3 / 21
おっさんチョコレート
しおりを挟む
彼の名前はおっさんチョコレート。
海外から直輸入したドロドロに溶けたチョコをいつも持ち歩いており指を舐めながら美味しそうに食べている。
デブで不潔でアイドルオタク。
人前で平気でオナラをしてそれが面白いと勘違いしている。
元来、笑顔は相手を心地よい気持ちにさせたり、警戒心を解いたりする効果があるが、
おっさんチョコレートの笑顔は何故か人を不快にさせ、ぶん殴りたくなる気持ちにさせてしまう。
自分の容姿は棚に上げて、ブスの女性には暴言を吐くなど厳しい一面がある。
綺麗な女性を見かけるといつも卑猥な下ネタを女性に向かって言うので嫌われてしまう。
「パンツ見せて」が口癖で、女性が使ったスプーンを人目を憚らず舐め回すなどする生粋の変態である。
下着泥棒の常習犯でもある。その手際の良さから、彼が関わった事件はベテラン刑事を以ってしても全て迷宮入りとなってしまう。
今日はおっさんチョコレートの家で家族会議が開かれた。
そこには、ラーメン屋の店主であるおっさんチョコレートと、
働くのが嫌で早期引退した先代の父親、
3日に1回店を手伝ってくれる母親が参加した。
議題は代替わりして、どうしてこんなに客が減ったのかというものであった。
「おいブタ!どうして客が減ったか分かっているのか?」
厳しい口調でおっさんチョコレートに父親が訊ねた。
おっさんチョコレートは日頃から父親に委縮しており口籠ってしまう。
そんな息子の様子に余計に腹が立ち、
「根性も無く、ラーメン修行も半日で投げ出す。
その癖、責任を与えられてこそ人は成長するでござる。
初めから店主になれば成功が約束されるなんて、偉そうな事言って結局このザマじゃねぇか!」
「最近は、継ぎ足しの秘伝のスープが減ると水しか入れてないから、スープの味が無く、ただのお湯になっているじゃねぇか!」
「それに加え、自分のラーメンが不味くて食べたくないからって、昼食は何時も隣のラーメン屋に行っているだろ!」
「その姿を近所の人が見たら、この店では店主でも食欲が無くなる程不味い物を出してるんだって思うだろう!」
「あなた、一生懸命頑張ってるんだから、あんまりチョコレートちゃんを責めないでちょうだい。」
「そうやってお前がいつも甘やかすからこんな体たらくなブタに育ったんだろう!」
おっさんチョコレートはいつも自分を庇ってくれる母親の事が大好きだった。
その母親を守りたい一心で父親への恐怖心を押し殺し震えながらも大声で、
「ママをいじめるな!」
父親は不意を突かれ一瞬気を失いそうになる。
その瞬間、父親脳裏に走馬灯の様に楽しかった少年時代の思いがフラッシュバックした。
実は父親は内弁慶で、強気の相手には滅法弱かった。
「アイムソーリー、パパ。」
そこから誰も言葉を発する事が出来ず緊迫した空気が流れた。
「ブッッ!!!」
大地を引き裂くような大きな音が響き渡った。
おっさんチョコレートは場の空気を和ませて、みんなを笑顔にしようとオナラをした。
これには父親も怒りを抑えられず、おっさんチョコレートの頭を思い切り叩いた。
「なんて事するのアナタ!チョコレートちゃんに謝りなさい!」
「誰がこんなブタに謝るか!」
父親はバタンと襖を力強く締め部屋から出て行った。
「パパの言った事、あんまり気にしちゃダメよチョコレートちゃん。」
「うん。サンキュー、ママ。」
明くる日、冷静さを取り戻した父親がおっさんチョコレートにある命令を下した。
「アルバイトとして人気店に潜入し、その味を盗んで来い!」
今まで自分の店以外で働いた経験の無いおっさんチョコレートは、あからさまに嫌な顔をした。
「なんだ!その顔は!俺の決めた事に文句あんのか!」
おっさんチョコレートはこれ以上父親を怒らせると、また殴られると思い渋々その命令に従う事にした。
アルバイト初日、おっさんチョコレートは寝坊をした。
慌てた所で遅刻の事実は変わらないので、普段通りゆっくり身支度を整え、
ちゃんと、朝ご飯も三杯おかわりをした。
バイト先のラーメン屋に到着する店内はオープン前で準備に慌ただしく、
おっさんチョコレートの自己紹介も早々に切り上げられた。
明らかに自分よりも年下の茶髪の店長に、倉庫から麺が入った段ボールを持って来る様に言われた。
おっさんチョコレートは年上の自分に敬語を使わず命令するこの店長が初対面から好きになれなかった。
倉庫に入り、段ボールを持ち上げようとするも、おっさんチョコレートは小学3年生並の腕力しか無いので全く持ち上がらない。
日頃から何事もすぐ諦めがちなおっさんチョコレートは一服する事にし、煙草を吹かし始めた。
「額に汗を流して吸う煙草は別格でござるなぁ。」
おっさんチョコレートの戻りが遅いので、店長が心配して様子を見に倉庫に行くとそこには、
一日の仕事を終えた様な爽やかな表情で煙草を吸うおっさんチョコレートの姿があった。
「まだ休憩の時間でも無いのに何サボってんだ!」
おっさんチョコレートはムッとした表情で、
「初日からこんな重い物を持たせる方がどうかしてるでござる。」
店長は自分は正しい事を言っていると言う自信があった。
しかし段々と自分が間違っている様な気持ちにさせられていった。
「ここはもういいから店内で掃除をしていろ!」
おっさんチョコレートは力を使う仕事よりはましだと思ったので、喜んで店内に向かって行った。
店内でテーブルを拭いていると、ベテランの雰囲気を醸し出したパートのおばさんが恐い顔で近づいて来た。
「あんた、もっと丁寧に磨きなさい。こんなんじゃ磨いて無いのと変わらないじゃない。」
「それに、折角テーブルを磨いてもその後に汗がポタポタ落ちているから意味ないのよ。」
おっさんチョコレートは自尊心を踏みにじられ、悔しくなり唇を噛み締めた。
そして、トイレに行くと嘘をつき、店から逃げ出した。
おっさんチョコレートのラーメン屋での初バイトは店がオープンする前に幕を閉じた。
海外から直輸入したドロドロに溶けたチョコをいつも持ち歩いており指を舐めながら美味しそうに食べている。
デブで不潔でアイドルオタク。
人前で平気でオナラをしてそれが面白いと勘違いしている。
元来、笑顔は相手を心地よい気持ちにさせたり、警戒心を解いたりする効果があるが、
おっさんチョコレートの笑顔は何故か人を不快にさせ、ぶん殴りたくなる気持ちにさせてしまう。
自分の容姿は棚に上げて、ブスの女性には暴言を吐くなど厳しい一面がある。
綺麗な女性を見かけるといつも卑猥な下ネタを女性に向かって言うので嫌われてしまう。
「パンツ見せて」が口癖で、女性が使ったスプーンを人目を憚らず舐め回すなどする生粋の変態である。
下着泥棒の常習犯でもある。その手際の良さから、彼が関わった事件はベテラン刑事を以ってしても全て迷宮入りとなってしまう。
今日はおっさんチョコレートの家で家族会議が開かれた。
そこには、ラーメン屋の店主であるおっさんチョコレートと、
働くのが嫌で早期引退した先代の父親、
3日に1回店を手伝ってくれる母親が参加した。
議題は代替わりして、どうしてこんなに客が減ったのかというものであった。
「おいブタ!どうして客が減ったか分かっているのか?」
厳しい口調でおっさんチョコレートに父親が訊ねた。
おっさんチョコレートは日頃から父親に委縮しており口籠ってしまう。
そんな息子の様子に余計に腹が立ち、
「根性も無く、ラーメン修行も半日で投げ出す。
その癖、責任を与えられてこそ人は成長するでござる。
初めから店主になれば成功が約束されるなんて、偉そうな事言って結局このザマじゃねぇか!」
「最近は、継ぎ足しの秘伝のスープが減ると水しか入れてないから、スープの味が無く、ただのお湯になっているじゃねぇか!」
「それに加え、自分のラーメンが不味くて食べたくないからって、昼食は何時も隣のラーメン屋に行っているだろ!」
「その姿を近所の人が見たら、この店では店主でも食欲が無くなる程不味い物を出してるんだって思うだろう!」
「あなた、一生懸命頑張ってるんだから、あんまりチョコレートちゃんを責めないでちょうだい。」
「そうやってお前がいつも甘やかすからこんな体たらくなブタに育ったんだろう!」
おっさんチョコレートはいつも自分を庇ってくれる母親の事が大好きだった。
その母親を守りたい一心で父親への恐怖心を押し殺し震えながらも大声で、
「ママをいじめるな!」
父親は不意を突かれ一瞬気を失いそうになる。
その瞬間、父親脳裏に走馬灯の様に楽しかった少年時代の思いがフラッシュバックした。
実は父親は内弁慶で、強気の相手には滅法弱かった。
「アイムソーリー、パパ。」
そこから誰も言葉を発する事が出来ず緊迫した空気が流れた。
「ブッッ!!!」
大地を引き裂くような大きな音が響き渡った。
おっさんチョコレートは場の空気を和ませて、みんなを笑顔にしようとオナラをした。
これには父親も怒りを抑えられず、おっさんチョコレートの頭を思い切り叩いた。
「なんて事するのアナタ!チョコレートちゃんに謝りなさい!」
「誰がこんなブタに謝るか!」
父親はバタンと襖を力強く締め部屋から出て行った。
「パパの言った事、あんまり気にしちゃダメよチョコレートちゃん。」
「うん。サンキュー、ママ。」
明くる日、冷静さを取り戻した父親がおっさんチョコレートにある命令を下した。
「アルバイトとして人気店に潜入し、その味を盗んで来い!」
今まで自分の店以外で働いた経験の無いおっさんチョコレートは、あからさまに嫌な顔をした。
「なんだ!その顔は!俺の決めた事に文句あんのか!」
おっさんチョコレートはこれ以上父親を怒らせると、また殴られると思い渋々その命令に従う事にした。
アルバイト初日、おっさんチョコレートは寝坊をした。
慌てた所で遅刻の事実は変わらないので、普段通りゆっくり身支度を整え、
ちゃんと、朝ご飯も三杯おかわりをした。
バイト先のラーメン屋に到着する店内はオープン前で準備に慌ただしく、
おっさんチョコレートの自己紹介も早々に切り上げられた。
明らかに自分よりも年下の茶髪の店長に、倉庫から麺が入った段ボールを持って来る様に言われた。
おっさんチョコレートは年上の自分に敬語を使わず命令するこの店長が初対面から好きになれなかった。
倉庫に入り、段ボールを持ち上げようとするも、おっさんチョコレートは小学3年生並の腕力しか無いので全く持ち上がらない。
日頃から何事もすぐ諦めがちなおっさんチョコレートは一服する事にし、煙草を吹かし始めた。
「額に汗を流して吸う煙草は別格でござるなぁ。」
おっさんチョコレートの戻りが遅いので、店長が心配して様子を見に倉庫に行くとそこには、
一日の仕事を終えた様な爽やかな表情で煙草を吸うおっさんチョコレートの姿があった。
「まだ休憩の時間でも無いのに何サボってんだ!」
おっさんチョコレートはムッとした表情で、
「初日からこんな重い物を持たせる方がどうかしてるでござる。」
店長は自分は正しい事を言っていると言う自信があった。
しかし段々と自分が間違っている様な気持ちにさせられていった。
「ここはもういいから店内で掃除をしていろ!」
おっさんチョコレートは力を使う仕事よりはましだと思ったので、喜んで店内に向かって行った。
店内でテーブルを拭いていると、ベテランの雰囲気を醸し出したパートのおばさんが恐い顔で近づいて来た。
「あんた、もっと丁寧に磨きなさい。こんなんじゃ磨いて無いのと変わらないじゃない。」
「それに、折角テーブルを磨いてもその後に汗がポタポタ落ちているから意味ないのよ。」
おっさんチョコレートは自尊心を踏みにじられ、悔しくなり唇を噛み締めた。
そして、トイレに行くと嘘をつき、店から逃げ出した。
おっさんチョコレートのラーメン屋での初バイトは店がオープンする前に幕を閉じた。
0
あなたにおすすめの小説
わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...
MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。
ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。
さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか?
