77 / 178
77話 ミドリムシはドワーフの国を目指す 前書き編集
しおりを挟む「依頼の後の酒は美味いな! お前らもそう思うだろう?」
上機嫌のレッドが緑達に尋ねる。
「酒は美味いな、こっちに来る前は飲んだ事なかったが病みつきなりそうだ」
魔緑が呟く。
「なんだ緑の弟初めて酒をのんだのか?」
「ああ、そうだしかもご馳走になるなんて思わなかった」
「まぁ、ギルが迷惑をかけたお詫びだ! 飲め! 飲め!」
「ああ、飲ませてもらう・・・・」
「レッドさん貰ってばかりじゃ悪いから僕もルービ―の1樽だします」
「「えええええ!?」
その言葉を聞いた【ドラゴンスレイヤー】の面々が驚きの声を上げる。酒を浴びるように飲み大騒ぎしていた冒険者達が綺麗に並び始める。
冒険者達は酒を飲むために酔いがさめるほど冷静になり並び始める。その中にリーダーのレッドの姿もあった。
「え? え? え? 皆が列を作って並んでる? 何が起こってるんだ!?」
1人ギルが混乱している。そんな中【ドラゴンスレイヤー】の1人が並んでもらった酒を持って近づいて来る。
ドン!
酒の入ったジョッキをギルの目の前に置く。
「ギル! 俺の分はお前が飲め飛び切りうめぇぞ!」
「そうだ! 俺の分もだ!」「私の分も飲んで!」
続々と自分のジョッキを置いていくその様子を見ていた。他のチームメンバーが緑達に頼む自分の分はギルに飲ませてやってくれと。
「やめた!」
「え!?」
全員が緑のそんな言葉を聞いて固まる。
「1樽なんてせこい事やめます! 皆さんジャンジャン飲んでください! ルービ―以外もありますよ!」
「「なににいぃぃぃ!!」」
そこからは大暴れする全員浴びるように酒を飲むのであった。
翌日、緑は【ドラゴンスレイヤー】には状態異常回復の実を大量に渡すのであった。
その後ダンジョンに入り獣人の村の宿に置いてきた扉からでる。
「さぁ、今日はドワーフの国に向かおうか!」
緑がそう言うと皆で宿を出る。
「あ! 皆さん俺達この村から今日出発するんで!」
宿を出たところで先日暴れていた冒険者が緑達に挨拶をしてくる。
「実はギルドから連絡がきて、目撃されたモンスターの調査は終了になったんで」
「そうなんですね、被害が出なくてよかったです」
「皆さんももしかして村を出るんですか?」
「はい、僕らの目的地はドワーフの国なので、皆さんはどちらに?」
「俺らもドワーフの国に行こうと思っているですよ」
「なら一緒にいきますか?」
「俺らと一緒でいいですか?」
「はい! 大勢の方が楽しいですし!」
「なら、よろしくお願いします!」
「じゃあ村の皆さんに挨拶していきましょうか!」
そう言って村長の家に皆で向かう。
「そうですか。皆さん村をでられるんですね大変お世話になりました」
村長がそう言うと冒険者達が口を開く。
「村長、本当にすまなかった俺達はどうかしていた。さんざん酷いことをして申し訳なかった・・・・」
そう言って村長の家の前に集まってきた村人たちの前で冒険者達は深々と頭を下げた。
「いや、初めの頃のあんた達の態度を見ているからわかっているよ。冒険者達が何も起こらない村で1か月間も居なればばならなかったんだ、それにこうしてきちんと挨拶と謝罪までしてくれたんだ」
村長の言葉に村人たちが頷く。
「むしろ来てもらっているのにろくに歓迎もできず申し訳なかったまた近くを通た時はよってくれ」
「あ・・・・ 忘れてた」
村長の言葉の後に緑が声を上げる。
広場に集まっていた村人や冒険者達が首を傾げる。
「緑さんどうかされましたか? 何かわすれものでも」
「あ~ 確かに忘れ物なんですが・・・・ 村長さん村のどこでもいいので祠を立てさせてもらえませんか?」
「祠ですか? 何かを祭るんでしょうか? はい実は・・・・」
そう言って緑は能力やダンジョンの事を説明する。
