一度目の人生を理不尽な婚約破棄と断罪で奪われた公爵令嬢

初枝れんげ@出版『追放嬉しい』『孤児院』

文字の大きさ
28 / 34

28.舞踏会は死の香り

しおりを挟む
さて、先日は異世界の悪魔と呼ばれる存在と邂逅かいこうしたわけですが、その後は特に何も周囲に異変は生じてはいません。

あの悪魔が何者なのか分かりませんが、ビンタをもう一発喰らわせる必要がありそうです。

そんな訳で、私はビンタの素振りを毎日10回するようになっていました。日に日にキレが良くなっている気が致します。

そのことを殿下たちに言うと、かなり引きつった笑顔を浮かべていましたが、なぜでしょうか?

ともかく、そんな風に私が最大限の努力を積み重ねていたある日のこと、

「アイリーン、ちょっといいかな?」

「はい、お父様、もちろんですわ」

私は突然お父様に書斎に呼ばれたのでおもむきました。

「実は王室主催の舞踏会が来月あるそうだ。少し急だね、あの王様らしくもない。そのせいで、本当なら当主の儂が何をしてでも出席するべきなのだが、隣国の公爵家との会合があってね」

「それはお父様でないと務まりませんでしょうね」

外交には色々細かい儀礼があるが、ともかく相手に意図しない誤解を与えないことがとかく大事だ。例えば、会う相手との格は出来るだけ合わせておいた方がもめごとが少なくて良いとか。例えばこちらが相手より下位の爵位の者を出せば、そのつもりが無くても相手は気を悪くするかもしれないし、こちらが格上の……例えば王室の者を出してしまったりすると、身内から「舐められる!」と文句が出る可能性がある。もちろん、そんなケースばかりではないのだけど、とにかく面倒事を避けたいなら、格を合わせておくことは結構外交上大事なことなのである。

「うむ。だが、さすがに王室主催の舞踏会にリスキス家から誰も出ないというわけには行かない。王室がというよりも、事情を知らぬ他の貴族どもが騒ぎかねんしなぁ。不仲だとか勝手に奴らは騒ぐので困るよ。というわけでな、アイリーン。お前に出席を頼みたいのだが、良いかね? バスクにも出てもらうが、将来子爵家に戻すことを考えると、お前に名代として出てもらっておいた方がいいだろう」

「確かにそうですね。分かりましたわ、お父様……。んっ?」

私は快諾してから、しまったー⁉ と思ったが、後の祭りだ。

「ああ、ありがとう。王室にはその旨連絡をしておくらからね。じゃあ、私はこれから少し用事があるのでね」

「あっ、ちょ、あっ、へっ」

「ふむ。最近の若者言葉か何かかね? だが、余り洗練されたものではないような気がするな。すぐに廃れそうだ」

そう言ってお父様は、私が断りたいけど断る上手い理由が思いつかず発する意味不明な言葉を、善意100%で解釈しながら扉を開けて出て行ってしまった。

私はその瞬間叫んだ。

「断罪シーンきちゃったあああああああ⁉」

1周目の人生でも舞踏会で冤罪を押し付けられて婚約破棄され、そして国外追放の際に馬車が事故に遭って死亡したのだ。

もちろん、1周目の死亡時点は更に今から3年先のことなので、時間軸は違う。だけどシチュエーションは極めて酷似しているのだ! 死亡フラグ四人衆とは出会っているし、恐らく王室の舞踏会ともなれば全員出席することだろう。

先日の買い物でも、ミーナリアさんが他の裏切り三人衆たちとかなり親密になっていて、男どもがメロメロであったことは疑いようがない!