そのほかに外伝も綴りました。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
あやかし家族 〜五人の兄と愛され末妹〜
南 鈴紀
キャラ文芸
妖狩りにより両親を奪われ、囚われの身となった半妖の少女・鈴音は浄化の狐火を利用するだけの道具のように扱われていた。呪いにより成長は止まり、容姿も思考も幼いまま、感情が消え失せてもなおただ生かされるままに生きていた。
しかし妖保護部隊本部第一部隊との出会いにより、鈴音の止まっていた時間が動き出す。
掴みどころはないが頼れる氏神・雅仁、兄には厳しいが弟妹には優しい狼の妖・千里、人間嫌いだが人当たりの良い振りが得意な人間・遥杜、可愛いもの好きで元気いっぱいの猫又・鴇羽、大人しいが思いやりに溢れる猫又・瑠璃。
五人の兄と過ごす時間の中で、無いものだらけだった鈴音にもやがて大切なものが増えていく。
妖×家族の心温まる和風ファンタジー。
嘘コクのゆくえ
キムラましゅろう
恋愛
アニーは奨学金とバイトで稼いだお金で魔法学校に通う苦学生。
生活は困窮、他の学生みたいに愛だの恋だのに現を抜かしている暇などない生活を送っていた。
そんな中、とある教授の研究室で何らかの罰としてアニー=メイスンに告白して来いと教授が学生に命じているのを偶然耳にしてしまう。
アニーとは自分のこと、そして告白するように言われていた学生は密かに思いを寄せる同級生のロンド=ハミルトンで……
次の日、さっそくその命令に従ってアニーに嘘の告白、嘘コクをしてきたロンドにアニーは……
完全ご都合主義、ノーリアリティノークオリティのお話です。
誤字脱字が罠のように点在するお話です。菩薩の如き広いお心でお読みいただけますと幸いです。
作者は元サヤハピエン主義を掲げております。
アンチ元サヤの方は回れ右をお勧めいたします。
小説家になろうさんにも時差投稿します。
離婚する両親のどちらと暮らすか……娘が選んだのは夫の方だった。
しゃーりん
恋愛
夫の愛人に子供ができた。夫は私と離婚して愛人と再婚したいという。
私たち夫婦には娘が1人。
愛人との再婚に娘は邪魔になるかもしれないと思い、自分と一緒に連れ出すつもりだった。
だけど娘が選んだのは夫の方だった。
失意のまま実家に戻り、再婚した私が数年後に耳にしたのは、娘が冷遇されているのではないかという話。
事実ならば娘を引き取りたいと思い、元夫の家を訪れた。
再び娘が選ぶのは父か母か?というお話です。
冤罪で辺境に幽閉された第4王子
satomi
ファンタジー
主人公・アンドリュート=ラルラは冤罪で辺境に幽閉されることになったわけだが…。
「辺境に幽閉とは、辺境で生きている人間を何だと思っているんだ!辺境は不要な人間を送る場所じゃない!」と、辺境伯は怒っているし当然のことだろう。元から辺境で暮している方々は決して不要な方ではないし、‘辺境に幽閉’というのはなんとも辺境に暮らしている方々にしてみれば、喧嘩売ってんの?となる。
辺境伯の娘さんと婚約という話だから辺境伯の主人公へのあたりも結構なものだけど、娘さんは美人だから万事OK。
(完結)姑が勝手に連れてきた第二夫人が身籠ったようですが、夫は恐らく……
泉花ゆき
恋愛
蘭珠(ランジュ)が名門である凌家の嫡男、涼珩(リャンハン)に嫁いで一年ほど経ったころ。
一向に後継ぎが出来ないことに業を煮やした夫の母親は、どこからか第二夫人として一人の女性を屋敷へ連れてくる。
やがてその女が「子が出来た」と告げると、姑も夫も大喜び。
蘭珠の実家が商いで傾いたことを口実に、彼女には離縁が言い渡される。
……けれど、蘭珠は知っていた。
夫の涼珩が、「男女が同じ寝台で眠るだけで子ができる」と本気で信じているほど無知だということを。
どんなトラブルが待っているか分からないし、離縁は望むところ。
嫁ぐ時に用意した大量の持参金は、もちろん引き上げさせていただきます。
※ゆるゆる設定です
※以前上げていた作の設定、展開を改稿しています
妻に不倫され間男にクビ宣告された俺、宝くじ10億円当たって防音タワマンでバ美肉VTuberデビューしたら人生爆逆転
小林一咲
ライト文芸
不倫妻に捨てられ、会社もクビ。
人生の底に落ちたアラフォー社畜・恩塚聖士は、偶然買った宝くじで“非課税10億円”を当ててしまう。
防音タワマン、最強機材、そしてバ美肉VTuber「姫宮みこと」として新たな人生が始まる。
どん底からの逆転劇は、やがて裏切った者たちの運命も巻き込んでいく――。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる