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66. 二度目の野宿

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 バンブの木 一本と 交換?
 
「おい、ケルス。 おまえ もう 十三 だろう?  それじゃあ『あげます』に はならんだろう?  それは、交換してください  じゃ  ないのか?」

 そうだよね!
 くれるんじゃなく、交換だよね!

「そう…… とも いいます……でも、お願いします!パールさん! それを受け取って、バンブの木と 交換してください! それ作るのに、親方にも 相談して、一ヶ月かかった ボクの 力作なんです!」

「えっと、気持ちは わかったけど 親方が またバンブの木を買うって いってたの 聞いてたでしょ? そんなに バンブの木 いる?」

 外にも干してあるし、また明日 バンブの林で とってくる分も 買うって 親方は いってるし、不思議に思って 聞いてみた。

「いるに……  決まってるじゃあ~ ないですか!!  パールさん  親方に、新しい 商品を みせたでしょー もう これで 親方が ボクに バンブの木を 扱わせてくれないことが 決定ですよ!」

 えっ どういうこと?
 親方は、気になった新しい商品をみると それを自分の 納得する モノ に するまで 作り続けるそうだ。

 いままでにも、いくつか そういった モノ があったときには その材料がなくなって 他のモノ作りに 影響が でるほど だっだとか……
 それじゃあ、ケルスさんには まわってこないよね。
 バンブの木を ひと目 みたときから ケルスさんも 欲しがって いたようだしなぁ~

「それで いいなら、いいよ。 わたしも このコップが すごく気に入ったし。 ケルスさんは、どんなバンブの木が ほしいの? 」

「ホントに、いいんですか? ボクのコップが バンブの木に……  ありがとうございます!!また、コップを 作ります!  だから、この前ぐらいの太さが いいんです」

 一番 持って帰りやすい 太さで ホッと する。

 親方が オレの作品からも 選んでくれ っと いうから、これ以上は 持って帰れないし ダメだというと、シュン として 少し笑った。

 バンブの木を 親方好みの 水筒の太さで 三本と ケルスさんのコップの太さは、ほぼ同じぐらいだから 似たようなところの太さで四本を持って帰ってくると約束して お店を出てきた。

 思っていたよりも、長く 親方のところにいたので 今日はこれでゆっくり 部屋で休んで 明日に備える。


  ♢♢


 さあ チェリー  、頑張って ウロを目指すよ!

「はい、検索は、切らないで 頑張りましょう」

 この前の、反省は大事!
 大きくうなずいて ウロを目指す。

 慣れたもので、あっという間にウロに着く。
 それからまた、メリッサお姉さんに いわれたように薬草をばら撒き 入り口付近にも 獣よけの薬草を おく。

 少し早いけど、昼食も ウロ近くの 太い枝の上で 食べてしまう。
 ここにきたら、このパターンに なるんだな。

 宿屋のオヤジさんが今日も直接、パンとリンゴそれにナッツも少し 渡してくれる。
 おかみさんは気をつけていっておいでと、笑っていってくれた。

 パンの具は、卵とベーコンが カリッと焼いてあり、そこに炒めた野菜と  ワーっ  これは、昨日のシチューのポテトが 軽く潰して 一緒に 詰まっている。
 デラックスパンだ!!
 いままでで、一番 すごい 昼食だよー
 昨日の 濃厚シチュー の ポテトが いい !
 すごく いい感じに タレの役目を はたしている。
 もう おいしすぎて …… うそだ! 
 お肉が……
 昨日の濃厚シチュー の 赤身のお肉が ほぐして 下のほうに 隠れて 入っているよっ?!
 これは、最高ー!!
 おいしいすぎ!
 水も この ケルスさんの作った コップで飲むと、なんだか オシャレで  いい。
 これは、バンブ 一本の 値打ちがあったな。
 大満足の昼食を食べて、バンブの林へ向かう。

 なんとか検索を駆使して バンブの林の奥へと向かい、親方がいっていた 太いバンブの木を探す。
 どれくらい太いのか、気になってしまったんだよね。

 ホワイトベアー より ゴールデンタイガー が 怖い。

 ピコピコ しだすと わたしの方が ドキドキ する。

 でも 強いということは、縄張りがあるようだ。
 太いバンブの木を探すだけの 狭い範囲に そう何匹もいないとわかると 少し安心して バンブの木を探せた。

 一度だけ すごい速さで こっちに 急に向かってくる動きをされて あわてて 身体強化を倍にして、逃げたところが たまたま この前 ホワイトベアー が 食べられたところの近くだったので、ギルドの図書室の本に書いてあった キバ と ツメ を 探してみた。

 ある……   頭の骨から なんとか キバ を 取り出す。
 ツメも 三個、アッ  四個 見つけた。
 ラッキー!!
 気分よく、ゴールデンタイガー を 避けながら またバンブ林の 奥まで進む。

「あったー! おっきい!! これは すごい!」

 チェリー に 聞くと 前世のモノ より だいぶ 大きいらしい。
 わたしが抱きついて、両手がちょうど つくかなぁ~って くらいはあるよ。
 思っていた 太さと違う、親方のできるだけって いってた意味がわかった…… 
 親方のことを 勘違い していたかも……
 はじめから、ここのバンブは 無理だと わかっていたんだな……
 いままで見ていたバンブと、ここのバンブは種類が違うのかなぁ~
 太さが 違いすぎる!
 これは、太すぎて いっぺんには 持って 帰れない……
 これを持って帰ると、他のモノが 持てなくなる。
 今回は、この木をマッピングだけして あきらめて 親方たちの 注文のバンブの木を もう少し 浅い林まで戻って、安全に 切って 持っていくことにする。

 なんせ、わたしの持てる分が 少ないから つらい。
 身体強化で あの太いバンブの木を持って帰ったとしても、一本か 二本まで。
 飛び抜けたことをしたら目立ってしまう…… 

 ホントは もっと持てるのになぁ~   チェリー ?

「はい、パールは 怪力少女に なりますか?」

 あははっ それは、ないよ!

 ひとりで冒険しているはずなのだけど、チェリー の おかげで 毎日が 楽しい!

 緊張していた心が 緩んでいくのがわかる。


 ありがとね チェリー 。

 
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