「さすがIランク冒険者ですね・・・・ 緑さんの提案はこんな小さな村にとっては願ったりかなったりです。どうかよろしくお願いします」
村長の返事を聞いた緑は、直ぐに土魔法を使って祠を作り始める。
「できた! うんこれなら大丈夫だろう」
「「早すぎる」」
冒険者達は緑の土魔法のレベルの高さに驚く。
「これでこの扉を開ければ僕のダンジョンに入れるので困ったことなどあったら中に入ってもらえれば連絡が着くので遠慮なくきてくださいね」
「「ありがとうございます」」
緑の言葉に村人たち全員が感謝を述べる。
「では出発しますね、みなさんお世話になりました!」
そう言って緑達は馬車をゆっくりと進めていく。それはその後を一緒に旅する冒険者達の馬車のペースに合わせるからであった。
緑達は4つの馬車で進む。前列に緑と魔緑の馬車が横2列に並び後列に冒険者達が横2列に並びすすんでいく、その途中で魔緑の索敵にかかった魔物の群れは全員で誰が狩るか決めるのであった。
「いや~、緑さんすいません。俺らの狩った魔物の素材までアイテムボックスに入れてもらって」
索敵にかかった魔物を冒険者達も狩って魔石や素材を集めて置きたいと申し出た時に緑が必要なものは全部持っていくと言われ大喜びする。
本来冒険者が魔物を討伐した時は魔物全てをもちかえる事は出来ない。
何故なら、冒険者達が持ち帰ることのできる物は運ぶことが可能な量と部位ごとの換金率など考えた一部だけになるからだ。
それを今回は緑のアイテムボックスにより要らない部分以外全てを持ち帰れるためいつもであれば換金率や運べる量から普段は持ち帰れない部分も運ぶことが出来る。
冒険者にとって1体の魔物から金になる部分全てを持ち帰る事ができるの命の危険を少なくすることが出来そのため緑に感謝するのであった。
「そうだ久しぶりにまた交代で皆あるくかな?」
「なんだそれ?」
緑の発言に魔緑が尋ねる。
「長旅の時でゆっくり進む時は交代でダンジョンの子供達を外に出す事があるんだ」
「いいんじゃないか? たまには運動もってダンジョンが広いから勝手にするか・・・・」
「うん! でも外の世界を見るのも悪くないかなとおもってね」
「緑様子供達を出してもよろしいでしょうか?」
「クウもだしてあげたいです♪」
「久しぶりに外を歩くのもいいですね~」
3人の女王が緑の言葉に乗り気になる。
「よし! じゃあ一旦馬車をとめてダンジョンをあけるね」
そう言うと緑が馬車のスピードを緩めると続いて魔緑の馬車も緩める。そうなると後続の冒険者達も必然的にスピードを緩める。
「緑さーん、どうかしたんですか?」
「少し休憩にしまーす!」
緑がそう言うと馬車は街道から離れる。他の馬車もそれに続く。
冒険者達は休憩の準備をしていると突然大きな門が現れた。
「ダンジョンオープン!」
門が開くとそこに緑の家族たちが今か今かと待ち構えていた。
「皆! いつもの様に3交代制で出てね!」
緑がそう言うとまるで爆発したように大量の子供達がでてくる。
「「ぎゃああああああ!!」」
それを見た冒険者が叫び声をあげる。
「おいおい、いつも見ていたのはほんの一部だったのかよ・・・・」
続いて魔緑も驚くのであった。魔緑なら索敵能力を使えば子供達の数は把握できただろうが緑が家と呼んでいる様なダンジョンでその必要もなく使っていなかった。
「ほう、やはりこんなけいれば壮観じゃなのう」「ほんまやね」「すっごい数です!」
琉璃、凛、珊瑚もその数に感嘆の声を上げる。
「そうかこれで【軍団】なんだな・・・・」
冒険者の1人が呟くと残りの者達が頷くのであった。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる
よっしぃ
ファンタジー
2巻決定しました!
