公爵令息はもふもふ愛好家

さてぃー

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はじめまして!

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皆さん、こんにちは。
突然ですが、今の自分の現状をお話ししてもいいでしょうか?

まず、手が短いんです。
そして、足も短い。
声が出せず、泣き声になってしまう。
周りには知らない外国人のような美男美女がいる。

どうしてこんなことに?

少し冷静になって状況を整理しよう。
僕、卯月翔は、久しぶりに残業せずに帰ることができたんだ。夕方には兄弟7人分の夕飯を作り、洗濯をして、兄弟たちを寝かしつけたところまでは覚えている。それから部屋に帰って……ん?部屋に帰った後の記憶が全くない。

な、なんだ?つまり、僕は過労で死んだのか?なんてこった……。あいつら、大丈夫かな……。そこだけが心配で仕方ない。

考えを巡らせていると、ふと目の前に美しい女性が現れた。

「どうしたの、ノア?そろそろお腹が減りましたか?」

彼女の声は優しく、しかしどこか親しみやすい。僕は反射的に口を開こうとしたが、なぜか声が出ず、ただ小さく呻くしかできなかった。

「あぅ?、うぅぅ(ノア?!俺のことか!?)」

「ノア、たくさん飲みまちょうね~」

今度は美しい男性が顔をデレデレにさせて話しかけてくる。彼は顔をスリスリと僕に押し付けてくるが、髭が当たって痛い。僕はついに耐えられず声をあげた。

「うぁっ、ぁ(やめろ、痛い痛い)」

バタバタしていると、女性がすぐに介入してきた。

「貴方、少し離れていてください(冷笑)」

「は、はい……」

その言葉に従い、男性は僕から離れた。
女性が再び僕に近づき、その目は優しさに溢れていた

「さて、ノア、いっぱい飲みましょうね」

僕の心は激しく動揺した。前世の記憶があるので、こういった状況がどれほど恥ずかしいものかはよく分かっている。しかし、今はどうしようもない。腹が減っていたし、仕方がないことだと自分に言い聞かせた。

「ばぶぅ、、、…」

女性の胸元に顔を寄せ、授乳を始めると、ミルクの甘い味が口いっぱいに広がった。それは驚くほど美味しく、どこか心が落ち着く感覚があった。母親の温もりがじんわりと体に染み渡る。

(これからもこれを続けるのか……)

お腹がいっぱいになった僕は、だんだんと瞼が重くなり、自然と目を閉じていった。

「このまま寝ちゃいなさいニコッ」

女性の柔らかい声と、安心感に包まれて、僕はすぐに眠りに落ちた。耳に残る声と共に、僕はゆっくりと深い眠りへと誘われていった。周囲の音が遠のき、眠りの中で感じるのはただの安堵だけだった。

目を閉じたまま、温かい感触に包まれていると、次第に現実の意識が薄れていく。美しい景色や声が頭の中に流れ、眠りの中へと溶け込んでいった。

目を覚ますと、どこか違う世界にいるような気がするかもしれない。でも、今はただ、穏やかな眠りを享受することだけを考えよう。

「おやすみ、ノア。いい夢を」

母親の優しい声が耳に残りながら、僕は深い眠りに落ちていった。目の前にはまだ見ぬ未来が広がっていることを知らずに、ただ安らかな眠りだけが僕を包み込んでいた。
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