11 / 178
11話 ミドリムシはダンジョンを作る
しおりを挟むダンジョンから戻ってきてから数日、緑、ヒカリ、クウの3人はギルドで依頼を受けるなどもせず、ゆっくり過ごしていた。
こちらの世界に来てから数日怒涛の出会いや経験をした緑であったが宿もしばらくは金銭の事を考えず泊まれる経済状況になって初めて本格的に自分がどのように生きていこうか考える。
緑が考え、今できる事をリストアップしていく。
冒険者、防具屋、農業、飲食店などなど緑は考えるのであるがどれも1級の職人や冒険者にすぐになれる事に気づいていない。
まず、冒険者も今の時点でアラン達ほどではないがダンジョンに潜り生計を立てている冒険者でも、中級者以上。さらには欠損も直せる実も作り放題。防具もs級間近のアラン達でも底が見えない髪で編んだ装備、農業にいたっては、緑が花や実まで作れるとなると緑産の花粉で今までになかった農作物や様々な効果を持った作物を作るなど、飲食店も農業から派生した仕事ではあるがほぼ間違いなく成功することができた。
ただ緑の成功の予想がかなり過小評価で、どれも仕事とした時に周りに途方もない影響を与える事に緑自身が気づいていなかった。
そんな考え事をしている緑にクウが尋ねる。
「緑さ~ん♪ 昨日拾ったダンジョンコアでダンジョン作らないんですか?」
ダンジョンで手に入れたアイテムのダンジョンコアは魔力があればあるほど自由にダンジョンを作れるアイテムであった。そのアイテムを思い出した緑はダンジョンを作ることを考え初めその結果先ほど考えた事がこのダンジョンコアがあれば全て同時にすることが出来るのではないかと考えた。
そして、おもむろに立ち上がりヒカリとクウに今から街の外に行くと伝える。
「「一緒にいきます(♪)」」
緑の提案を聞き、2人はもちろん緑についていく。
街から出て近くの森の中に入り広場を見つけると緑がさっそくダンジョンを作り始める。
緑がダンジョンコアに魔力を込める。この時魔力の操作をしたことが無い緑は自分の中にあるいくつかのエネルギーを全て大量に注ぎ込む。
ひとまずエネルギーを注ぎ込んだ緑がダンジョン中を想像する。太陽があり草木が豊かで山もあり川も流れる広大な土地を思い浮かべる。
「ダンジョンオープン!」
緑がそう唱えると目の前に人が1人通れるくらいのドアが出現した。
「ヒカリもクウもやってみて」
「「はい(♪)」」
「「ダンジョンオープン」」
するとヒカリとクウの前にも扉が現れる。
「よし入ってみよう」
3人がそれぞれの目の前のドアを開けて入る。そこには先ほど緑が想像した自然あふれ川や山が広がる広大なダンジョンがあった。
本来ダンジョンは階層があるものだが緑はそれをなくし1階層しかない広大なダンジョンを作った。
とてつもない広さのダンジョンを見た瞬間3人が目を輝かせると、ヒカリとクウが緑に詰め寄る。
「「子供立ちをここに住ませてもいいですか?」」
「うん、そのためにダンジョンを作ったんだ」
その言葉を聞いたヒカリとクウは小躍りをしながら駆けていき、ヒカリがまずはダンジョンでも一緒であった初めの5匹を召喚する。続いてクウも子供を生み出し始めるそれぞれがエネルギーの残量を気にしながら生み出し続けた結果それぞれ100匹程の子供を生み出すのであった。
そして、その子供たちは各々好き勝手にダンジョンを見回りはじめる。
その光景をみてクウの子供たちはその体が黒いことから黒い絨毯が連想され、ヒカリの子供たちは黄色と黒の警戒色のカーテンを連想された。
そして、一通り周りを見終わったあと散り散りに散っていくのであった。
そんな様子を見ていた緑がアイテムボックスよりいくつかの実を取り出す。それは緑のエネルギーが詰まった実で地面に植え水をかけると急速に成長し花が咲き乱れ実がなる。
「きっとこの実にはたくさんの栄養やエネルギーがつまっているから子供たちのご飯にして」
緑の言葉にヒカリとクウは頷く。その様子を見た緑は声を上げる。
「よし、次はギルドに行こう!」
緑達3人はギルドに向かう。
「緑様ギルドに向かい何をされるんですか?」
「ああ、それはね皆で魔法を習いたいとおもっているんだ」
「魔法ですか……」
