不自由と快楽の狭間で

Anthony-Blue

文字の大きさ
139 / 231

139.特異

しおりを挟む
 律子は一応の納得をみて、反抗の姿勢を崩した。ボクとしても、生身の男性のカラダも見たことがないような女性を相手にするのは少し無理があると思っていた。なので、律子にも少し勉強してもらえる機会になれば、それでいいと思っている。

 ひとつ心配なのは、節子がどのような形で、ボクのカラダを調べようと考えているかだ。律子を産んでから、夫婦関係がうまくいっていないとすると、約30年間男性と交わっていないことになる。久しぶりの男のカラダが若い男性ということに少し不安がある。ここは節度ある理性を願うのみだとでも言っておいた方がいいのかなと考えてしまう。

「瑞樹さんは、彼女さんはいらっしゃるのですか」

 節子は、まずボクの身辺調査から始めるつもりらしい。

「お母さん、瑞樹さんは二人の彼女がいるんですって」

「そうなんですね」

「はい、まあ」

「では、彼女さんたちは、律子とのことをどう思ってらっしゃるのかしら」

「ボクの彼女たちは、寛大というか条件付きで女性との関係を持つことを許してくれてます。一回限りの関係ならと」

「じゃあ、律子とは今回限りということなんですか」

 娘が、処女を奪われて捨てられることへの不安が表情に表れていた。

「いえ、彼女たちに律子さんの状態の話をしたら、条件は除外すると言ってくれてます」

「お母さん、これがうまくいけば三人目の彼女にしてもらえるかもよ。そうしたら、あの無機質なバイブからもお別れ出来るかもしれない」

 どこかうれしそうな律子は、母親にそう訴えた。

「それは、これからの展開というか。三人目の彼女という言い方は語弊があるというか」

 咲恵と萌は、同じ女性と会うのは1度切りという条件を解除しただけで、彼女のように何回も会ってエッチしていいことにはなっていないはずだ。今はまず、うまく律子と出来るかを考えなくてはいけない。

「瑞樹さん、この後のご予定は?」

「はぁ、別になにもありません」

「遅くなっても、構わないのですね?」

「はい、うちで待っている人もいないので」

 節子は、この答えを待っていたかのように立ち上がり言った。

「では、これからわたしが、瑞樹さんのカラダを調べさせてもらってもいいでしょうか?」

「えっ、これからですか」

「はい」

「いいじゃない、瑞樹さん。せっかく来たんだし。わたしも少し見てみたいし」

 律子は、ノリノリでこの提案を喜んでいた。

「いえ、ボクお風呂も入ってないし・・・」

「うちで入ればいいじゃないですか。律子も入れるようにバリアフリーにしてあるし、もちろんわたしが手伝って入れて上げますから大丈夫ですよ」

「そうなの、うちのお風呂は自慢出来るよ。広いし、気持ちいいよ。いつも、お母さんと二人で入ってるんだよ。わたしとも一緒に入ろうよ」

「律子さん、あなたは今日は見学ね。ちゃんと少しでも出来るように勉強しなくちゃね」

「はーい、じゃあ、今日はしっかり見ておくね」

 この親子の会話を聞いていると、少し怖くなってくる。こんなに大事にしている娘の処女を奪った男をすんなりと手放してはくれないであろう想像はつく。

「でも、今日は律子のベッドを使ってはまずいわよね。お風呂から上がったら、わたしの部屋のベッドに移動しましょうね。律子も来て、ちゃんと見学しなさい」

「わかってるわよ。お母さんが変なことしないように見張っておかないといけないし」

「まあ、律子ったら」

 もう、お風呂に入ることは決まったことになっている。ボクは、こんな場面でいつも無力だ。それが、ボクの処世術と言ってしまえばそれまでなのだろうが、またひとり、強力な彼女が加わりそうな雰囲気に飲み込まれてしまいそうだ。

「じゃあ、瑞樹さん、お風呂の準備してくるわね」

 そう言うと、節子は足早に部屋を出て行った。

「ねぇ、瑞樹さん」

「はい」

「少しは、お母さんのこと触ってあげて欲しいの」

「なに言ってるんですか」

「いいでしょ。お母さんは、あれで淋しい人生だと思うの。夫には相手にされず、わたし以上に男から遠ざかってるんだから。男を知って男から遠ざかるのと、男を知らないで暮らしてるのでは、どっちが淋しいかわかるでしょ?」

「そこは、個人差もあるだろうし」

「ん、もう。お母さんが淋しいに決まってるじゃない」

「そうかなぁ。律子さん、まさかボクにお母さんまで相手させようと考えてたの」

「いや、そこまでは考えてなかったけど、瑞樹さんのカラダを調べたいって言いだしてから、お母さんももしかしてって思ったの。だから、チャンスがあればおっぱい揉んであげるとか、あそこも触ってあげるとかして欲しいの。わたし、絶対に怒らないから。お願い」

「でも、それじゃあ」

 そう言いかけた時、ドアをノックして節子が部屋に入ってきた。

「おながいね」

 律子はそう言って、ボクにウインクをした。

「もうすぐ、お湯も入るから、脱衣場に行きましょうか」

 節子に促されて、観念したボクは部屋を出ようとしたら、律子がとんでもない提案を言いだした。

「瑞樹さん、ここで服を脱いで行ってくれないかしら」

 と。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

夫婦交換

山田森湖
恋愛
好奇心から始まった一週間の“夫婦交換”。そこで出会った新鮮なときめき

ママと中学生の僕

キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

上司、快楽に沈むまで

赤林檎
BL
完璧な男――それが、営業部課長・**榊(さかき)**の社内での評判だった。 冷静沈着、部下にも厳しい。私生活の噂すら立たないほどの隙のなさ。 だが、その“完璧”が崩れる日がくるとは、誰も想像していなかった。 入社三年目の篠原は、榊の直属の部下。 真面目だが強気で、どこか挑発的な笑みを浮かべる青年。 ある夜、取引先とのトラブル対応で二人だけが残ったオフィスで、 篠原は上司に向かって、いつもの穏やかな口調を崩した。「……そんな顔、部下には見せないんですね」 疲労で僅かに緩んだ榊の表情。 その弱さを見逃さず、篠原はデスク越しに距離を詰める。 「強がらなくていいですよ。俺の前では、もう」 指先が榊のネクタイを掴む。 引き寄せられた瞬間、榊の理性は音を立てて崩れた。 拒むことも、許すこともできないまま、 彼は“部下”の手によって、ひとつずつ乱されていく。 言葉で支配され、触れられるたびに、自分の知らなかった感情と快楽を知る。それは、上司としての誇りを壊すほどに甘く、逃れられないほどに深い。 だが、篠原の視線の奥に宿るのは、ただの欲望ではなかった。 そこには、ずっと榊だけを見つめ続けてきた、静かな執着がある。 「俺、前から思ってたんです。  あなたが誰かに“支配される”ところ、きっと綺麗だろうなって」 支配する側だったはずの男が、 支配されることで初めて“生きている”と感じてしまう――。 上司と部下、立場も理性も、すべてが絡み合うオフィスの夜。 秘密の扉を開けた榊は、もう戻れない。 快楽に溺れるその瞬間まで、彼を待つのは破滅か、それとも救いか。 ――これは、ひとりの上司が“愛”という名の支配に沈んでいく物語。

おじさん、女子高生になる

一宮 沙耶
大衆娯楽
だれからも振り向いてもらえないおじさん。 それが女子高生に向けて若返っていく。 そして政治闘争に巻き込まれていく。 その結末は?

久々に幼なじみの家に遊びに行ったら、寝ている間に…

しゅうじつ
BL
俺の隣の家に住んでいる有沢は幼なじみだ。 高校に入ってからは、学校で話したり遊んだりするくらいの仲だったが、今日数人の友達と彼の家に遊びに行くことになった。 数年ぶりの幼なじみの家を懐かしんでいる中、いつの間にか友人たちは帰っており、幼なじみと2人きりに。 そこで俺は彼の部屋であるものを見つけてしまい、部屋に来た有沢に咄嗟に寝たフリをするが…

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

処理中です...