先が異世界でした!? ~ 元の世界へ帰る方法探して異世界めぐり、家に帰るまでが旅行です。~(仮)

葵セナ

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五章 テクサイス帝国編 3 帝都テクサイス

649 求める物の在り処

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 レラの想いを受け入れたカズは、肝心の物が何処に行けば手に入るか知性ある本インテリジェンス・ブックに問う。

「って事だから、その秘宝がどこにあるか、わかるなら教えてくれ」

 『実に面白い者達だ。物語に出てきた秘宝のリングは実在した。我があるじキルケが探し出し、所有していた事がある』

 思いもよらぬ回答に、間違えではないかと、カズはもう一度読み返して、レラは知性ある本インテリジェンス・ブックに詰め寄る。

「ここにあるの!?」

「ちゃんと読みなさい、レラ。所有、じゃなくてよ」

 この隠し部屋にアーティファクト秘宝のリングがあるのだと、レラは早合点する。
 それをアレナリアが過去形だと教える。

「ないんかいッ。期待もたせんな!」

 欲しい物の在り処を教えてくれるのだから、知性ある本インテリジェンス・ブック本体に手を出すわけにもいかず、レラは叩く素振そぶりをして我慢した。
 そこに誰かが居れば、バシッと音が聞こえそうな、見事な平手打ちのツッコミだ。

「過去所有していたんなら、その後どうしたんだ?」

 『研究後不要になり売られた。貴族の手を渡り、今では何処にあるか詳細は不明』

「それじゃダメじゃん!」

 結局在り処が不明じゃないかと、レラは落胆の色を隠せない。

「どこにあるかわからなければ、どうして物語を読ませたり、レラの希望を叶えるような答え方をした? 返答次第では…」

 持ち上げてから落とそうとしたなら、ちょっと許せないと、カズの声に怒気が含まれた。

 『秘宝のリングは不明だが、それを元にあるじキルケが作り上げたアイテムがある。それはレラが求める物』

「人族になれるの?」

 『否定。秘宝のリングと同じ効果ではない。種族が変わる事なく、その姿のまま大きくなる。効果時間等は、その者の素養』

「……もしかして、反対の効果があるのも作ってたりしたか?」

 カズは何かを思い出し、巨大化とは逆の効果があるアイテムも製作してるのではと尋ねる。

 『肯定。対になる効果のアイテムも作製した』

「それって小さい…じゃなくて、小さき者への憧れ。っていう縮小するアイテムじゃないか?」

 『相違ない』

 カズ達がオリーブ王国を離れる少し前に現れた、トラベルスパイダーことトラちゃんと名付けられたモンスターが所有していたのを思い出していた。
 装備した者を約半分まで縮小させる効果のあるアイテム。
 アイテムには大きさを自動調節する機能があるので、殆んどの者が装備可能。
 使用時は常に魔力を必要とし、使用者の魔力が不足すると元に戻る。
 使用中はステータスが低下するのと、魔力を消費し続けるのが難点。
 効果としては確かにスゴいかも知れないが、欲しがるのは極一部の者しかいないだろう。
 レラが欲しがるのは反対の効果をもつアイテムだが、こちらは使い方によっては、大きく戦況を変えられるアイテムだと思われる。

「それはどこにある? 誰かが所有してるのか?」

 『開拓するために使われたと、三十一年前に発行された帝国東部の情報誌に掲載されている』

 情報誌が置いて書棚近くの蝋燭ろうそくに火が灯り、カズはその辺りの情報誌に軽く目を通し、その記事を探す。
 三冊目の見出しに、開拓速度の上昇と向上、と書かれているのを見付けた。
 その記事が掲載されてるページを開くと、開拓現場のイラストが載っており、その中で一人だけ巨人族かと思われる大きな人物が画かれていた。
 これで間違いないだろうと、情報誌を持って三人の居る場所に戻り見せる。