「あ、もしかしてヒカリとクウは魔法がつかえる?」
「はい!クウは土の魔法が使えるのです♪」
「私は風の魔法がつかえますね」
この時クウとヒカリが魔法が使える事を初めて知り緑は驚く。
「なら、ギルドで魔法を覚えるのは僕だけでいいね」
「「私たちも勉強します!」」
緑の言葉に反論して自分達も魔法を習うと言う2人。
3人はギルドに行き魔法を覚えたい事ギルドの職員に伝える。ギルドの受付嬢は緑、ヒカリ、クウの3人が魔法を教えてほしいと訪ねてくると苦笑いを浮かべながらギルドの魔法の講座を紹介したのであった。
ギルドの職員に聞くとギルドの魔法の講座は毎日しており、昼過ぎからはじまることがわかった。3人は昼からはじまる1番はじめの講座に参加するために昼食をとり口座にむかうのであった。
昼食後、魔法の講座はギルドにある広場で開催されるようで緑達3人はその広場の向かう。
3人が広場に着き、しばらく時間を潰しているとギルドの職員がやってきた。
「それでは今から魔法の講座を始めます!」
ギルドの職員がそう声を上げると周りにいた他の冒険者がギルドの職員の前に扇状に集まる。
「今から魔力を私が皆さん1人1人に少しづつ流します。それをまずは感じ取ってください」
そういわれ緑達3人もギルド職員から魔力を流される。
「なるほど……これが魔力だったんだ今までどれがどれだか分らなかった」
緑は自分自身の中にいくつかのエネルギーを感じていたが、それぞれがどんな物かわからずにいたが魔力を流されることによってその一つを理解できた。
その後、魔力の操作や圧縮などを習い本日の講習は終わる。3人はその場に残り魔力操作の練習をしキリの良いところで宿に戻るのであった。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
処刑された勇者は二度目の人生で復讐を選ぶ
シロタカズキ
ファンタジー
──勇者は、すべてを裏切られ、処刑された。
だが、彼の魂は復讐の炎と共に蘇る──。
かつて魔王を討ち、人類を救った勇者 レオン・アルヴァレス。
だが、彼を待っていたのは称賛ではなく、 王族・貴族・元仲間たちによる裏切りと処刑だった。
「力が強すぎる」という理由で異端者として断罪され、広場で公開処刑されるレオン。
国民は歓喜し、王は満足げに笑い、かつての仲間たちは目を背ける。
そして、勇者は 死んだ。
──はずだった。
十年後。
王国は繁栄の影で腐敗し、裏切り者たちは安穏とした日々を送っていた。
しかし、そんな彼らの前に死んだはずの勇者が現れる。
「よくもまあ、のうのうと生きていられたものだな」
これは、英雄ではなくなった男の復讐譚。
彼を裏切った王族、貴族、そしてかつての仲間たちを絶望の淵に叩き落とすための第二の人生が、いま始まる──。
45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる
よっしぃ
ファンタジー
2巻決定しました!
【書籍版 大ヒット御礼!オリコン18位&続刊決定!】
皆様の熱狂的な応援のおかげで、書籍版『45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる』が、オリコン週間ライトノベルランキング18位、そしてアルファポリス様の書店売上ランキングでトップ10入りを記録しました!
本当に、本当にありがとうございます!
皆様の応援が、最高の形で「続刊(2巻)」へと繋がりました。
市丸きすけ先生による、素晴らしい書影も必見です!
【作品紹介】
欲望に取りつかれた権力者が企んだ「スキル強奪」のための勇者召喚。
だが、その儀式に巻き込まれたのは、どこにでもいる普通のサラリーマン――白河小次郎、45歳。
彼に与えられたのは、派手な攻撃魔法ではない。
【鑑定】【いんたーねっと?】【異世界売買】【テイマー】…etc.
その一つ一つが、世界の理すら書き換えかねない、規格外の「便利スキル」だった。
欲望者から逃げ切るか、それとも、サラリーマンとして培った「知識」と、チート級のスキルを武器に、反撃の狼煙を上げるか。
気のいいおっさんの、優しくて、ずる賢い、まったり異世界サバイバルが、今、始まる!
