24 / 36
## 24 敵は身内にあり?推しカプ公式供給過多で脳が焼ける!
しおりを挟むふぅ…。あたしだって、伊達に大企業の重役の娘(お嬢様とは名ばかりのオヤジ臭い腐女子だけど)やってるわけじゃないのよ? 普段から二次創作漁ったり、推しカプの妄想垂れ流してるだけに見えるかもしれないけど、ちゃんと塾にだって行ってるんだから! 習い事だって、ピアノは才能のなさを悟ってギブアップしたけど、バレエは一応、惰性とママの圧力で続けてるし! (ヘタクソすぎて発表会とかマジ地獄だけどな!)
そんな、週に数回の「真面目なあたし」タイム、塾帰りのことだった。今日は莉子とソヒと一緒。愛美愛は塾に通ってないから、このメンバー限定の放課後…いや、放塾後?のお楽しみタイムだ。行きつけのファストフード店、通称「マック」(※店名は伏せるけど、まあそういうことよ!)。
「はー、疲れたー! アップルパイ、んまー!」
あたしは熱々のアップルパイにかぶりつきながら、ホットティーで喉を潤す。体重? 気にしてるわよ! だからドリンクは砂糖なしのティーなの! パイ食ってる時点でアウト? うるさいわね!
「蓮花、その一口デカすぎ。ていうか口の周り、パイ生地まみれ」
隣では、ソヒがビッグマックセットをもりもりと頬張っている。ポテトもLサイズだ。…こいつ、あたしより全然運動してなさそうなのに、なんで胸以外あたしより細いのよ!? バレエ(惰性)やってるあたしの努力(?)はどこへ!? 世の中、不公平だわ!
「…コーヒーだけで十分よ」
正面の莉子は、優雅に(?)コーヒーカップを傾けている。ですよねー! 普通、スタイル維持にはそれくらいのストイックさが必要なのよね! 分かってる! 私? アップルパイおいしいです!
いつもの莉子の家と違って、周りには一般ピープル(主に中高生とか)がたくさんいるから、さすがのあたし達も声のボリュームは控えめだ。でも、話す内容はブレない! オタク女子トーク(小声バージョン)!
ただ、どうしても塾帰りという性質上、真面目な小6らしい話題にも出るには出るのだ。
「今日のクラス替え、私達は3人とも一番上のクラスをキープだったわね」
「まあ、蓮花はギリギリ滑り込みって感じだったけどな」
「うっさいわね! キープはキープよ!」
そう、今日は月1の塾の成績別クラス編成の発表日。あたし、ソヒ、莉子の3人は、なんとか一番上のクラスに残留成功! (あたしはマジで崖っぷちだったけどな!) もちろん、我らがカイト様も余裕のキープ。…問題は、あの歩く公害・ユウキも、しぶとく同じクラスに残ってやがることだ! あいつ、ああ見えて頭だけは良いのが、本当に腹立たしい!
「でもさー、それよりビックリしたのは…」
あたしは声を潜め、身を乗り出した。
「レンヤきゅんよ! まさか、あの子が、あたし達と同じクラスに上がってくるとは!」
そうなのだ! これが今日一番の事件!
今まで、どっちかっていうと勉強には興味なさそうで、教室の隅っこで静かにしてる陰キャタイプ(ただし顔面偏差値はSSS級)だったというレンヤきゅんが、最上位クラスへの昇格! しかも1組事情に詳しい情報源(恋愛脳)によると、先月までは上から3番目のクラスだったので一気に驚愕の二段階アップだという。
「なんで? 急にどうしたわけ?」
「さあな。あたしが知るかよ」
ソヒはポテトをつまみながら、興味なさそうに答える。
(でも、あたしには分かる…! きっと! きっとあれよ! ママに! あの可愛いレモモ服とか、キラキラネイルとか! もっとたくさん買ってもらうために! 『いい成績取ったら、買ってあげるわよ』的な約束を取り付けて! そのために、今までサボってた勉強を、血反吐吐く思いでガチったに違いないわ! なんて健気なの! なんて親孝行(目的がアレだけど)なの! ああああ尊い!)
あたしの脳内では、すでに感動的なストーリーが完成していた。しかし、同時に、深刻な問題も発生している。
「やばい…やばいわよ、ソヒ! 莉子!」
あたしは頭を抱えた。
「学校のクラスでも、塾のクラスでも、今まではカイト様以外、視界に入る男子なんてユウキみたいな眼害共くらいしかいなかったから! だから、なんとか授業にもちょっと集中出来ない程度の致命傷で済んでたのに! これからは! 目の前に! カイト様とレンヤきゅんが! 推しカプが! セットで存在するってことじゃないの!? そんなの! そんなの尊すぎて、授業の内容なんて1ミリも頭に入ってこないに決まってる!」
事実、今日の塾の授業、マジで何も覚えてない! 先生が何を言ってたか、黒板に何が書かれてたか、完全に記憶が飛んでる! これはヤバい! 次のテスト、赤点確定かもしれない!
