緑の体だからゴブリン?花が咲いてるからドライアド?いいえ、超ミドリムシです!異世界で光合成して家族が増殖しました!

もう我慢できない

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124話 ミドリムシは説得する

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「ふむ、子供達は言われた通りゴブリンだけをかたずけて戻ったな」

「ふふふ、残りも倒せるんだろうけど、私達にも体を慣らすためにと、お願いしたら我慢してくれたわね」

「ふむ、我はどうでもいいが…… ウンディーネ少し前からおもっていたのだがその口調はどうにかならんか?」

「あら、私は雌だもの本来はこっちの方が正しいんじゃない?」

「まぁ、そうだが龍の威厳が……」

「まぁ、ノームよこんな姿をしていては威厳も何もないだろう……」

 干支緑達がゴブリンを倒した後、来た道を戻り残りの魔物を龍種の3人にまかせる。

 龍種たちはのんびりと狼の魔物が森から出てくるのを話ながらまっていた。その様子を見ていた陣形を組み森の様子を注意深くうかがっていた冒険者達は気が気でない。

「何してやがる! 子供のうち3人だけ残ったぞ!」

「子供3人など魔物の良い餌だ!」

 冒険者は口々に子供姿の龍種を心配するが、斥候の女性とリーダーだけは違った。

「ねぇ、リーダー残っているのは例の3人よね?」

「ああ、あの3人だけは移動も自分の足だけで行っていた」

「それってB級以上の魔物のスピードに走って並走していたのよね?」

「ああ、子供の姿をしているが…… どうも中身は違うような気がして仕方がない」

 2人だけが魔物だけではなく3人の子供にも警戒しながら話していると不意に声を掛けられる。

「あの~」

「「誰だ!?」」

「僕は後ろの馬車に乗っている水野 緑ち言うのですがお話をしに来ました~」

「話とはなんだ!? 今俺達が森の方を警戒しているのがわからないか!? それに直ぐにあの3人の子供をこっちに呼び戻せ!」

「そのことなんですが今から森から出てくる魔物を彼等にゆずってくれませんか?」

 緑の言った事に斥候とリーダーだけでなく他の冒険者達も反応する。

「はぁ? あんた、子供を魔物の餌にする気か!?」

「その間にあんた達は逃げる気なの!?」

 現状と子供達の姿が気になり冒険者達は緑の言葉を一瞬、聞き間違ったと思った。なぜなら後ろの馬車から話をしに来た【水野 緑】という者は3人の子供が魔物を狩ると言ったがそんな事が出来るはずなく、もしや囮にする気かと苛立ちながら答える。

 そんな中、緑が再び話はじめる。

「あの3人はとても強いので大丈夫です。僕が心配しているのは森から出てくる魔物を3人が横取りしたといわれないか心配でお話にきたんです」

 緑が言った言葉を聞き、冒険者達は先ほどは聞き間違ったと思っていた言葉が正しかったことに気づき驚きの声を上げる。

「はぁ、あんたあの子供達が魔物の群れを倒せると思っているのか?」

「そうよ、どんなオメデタイ頭をしているの!?」

 斥候の女性とリーダーは緑の言葉を聞くが何も返事をしない。むしろ子供の姿をしているが彼が恐るべき力を秘めているのではないかと思っていた自分達の考えに確信を持ち、さらに思考を進める。

『3人の子供は森から出てくる魔物を倒せる力を持っている、それはわかった。この男はさっき子供達とは言わず彼らと言った…… それは3人の子供を自分達と同列と認めているという事。しかも戦闘力で…… 姿を変えている? 仮に他の種族だったとしても子供姿をとる必要がない…… 本来の姿は他の人間に見せたくない? まさか!?』

 リーダーの男は思考をまとめると斥候の女性の方を向く、女性も同じ考えにいたったのかリーダーに頷いて見せる。

 そしてリーダーの男は意を決して呟く。

「もしかして魔物なのか?」

「「え!?」」

 その言葉に驚いたのは同じチームの冒険者達だった。その言葉を聞き緑は苦笑いで答える。

『当たらずも遠からずか……』

 リーダーの男は心の中で呟く。その後緑に尋ねる。

「俺達はこのまま警戒しておく必要はあるか?」

「ないですけど…… 警戒しないと不安であるのはわかるのでお任せします。なんなら僕もここに居ますし、魔物が3人をぬけてくるなら子供達が対処するでしょう」

 そんな会話をしていると子供達が緑の元に戻って来ながら叫ぶ。

「お兄ちゃーん! ただいまー!」「ゴブリンやっつけたよー♪」

 冒険者達は子供が返ってきたことに安心するも子供達が乗っているものに気づき戦慄する。

「うわ!」「きゃあ!」「おいおい、なんてものに乗ってるんだ……」

 リーダーと斥候の冒険者以外は今まで気づかなかったが子供達が乗っているのは先日のスタンピードで手に入れたB級以上の虫の魔物達であった。

 普段は大きなムカデの魔物に【電車ごっこ】をするようにみんなでまたがっていたりするが今日は各々で別の魔物に乗っていた。

 ワオーン!

 そんなやりとをしていると森から遠吠えが聞こえ、全員が森の方を見ると狼の魔物のが続々と現れる。



「お、来たようださぁ狩りの時間だ」
「こんな雑魚共、狩りと呼ぶのか?」
「そうようね…… 緑が教えてくれたラジオ体操くらいかしら?」

「まぁ、なんでも良い。それより我は人の冒険者が教えていた技というものを使ってみるとするか」

「あ、それ私もやってみるわ」

「それは面白そうじゃのう我もためしてみるか」



「おい! あんた! 本当にあの子供3人で大丈夫なのか!?」

「はい! 大丈夫です! 倒すだけなら3人の誰か1人だけで充分ですし!」

「あんな子供が1人でか!?」

「はい! 見ておいてください」


 緑がそう言った事で冒険者達は納得がいかない顔をするが大人しく双眼鏡をそれぞれのぞき様子を伺う。

「まったく、本当に大丈夫なのか……?」

「ひっ!」「うわっ!」「げえっ!」

 冒険者達は双眼鏡で見た光景に思わず声を上げるのであった。
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