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34.二度目の公爵令嬢は自由に生きます!
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今日は美しく空が澄んで快晴の日となりました。
私はお父様と二人で久しぶりにある場所にやって来ていたのでした。
さて、先日の舞踏会での出来事は、伝承にある異世界の悪魔の仕業であると正式に認められ、王様からは直々のお詫びと、また私を断罪しようとして罪状を捏造した御令嬢の方々からもお詫びを言われて、逆に恐縮してしまうという一幕がありました。
あれは異世界の悪魔の仕業なのですから、私としましては、
「全然気にしてませんから!」
という趣旨のことを丁寧に丁寧にお伝えしたところ、王様から
「ふーむ、器の大きさと言い、やはりアイリーン嬢が良さそうじゃのう。さてさて息子の甲斐性に期待するとしよかのう。ふぉふぉふぉふぉ」
と。何やら憑りつかれた時とは打って変わった好々爺《こうこうや》とした様子で、何か独り言をおっしゃられていました。どういう意味かまでは分かりかねるのですが。
また、操られていたとはいえ、私の断罪に加わった御令嬢方の処遇も問題になりかけました。
しかし、
「あくまで彼女たちは被害者です。許すも何もありませんわ!」
と当たり前のことを申し上げたところ、なぜか令嬢の皆さんから、
「お心が広くて何て寛大なのかしら!」「私のお姉様になってもらえませんか⁉」「まるで聖女様ですわ!」「実は兄がいるのですが一度お会いになりませんか?」「私にも弟がいまして一度お会いになってもらいたく……」
と、大げさすぎる感謝を頂いたり、逆によく分からない意味のことを言われたり、あるいは、なぜかおうちへ招待を受けたりもしました。
ま、まぁ、きりがなかったので、それらは恐らく冗談や、社交辞令だと思って笑ってごまかしておきましたけどね、おほほ。
さてさて、お父様と二人で参りましたとある場所には、石板が並んでおりまして、その中の一つの前に私もお父様も並びました。
静かに黙とうを捧げます。
「お母様……」
それは、私が幼い頃に亡くなった母のお墓でした。
今日は母の命日なのです。
バスクも連れて来ようとしたのですが、彼は実は母とは面識がないのです。こういう時にあの子は変に気を遣って、私とお父様だけにしようとするのでした。
お母様は優しい方で、でもお身体の弱い方でした。だから、よくベッドの上で甘えたものです。その時の香りはいつも決まってリリーのオードパルファムでした。私はその匂いが大好きだったのです。
祈りを終えてから、少しお父様とお話をしました。
「お父様。実は最近お母様に助けてもらったのですよ。暗闇で迷ってどうしようもないと思って、つい泣きそうになったのですが、その時、お母様の香りがしたんです。それで、そちらに行ったら、まるで幼い頃にお母様に抱きしめられた時みたいに温かい気持ちになって。そう思っていたら、自然と暗闇に光が満ちて、目が覚めたのですわ」
「そうなのかい。良かったねえ」
お父様はそれが何のことか、詳しく聞こうとはしません。でも、
「母さんは死ぬまでお前のことを思っていたからね。今でもお前のことを守ってくれているんじゃないかな。何か悪いものが近寄ってきても、きっと追い払ってくれるし、勇気をお前に与えてくれるよ」
そうおっしゃいました。
「はい、そうですね!」
私は微笑んで頷きます。
ちょびっと涙をこぼしながら。
さて、お父様は別用で先に帰られました。本当にお父様はお忙しい方なのです。
そして、私も墓地の入口まで戻って来ますと、そこには、キース王太子殿下、クライブ様、バスク、そしてミーナリアさんの4人が待っていらっしゃいました。
「まぁ、皆さん、どうしたのですか?」
私は驚いて尋ねます。
すると、
「いえ、せっかくですから、アイリーンとどこかに出かけようと思って来たのですが……。この方たちと偶然会いましてね」
「はっはっは! また抜け駆けですかな? 先日はどさくさに紛れて額にキスをかましていたようですな。やれやれ、やはり監視の目を光らせておいてよかった」
「ははは、王太子を監視しないで頂けますかね? それよりアイリーン。どうですか? 僕との婚約について、考えて頂けましたか?」
ニコニコとしつつも、今日の殿下の目は笑っていない。
な、なんでなのでしょう⁉
「いえ、どうやら今回の件で、あなたに好意を抱く者が増えましてね。どうも、ライバルが増えそうな気配しているのでね……」
何のライバルですか⁉
私が内心、そう狼狽《ろうばい》していると、
「はっはっは! アイリーン様、それよりも私と共に生涯を共にしませんかな?」
ちょっ⁉ えっ⁉ 今のって? えええ⁉
「クライブ副騎士団長。邪魔しないで頂けますか? 今は僕とアイリーンが大切な話をしているのですが?」
「はっはっは、アイリーン様を守るのが私の役目ですので」
バチバチと殿下とクライブ様の間に火花が散っているように思いました。
と、そこにバスクが声を掛けてきます。助かった、と思ったのもつかの間。
「姉さん、お墓参りは終わったんだね。今度からは僕も一緒に行くようにするよ。ちょっと決意したことがあるからね。……あなたと共ありたいと思う、一人の男性として」
「えっ、えーっと、それって、えええええええええ⁉」
私はその言葉を聞いて、頭がクラクラとなるのを感じる。顔も真っ赤かもしれない。
だって、今まで弟だと思っていた男性に、いきなりそんなことを言われたら、誰だってそうなるでしょう⁉ それに、バスクはこれまでの教育や、優しい物腰、そして可愛い美貌もあいまって、令嬢からの縁談話が持ち上がること枚挙に暇が無い男性なのだ。
そんな彼に、あんなことを言われて、赤くならない訳がありません!
