11 / 31
序章 理想と創造
大陸創造6
しおりを挟む――さて、残るは幻の大陸と本丸のみである。
この大陸については望郷の念に浸れるように、なんちゃって日本風にする予定である。そこに住む予定の種族は古来から言い伝えられる鬼人族。大陸の名前は『ゴルドルト』。
設定では常に鎖国中である。
日本風の独自の文化を築いており、各地に将軍が在中し、天帝を長として治められていく予定だ。室町から江戸時代、平安時代も混ざったみんな大好きなんちゃって日本である。
独自の文化の中には巫女や侍、忍者に至るまで創造予定である。
ちなみに群雄割拠! 戦乱! とはならない予定である。なにせ「アトランティス」のスローガンは「みんななかよくしよう」なのだから。
故に、オリンピックのような競い合える場を用意し、権力闘争の代わりにしてもらうつもりである。初代天帝にそうした風な天啓が降りたという形にして国をまとめあげるのだ。
生前の都道府県等を参考とした国造りである。
いずれ各地に特産品が出来れば、アトラにとっては創造後の旅行で楽しさ百倍だ。どのくらいの領地に別れるかは今は不明だが、それも創造後のお楽しみということで気にしない。
――これで大まかな外周の大陸創造は決定した。
後は世界の中止に座す真なる理想郷。『アトランタ』の創造。いよいよ待ちかねた本丸だ。
『アトランタ』はどの大陸よりも広大であり、壮大。大陸と見紛うほどの巨大な建築物とする予定である。
楽園であり、幻想郷。
そこに住まう種族は雑多であり、しかし誰もが等しく祈りによって加護を得られる神の国。
求められるのは真摯な祈りと敬虔さ。
与えられるは安息と安寧。
全ての種族に等しく、分け隔てなく与えられる祈りの加護は三つ。
『愛』と『勇気』と『力』。
どこぞで聞いたような陳腐な言葉だが、その加護内容はそこまで陳腐ではない……と、アトラは自問自答した。
大丈夫。何を始めるにしても、この三つの要素は重要だ。何事にも不可欠と言ってもいい。間違っていないはずである。おそらく。
思いついたのがこれだから仕方がないのだ。一度思いついてしまえば他が暫く思い浮かばないのは悪い癖だが、ぶれないことは名作への第一歩である。
名作から拝借してるのだからなおさらだ。愛と勇気はお友達! ビバ力業! 自信を持って! と誰ともに確認出来ない孤独をアトラは享受する。
……さっさと設定を創り込もう。
主な理念はそれとして、次は建築物の形だ。
神の国としてファンタジーにあるまじきファンタジーにしなければならない。
そこで、建築物としては異質ともいえるだろう、同心円状に広がる基礎に、基礎の中心を起点に上下にネジのように伸びる捻じれた塔、という形を創造する。
うむ、実にアバンギャルド。
下層に伸びる捻じれには階層ごとに様々な地形を形成。海底にて数多創りし種族の坩堝とならん。
上層に伸びる捻じれには階層ごとに様々な試練を形成。天へと導く神へと至る道しるべとならん。
まあ、つまり、下に行けば海と魚等が泳ぐ様子を真横にて幻想的に見られる生活圏、上には高所恐怖症も真っ青な夜景を一望できる神秘のダンジョン、という構成である。
最上階はもちろん、神の間とする。
到達者には使徒と成れるプレゼント(詐欺)付きである。
また、それとは別になんでも一つ叶うる限りの願いを叶えることも特典にする。
基礎の部分は平面なだけで上に伸びる等以外は何もなし。
根幹の謎素材が単色なため、ゴミが落ちたら一気に台無しになりそうだ。
……もう少し、なんか、なんかしよう。
――そうして暫く、最後の仕上げも終わった。
0
あなたにおすすめの小説
『白い結婚だったので、勝手に離婚しました。何か問題あります?』
夢窓(ゆめまど)
恋愛
「――離婚届、受理されました。お疲れさまでした」
教会の事務官がそう言ったとき、私は心の底からこう思った。
ああ、これでようやく三年分の無視に終止符を打てるわ。
王命による“形式結婚”。
夫の顔も知らず、手紙もなし、戦地から帰ってきたという噂すらない。
だから、はい、離婚。勝手に。
白い結婚だったので、勝手に離婚しました。
何か問題あります?