【書籍版 大ヒット御礼!オリコン18位&続刊決定!】
皆様の熱狂的な応援のおかげで、書籍版『45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる』が、オリコン週間ライトノベルランキング18位、そしてアルファポリス様の書店売上ランキングでトップ10入りを記録しました!
本当に、本当にありがとうございます!
皆様の応援が、最高の形で「続刊(2巻)」へと繋がりました。
市丸きすけ先生による、素晴らしい書影も必見です!
【作品紹介】
欲望に取りつかれた権力者が企んだ「スキル強奪」のための勇者召喚。
だが、その儀式に巻き込まれたのは、どこにでもいる普通のサラリーマン――白河小次郎、45歳。
彼に与えられたのは、派手な攻撃魔法ではない。
【鑑定】【いんたーねっと?】【異世界売買】【テイマー】…etc.
その一つ一つが、世界の理すら書き換えかねない、規格外の「便利スキル」だった。
欲望者から逃げ切るか、それとも、サラリーマンとして培った「知識」と、チート級のスキルを武器に、反撃の狼煙を上げるか。
気のいいおっさんの、優しくて、ずる賢い、まったり異世界サバイバルが、今、始まる!
【書誌情報】
タイトル: 『45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる』
著者: よっしぃ
イラスト: 市丸きすけ 先生
出版社: アルファポリス
ご購入はこちらから:
Amazon: https://www.amazon.co.jp/dp/4434364235/
楽天ブックス: https://books.rakuten.co.jp/rb/18361791/
【作者より、感謝を込めて】
この日を迎えられたのは、長年にわたり、Webで私の拙い物語を応援し続けてくださった、読者の皆様のおかげです。
そして、この物語を見つけ出し、最高の形で世に送り出してくださる、担当編集者様、イラストレーターの市丸きすけ先生、全ての関係者の皆様に、心からの感謝を。
本当に、ありがとうございます。
【これまでの主な実績】
アルファポリス ファンタジー部門 1位獲得
小説家になろう 異世界転移/転移ジャンル(日間) 5位獲得
アルファポリス 第16回ファンタジー小説大賞 奨励賞受賞
第6回カクヨムWeb小説コンテスト 中間選考通過
復活の大カクヨムチャレンジカップ 9位入賞
ファミ通文庫大賞 一次選考通過
処刑された勇者は二度目の人生で復讐を選ぶ
シロタカズキ
ファンタジー
──勇者は、すべてを裏切られ、処刑された。
だが、彼の魂は復讐の炎と共に蘇る──。
かつて魔王を討ち、人類を救った勇者 レオン・アルヴァレス。
だが、彼を待っていたのは称賛ではなく、 王族・貴族・元仲間たちによる裏切りと処刑だった。
「力が強すぎる」という理由で異端者として断罪され、広場で公開処刑されるレオン。
国民は歓喜し、王は満足げに笑い、かつての仲間たちは目を背ける。
そして、勇者は 死んだ。
──はずだった。
十年後。
王国は繁栄の影で腐敗し、裏切り者たちは安穏とした日々を送っていた。
しかし、そんな彼らの前に死んだはずの勇者が現れる。
「よくもまあ、のうのうと生きていられたものだな」
これは、英雄ではなくなった男の復讐譚。
彼を裏切った王族、貴族、そしてかつての仲間たちを絶望の淵に叩き落とすための第二の人生が、いま始まる──。
異世界転移からふざけた事情により転生へ。日本の常識は意外と非常識。
久遠 れんり
ファンタジー
普段の、何気ない日常。
事故は、予想外に起こる。
そして、異世界転移? 転生も。
気がつけば、見たことのない森。
「おーい」
と呼べば、「グギャ」とゴブリンが答える。
その時どう行動するのか。
また、その先は……。
初期は、サバイバル。
その後人里発見と、自身の立ち位置。生活基盤を確保。
有名になって、王都へ。