「うううう! せっかくカフェを開いて独立したのに。まさに今から『私は自由に生きていくんだ。自分の人生を取り戻すんだ』大作戦を開始しようっていう矢先だったのにぃ!」

とは言え、私が出ないという選択肢はありえない。病気でも顔くらいは出さないと公爵家としての立場が悪いものになるだろう。つまり逃げ場はない。

私は頭を抱えて、オロロローン! と嘆きの声を上げたのでした。





と、そのようにアイリーンが屋敷の中心で哀《あい》を叫んでいた頃。死亡フラグ四人衆と呼ばれた者たちはそれぞれの反応を見せていた。

「ああ、アイリーンが舞踏会に出てくれるんですか!」

その知らせを聞いたキース王太子は、これほどうれしいことは無いとばかりに微笑んだ。

「では、出来るだけ気合を入れていかなければいけませんね。そして、ぜひエスコートをして差し上げなくては。何せ、最近は僕の婚約者にまとわりつこうとする、邪魔者が多くて仕方ありませんから。ねえ、クライブ?」

そう問われたのは、知らせを持ってきた副騎士団長のクライブである。

「はい。おっしゃる通りです。特に将来的には婚約者になる可能性があるというだけで、婚約者を名乗る殿方もいるようです。押し過ぎては相手は引いてしまう。そうした女性の機微に疎いというのはなんとも言いようのない気持ちになりますな、殿下」

「はっはっは。そうですね。まあ彼女が将来僕の婚約者になるわけなので、あなたの言葉に腹を立てる道理はありません。ありませんが、もうこいつ減給とか謹慎処分にしてやろうかと思わざるを得ませんね」

「なるほど、彼女を守護まもるために、わが身の犠牲を払うことを厭《いと》うつもりはありませんので、どうぞお好きになさってくださいませ。そして、今度アイリーン様が経営する喫茶『エトワール』に行って、我が武勇伝としてお聞かせするとしましょう、はっはっは」

「ほう。となると、あなたの評判が上がるとともに、僕の評判を同時に落とせるというわけですね? さすが、騎士団ではそういった権謀術数《けんぼうじゅっすう》まで教わるのですか?」

「ははは。これはただの恋の手練手管《てれんてくだ》というだけですとも」

「そんな邪悪な恋の手練手管《てれんてくだ》があってたまるものですか! ……でもいいんですか? あなたの女性遍歴を王室諜報部に調べ尽くさせて、アイリーンに伝えてもいいんですよ?」

「ふっ、私は口は軽いですが、手は出しませんので無駄ですとも。うん、……えーっと? あれもぎりぎり大丈夫ですな……。大丈夫、まあまあ大丈夫ですが、ふっ、しかし、微妙な部分もありますので、やめておきませんかな⁉」

はぁ、とキース王太子は嘆息をつく。

「やれやれ、そうですね。それに、なんだかお互い共倒れになりそうな気がします。そうなれば、漁夫の利を得るものがいますからね。彼らも侮れません」

「ええ、そうですね……」

そして、二人は同時に思った。ライバルたちよりも一刻も早くプロポーズするべきなのではないか、と。そしてそれは、王室主催の舞踏会こそふさわしいのではないかと。

王太子と副騎士団長の昼休憩密談は終わることなく続いた。






一方その頃、

「へっくしょん! 誰かが僕の噂でもしてるのかな?」

「ふふふ、アイリーン様かもしれませんよ、バスク様。ふえ、へっくしょん」

「ミーナリア様こそ、誰かに噂されてるのかもね。案外、殿下たちだったりしてね」

「? 私たちのことを噂する暇などあるのでしょうか? 普段からお忙しそうですし」

場所は学院で、話しているのはバスクとミーナリアの二人である。今日はアイリーンやキース王太子、クライブ副騎士団長は公務があり休みである。貴族が通う学院での欠席は珍しいことではない。その代わりテストは普通にあるので、欠席しがちな貴族子弟は後日、泣きを見ることになるのだが。