バーンズ伯爵家の内政改革 ~10歳で目覚めた長男、前世知識で領地を最適化します
namisan
ファンタジー
バーンズ伯爵家の長男マイルズは、完璧な容姿と神童と噂される知性を持っていた。だが彼には、誰にも言えない秘密があった。――前世が日本の「医師」だったという記憶だ。
マイルズが10歳となった「洗礼式」の日。
その儀式の最中、領地で謎の疫病が発生したとの凶報が届く。
「呪いだ」「悪霊の仕業だ」と混乱する大人たち。
しかしマイルズだけは、元医師の知識から即座に「病」の正体と、放置すれば領地を崩壊させる「災害」であることを看破していた。
「父上、お待ちください。それは呪いではありませぬ。……対処法がわかります」
公衆衛生の確立を皮切りに、マイルズは領地に潜む様々な「病巣」――非効率な農業、停滞する経済、旧態依然としたインフラ――に気づいていく。
前世の知識を総動員し、10歳の少年が領地を豊かに変えていく。
これは、一人の転生貴族が挑む、本格・異世界領地改革(内政)ファンタジー。
貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。
黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。
この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。
借金まみれで高級娼館で働くことになった子爵令嬢、密かに好きだった幼馴染に買われる
しおの
恋愛
乙女ゲームの世界に転生した主人公。しかしゲームにはほぼ登場しないモブだった。
いつの間にか父がこさえた借金を返すため、高級娼館で働くことに……
しかしそこに現れたのは幼馴染で……?
【完結】乙女ゲーム開始前に消える病弱モブ令嬢に転生しました
佐倉穂波
恋愛
転生したルイシャは、自分が若くして死んでしまう乙女ゲームのモブ令嬢で事を知る。
確かに、まともに起き上がることすら困難なこの体は、いつ死んでもおかしくない状態だった。
(そんな……死にたくないっ!)
乙女ゲームの記憶が正しければ、あと数年で死んでしまうルイシャは、「生きる」ために努力することにした。
2023.9.3 投稿分の改稿終了。
2023.9.4 表紙を作ってみました。
2023.9.15 完結。
2023.9.23 後日談を投稿しました。
三十年後に届いた白い手紙
RyuChoukan
ファンタジー
三十年前、帝国は一人の少年を裏切り者として処刑した。
彼は最後まで、何も語らなかった。
その罪の真相を知る者は、ただ一人の女性だけだった。
戴冠舞踏会の夜。
公爵令嬢は、一通の白い手紙を手に、皇帝の前に立つ。
それは復讐でも、告発でもない。
三十年間、辺境の郵便局で待ち続けられていた、
「渡されなかった約束」のための手紙だった。
沈黙のまま命を捨てた男と、
三十年、ただ待ち続けた女。
そして、すべてを知った上で扉を開く、次の世代。
これは、
遅れて届いた手紙が、
人生と運命を静かに書き換えていく物語。
企業再生のプロ、倒産寸前の貧乏伯爵に転生する
namisan
ファンタジー
数々の倒産寸前の企業を立て直してきた敏腕コンサルタントの男は、過労の末に命を落とし、異世界で目を覚ます。
転生先は、帝国北部の辺境にあるアインハルト伯爵家の若き当主、アレク。
しかし、そこは「帝国の重荷」と蔑まれる、借金まみれで領民が飢える極貧領地だった。
凍える屋敷、迫りくる借金取り、絶望する家臣たち。
詰みかけた状況の中で、アレクは独自のユニーク魔法【構造解析(アナライズ)】に目覚める。
それは、物体の構造のみならず、組織の欠陥や魔法術式の不備さえも見抜き、再構築(クラフト)するチート能力だった。
「問題ない。この程度の赤字、前世の案件に比べれば可愛いものだ」
前世の経営知識と規格外の魔法で、アレクは領地の大改革に乗り出す。
痩せた土地を改良し、特産品を生み出し、隣国の経済さえも掌握していくアレク。
そんな彼の手腕に惹かれ、集まってくるのは一癖も二癖もある高貴な美女たち。
これは、底辺から這い上がった若き伯爵が、最強の布陣で自領を帝国一の都市へと発展させ、栄華を極める物語。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる