緑の体だからゴブリン?花が咲いてるからドライアド?いいえ、超ミドリムシです!異世界で光合成して家族が増殖しました!

もう我慢できない

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95話 ミドリムシのブレス

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 父親達が茫然と見続けるなか、子供達がダンジョンから出るのが止まる。

「さぁ皆街をまもるよ~♪」

 チキチキチキ♪ ザッ!

 子供達が返事をし一斉に緑にむかって敬礼する。

「緑様どのように展開しましょうか?」

「緑さん支持をください♪」

「先陣は俺に切らせてください!」

「じゃあ、こんな感じで展開しようか」

 そう言って緑はファントム仕込みのイリュージョンで平原にどのように陣を展開するかミニチュアの模型を作り出す。

 緑は魔物の群れが逆三角形で向かってくるためにそれを受け止める様に展開するように指示を出す。その為平原に左右に陣を築く様にミニチュアの模型を作り出し皆で確認する。

 そして、相手の逆三角形の先頭部分には、緑と魔緑が陣取る。

「兜には悪いけどまず、まーちゃんに特大のブレスを撃ってもらうね」

「ブレスなんか吐いた事ないんだが……」

「大丈夫、大丈夫無理だったら火の魔法でいいよ」

「ふむ、それなら毒のブレスを吐ける私が指南しよう!」

 そういって珊瑚の父のヒューイが声を上げる。

「じゃあ僕が魔法でバリケードを作るね~」

 そういって緑が魔法うために魔力を圧縮し始める。それまで会話に意気揚々と参加をしていた父親3人であったがその圧縮するに魔力の量に驚き始める。

「こ、これほどまでの魔力を保有していたのか!?」

「無茶苦茶や、こんなバカげた魔力を攻撃に使ったら斜線上に国でもあった滅んでまうで」

「味方だったからよかったが敵だったと思うとすっごく怖いな」

 そんな父親達を見て琉璃、凛、珊瑚が口を開く。

「父様達はみーちゃんとまーちゃんの2人の能力をしらんからのう」

「おとん、みーちゃんとまーちゃんは水と光と空気があれば魔力が無限にわいてくるねん」

「2人で使う魔法はすっごいです」

 その発言に唖然とする父親達。

 獣人の6人がしゃべっていると緑が口を開く。

「よし! これくらいかな…… それ!」

 緑が圧縮した魔力を使い魔法を使う。緑の左右の手から巨大な氷のバラが何本も飛び出していく。それは緑を頂点としVの字に伸び続け平原の端にまで伸びる。

 氷のバラは茎が人の胴回りほどもありそれが何本も絡みつきながら伸びたたため厚さ3m高5mほどの氷のバラの城壁が平原の端まで続く。

 その城壁には大小さまざまな隙間があり、クウやヒカリの子供達が隙間に入り込み敵を迎え撃つ準備をする。

 そんな状況にあっけに取られていた父親達だが魔緑がヒューイに声をかける。

「すいません、ヒューイさん良ければブレスの吐き方を教えてください」

「ああ、そうだったね。すっごく簡単だからすぐにできるようになるよ」

 そんな様子を見ていた緑は土の魔法で櫓を作りそこで父親達は登って緑達の戦いを見ている様に言う。

 魔緑がブレスの吐き方を習い準備ができたところで先頭の魔物たちが平原に入ってくる。

「まーちゃんもっと引き付けてからだよ」

「わかっているよ」

 龍になった魔緑の背に緑が乗り光合成をしながら魔緑にエネルギーを譲渡する。

 魔物の群れが平原に入り切ったとこで緑が叫ぶ。

「まーちゃん準備して」

 緑がそう言うと魔緑は自分のエネルギーと緑から渡されたエネルギーも使いブレスの準備態勢に入る。

 魔緑の口内で大量の魔力が圧縮されていく。

「今だ撃って!」

 緑が叫ぶと魔緑がブレスを吐く。その瞬間白い炎が魔緑の口から吐き出される。その炎の斜線上にいた魔物は一切の痛みを感じることなく蒸発していく。

「やばい!」

 そういって魔緑はブレスを止める。それを見た緑も口を開く。

「危なかったねまーちゃん…… 魔物の群れを貫通してその先も燃やし尽くしちゃうところだったね」

「ああ、エネルギーを集めすぎたな、あのまま吐き続けたらどこまでいったかわからねぇ……」

 そんな2人の会話をよそに向かってきていた魔物たちは大パニックをおこしていた。向かってくるときは逆三角形になっていたがそれが今、魔緑のブレスで真っ二つに裂かれさらにパニックでばらけ始めた。

「じゃあヒカリお願いね」「わかりました。皆いきなさい!」

 ヒカリの声で氷のバラの城壁の隙間に入り込んでいた子供達が飛び立っていく。子供達は魔物の群れの外側から内側にむかって緑の爆弾の実を投下する。

「「……」」

 その爆発音がやむと緑が今度はクウに話かける。

「じゃあ次はクウお願いね」「わかりました♪ 皆いって♪」」

 次はクウの子供達が魔物の群れに突撃する。城壁から黒い絨毯が魔物の群れに襲い掛かる。

「「……」」

「城壁作る意味なかったかな?」

「ああ、なかったな」

「大将行ってきてもいいすかね?」

「ああ、兜お願い」

「うっす行ってきます……」

 兜は暴れられると思っていたが思いのほか魔緑のブレスが強力だったため魔物の数がかなり減ってしまいそれを残念に思い肩を落として向かっていくのであった。

「兜には悪いことをしたかな……」

 それまで黙っていた父親達はお互い苦笑いを浮かべながら顔を見合わせて呟く。

「こんな噂もきいたなのう…… Iランクのチームはいかれた冒険者ぞろいだと……」

「「いかれたランク……でIランクか……」」

「娘たちは良い旦那をつかまえたのう……」

 ふいにフェンが呟く。

「でかしたわ……」

「すっごく良い娘達だ……」

 その後にグリンもヒューイも同意するのであった。

 だが、父親達の驚きはそこまでで止まらず、緑達の魔物の群れへの攻撃でボロボロになった平原を元に戻し始めさらに驚くのであった。
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