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45. 愛の告白

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 辺境伯夫妻が揃って 王都へ行かれた。
 なので、リエールのお屋敷は ゆったりモード。
 いまは、セバスチャンさんがお屋敷を管理している。
 このチャンスにみんながお休みを取っているから、
お屋敷に人は少ない。
 わたしたちは馬番小屋なので、そんなに変わらないけど、いつもより早くお風呂に入って マークと二人、リビングでくつろいでいた。

「マークいるかい? 」

 トムさんとシーナが揃ってやってきた。
 あの日は シーナのことが心配だったけど、次の日からは普通に戻っていたので ホッと 一安心。
 トムさんはオレンジを持ってきてくれたようだ。
 マークがお礼をいっている。

「マーク、今日は話があってきたんだ。パールも 一緒に聞いてくれ」

 リビングのテーブルで、マーク特製のハーブティーを飲みながら話を聞くことになった。
 トムさんがハーブティーを 一口飲んで話し出した。

「まずは、結論からいうぞ。わしたちもマークと一緒に ここを出て 王都にいく」

「「 えっ 」」

「どうしたんだよ、トムさん?   話が読めないんだけど ? 」  

「それじゃあ、わからないでしょ!  お父さん。 わたしが はっきりいうわ」

 シーナもハーブティーを 一口飲んで、大きく息を吸い込むと こんどはその息を吐き出した。

 えっ、深呼吸? どうしたの? 二人とも へん?

「マーク。 わたしたちも 一緒に 王都についていく。王都だけじゃないわ、 全部、 全部よ。どこにでも、どこでも 一緒よ! わたし、わたし、わたしはマークが ずっと ずっと 好きなの! 結婚して!! 」

 えーー っ  いったーー!?  
 いいましたよ! 

 シーナ すごい!!

 トムさんは 両手で顔を覆っているし、マークは ビックリしすぎて 目が大きくなっていた。

 シーナは突然立ち上がり、トムさんに向かって……

「お父さん、わたしいったわ……   あとは、 あとは……    いいえ、自分で 聞くわ……   マーク、返事は ひとつ、ひとつよ」

「シーナちゃん、いったい、これはどうしたんだ? 」

「マーク 。   ハァーッ 、 これは わかりにくいが、わかりやすい シーナからの 愛の告白なんだよ…… 」

「えっ 、 シーナちゃんからの?  愛の告白? こくはくー!!  いや 、どうして?  いや 、なぜ? 」

「驚くのは わかる、だが こいつは 本気なんだよ  受け止めてやってくれ。 たのむ!!    おい 、シーナ! !おまえも たのめ! 」

「は、はい!   お願いします!! 」

 すごい!    直球ーー 親子!! 

 頭を下げて たのんでるよ!? 
 これは どうする マーク!

「えっとー 、 トムさんに シーナちゃん 。 ちょっと いいかな? これ 一応 、愛の告白 なのかな?  頭を上げてくれるかい? 」

「受け止めてやってくれるのか! 」

 トムさん頑張ってるなぁー 驚きだよ!

「えっ、受け止めてくれたの?! 」

 シーナもすごいぞ! さすが親子!

「シーナちゃん、ちょっと それは…… 」

 だよねー ? マーク、わかるよ……

「パール! パールも賛成して くれるわよね?! 」

 うそっ!! こっちにきたよーー !  
 ひぃーー!

「これで、わたしたち ホントの 家族になれるわ!! パール、四人家族よ!! 」

「えっ 、四人家族?! 」

「そうよ 、四人家族よ!  ねっ お父さん! 」

「おうよ! 四人家族だ! なっ 、マーク! 」

「えっ 、四人家族? 」

 もー マークも、なにがなんだか わからなくなってる…… 
 これはっ?!

「マーク、家族四人で暮らしましょう?  ねっ? 」

「そうだぞ!  四人だ!  わしたちは 家族だ! 」

「四人家族で、くらす…… 」

「そう!  暮らすんだ!   四人でな!   マーク いいだろう? 」

「あぁ 、 楽しそうだな…… 」

「そうだ!! よかったなっシーナ!!  楽しそうだと言ってくれたぞ!!  マークが、ああっと おまえを 認めてくれたんだ!! 」

 えーーっ!?

「ありがとうー!!  マーク、ありがとう!!  わたしたちを受け止めてくれて! わたしの愛に応えてくれて! 好きよーー! 」

 と、飛びついたーー!? 
 マークに飛びついて、マークが 受け止めたーー!!

「おめでとうーー!!  おめでとうーー!!  マーク、シーナ  おめでとうーー!! 」

 き、決まった……  

 二人はまだ 抱き合っている……  いや、マークは抱きつかれて、どうしてこうなったのか 放心状態だー 

 すごい親子だ……  

 これが 平民の底力なのか、すごいものを 見せてもらった……

 こうして、トムさんとシーナも 一緒に王都へ 旅立つことが 決定した。

「えっと~ マーク…… おめでとう?  あっ シーナも…… 」

「ありがとうね!パール。 これでわたしたちは家族よ! 」

 わたしに、満面の微笑みを返えした シーナは まだマークに抱きついている。

 トムさんはそれを くやしそうな顔で、目だけは とっても キラキラして うれしそうだ。


 よくみると、シーナの目にも 涙がいっぱい溢れていて いまにも溢れ落ちそうだった……   
 

 よかったね、シーナ。
 
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