「それよりも聞いたかい? 今度、王室主催で舞踏会があるだろう? アイリーン姉さんも出るらしくてさ」

「まぁ、それは楽しみですね! 今からアイリーン様の美しいドレス姿が瞼《まぶた》に浮かぶようです」

そう言うとミーナリアは本当に瞼の裏に、彼女の艶《あで》やかで品のあるドレス姿を思い浮かべて幸せな気持ちになった。

学院にある精霊の森の、湖の畔《ほとり》に自分がいたのは、とある事情で落ち込んでいたからだった。それが突然、正体不明の異世界の悪魔に襲われたのだ。あの悪魔は明らかに良くないものだった。まるで自分の意識が乗っ取られるかのような感覚だった。そして、なぜだか分からないが、もしそうなっていたら、将来大変な事態を巻き起こしていたような確信があるのだ。自分ではなく、他人が傷つく方が怖い、自分のような小心者にとって、周囲を巻き込んで不幸にさせるような事態は、本当の意味で悪夢以外の何物でもない。

でも、そんな絶望を私のアイリーン様騎士様はためらいもなく打ち払い、助けてくれたのだ。その上、お礼もいらないとばかりに颯爽さっそうと立ち去られた。後で調べれば公爵令嬢という雲の上の存在だという。なんという立派な振る舞いだろう。(なお、足早に立ち去ったのは、もちろん自分の助けた相手が死亡フラグのミーナリアだったからである)

先日は一緒にショッピングに出かけてお揃いのブレスレットをプレゼントして頂いた。以来、肌身離さず持っていて、思い出しては指で撫でてしまう。お守り代わりだ。何があっても、これがあれば勇気を出して立ち向かえる気がする。

そうミーナリアは思った。

「ミーナリア様は姉さんが好きだねー」

「ええ、とても。あ、もちろん他の皆さんのことも好きですよ」

「僕だってアイリーン姉さんも、みんなのことも好きだよ? ただ、ちょっと譲りたくない点があってさ。今度の舞踏会なんだけど」

「エスコートの件ですね。はぁ、残念です。私も男性だったら、ぜひエスコートをさせて頂きたいのですが……」

「あまり競争率は変わらないかもしれないけどね。何せ、キース様にクライブ様も立候補するだろうからさ」

「ああ、確かにそうですね。でもあのお二人はお互いに牽制けんせいしあって、結局どちらもエスコートできないような気がしますけどね、うふふ」

「ははは。確かにね。二人ともやり手なだけに、チェスで言う千日手って言うの? 決着がつかずに結局どちらもエスコートできないみたいなね」

「だから、バスク様にもチャンスはあるのではないでしょうか?」

「そうだね。ちょっと言うだけ言ってみるか。ところで、どうしてミーナリア様は僕のことを応援してくれるんだい? 僕の勘違いじゃなければ、君も……」

彼女は頬を染めて微笑むと、

「私は一生、アイリーン様と一緒に居られればそれでいいので……。ですので、私ともちろん一緒になってくだされば嬉しいし、諦めているわけではないのですが……。何はともあれ、王室に入ってしまわれますと、今のように、なかなかお会いできない本当に雲の上の御方になってしまいますから。あ、もちろん、今でもずいぶん身分が上の方ではあるのですが、もうその比ではありませんので」

「なるほど……。だから消去法で言うと僕なわけか……」

「あ、す、すみません。失礼でしたよね」

「ううん」

バスクは別に気にせず首を振る。

ただ、しっかり考えている分、かなり愛が重いことに気づくバスクであった。そして、案外、この大らかで優しい気質のミーナリア様こそが、アイリーン姉さんのハートを射止めそうな気がしたりもした。さらっと、一緒になる可能性を諦めていないと告白もしていたりするし……。とにかく、この子に対しても油断しないようにしようと固く心に誓うバスクであった。

そして、二人は同時に思った。

ライバルたちよりも一刻も早く、自分の気持ちを伝えるべきなのではないか、と。

そしてそれは、王室主催の舞踏会こそふさわしいのではないかと。




こうして、死亡フラグに怯えるアイリーンとは裏腹に、死亡フラグ四人衆たちは、彼女に対する熱い気持ちを胸に秘め、舞踏会の日を迎えたのであった。
しおりを挟む
感想 4

