迷い人と当たり人〜伝説の国の魔道具で気ままに快適冒険者ライフを目指します〜

青空ばらみ

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181. 宝の持ち腐れ?

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 ブレンダがうれしそうに話し出す。

「息子ブラントの敵をうって、生き延びたってもうなにも楽しみがないとこの二年、ずっとそう思ってイチリンを探し続けていたんだよ……敵討ちをして、これで家族のもとへ行けると思ったら生き延びて……それから先はおどろきの連続で自分が楽しんでいることに気がついたよ……パールのおかげさ! ありがとうね」

「ブレンダ! ちょっとわからないところもあるけど、もっと生きて楽しもうよ! 変なこと考えちゃダメだよ」

「そうだぞ! パールといたら、退屈はしないぞ」

「ああ、そうだね。人生なにがすぐ先にあるかなんて、ホントわからないもんだね! ハッハッハッ!」

 なんだか元気になったみたいで、よかった!

 それからさっきの氷の盾について質問してきた。

「パール。あの盾だけど、あれが良いと頭で思ったらできたってことなんだね? ホントすごい子だよ。レベル50っていうのは、素晴らしいね……」

「ああ、すごすぎて困るよ……」

 ブレンダにはこの形の盾は自分の逃げ道まで塞いでしまって、かえって危険だと教えてもらう。

 相手に囲ませる時間を与えることにもなるし、魔法が解けたら囲まれていて逃げられないと告げられる。

「たしかに……」

「パール。イメージ通りに魔法が使えるのなら、もっと正しい的確なイメージを持つ勉強をしなければいけないよ。いまのままでは、宝の持ち腐れだね」

「はい……」
 
 どうもわたしは魔法の能力が高いようなので先にいくつか決まった形の盾を決めておいて、しばらくはそれを使いこなすほうが安全だろうとブレンダにアドバイスしてもらう。

「わたしがイチリンに使った氷の盾は、向かって来るモノに直接立ち向かわなければいけないから、いまのパールにはちょっと無理だね」

「そうだな。短い時間で教えるならもう形を先に教えてしまい、それを的確に作らせたほうが手っ取り早いかもな」

「そうだよ、その手がパールにはあるね」

 二人でいろいろ話し合っている。
 わたしはそのあいだ近くの薬草を集めていた。

「さあ、パール。氷で、この一枚ドアのような盾を出してごらん」

 地面に棒で図が描かれる。
 普通のドアよりは少し小さな、わたしサイズの一枚のドア。
 ホントにこの大きさで良いのかな?

「アイスシールド!」

 わたしの前に少し小さめの、一枚の氷のドアが現れた。

「ブレンダ? こんなに小さくて守れるの?」

「ああ、これで十分なときもあるんだよ。これだとすぐにできるから、急いでいるときには便利なんだ」

「パール。これを作るとき強度は頭に浮かべたか?」

「えっ?」

 マークがわたしの横に来て、氷のドアを片手で軽く押す。

 バタンッ!!

「あっ!?」

「何かがぶつかってきても倒れないイメージで盾は作らないと、役に立たないぞ」

「ホントだ……」

 見事に倒れたよ……
 そうか、置いてあるイメージじゃダメなんだ!?
 地面一メートル下ぐらいから凍らす?
 もう一度作ってみる。

「アイスシールド!」

「今度も、うまくだせたね」

 次はブレンダが押している。
 よし、大丈夫みたい!

「ぐらつきもないね。でもパール、見ててごらん」

ブレンダが肘を曲げて、氷のドアに肘打ちーっ!?

 バリンッ!! ガシャッ!!

「あーっ!」

「ドアが薄いね! これでは頑丈な矢なら貫通してしまうよ」

 ひぃぇ~!?

「パール、もっと強く分厚くしないとダメだぞ!」

「氷の盾って奥が深くて、難しいんだね……」

「ああ、そうだよ。イメージをもっと丁寧にしっかり持つことが魔法には大切なんだ。一瞬でどれだけできるか、盾にはそれが要求されるのさ」

 それから何回も作らされて、ドア一枚、ドア二枚と、大きくすることもできるようになった。

 思っていた盾とは少し違うけど、すごく魔法の勉強にもなる。
 時間がかかったけど、今日はやってよかったな。

 わたしの魔法は自己流で基礎を知らない。
 覚えは良いので明日もギリギリお昼過ぎまで、今度は風の魔法を教えてもらえることになった。

 それから三人、ボードで湖まで戻って一泊するそうだ。
 その次の日には洞窟の入り口近く、人がたくさんいる手前までボードで行き、そこから歩いて家へ帰る予定らしい。

 ブレンダがなぜかやる気に満ちていて、ちょっとマークが二人いるみたいだよ……

 夕食後も、二人遅くまで何か話し合っていた。


  ♢♢♢


 今日も朝から魔法の練習だ!

 魔剣の使い方より先に、風の魔法の基礎を教わる。
 わたしは魔法の基本がぜんぜんなっていないようだ。
 いままで自己流だったからしょうがないけど、ブレンダが防御や身を守る術をもう少し身につけないと、レベル50がもったいと何度も言う。

 マークも昨日、ドアの盾の魔法を見て思うところがあったようで、魔剣や魔道具に頼るより先に習うことがいっぱいあると言っていた。

「パール。この魔法はね、風の魔法の適性がある者ならたぶんみんな、一度は使っことのある魔法だよ。少し離れた人の話しが風にのって聞こえる魔法さっ」

「人の話が聞けるの?」

「そうさ、だからいろいろ役に立つんだ。諜報員なんかは、必ず風の適性があるね」

「それだけじゃないよ、もし誰かに捕まったときなんかにも役に立つからね。犯人が仲間と離れたところで話している会話がわかれば逃げ道も増えるだろ?」

「なるほど……」

「いいかい、簡単さっ。その話している相手を思い浮かべて『リスン』と唱えるだけでいい」

 ブレンダは少し離れた木にいる二羽の鳥を指差し、やってみるよう告げる。

 あの小さな鳥ね……

「リスン」

 うわーっ!! なにこれ? 聞こえすぎーっ! 

「ブレンダ! すごくうるさいよ?! どうやってこの声消すの?」

「ああ、消えろっで、いいよ。音量も自分でちゃんと調整しな」

「わかった……ハァー、できた……」

「フッフ。ついでにコレも覚えておきな『エコー』これは、声を大きく響かせるんだよ。 逃げるときなんかに使うといい」

「わかった。助けてーっとか、だれかーって、言いながら、エコーーって言うの?」

「……エコーで、助けてさっ。そうしたら、助けてが大きく響く。ちゃんと止まれも言うんだよ。そうじゃないと、パールは魔力が多いからずっとエコーがかかったままになるからね」
 
「なるほど……」

「あと今すぐ簡単に教えられるのは、これかな?」

 人差し指を小さく、クルッと回して。

「トルネード!」

 おおーっ?!

 ブレンダの少し前に、小さな風の渦ができたっ!

 落ち葉を吸い上げて、一緒に空へ舞い上がっていく。

「ブレンダすごいね! 落ち葉が渦巻き状に舞って、なんだかキレイだったよ!」

「そうかい? これはいろいろ応用がきくから、風の魔法を習うときには、まずはじめに教わる」

 へーっ? そうなんだ……

「パールもやってみな」

「うん!」

「トルネーードっ!」

 風が、舞い上がる。

 渦巻き状に、グルグルグルグルグルグル……


 えっ、えっ、えーっ?!

 ちょっと、大きすぎない?

 これ、どうなるの??

 ヒィャーーっ!?


 ビック、トルネードだーーっ!!

 


 

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