と、そんな風に私が混乱をきたしていると、
「ア、アイリーン様! 私もお慕いしております! いつまでもお傍に置いてください!」
「は、はええええ⁉ ミ、ミーナリアさん⁉」
ミーナリアさんは頬を染めて、美しい金色の瞳を潤ませながら、私の手をそっと握った。
か、可愛い!
じょ、女性相手なのに、可愛すぎてドキドキしてしまうわ⁉
「はわ、はわ、はわわわわわ⁉」
お、おかしいわ⁉
死亡フラグ四人衆だったはずなのに!
嫌われるよう振る舞っていたはずなのに、いつの間にこんなことに⁉
友情ルートではなかったんですの⁉
で、でも!
でも!
私は!
「私は2度目の人生は自由気ままに生きると決めているんです! お願いだから放っておいて下さいませー!」
私はそう叫んでから、脱兎のごとく駆け出す。
「あっ、また逃げられました! ふふふ、ですが、絶対逃がしませんよ、アイリーン」
背後からそんな殿下たちの声が聞こえてきましたが、私はそれを振り切るようにして走ります。
自由に。
自分らしく。
やりたいことをやって。
二度目の人生を気ままに生きるために!
私の人生は、やっと今、始まったばかりなのですから!
快晴の空の下。
ユリの花の香りがどこからか鼻をくすぐったような気がした。
私はお父様と二人で久しぶりにある場所にやって来ていたのでした。
さて、先日の舞踏会での出来事は、伝承にある異世界の悪魔の仕業であると正式に認められ、王様からは直々のお詫びと、また私を断罪しようとして罪状を捏造した御令嬢の方々からもお詫びを言われて、逆に恐縮してしまうという一幕がありました。
あれは異世界の悪魔の仕業なのですから、私としましては、
「全然気にしてませんから!」
という趣旨のことを丁寧に丁寧にお伝えしたところ、王様から
「ふーむ、器の大きさと言い、やはりアイリーン嬢が良さそうじゃのう。さてさて息子の甲斐性に期待するとしよかのう。ふぉふぉふぉふぉ」
と。何やら憑りつかれた時とは打って変わった好々爺《こうこうや》とした様子で、何か独り言をおっしゃられていました。どういう意味かまでは分かりかねるのですが。
また、操られていたとはいえ、私の断罪に加わった御令嬢方の処遇も問題になりかけました。
しかし、
「あくまで彼女たちは被害者です。許すも何もありませんわ!」
と当たり前のことを申し上げたところ、なぜか令嬢の皆さんから、
「お心が広くて何て寛大なのかしら!」「私のお姉様になってもらえませんか⁉」「まるで聖女様ですわ!」「実は兄がいるのですが一度お会いになりませんか?」「私にも弟がいまして一度お会いになってもらいたく……」
と、大げさすぎる感謝を頂いたり、逆によく分からない意味のことを言われたり、あるいは、なぜかおうちへ招待を受けたりもしました。
ま、まぁ、きりがなかったので、それらは恐らく冗談や、社交辞令だと思って笑ってごまかしておきましたけどね、おほほ。
さてさて、お父様と二人で参りましたとある場所には、石板が並んでおりまして、その中の一つの前に私もお父様も並びました。
静かに黙とうを捧げます。
「お母様……」
それは、私が幼い頃に亡くなった母のお墓でした。
今日は母の命日なのです。
バスクも連れて来ようとしたのですが、彼は実は母とは面識がないのです。こういう時にあの子は変に気を遣って、私とお父様だけにしようとするのでした。
お母様は優しい方で、でもお身体の弱い方でした。だから、よくベッドの上で甘えたものです。その時の香りはいつも決まってリリーのオードパルファムでした。私はその匂いが大好きだったのです。
祈りを終えてから、少しお父様とお話をしました。
「お父様。実は最近お母様に助けてもらったのですよ。暗闇で迷ってどうしようもないと思って、つい泣きそうになったのですが、その時、お母様の香りがしたんです。それで、そちらに行ったら、まるで幼い頃にお母様に抱きしめられた時みたいに温かい気持ちになって。そう思っていたら、自然と暗闇に光が満ちて、目が覚めたのですわ」
「そうなのかい。良かったねえ」
お父様はそれが何のことか、詳しく聞こうとはしません。でも、
「母さんは死ぬまでお前のことを思っていたからね。今でもお前のことを守ってくれているんじゃないかな。何か悪いものが近寄ってきても、きっと追い払ってくれるし、勇気をお前に与えてくれるよ」
そうおっしゃいました。
「はい、そうですね!」
私は微笑んで頷きます。
ちょびっと涙をこぼしながら。
さて、お父様は別用で先に帰られました。本当にお父様はお忙しい方なのです。
そして、私も墓地の入口まで戻って来ますと、そこには、キース王太子殿下、クライブ様、バスク、そしてミーナリアさんの4人が待っていらっしゃいました。
「まぁ、皆さん、どうしたのですか?」
私は驚いて尋ねます。
すると、
「いえ、せっかくですから、アイリーンとどこかに出かけようと思って来たのですが……。この方たちと偶然会いましてね」
「はっはっは! また抜け駆けですかな? 先日はどさくさに紛れて額にキスをかましていたようですな。やれやれ、やはり監視の目を光らせておいてよかった」
「ははは、王太子を監視しないで頂けますかね? それよりアイリーン。どうですか? 僕との婚約について、考えて頂けましたか?」
ニコニコとしつつも、今日の殿下の目は笑っていない。
な、なんでなのでしょう⁉
「いえ、どうやら今回の件で、あなたに好意を抱く者が増えましてね。どうも、ライバルが増えそうな気配しているのでね……」
何のライバルですか⁉
私が内心、そう狼狽《ろうばい》していると、
「はっはっは! アイリーン様、それよりも私と共に生涯を共にしませんかな?」
ちょっ⁉ えっ⁉ 今のって? えええ⁉
「クライブ副騎士団長。邪魔しないで頂けますか? 今は僕とアイリーンが大切な話をしているのですが?」
「はっはっは、アイリーン様を守るのが私の役目ですので」
バチバチと殿下とクライブ様の間に火花が散っているように思いました。
と、そこにバスクが声を掛けてきます。助かった、と思ったのもつかの間。
「姉さん、お墓参りは終わったんだね。今度からは僕も一緒に行くようにするよ。ちょっと決意したことがあるからね。……あなたと共ありたいと思う、一人の男性として」
「えっ、えーっと、それって、えええええええええ⁉」
私はその言葉を聞いて、頭がクラクラとなるのを感じる。顔も真っ赤かもしれない。
だって、今まで弟だと思っていた男性に、いきなりそんなことを言われたら、誰だってそうなるでしょう⁉ それに、バスクはこれまでの教育や、優しい物腰、そして可愛い美貌もあいまって、令嬢からの縁談話が持ち上がること枚挙に暇が無い男性なのだ。
そんな彼に、あんなことを言われて、赤くならない訳がありません!
と、そんな風に私が混乱をきたしていると、
「ア、アイリーン様! 私もお慕いしております! いつまでもお傍に置いてください!」
「は、はええええ⁉ ミ、ミーナリアさん⁉」
ミーナリアさんは頬を染めて、美しい金色の瞳を潤ませながら、私の手をそっと握った。
か、可愛い!
じょ、女性相手なのに、可愛すぎてドキドキしてしまうわ⁉
「はわ、はわ、はわわわわわ⁉」
お、おかしいわ⁉
死亡フラグ四人衆だったはずなのに!
嫌われるよう振る舞っていたはずなのに、いつの間にこんなことに⁉
友情ルートではなかったんですの⁉
で、でも!
でも!
私は!
「私は2度目の人生は自由気ままに生きると決めているんです! お願いだから放っておいて下さいませー!」
私はそう叫んでから、脱兎のごとく駆け出す。
「あっ、また逃げられました! ふふふ、ですが、絶対逃がしませんよ、アイリーン」
背後からそんな殿下たちの声が聞こえてきましたが、私はそれを振り切るようにして走ります。
自由に。
自分らしく。
やりたいことをやって。
二度目の人生を気ままに生きるために!
私の人生は、やっと今、始まったばかりなのですから!
快晴の空の下。
ユリの花の香りがどこからか鼻をくすぐったような気がした。
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