【書誌情報】
タイトル: 『45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる』
著者: よっしぃ
イラスト: 市丸きすけ 先生
出版社: アルファポリス
ご購入はこちらから:
Amazon: https://www.amazon.co.jp/dp/4434364235/
楽天ブックス: https://books.rakuten.co.jp/rb/18361791/
【作者より、感謝を込めて】
この日を迎えられたのは、長年にわたり、Webで私の拙い物語を応援し続けてくださった、読者の皆様のおかげです。
そして、この物語を見つけ出し、最高の形で世に送り出してくださる、担当編集者様、イラストレーターの市丸きすけ先生、全ての関係者の皆様に、心からの感謝を。
本当に、ありがとうございます。
【これまでの主な実績】
アルファポリス ファンタジー部門 1位獲得
小説家になろう 異世界転移/転移ジャンル(日間) 5位獲得
アルファポリス 第16回ファンタジー小説大賞 奨励賞受賞
第6回カクヨムWeb小説コンテスト 中間選考通過
復活の大カクヨムチャレンジカップ 9位入賞
ファミ通文庫大賞 一次選考通過
異世界翻訳者の想定外な日々 ~静かに読書生活を送る筈が何故か家がハーレム化し金持ちになったあげく黒覆面の最強怪傑となってしまった~
於田縫紀
ファンタジー
図書館の奥である本に出合った時、俺は思い出す。『そうだ、俺はかつて日本人だった』と。
その本をつい翻訳してしまった事がきっかけで俺の人生設計は狂い始める。気がつけば美少女3人に囲まれつつ仕事に追われる毎日。そして時々俺は悩む。本当に俺はこんな暮らしをしてていいのだろうかと。ハーレム状態なのだろうか。単に便利に使われているだけなのだろうかと。
異世界転移からふざけた事情により転生へ。日本の常識は意外と非常識。
久遠 れんり
ファンタジー
普段の、何気ない日常。
事故は、予想外に起こる。
そして、異世界転移? 転生も。
気がつけば、見たことのない森。
「おーい」
と呼べば、「グギャ」とゴブリンが答える。
その時どう行動するのか。
また、その先は……。
初期は、サバイバル。
その後人里発見と、自身の立ち位置。生活基盤を確保。
有名になって、王都へ。
日本人の常識で突き進む。
そんな感じで、進みます。
ただ主人公は、ちょっと凝り性で、行きすぎる感じの日本人。そんな傾向が少しある。
異世界側では、少し非常識かもしれない。
面白がってつけた能力、超振動が意外と無敵だったりする。
アワセワザ! ~異世界乳幼女と父は、二人で強く生きていく~
eggy
ファンタジー
もと魔狩人《まかりびと》ライナルトは大雪の中、乳飲み子を抱いて村に入った。
村では魔獣や獣に被害を受けることが多く、村人たちが生活と育児に協力する代わりとして、害獣狩りを依頼される。
ライナルトは村人たちの威力の低い攻撃魔法と協力して大剣を振るうことで、害獣狩りに挑む。
しかし年々増加、凶暴化してくる害獣に、低威力の魔法では対処しきれなくなってくる。
まだ赤ん坊の娘イェッタは何処からか降りてくる『知識』に従い、魔法の威力増加、複数合わせた使用法を工夫して、父親を援助しようと考えた。
幼い娘と父親が力を合わせて害獣や強敵に挑む、冒険ファンタジー。
「カクヨム」「小説家になろう」にも掲載しています。
元構造解析研究者の異世界冒険譚
犬社護
ファンタジー
主人公は持水薫、女30歳、独身。趣味はあらゆる物質の立体構造を調べ眺めること、構造解析研究者であったが、地震で後輩を庇い命を落とす。魂となった彼女は女神と出会い、話をした結果、後輩を助けたこともあってスキル2つを持ってすぐに転生することになった。転生先は、地球からはるか遠く離れた惑星ガーランド、エルディア王国のある貴族の娘であった。前世の記憶を持ったまま、持水薫改めシャーロット・エルバランは誕生した。転生の際に選んだスキルは『構造解析』と『構造編集』。2つのスキルと持ち前の知能の高さを生かし、順調な異世界生活を送っていたが、とある女の子と出会った事で、人生が激変することになる。
果たして、シャーロットは新たな人生を生き抜くことが出来るのだろうか?
…………………
7歳序盤まではほのぼのとした話が続きますが、7歳中盤から未開の地へ転移されます。転移以降、物語はスローペースで進んでいきます。読者によっては、早くこの先を知りたいのに、話が進まないよと思う方もおられるかもしれません。のんびりした気持ちで読んで頂けると嬉しいです。
…………………
主人公シャーロットは、チートスキルを持っていますが、最弱スタートです。
攻撃魔法を使えないヒーラーの俺が、回復魔法で最強でした。 -俺は何度でも救うとそう決めた-【[完]】
水無月いい人(minazuki)
ファンタジー
【HOTランキング一位獲得作品】
【一次選考通過作品】
---
とある剣と魔法の世界で、
ある男女の間に赤ん坊が生まれた。
名をアスフィ・シーネット。
才能が無ければ魔法が使えない、そんな世界で彼は運良く魔法の才能を持って産まれた。
だが、使用できるのは攻撃魔法ではなく回復魔法のみだった。
攻撃魔法を一切使えない彼は、冒険者達からも距離を置かれていた。
彼は誓う、俺は回復魔法で最強になると。
---------
もし気に入っていただけたら、ブクマや評価、感想をいただけると大変励みになります!
#ヒラ俺
この度ついに完結しました。
1年以上書き続けた作品です。
途中迷走してました……。
今までありがとうございました!
---
追記:2025/09/20
再編、あるいは続編を書くか迷ってます。
もし気になる方は、
コメント頂けるとするかもしれないです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる