迷い人と当たり人〜伝説の国の魔道具で気ままに快適冒険者ライフを目指します〜

青空ばらみ

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186. 錬金釜

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 久しぶりに薬草の香り……
 ああ、モナルダの家も良い香りがする。
 落ち着く香りだ……

 モナルダに頼まれていた薬草を渡す。

 カタカゴにリョジンボクの種とホットリップス。
 スナップドラゴンは、ドクロと花。
 花は色が数種類あったので全種類渡した。

「よく、これだけ集められたね? スナップドラゴンなんてドクロと花の両方だよ? これは、たいへんだっただろう?」

「メルの洞窟に詳しい人と会ったからね。教えてもらったんだ。あそこにも薬草の森があったんだよ! これをみて!」

 セイオクノモリで見つけた薬草を見せるとおどろいていた。

「これは!? 上質な薬草だね。色も濃いし、良いもんだよ」

「モナルダはセイオクノモリって聞いたことがある?」

「セイオクノモリ……ああ、あるよ。そうだね昔、母さんと父さんがそんな名前の森の話をしていた……いま、思い出したよ……」

 遠い目をして、懐かしい森の名前を聞いたとうれしそうに話していた。


 薬草のお金をモナルダが払おうとしたので、トムさんたちがきたときの食費や雑費なんかにまわしてと言っておく。
 わたしにお金は必要ないと伝える。

 モナルダが少し困った顔を一瞬して。

「じゃあ、なにかモノで返そうかね」

 今度はわたしが困ってしまう。

 その顔を見てモナルダが笑っている。
 それから、ブレンダのことも話すと。

「もしかしてあのブレンダかね? もし、わたしの知っているあの子だったら、いい子だから安心なんだけどね……一度連れておいで」

「うん、わかった。もし、わたしの護衛を引き受けてくれたら、あの部屋に二つテントを張って暮らすことになるけど、いいかな?」

「ああ。パール、おまえの護衛だろ? いいに決まっているじゃないか。パールにはそういう人がついたほうがいいね。それに、いまから百年か二百年一緒にいる人だろ? そうしたら、わたしたちとも家族みたいなもんだ。会うのが楽しみだよ」

「ありがとう、モナルダ。ブレンダを受け入れてくれて!」

「ふ、ふふ。そんな心配するより、これからのポーション作りの心配をしなっ」

「そうだねグレコマにも、わたしの錬金釜を作ってもらわないとねっ」

「ああ。もう材料は用意したみたいだから、いつでも大丈夫だよ」

 それからモナルダには、今回の冒険の話とライたちの話もしてしまう。
 
「なんだって!? パール? おまえが言ってたライって言うのは、ライアン様のことだったのかい?!」

「そうみたいなんだよ。ビックリするよねっ」

「ハァー、のんきな子だね~。まあ、まだ十歳だから大丈夫なのかね」

「なにが、大丈夫なの?」

「それは……」

「パールっ!! やっと捕まえた! 帰ってくるのが少なすぎるよ~っ」

 すごい勢いで、アジュガがモナルダの家に入ってきた。

「ごめんね~。でも、また服を仕立ててもらうかも?」

「えっ?! もう着れなくなったの?」

「違うの。わたしの護衛になる人の服だよ」

「わおっ、どういうこと?! さあ、詳しく話しなさい!」

 そこからまたモナルダにした話を、もう一度アジュガにも話す。

 今度はグレコマも聞いている。
 グレコマもいろいろおどろいていた。
 ついでに明日、わたしの錬金釜を作ってくれることになる。
 話しがどんどん進んでいく。

 でもまずは、錬金釜だよね!

 アジュガに『ブティック オレガノ』まで連れて行かれ、そこでもブレンダの話をして、どんな服が必要なのか三人に聞かれる。

 アジュガたちが得意なのは、平民の上等な服だそうで、テントの中と町に来ていく質の良い楽な服を今度は、 二枚ずつ三人に頼んでみた。

「ちょっと多くない? 全部で六枚だよ」

 セージがそんなに必要なのかと、心配して尋ねてきた。

 簡単な説明。
 ブレンダがこの敵討ちのために自分の私物を全部処分して冒険していたと話すと、納得してそれから助言もしてくれる。

「パール、もしホントに護衛をしてもらえることになったら、ブレンダには何かキチンとした護衛の服を作ってもらったほうがいいわよ! 女の人でしょう? やっぱり騎士のような服を着ているだけで、人って一目おくのよね。そのほうが女性のブレンダも護衛しやすいと思うよ」

「なるほど……」

 それから、そういう服は老舗で作ったほうが良いと教えてくれる。

 騎士の服は命に関わる特別な服だから、キチンと技術を持った人に作ってもらったほうが安心で安全だそうだ。

 良い話を聞けた!

 夜は久しぶりに遅くまでガーデンパーティーを楽しむ。
 女の子トークもできて、なんだか気分もスッキリ!


  ♢♢♢


 朝からグレコマが張り切って、錬金釜を作ってくれた。

 これは、大仕事だ!

 わかったことは、材料と魔力。

 あんなに張り切っていたグレコマが、魔力ポーションを三本も飲んで、最後にはグッタリしていた。

 これからのことを考えて、大きめに作ってくれたそうだ。

 材料の品質を見抜く目と、調合のレシピが秘伝なんだと教えてくれる。
 その資料を全部見せてくれたので、すぐにスキルコピーしておく。

 そしてわかったことは、魔鉄や魔銀が必要で、特に魔金がなかなか手に入らないモノだということ。

 一回に使う量がそんなに多くないからグレコマもツテを使って、今回二度も集められたそうだ。
 その他にも、レシピの中に白金があったのでおどろいた。
 トムさんたち、だいぶ無理を言ったんだとレシピの資料をみて気づく。

 それと魔力の質も大切!

 最低でも、レベルが20台後半以上ないと錬金は難しい。
 グレコマはレベルが30以上あるそうだ。
 これはわたしも大丈夫でホッとした。
 
 あとは今日一日ゆっくり錬金釜を寝かして、明日出来上がりになる。
 
 グレコマにはお礼を兼ねて少しだけ魔金と白金を渡しておく。
 
「パールっ!? これはなんだ! 魔金に白金じゃないか?」

「今回とそれから、トムさんたちのアイスボックスのお礼。ありがとう、グレコマ。トムさんたちのアイスボックス……だいぶ無理してくれたんだね? 気づかなくてごめんね」

「そうか、レシピを見たからだな……気にするな。オレがしたくてやったことだ。それに、この錬金釜は魔法袋を借りる条件なんだぞ! 礼なんていらん!」

「あっ、そうだね! わかった。じゃあ、これはプレゼント! ただわたしは、グレコマにあげたいんだよ! またいろんなモノを、これがあれば作れるでしょ? グレコマがよろこぶ顔が見たいだけ。わたしがいっぱい持ってても仕方ないしねっ」

「うっ……いっぱい」

「フーゥ、グレコマ。もらっておきなっ。パールはその魔金や白金がなくても、ぜんぜん困らないらしいからね。ハァー、パール。言葉は選んで話さないとダメだよ! いまの会話だと、わたしは魔金も白金もいっぱい持っていると人に伝えたことになる。わかったかい?」

「 うそっ? 気をつけるよ。マークたちにも言われているんだ……」

「だろうね……」


 なんとかグレコマに渡せた。

 これで安心。



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