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第1話『完全犯罪ってロマンあるよね!』
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――中学校の昼休み。どこにでもあるような教室。
ハナ(14歳)は窓際の席でひとり、楽しげにノートに何かを書き込んでいる。
表紙にはシールで飾られたタイトル――《ひみつノート♡》。
彼女の顔には、微笑み。まるで少女漫画の主人公のような純真な瞳。
南雲「……また変なこと考えてんの?」
となりの席の南雲くんが、あきれ顔でのぞきこむ。
ハナ「うん、今日のテーマはね、“絶対にバレない完全犯罪”!」
南雲「……あー、またか。昨日は“水道水にまぎれた毒の話”だったろ」
ハナ「それは昨日の話でしょ? 今日は“遺体処理のスマートな方法”について考えてたの」
南雲「やめろよ、お昼なんだから!」
ハナはクスクス笑いながら、ノートに書かれた落書き付きのプランを見せる。
ハナ「ほら、見て見て。これが“お風呂場分解コース”。最初にクエン酸で血を分解して、そのあと酵素洗浄液で――」
南雲「お前、理科の成績めっちゃ悪かっただろ!? なんでそこだけ詳しいんだよ!」
ハナは無邪気に語る。「“殺す”って言葉、なんかカッコいいよね。小説とか映画ではすごくロマンあるじゃん?」
彼女は続ける。
ハナ「でも私、ただの妄想だから。やらないよ、たぶん。今はね」
その「たぶん」の言い方に、南雲は笑いながらも、うっすらとした不安を感じる。
南雲「さっき“完全犯罪”って言ってたけど、そういうのって結局どこかでバレるって聞いたことあるぞ」
ハナ「ううん、バレないよ。証拠はすべて消すし、動機もないし、関係性も薄くするの。しかも実行犯を別に用意して、さらにそいつも――」
南雲「やめろやめろやめろやめろ! お前、マジで考えてんじゃん!」
放課後、ハナは誰もいない図書室で資料を読み漁っている。
タイトルは《毒と犯罪心理》《20世紀の未解決事件》《分子化学入門》。
司書に「真面目だねぇ」と褒められて、にこっと笑うハナ。
帰宅したハナ、ランドセルを放り出し、自室の本棚の裏から別のノートを取り出す。
そこには、より詳細な殺人プラン、対象リスト(仮)がびっしりと。
そしてページの隅に小さく書かれた一言:
「最初の実行は、6月15日。まだ妄想だけど。」
その日付を、ハナは赤ペンでなぞりながら、ほほえむ。
ハナ(モノローグ)
「みんな、“やるわけない”って思ってる。でもね、その油断が一番の隙なんだよ」
画面は、日が沈みかけた街を背景にフェードアウト。
無邪気な笑顔が、夕暮れにゆっくりと沈んでいく。
ハナ(14歳)は窓際の席でひとり、楽しげにノートに何かを書き込んでいる。
表紙にはシールで飾られたタイトル――《ひみつノート♡》。
彼女の顔には、微笑み。まるで少女漫画の主人公のような純真な瞳。
南雲「……また変なこと考えてんの?」
となりの席の南雲くんが、あきれ顔でのぞきこむ。
ハナ「うん、今日のテーマはね、“絶対にバレない完全犯罪”!」
南雲「……あー、またか。昨日は“水道水にまぎれた毒の話”だったろ」
ハナ「それは昨日の話でしょ? 今日は“遺体処理のスマートな方法”について考えてたの」
南雲「やめろよ、お昼なんだから!」
ハナはクスクス笑いながら、ノートに書かれた落書き付きのプランを見せる。
ハナ「ほら、見て見て。これが“お風呂場分解コース”。最初にクエン酸で血を分解して、そのあと酵素洗浄液で――」
南雲「お前、理科の成績めっちゃ悪かっただろ!? なんでそこだけ詳しいんだよ!」
ハナは無邪気に語る。「“殺す”って言葉、なんかカッコいいよね。小説とか映画ではすごくロマンあるじゃん?」
彼女は続ける。
ハナ「でも私、ただの妄想だから。やらないよ、たぶん。今はね」
その「たぶん」の言い方に、南雲は笑いながらも、うっすらとした不安を感じる。
南雲「さっき“完全犯罪”って言ってたけど、そういうのって結局どこかでバレるって聞いたことあるぞ」
ハナ「ううん、バレないよ。証拠はすべて消すし、動機もないし、関係性も薄くするの。しかも実行犯を別に用意して、さらにそいつも――」
南雲「やめろやめろやめろやめろ! お前、マジで考えてんじゃん!」
放課後、ハナは誰もいない図書室で資料を読み漁っている。
タイトルは《毒と犯罪心理》《20世紀の未解決事件》《分子化学入門》。
司書に「真面目だねぇ」と褒められて、にこっと笑うハナ。
帰宅したハナ、ランドセルを放り出し、自室の本棚の裏から別のノートを取り出す。
そこには、より詳細な殺人プラン、対象リスト(仮)がびっしりと。
そしてページの隅に小さく書かれた一言:
「最初の実行は、6月15日。まだ妄想だけど。」
その日付を、ハナは赤ペンでなぞりながら、ほほえむ。
ハナ(モノローグ)
「みんな、“やるわけない”って思ってる。でもね、その油断が一番の隙なんだよ」
画面は、日が沈みかけた街を背景にフェードアウト。
無邪気な笑顔が、夕暮れにゆっくりと沈んでいく。
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