上 下
144 / 221

144. 家族用テント確認の続き

しおりを挟む
 六日前だということは、一番はやくて 次の日出発だから、今日 王都ゴタに到着か……
 ホントに入れ違いだな。

 ガントのことを聞いたのならメルの洞窟 メルの町にそのまま向かったか?
 いや、シーナのからだが心配だから、モナルダのところで話しを聞いて、今日はどこかゴタの港町で 一泊するか?
 どっちかだろうなぁ~

 木の影でボードに乗り、ラメール王国に戻ることにしたけど、このままいったら夜中にメルの町に着くことになる。
 まだ樹海の真ん中近くを通る、夜の飛行は不安だからあきらめて、お昼に休憩した樹海の端で 一泊することにした。


 時間を作るために、夕食はパンにブータンのお肉がキャベツと 一緒に挟んである簡単なモノにする。
 それでも、ライのところの料理長が作ったモノは、ひと味なにか違っていて、とてもおいしい!

 これは ピリッと辛くて、ちょっと甘い……
 口いっぱいに頬張って、モグモグ食べる。
 幸せだなぁ~!

 チェリー がマークたちに会うのなら、それまでに家族用テントの確認の続きをしてしまいましょうと提案してくれていたので、今日は家族用テントに泊まることにしていた。
 
 いつでもみんなが、使えるように……ね。
 それは、すごく大事!

 まずは外まわり。
 テント前、空間のダミー 部分から。
 親方から買った折りたたみの椅子を 六脚と、小さなテーブルをセンスよく数個 置いておく。

 そのまま中に入り、広いリビングにある特別なソファとライたちが使っていた黒いソファセットを交換する。 
  
 おーっ これも、すごく豪華!

 リビングに置く水瓶セットは、わたしの魔法水ぐらいのモノにこの前替えたし。

 食器セットは、ワンセットだけライの隠れ家だったわたしの家?から先に取っていたので、それを置いておく。

 さあ、まずは子ども部屋。
 二部屋のベッドを親方が作ってくれたモノと交換してしまう。
 これもステキ!
 素朴なかわいい感じで、すごくいい。
 親方、頑張ってくれたなぁ~

 前回はソファと、ベッドの横にある机の中のモノを片付けたところで、時間切れだったからその続き。

 端に大きなクローゼットがあるけど……  まさかね?
 これは、スピノちゃんのクローゼットだと思うから大丈夫でしょ……

 私物は、先にアクロさんが片付けてくれていたから……

 ちょっとだけ ドキドキしながら戸を開けてみる。

 うわー っ!

 ドレスに靴、アクセサリー に小物まで……
 入れっぱなしじゃないか!?
 
 優しいアクロさんのことだから、もしかしてと 一瞬思ったけど、こんなに……
 ありがたい。

 嫁入り道具なんていっていたし。
 アクロさん、娘のスピノちゃんの服や小物はちょうどいいと思って残してくれたのかな?
 
 この量の確認は、また別のときに……

   でも、気になるこの靴。

 ひとつ履いてみる……
 ピッタリの大きさに調節された。

 登録してなかったのか、全部 解除してくれたのか?
 アクロさんもマジックバックを持っていたから、これらをどこから出したのかわからないけど。

 ヒールなのに、ぜんぜん痛くない。

 あーっ、靴はケップラー 王国の靴しか履けなくなるかも……
 もう他の靴はいらないな。

 クローゼットごと、スペシャルな指輪に収納だ!

 部屋の鏡は、そのままでいいや。
 同じようにあと 一部屋、子ども部屋を整える。
 ここも、ひとり娘のスピノちゃんのモノだらけ……
 
 次が、お客様用の 二部屋。

 客室は、シックで 落ち着いた感じだった。

 ベッドもすごく豪華だ。
 高そうなソファセットと鏡は、スペシャルな指輪に サッと入れておいた。
 水瓶セットの水は、飲んでビックリ!
 ウルグベお母さんからもらった、あの水瓶と同じよう?  いや、それより強いかも? 
 ポーションではないけれど……
 なんだか魔力水?って思ってしまうほどの濃いお水だよ。
 
 そうか、ここはマプさんの部屋だったんだ……

 もう 一杯飲んでおく。
 わたしには、最高のお水だ! つい、嬉しくって頬が緩んでしまう。
 からだにすごく合っているんだな…… 
 
 ベッドの横の机には、ペンと紙に 遠見グラスなのかメガネがひとつと なにかの指輪が入っていた。
 これらすべて、スペシャルな指輪に収納しておいた。
 
 マプさんのベッドだとわかったら、どんな仕掛けがあるのかわからない。
 わたしが確認のため、今日はここで寝ることにした。
   クローゼットの中には何もなかったので、ちょっと ホッとする。

 でも、本棚には向こうの本が置かれていた。
 一冊念のため開けてみることに。

 あっ 魔力が勝手に抜けていく……
 うわー! 
 頭の中に本の内容が強制的に入ってくる。
 チェリー に大丈夫か慌てて聞く。

「はい、大丈夫です。 これは魔力の強いモノだけが読める魔法本ですね」

 ケップラー王国は、ホントに 力 や 魔力 の強い者がなんでも優位になるように、できている国なんだな……
 この本箱は危険だ。
 スペシャルな指輪に入れて、あとで読もう。
 興味のある本だった。

 もうひと部屋は、ちゃんとお客様用なのか? 倉庫扱いなのか?
 無難な作りで、落ち着いた雰囲気だ。

 ソファと鏡にベッドもしまって、ガランとするけど使う予定もないし、親方がベッドを作ってくれているしね。
 
 クローゼットの中は、なんだろう?
 なにかの棒と板? カバンも入っている……  
 また本棚もあるな。
 ベッドの横にあった机の中には、やっぱりペンと紙に遠見グラスかな? それと指輪?これはもうセットだな!
 すべて片付けておいた。
 
 あっ、スリッパ!?
 二足あるじゃないかっ! 
 これは、わたしが履きましょう。
 
 部屋用が欲しかったから、ちょうど良かった。
 この履いているのにぜんぜん違和感もないし、スポッと脱げることもない。
 これになれたら、他は履けないな…… 
 足を確実に守ってくれるしね。
 この落ち着いた色もいいけど、もう少しかわいくピンク色にかえようかな?
 
 できたっ!

 もしかしたら、スピノちゃんのクローゼットの中にもっとかわいいデザインのモノがあるかも?
 ぜったい、あとで見てみよう。

 ここの部屋のモノは、悩んだけど全部片付けてしまうことにする。
 かえっていまはなにもないほうが、フリースペースになって便利そうだ。
 マークたちが生きているあいだは、それがいいかな?

「チェリー どう? こんなもんでしょ?」

「はい、おつかれ様です。  片付けた雑貨などはあとで、またゆっくり調べましょう」

「そうだね」

 今日は、やっぱり疲れたな。
 さあ、マプさんのベッドを最後に確認しようか。

 マプさんの部屋だった? お客様用の部屋で、眠ることにする。

 横になった感じは、いつもの スベ スベ で いい感じだけど……
 どこか、違うのかな?

「チェリー 、何か危険なことになったら起こしてね」

「はい、わかりました。 安心しておやすみください」

「うん。 何となく 眠くなってきた…… いい感じ、おやすみ…… チェリー」


 いつもより なんだか とっても……

 深い…… 眠りに…… つけそうだ……よ。
 
しおりを挟む
1 / 5

この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!

四季のごちそう、たらふくおあげんせ

ライト文芸 / 連載中 24h.ポイント:654pt お気に入り:17

白狼 白起伝

歴史・時代 / 連載中 24h.ポイント:0pt お気に入り:15

【完】眼鏡の中の秘密

BL / 完結 24h.ポイント:404pt お気に入り:42

You're the one

BL / 完結 24h.ポイント:576pt お気に入り:62

あなたの妻にはなれないのですね

恋愛 / 完結 24h.ポイント:40,702pt お気に入り:401

悪徳令嬢はヤンデレ騎士と復讐する

ファンタジー / 完結 24h.ポイント:1,615pt お気に入り:259

(旧)悪役令嬢は、鳥籠の姫。

恋愛 / 完結 24h.ポイント:42pt お気に入り:2,223

処理中です...