 記事によると魔導列車の線路を敷くのに、岩石地帯の開拓に手間取っていると、商人が巨人化するアイテムを持って来た。
 商人は岩石地帯の先にある街で商いをしており、国の発展に協力するために、開拓に参加している者に貸し出したらしい。
 大岩等を撤去するには最適だが、使える者が限られているのだと。
 魔力が多い者でなければ、長時間の使用はできない。
 支払われる賃金は歩合制だった事から、使用しても次の日が働けなるなんて事になるのなら、使用せずに毎日開拓作業をした方が効率がいいと、使用出来るような者でも使う者は少なかった。
 半年程使用されただけで、岩石地帯を過ぎると使われる事はなくなった。
 ただ、予定より遅れていた開拓作業が、巨人化するアイテムのお陰で、予定通りに進む事が出来た。

「巨大化じゃなくて巨人化のアイテムって書いてあるわね」

「レラが人族くらいの大きさになるのを考えると、人族が使うと7、8メートルくらいにはなるから巨人化って言われてたんじゃないか?」

「この商人がどうやって手に入れたか気にはなるけど、まあそれはいいとして、現在これがどこにあるかよ。この情報誌からじゃわからないわ」

「三十一年前の情報なんだ。これから探すのは無理だろ。ただ、これを見せたからには知ってるんだろ。そろそろ教えてくれないか」

 遠回しに説明されるのがいい加減面倒に感じてきたカズは、知性ある本インテリジェンス・ブックにアイテムの在り処を強く尋ねた。

 『四十七日前に双塔の街で発行された情報誌に掲載されている。タイトルは第五迷宮フィフス・ラビリンスの攻略85』

 回答後情報誌のある書棚近くの蝋燭ろうそくに火が灯る。
 またかと思うも、カズは書棚に移動して、並ぶ情報誌から85を探す。
 情報誌は薄く、ページ数が少ない。
 表記されている発行日時を見ると、月一で発行していると分かった。

 情報誌の内容はタイトル通り、第五迷宮フィフス・ラビリンスに関する事。
 出現したモンスターの種類や上層への道順に、罠が設置されている場所までイラスト付きで掲載されてる。
 情報源は実際に潜っている冒険者かららしい。
 ただ情報料欲しさに適当な事を言う者もいるらしく、その場合は要注意人物として情報誌に載せられてしまうようで、実際に数人の顔と特徴が載っている。
 これではダンジョン内で危険な目にあっても、信用ならないと助けてはくれないだろう。

 数冊軽く目を通すも、月一ではあまり情報が更新されてないようだった。
 それだけでダンジョン探索が進んでないということだろう。 
 カズは第五迷宮フィフス・ラビリンスの攻略85の情報誌を手にして戻る。
 今度はレラだけではなく、アレナリアとビワにも見えるように机の上に置いて、十数枚しかない情報誌の目次を見る。

 第五の迷宮フィフス・ラビリンスの三十階層付近で、20メートル近いモンスターが出現したと掲載されてる記事を見付け、その情報元が書いてあるところから読んでいく。

 情報提供した三人組パーティーによると、ソロの冒険者がモンスターに襲われいるのを見かけ、助けに入ろうと向かうも間に合わず食われてしまい、その直後にそのモンスターが通路を塞ぐほど大きくなった。
 情報提供した三人組パーティーは手に負えないと撤退したので、そのモンスターがその後どうなったかは不明。
 通路を塞ぐような大きさなのに、目撃情報は不思議と少ない。

 その後食われたソロの冒険者の素性を調べた結果、古道具屋でボスモンスターを倒る強大なアイテムを手に入れた、と酒場で酔っ払った勢いで話していたらしい。
 未だに第五迷宮フィフス・ラビリンスのボスモンスターを見た者がいないにも関わらず、大きなことを言う酔っ払い冒険者に、誰も相手をしなかったようだ。

 入る者が極端に少ない、安い鉱石を採掘できる低レベル用のダンジョンで使用したらしいのだが、そこにたまたま銅や鉄などの、ありきりな鉱石を採取する依頼を受けて来ていた冒険者が目撃をしていた。
 これは情報元を明かさないという条件で得たと、小さく掲載されていた。
 何処の冒険者ギルドを拠点にしているかや、ソロなのかパーティーなのか、冒険者のランクについてなども伏せてある。

 酒場で豪語していたくだんの冒険者が手に入れたアイテム、それを使用したのを見た冒険者の言葉が次に書かれていた。
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