迷い人と当たり人〜伝説の国の魔道具で気ままに快適冒険者ライフを目指します〜

青空ばらみ

文字の大きさ
7 / 221

07. 確認作業

しおりを挟む
 少し舌っ足らずな言葉で、伯父さんに一生懸命この『前世の記憶』について話すと、驚きながらも一度ゆっくりうなずき信じてくれた。
 
「そうか、わかった。大変だったな」

「よかった……」

  あぁ…… 信じてくれた……

 簡単な短い言葉だけど伯父さんのあたたかい言葉に、心が ギュッとなる。

『前世の記憶』なんかを思い出したから、頭の中で今世の少ない記憶とがぶつかり合って、心のどこかが揺らいで不安定だったんだと思い知った……

 あと『前世の記憶』のことは、他の人には黙っているように忠告もされる。

 伯父さんも聞いたことのない変わった出来事のようで、なんとなくだけどわたしも納得して、他の人には内緒にすることにした。


 それからは伯父さんと時間をかけて詳しくいろいろな話しをしていく。

『前世の記憶』のことも何から話すべきか悩むわたしに、質問形式で伯父さんが上手く誘導して聞き出してくれたので助かった。


 気になっていた文字については、冒険者をするだけなら書けなくても大丈夫みたい。
 だけど、女の子の場合は文字の読み書きが上手くできないと悪い大人? に騙されてたいへんなことになると困るので、もう少し大きくなったら伯父さんが教えるつもりでいたそうだ。
 なのですぐに教えてもらえることになり、ちょっとうれしい!

 数字は前世と同じようで助かった。
 計算も確認したら伯父さんより早く計算できて驚かれる。

 ただ一般常識はどうも…… なっていないらしくて……

「前世は貴族様だったのか?」

「違うよ、田舎者だったよ」

 こんなやりとりを何度も繰り返した。

 本当に貴族様とは違うし、なん歳かは分からないけど 三歳じゃなくてもっと大人? 
 大きかったと思うと伝えると、大人でこの常識なのかと驚いていた。


 だいたいね、今は 三歳だし。
 前世の世界と今世は違う世界みたいで、前世なん歳まで生きていたのかも分からない。
 常識も今世は三歳までしかないし、ちんぷんかんぷんだよ!
 聞きたいことだらけで、なんだか記憶喪失にでもなった感じ……

  今までは ポーッと生きていたんだなぁ。

 前世では十五歳だとまだ子どもだったと思うんだけど、今世では成人になるそうで、お酒も十五歳で飲めるようだけど冒険者なんかは見た目が十五歳で飲んでいるらしい。

 そんなに法律なんかも細かくない代わりに、貴族様が平民にとっては法律になってしまうことが多いので 避けて過ごすように注意された。

「伯父さん……あっ」

「マークだろ? なんだ、聞きたいことがあるのか?」

「えっとぉ~ 一応、確認のため…… わたしたちは平民だよね?」

「ああ。おれたち(母親)は平民だけど、お前の親父のほうは一度しか会ってないし確認はしてないなぁー 、でも平民のリリーと 一緒になって、冒険者なんかをしていたんだから、まず平民だろう」

「そうよね」


『前世の記憶』が戻って、なんとなくだけどわたしが『伯父さん』と呼んでしまうので、苦笑い気味に『マーク』と呼んでくれと何度か言われている。

 申し訳ない。

 それからしばらくはお屋敷ではなく馬小屋の家のほうて゛一日を過ごす。

 現状の確認と質問作業が多岐にわたり、馬の世話の邪魔をしない程度にマークについて回って、いろいろ教えてもらう。

 マークが馬番で、本当に良かったよ。

 馬小屋はお屋敷とは少し離れているから、人とあまり会わないでいようとこちらが思えばそれができる。
 二人の会話も聞かれなくてすむ。

 食事はあの倒れたとき以外は、今までのようにお屋敷の使用人用の食堂でマークと一緒に食べている。
 倒れたあとみんなに心配されて大丈夫かと尋ねられもしたんだけど、大丈夫だと分かると案外 三歳の子どもがすることなので サラッと流して深く質問されることもなくすんだ。

 マークと二人 ホッと胸をなでおろす……


 わたしは三歳のはずなんだけど、どうも思考が大人よりになってしまっていて。
 三歳がどんな風だったか判らなくなっている。

「おまえが三歳なのを忘れてしまいそうになるよ」

 マークが呆れていう。

 気持ちはすごくわかる。

 できるだけ早く今の常識を覚えて、マークに迷惑をかけないようにしないといけないと 強く思う。













しおりを挟む
感想 17

あなたにおすすめの小説

規格外で転生した私の誤魔化しライフ 〜旅行マニアの異世界無双旅〜

ケイソウ
ファンタジー
チビで陰キャラでモブ子の桜井紅子は、楽しみにしていたバス旅行へ向かう途中、突然の事故で命を絶たれた。 死後の世界で女神に異世界へ転生されたが、女神の趣向で変装する羽目になり、渡されたアイテムと備わったスキルをもとに、異世界を満喫しようと冒険者の資格を取る。生活にも慣れて各地を巡る旅を計画するも、国の要請で冒険者が遠征に駆り出される事態に……。

ダンジョンに捨てられた私 奇跡的に不老不死になれたので村を捨てます

カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
私の名前はファム 前世は日本人、とても幸せな最期を迎えてこの世界に転生した 記憶を持っていた私はいいように使われて5歳を迎えた 村の代表だった私を拾ったおじさんはダンジョンが枯渇していることに気が付く ダンジョンには栄養、マナが必要。人もそのマナを持っていた そう、おじさんは私を栄養としてダンジョンに捨てた 私は捨てられたので村をすてる

魔法が使えない令嬢は住んでいた小屋が燃えたので家出します

怠惰るウェイブ
ファンタジー
グレイの世界は狭く暗く何よりも灰色だった。 本来なら領主令嬢となるはずの彼女は領主邸で住むことを許されず、ボロ小屋で暮らしていた。 彼女はある日、棚から落ちてきた一冊の本によって人生が変わることになる。 世界が色づき始めた頃、ある事件をきっかけに少女は旅をすることにした。 喋ることのできないグレイは旅を通して自身の世界を色付けていく。

転生したので好きに生きよう!

ゆっけ
ファンタジー
前世では妹によって全てを奪われ続けていた少女。そんな少女はある日、事故にあい亡くなってしまう。 不思議な場所で目覚める少女は女神と出会う。その女神は全く人の話を聞かないで少女を地上へと送る。 奪われ続けた少女が異世界で周囲から愛される話。…にしようと思います。 ※見切り発車感が凄い。 ※マイペースに更新する予定なのでいつ次話が更新するか作者も不明。

失われた力を身に宿す元聖女は、それでも気楽に過ごしたい~いえ、Sランク冒険者とかは結構です!~

紅月シン
ファンタジー
 聖女として異世界に召喚された狭霧聖菜は、聖女としての勤めを果たし終え、満ち足りた中でその生涯を終えようとしていた。  いや嘘だ。  本当は不満でいっぱいだった。  食事と入浴と睡眠を除いた全ての時間で人を癒し続けなくちゃならないとかどんなブラックだと思っていた。  だがそんな不満を漏らすことなく死に至り、そのことを神が不憫にでも思ったのか、聖菜は辺境伯家の末娘セーナとして二度目の人生を送ることになった。  しかし次こそは気楽に生きたいと願ったはずなのに、ある日セーナは前世の記憶と共にその身には聖女としての癒しの力が流れていることを知ってしまう。  そしてその時点で、セーナの人生は決定付けられた。  二度とあんな目はご免だと、気楽に生きるため、家を出て冒険者になることを決意したのだ。  だが彼女は知らなかった。  三百年の時が過ぎた現代では、既に癒しの力というものは失われてしまっていたということを。  知らぬままに力をばら撒く少女は、その願いとは裏腹に、様々な騒動を引き起こし、解決していくことになるのであった。 ※完結しました。 ※小説家になろう様にも投稿しています

積みかけアラフォーOL、公爵令嬢に転生したのでやりたいことをやって好きに生きる!

ぽらいと
ファンタジー
アラフォー、バツ2派遣OLが公爵令嬢に転生したので、やりたいことを好きなようにやって過ごす、というほのぼの系の話。 悪役等は一切出てこない、優しい世界のお話です。

侯爵令嬢に転生したからには、何がなんでも生き抜きたいと思います!

珂里
ファンタジー
侯爵令嬢に生まれた私。 3歳のある日、湖で溺れて前世の記憶を思い出す。 高校に入学した翌日、川で溺れていた子供を助けようとして逆に私が溺れてしまった。 これからハッピーライフを満喫しようと思っていたのに!! 転生したからには、2度目の人生何がなんでも生き抜いて、楽しみたいと思います!!!

リリゼットの学園生活 〜 聖魔法?我が家では誰でも使えますよ?

あくの
ファンタジー
 15になって領地の修道院から王立ディアーヌ学園、通称『学園』に通うことになったリリゼット。 加護細工の家系のドルバック伯爵家の娘として他家の令嬢達と交流開始するも世間知らずのリリゼットは令嬢との会話についていけない。 また姉と婚約者の破天荒な行動からリリゼットも同じなのかと学園の男子生徒が近寄ってくる。 長女気質のダンテス公爵家の長女リーゼはそんなリリゼットの危うさを危惧しており…。 リリゼットは楽しい学園生活を全うできるのか?!

処理中です...