日本人の常識で突き進む。
そんな感じで、進みます。
ただ主人公は、ちょっと凝り性で、行きすぎる感じの日本人。そんな傾向が少しある。
異世界側では、少し非常識かもしれない。
面白がってつけた能力、超振動が意外と無敵だったりする。
おっさん武闘家、幼女の教え子達と十年後に再会、実はそれぞれ炎・氷・雷の精霊の王女だった彼女達に言い寄られつつ世界を救い英雄になってしまう
お餅ミトコンドリア
ファンタジー
パーチ、三十五歳。五歳の時から三十年間修行してきた武闘家。
だが、全くの無名。
彼は、とある村で武闘家の道場を経営しており、〝拳を使った戦い方〟を弟子たちに教えている。
若い時には「冒険者になって、有名になるんだ!」などと大きな夢を持っていたものだが、自分の道場に来る若者たちが全員〝天才〟で、自分との才能の差を感じて、もう諦めてしまった。
弟子たちとの、のんびりとした穏やかな日々。
独身の彼は、そんな彼ら彼女らのことを〝家族〟のように感じており、「こんな毎日も悪くない」と思っていた。
が、ある日。
「お久しぶりです、師匠!」
絶世の美少女が家を訪れた。
彼女は、十年前に、他の二人の幼い少女と一緒に山の中で獣(とパーチは思い込んでいるが、実はモンスター)に襲われていたところをパーチが助けて、その場で数時間ほど稽古をつけて、自分たちだけで戦える力をつけさせた、という女の子だった。
「私は今、アイスブラット王国の〝守護精霊〟をやっていまして」
精霊を自称する彼女は、「ちょ、ちょっと待ってくれ」と混乱するパーチに構わず、ニッコリ笑いながら畳み掛ける。
「そこで師匠には、私たちと一緒に〝魔王〟を倒して欲しいんです!」
これは、〝弟子たちがあっと言う間に強くなるのは、師匠である自分の特殊な力ゆえ〟であることに気付かず、〝実は最強の実力を持っている〟ことにも全く気付いていない男が、〝実は精霊だった美少女たち〟と再会し、言い寄られ、弟子たちに愛され、弟子以外の者たちからも尊敬され、世界を救って英雄になってしまう物語。
(※第18回ファンタジー小説大賞に参加しています。
もし宜しければ【お気に入り登録】で応援して頂けましたら嬉しいです!
何卒宜しくお願いいたします!)
異世界翻訳者の想定外な日々 ~静かに読書生活を送る筈が何故か家がハーレム化し金持ちになったあげく黒覆面の最強怪傑となってしまった~
於田縫紀
ファンタジー
図書館の奥である本に出合った時、俺は思い出す。『そうだ、俺はかつて日本人だった』と。
その本をつい翻訳してしまった事がきっかけで俺の人生設計は狂い始める。気がつけば美少女3人に囲まれつつ仕事に追われる毎日。そして時々俺は悩む。本当に俺はこんな暮らしをしてていいのだろうかと。ハーレム状態なのだろうか。単に便利に使われているだけなのだろうかと。
少し冷めた村人少年の冒険記 2
mizuno sei
ファンタジー
地球からの転生者である主人公トーマは、「はずれギフト」と言われた「ナビゲーションシステム」を持って新しい人生を歩み始めた。
不幸だった前世の記憶から、少し冷めた目で世の中を見つめ、誰にも邪魔されない力を身に着けて第二の人生を楽しもうと考えている。
旅の中でいろいろな人と出会い、成長していく少年の物語。
男女比がおかしい世界の貴族に転生してしまった件
美鈴
ファンタジー
転生したのは男性が少ない世界!?貴族に生まれたのはいいけど、どういう風に生きていこう…?
最新章の第五章も夕方18時に更新予定です!
☆の話は苦手な人は飛ばしても問題無い様に物語を紡いでおります。
※ホットランキング1位、ファンタジーランキング3位ありがとうございます!
※カクヨム様にも投稿しております。内容が大幅に異なり改稿しております。
※各種ランキング1位を頂いた事がある作品です!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる