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1.私、ループしてる⁉ なら今回は自由に生きさせてもらいますから!
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「あれ? ここは?」
私はベッドの上で違和感を覚えながら起床する。窓からは木漏れ日が差し込み、鳥たちの朝のさえずりが耳に心地よい。
でも、私は残念ながら、そんな美しい朝を満喫する余裕なんてなかった。
なぜなら、
「えっ⁉ だって、私、さっき死んだはずじゃ、えっ⁉」
そう、私は先ほど死んだはずなのだ。周囲の身勝手な都合で、不本意にも、命を落としてしまったはずなのである。その時の感触はよく覚えている。絶対に夢なんかじゃなかったはずだ。
そんなことを思いながら、私はふと、姿見に映る自分の姿を発見し、もう一度驚いた。
なぜなら、
「私、若返ってる⁉」
死んだ時は20歳だったが、今は17歳? くらいの年齢に若返っていた。
透き通るような白い肌や美しく長い黒髪は艶やかだ。寿命を迎えた時の年齢の頃は、更に美しさに磨きがかかり、色気ある美貌が社交界で散々口の端に上ったものだが、この頃の自分というのは、色気よりも若く健康的な美しさがあった。
「ループ、したの?」
何の考えもなしに、突拍子もない単語が口をついて出た。
ループ。
人生をやり直すこと。
自分がそんな状態に置かれていることは間違いないだろう。なぜなら、
「沢山の男たちが言い寄ってきて、王太子殿下にも婚約を熱望されていて……。でも、たった一人の女性が現れてから全てがおかしくなっていった」
その女性は単なる子爵令嬢だったが(ちなみに自分は公爵令嬢だ)、あれよあれよという間に、私が悪事を働いているという冤罪をでっちあげた。挙句の果てに、子爵令嬢のその子をいじめているといった悪い噂を広めたのだ。そしてあろうことか、周囲の男性たちは……。特に王太子殿下も含めた信頼していたあと二人の男達も、なんとその言葉を頭から信じたのである。
そして、私は冤罪によって異国の地に送られることになったのだが、その馬車がなぜか途中で事故に遭い、命を落とすことになったのだ。
現時点では本来まだ会ったこともない男たちのことも、未来も鮮明に覚えているし、自分を陥《おとしい》れた子爵令嬢の記憶もあった。
そんな夢はありえないだろう。
だから私は決心する。
復讐?
いえいえいえいえいえ。
「あーんな馬鹿娘に篭絡される男たちなんて、こっちから願い下げだわ。私は自由に生きさせてもらいますからね! 絶対に男たちには関わらないようにするんだから!!」
そう。もう他人の勝手な都合に振り回されるような人生はやめよう。
もちろん、今回のループで、王太子殿下たちと良い関係を築き、子爵令嬢と対決することも出来なくはないだろう。
でも、私はそんな気になれなかった。一度裏切られたこともあるが、何よりも、自分一人で自由に生きて行こうという気持ちが強くなっていたのだ。
自分は公爵令嬢で、昔から淑女たらんとしてきた。そのおかげで、数々の男たちが寄ってきたものだが、正直そのせいで、やりたいことが出来なかった後悔があるのだ。
だから、今回のループはせっかくなので、神様にもらったチャンスだと思って、自由に生きるとしよう。
私こと、アイリーン=リスキスはそう決意したのでした。
私を陥れた主犯格たち。
特に、キース=シュルツ王太子殿下たちや、ミーナリア=スフィア子爵令嬢には関わらないようにしようと決意したのでした。
「せっかくループしたんだし、本当の自分の人生を取り戻すの! 今回は自由に生きさせてもらうんだから、おー!」
そんな掛け声が、グランハイム王国のとある寝室に響いたのです。
私はベッドの上で違和感を覚えながら起床する。窓からは木漏れ日が差し込み、鳥たちの朝のさえずりが耳に心地よい。
でも、私は残念ながら、そんな美しい朝を満喫する余裕なんてなかった。
なぜなら、
「えっ⁉ だって、私、さっき死んだはずじゃ、えっ⁉」
そう、私は先ほど死んだはずなのだ。周囲の身勝手な都合で、不本意にも、命を落としてしまったはずなのである。その時の感触はよく覚えている。絶対に夢なんかじゃなかったはずだ。
そんなことを思いながら、私はふと、姿見に映る自分の姿を発見し、もう一度驚いた。
なぜなら、
「私、若返ってる⁉」
死んだ時は20歳だったが、今は17歳? くらいの年齢に若返っていた。
透き通るような白い肌や美しく長い黒髪は艶やかだ。寿命を迎えた時の年齢の頃は、更に美しさに磨きがかかり、色気ある美貌が社交界で散々口の端に上ったものだが、この頃の自分というのは、色気よりも若く健康的な美しさがあった。
「ループ、したの?」
何の考えもなしに、突拍子もない単語が口をついて出た。
ループ。
人生をやり直すこと。
自分がそんな状態に置かれていることは間違いないだろう。なぜなら、
「沢山の男たちが言い寄ってきて、王太子殿下にも婚約を熱望されていて……。でも、たった一人の女性が現れてから全てがおかしくなっていった」
その女性は単なる子爵令嬢だったが(ちなみに自分は公爵令嬢だ)、あれよあれよという間に、私が悪事を働いているという冤罪をでっちあげた。挙句の果てに、子爵令嬢のその子をいじめているといった悪い噂を広めたのだ。そしてあろうことか、周囲の男性たちは……。特に王太子殿下も含めた信頼していたあと二人の男達も、なんとその言葉を頭から信じたのである。
そして、私は冤罪によって異国の地に送られることになったのだが、その馬車がなぜか途中で事故に遭い、命を落とすことになったのだ。
現時点では本来まだ会ったこともない男たちのことも、未来も鮮明に覚えているし、自分を陥《おとしい》れた子爵令嬢の記憶もあった。
そんな夢はありえないだろう。
だから私は決心する。
復讐?
いえいえいえいえいえ。
「あーんな馬鹿娘に篭絡される男たちなんて、こっちから願い下げだわ。私は自由に生きさせてもらいますからね! 絶対に男たちには関わらないようにするんだから!!」
そう。もう他人の勝手な都合に振り回されるような人生はやめよう。
もちろん、今回のループで、王太子殿下たちと良い関係を築き、子爵令嬢と対決することも出来なくはないだろう。
でも、私はそんな気になれなかった。一度裏切られたこともあるが、何よりも、自分一人で自由に生きて行こうという気持ちが強くなっていたのだ。
自分は公爵令嬢で、昔から淑女たらんとしてきた。そのおかげで、数々の男たちが寄ってきたものだが、正直そのせいで、やりたいことが出来なかった後悔があるのだ。
だから、今回のループはせっかくなので、神様にもらったチャンスだと思って、自由に生きるとしよう。
私こと、アイリーン=リスキスはそう決意したのでした。
私を陥れた主犯格たち。
特に、キース=シュルツ王太子殿下たちや、ミーナリア=スフィア子爵令嬢には関わらないようにしようと決意したのでした。
「せっかくループしたんだし、本当の自分の人生を取り戻すの! 今回は自由に生きさせてもらうんだから、おー!」
そんな掛け声が、グランハイム王国のとある寝室に響いたのです。
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