あなたにおすすめの小説

遡ったのは君だけじゃない。離縁状を置いて出ていった妻ーー始まりは、そこからだった。

沼野 花
恋愛
夫と子供たちに、選ばれなかったイネス。 すべてを愛人に奪われ、彼女は限界を迎え、屋敷を去る。 だが、その先に待っていたのは、救いではなかった。 イネスを襲った、取り返しのつかない出来事。 変わり果てた現実を前に、 夫はようやく、自分が何を失ったのかを思い知る。 深い後悔と悲しみに苛まれながら、 失ったイネスの心を取り戻そうとする夫。 しかし、彼女の心はすでに、外の世界へと向かっていた。 贖罪を背負いながらもイネスを求め続ける夫。 そして、母の心を知っていく子供たち。 イネスが求める愛とは、 そして、幸せとは――。

身代わりで呪いの公爵に嫁ぎましたが、聖女の力で浄化したら離縁どころか国一番の溺愛妻になりました〜実家が泣きついてももう遅い〜

しょくぱん
恋愛
「お前のような無能は、死神の生贄にでもなっていろ」 魔力なしの無能と蔑まれ、家族に虐げられてきた伯爵令嬢レティシア。 彼女に命じられたのは、近づく者すべてを病ませるという『呪いの公爵』アレクシスへの身代わり結婚だった。 鉄格子の馬車で運ばれ、たどり着いたのは瘴気に満ちた死の城。 恐ろしい怪物のような男に殺される――。 そう覚悟していたレティシアだったが、目の前の光景に絶望よりも先に別の感情が湧き上がる。 (な、何これ……汚すぎるわ! 雑巾とブラシはどこ!?) 実は、彼女が「無能」と言われていたのは、その力が『洗浄』と『浄化』に特化した特殊な聖女の魔力だったから。 レティシアが掃除をすれば、呪いの瘴気は消え去り、枯れた大地には花が咲き、不気味だった公爵城はまたたく間にピカピカの聖域に塗り替えられていく。 さらには、呪いで苦しんでいたアレクシスの素顔は、見惚れるほどの美青年で――。 「レティシア、君は一体何者なんだ……? 体が、こんなに軽いのは初めてだ」 冷酷だったはずの公爵様から、まさかの執着と溺愛。 さらには、呪いが解けたことで領地は国一番の豊かさを取り戻していく。 一方で、レティシアを捨てた実家は、彼女の『浄化』を失ったことで災厄に見舞われ、今さら「戻ってきてくれ」と泣きついてくるが……。 「私は今、お城の掃除と旦那様のお世話で忙しいんです。お引き取りくださいませ」 これは、掃除を愛する薄幸令嬢が、その愛と魔力で死神公爵を救い、最高に幸せな居場所を手に入れるまでのお話。

【完結】使えない令嬢として一家から追放されたけど、あまりにも領民からの信頼が厚かったので逆転してざまぁしちゃいます

腕押のれん
ファンタジー
アメリスはマハス公国の八大領主の一つであるロナデシア家の三姉妹の次女として生まれるが、頭脳明晰な長女と愛想の上手い三女と比較されて母親から疎まれており、ついに追放されてしまう。しかしアメリスは取り柄のない自分にもできることをしなければならないという一心で領民たちに対し援助を熱心に行っていたので、領民からは非常に好かれていた。そのため追放された後に他国に置き去りにされてしまうものの、偶然以前助けたマハス公国出身のヨーデルと出会い助けられる。ここから彼女の逆転人生が始まっていくのであった! 私が死ぬまでには完結させます。 追記:最後まで書き終わったので、ここからはペース上げて投稿します。 追記2:ひとまず完結しました!

ネグレクトされていた四歳の末娘は、前世の経理知識で実家の横領を見抜き追放されました。これからはもふもふ聖獣と美食巡りの旅に出ます。

旅する書斎(☆ほしい)
ファンタジー
アークライト子爵家の四歳の末娘リリアは、家族から存在しないものとして扱われていた。食事は厨房の残飯、衣服は兄姉のお下がりを更に継ぎ接ぎしたもの。冷たい床で眠る日々の中、彼女は高熱を出したことをきっかけに前世の記憶を取り戻す。 前世の彼女は、ブラック企業で過労死した経理担当のOLだった。 ある日、父の書斎に忍び込んだリリアは、ずさんな管理の家計簿を発見する。前世の知識でそれを読み解くと、父による悪質な横領と、家の財産がすでに破綻寸前であることが判明した。 「この家は、もうすぐ潰れます」 家族会議の場で、リリアはたった四歳とは思えぬ明瞭な口調で破産の事実を突きつける。激昂した父に「疫病神め!」と罵られ家を追い出されたリリアだったが、それは彼女の望むところだった。 手切れ金代わりの銅貨数枚を握りしめ、自由を手に入れたリリア。これからは誰にも縛られず、前世で夢見た美味しいものをたくさん食べる生活を目指す。

転移先で日本語を読めるというだけで最強の男に囚われました

桜あずみ
恋愛
異世界に転移して2年。 言葉も話せなかったこの国で、必死に努力して、やっとこの世界に馴染んできた。 しかし、ただ一つ、抜けなかった癖がある。 ──ふとした瞬間に、日本語でメモを取ってしまうこと。 その一行が、彼の目に留まった。 「この文字を書いたのは、あなたですか?」 美しく、完璧で、どこか現実離れした男。 日本語という未知の文字に強い関心を示した彼は、やがて、少しずつ距離を詰めてくる。 最初はただの好奇心だと思っていた。 けれど、気づけば私は彼の手の中にいた。 彼の正体も、本当の目的も知らないまま。すべてを知ったときには、もう逃げられなかった。 毎日19時に更新予定です。

妻からの手紙~18年の後悔を添えて~

Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。 妻が死んで18年目の今日。 息子の誕生日。 「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」 息子は…17年前に死んだ。 手紙はもう一通あった。 俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。 ------------------------------

【商業企画進行中・取り下げ予定】さようなら、私の初恋。

ごろごろみかん。
ファンタジー
結婚式の夜、私はあなたに殺された。 彼に嫌悪されているのは知っていたけど、でも、殺されるほどだとは思っていなかった。 「誰も、お前なんか必要としていない」 最期の時に言われた言葉。彼に嫌われていても、彼にほかに愛するひとがいても、私は彼の婚約者であることをやめなかった。やめられなかった。私には責務があるから。 だけどそれも、意味のないことだったのだ。 彼に殺されて、気がつけば彼と結婚する半年前に戻っていた。 なぜ時が戻ったのかは分からない。 それでも、ひとつだけ確かなことがある。 あなたは私をいらないと言ったけど──私も、私の人生にあなたはいらない。 私は、私の生きたいように生きます。

学園では婚約者に冷遇されていますが、有能なので全く気になりません。〜学園でお山の大将されてても、王宮では私の方が有能ですから〜

織り子
恋愛
王都カラディナにある国立魔術学園では、満十六歳の生徒たちの社交界デビューを兼ねた盛大なパーティーが開かれていた。 侯爵令嬢タレイア・オルトランは、婚約者である第二王子アスラン・オグセリアの迎えを待つも、結局ひとりで会場へ向かうことになる。 学園では身分の差がないとはいえ、アスランが公然とタレイアを侮辱し続けてきたことで、彼女は生徒たちから冷笑と蔑視の的となっていた。しかしタレイアは、王城で政務を担ってきた聡明さと矜持を失わず、毅然と振る舞う。

処理中です...