「成績落ちたらどうしよう!? ねぇ、ソヒ!?」
あたしが助けを求めると、ソヒは冷たく言い放った。
「甘えんな」
「……ですよねー!!!」
「むしろ、二人と同じクラスを維持するために、勉強を頑張るっていうのはどうかしら? モチベーションになるんじゃない?」
莉子が、冷静かつ的確なアドバイスをくれる。
!!!!!!
それだ!!!!!!!!!!
さすが莉子! 天才! 発想の転換! 推しカプと同じ空間にいることを、堕落ではなく、燃料にする! そうよ! あたし、頑張る! 推しカプに見守られながら(見守ってない)、あたしも成績上げて、莉子と一緒にSF中、目指しちゃう!? (いや、それは無理か…)
「つーか、今日のレンヤくん、マジでヤバかったよなー」
ソヒが思い出したように呟く。
「今日もレモモ全開だったけど、塾だからってちょっと抑えめ? とか思いきや、普通に学校と同じレベルでキラキラしてたし」
「ねー! あのオーラ、なんなのかしらね! 男子だってこと知らない、他校の男子生徒とか、めっちゃソワソワしてたもんね!」
「あはは! ユウキ菌感染者共とは大違いで、なんか初々しくて可愛かったわよね!」
あたしとソヒがそんな話で盛り上がっていた、まさにその時だった。
カランコロン…
店のドアベルが鳴り、二人組が入ってきた。
その姿を見た瞬間、あたしの心臓は跳ね上がり、手の中のアップルパイ(の最後の欠片)を落としそうになった。
「か、かかか、カイト様!? れ、れ、レンヤきゅん!?」
嘘でしょ!? なんで!? なんでこのタイミングで!?
しかも! 二人一緒! あの、学校では滅多に見られない、美少年双子のツーショットが! 今、目の前に! 公式からの供給! まさにこれ! あああああスマホ! スマホどこ!? 激写! 激写しなきゃ! この奇跡の瞬間を!
「やめろって。盗撮は犯罪だぞ」
ソヒが素早くあたしの腕を掴み、制止する。ぐぬぬ…! この冷静さが時に憎い!
「ちょ、隠れて!」
あたしは咄嗟に身を縮こませた。莉子もソヒも、若干呆れながらも、反射的に少しだけ姿勢を低くする。
「なんでアタシらまでこそこそせにゃならんのだ…」
ソヒのボヤキが聞こえるが、知ったこっちゃない!
入ってきた二人は、あたし達には気づいていない様子で、レジへと向かう。
そして! そして! 見てしまった!
レンヤきゅんが! なんの躊躇もなく! カイト様の腕に、自分の腕を絡めてる! しかも、体をすり寄せるようにして、めっちゃベタベタしてるじゃないの!
対するカイト様は、「うわ、やめろよ」って感じで、めちゃくちゃ嫌そうな顔をして、その腕を振り払おうとしている! でも、レンヤきゅん、全然めげない! さらにしつこく絡みついていく!
な、な、な、なんなの!? この! この公式からの! 圧倒的な! 萌えの暴力は!?
受け(カイト)の塩対応! 攻め(レンヤ)の積極的なアプローチ! 王道! まさに王道展開! あたしの脳内妄想が、今、目の前で! 現実のものとして繰り広げられている! 無理! 尊すぎて死ぬ! 呼吸困難! 誰かAED持ってきて!
注文を終えた二人は、なんと、あたし達の席のすぐ隣、セパレーターを挟んだだけの席に座った! マジか! 近すぎる! 心臓持たないって!
「はぁ…ジャンクフードなんて、食べたくないのに…」
聞こえてきたのは、カイト様の不機嫌そうな呟き。うんうん、知ってるよ、君が意識高い系だってこと!
「だいたい、急に勉強頑張りだしたと思ったら、そんな気持ち悪い服買ってもらうためとか、お前、マジで何考えてんだよ」
あ! やっぱり! あたしの「モチベは女装ファッションおねだり説」、的中してた! やった! 考察勢としてドヤ顔よ!
「えー、かわいいじゃん、この服! カイトにも絶対似合うと思うよ? 今度ボクと双子コーデしようよ♡」
レンヤきゅんの、甘えたような、しかし小悪魔的な声! うっわー! その語尾のハートマーク! 反則! 反則だってば!
「絶対ヤダ! ナヨナヨするな、気持ち悪い! 男なら男らしくしろよ!」
カイト様の、全力拒絶! そして、昭和の頑固親父みたいな価値観! それもまた良き! ツンケンしてる受け、最高!
「ひどーい! そういう考え方、古いと思うなー」
レンヤきゅんの、軽い反論! そうよ! もっと言ってやれ! 時代は多様性なのよ!
あああああ…! 今まで妄想でしか補完できなかった、二人の関係性の解像度が、ぐんぐん上がっていく! これが…これが公式供給の威力…! ありがたや…! 生きててよかった…!
「……つーか、双子の弟がオカマのホモなんて、マジで恥ずかしいんだけど」
カイト様が、吐き捨てるように言った。
オカマ! ホモ! 出た! またその無知蒙昧な決めつけワード!
「だからー! オカマとか言わないでってば! っていうか、ボクはゲイじゃないし!」
レンヤきゅんが、ぷくーっと頬を膨らませて反論する! 可愛い! 可愛いけど!
「は? ホモだからそんな格好してんだろ? トランスジェンダーってやつ? なんか、先生が言ってたじゃん」
「だから、混同してるって! それ、どっちも違う奴だからね! トランスジェンダーは心が女の人で、ボクは心まで女だって思ったことは一度もないの! あと、ボクはかわいくなりたいだけで、男の子を好きになったこともないの! 女装してるから同性愛者とか、心が女だとか決めつけるの、マジで良くないと思うよ!」
ぐさっっっっっっ!!!!!!!!!!!
公式からの! まさかの! ノンケ宣言、再び!!!!!!!!!!!
しかも、本人(レンヤきゅん)の口から、こんなにもハッキリと!!!!!!
くっ…! でも! でもあたしは! この前の絶望(カエル化)を乗り越え、すでに覚醒しているのだ! ノンケ? スケベ? 上等じゃないの! むしろ、それをねじ伏せ、ホモの沼に引きずり込むことにこそ、真の興奮(フェチズム)があるのよ! 見てなさい、レンヤきゅん! この腐女子お姉さん(小学生)が、あんたを必ずや、正しい道(=カイト様との愛の道)へと導いてみせるから! フヒヒヒ!
「意味わかんねえよ! なんか面倒くさいし、気持ち悪い!」
カイト様は、完全に理解を放棄したようだ。…ああ、それで、あの授業の時、あんなに不機嫌だったのね。急に家族が当事者になって、戸惑ってたのか! なるほどねー!
「つーか、まだ食ってんのかよ、お前。食べ方までオカマみたいになりやがって。いちいち写真とか撮んなよ、そういうのキモいから」
「えー! ひどーい! せっかくカイトと初めてのデートだから、記念に残したかったのに!」
レンヤきゅんは、スマホを取り出してパシャパシャと目の前のスイーツ(複数)を撮っている。
(マックでまで写真撮るのは、確かにちょっと…ねぇ… by莉子)
(まあ、粗末なファストフードでも、何かの記念日なら特別!って気持ちは、正直、女子としては分からんでもない… byソヒ)
(デートって言った! 今、デートって言った! ヤフーニュースのトップに載るかな!? 明日の新聞の一面!? by蓮花)
「俺、もう食べ終わったから先に帰るわ」
チラリと見ると、カイト様のトレーの上は、すでに空っぽ。バーガー単品だけだったらしい。早っ!
カイト様はさっさと席を立ち、席をたつ。
「あ、待ってよっ……」
レンヤきゅんが、寂しそうな顔で、カイト様の背中を目で追っている。そして、しょんぼりとした様子で、まだ山のように残っているスイーツ(ていうか、なんでそんなに食うのに痩せてるのよ!? へそ出しキャミとか平気で着るだけあって、ウエスト、あたしより細いじゃないの!)をゆっくりと食べ始めた。
「カイトのばか……」
……いかん! このままじゃ、レンヤきゅんが可哀想すぎる! あんなにしょんぼりして…。ああ…カプとすれ違う傷心ヒロイン(攻めだけど)の孤独なスイーツタイム…。これは…これは見届けなければ! 腐女子としての使命が、この場に留まることを命じている!
「ソヒ! 金は全部あたしが出すから、3人分の追加ドリンク買ってきて!」
あたしはソヒに指令を下した! 長丁場になりそうだ! あたし達は、まだここを離れるわけにはいかない! レンヤきゅんの孤独な戦い(スイーツとの)を、壁のシミになって見守るのだ!
「はぁ? パシリかよ。…まあ、奢ってくれるってんなら、別にいいけど」
ソヒは呆れた顔をしつつも、素直に席を立ち、カウンターへ向かった。
(ありがとう、ソヒ! あんた、あたしよりずっと金持ちなんだから、本当は奢りになんて大した価値感じてないんでしょ! 本当は、あたしへの友情でパシられてくれてるくせに! 照れ隠しでそんなこと言っちゃって! このツンデレめ! 大好きじゃ! ちゅっちゅ!)
しかし。
あたしのこの「レンヤきゅん・孤独のスイーツタイム観察作戦」は、最悪の形で妨害されることとなる。
カランコロン…
カイト様と入れ替わるように、やかましい男子の集団が、店内に雪崩れ込んできたのだ!
「げえっ! ユウキ軍団!」
思わず声が出た! 見ると、そこにはユウキを筆頭に、1組のケンジ(剣道バカ)やタクミ(元・上品ピアノ男子、現・下品クソガキ)の姿が! 腰巾着のアツシはいないけど(あいつは塾通ってないからな)、いつものもう一人のモブ(特徴無さ過ぎて未だに名前が覚えられないスカートめくり君)と、1組の感染者を引き連れてやがる! くそっ! この塾がクラスの垣根を超えたパンデミックの感染経路だったんだわ!
…っていうか、あれ?
よく見ると、そのクソガキ軍団の中に、一人だけ、場違いなほど顔面偏差値の高い美少年が混じっている…! 小柄で、童顔で、色素が薄くて、どこか影のある…!
鈴木ソラ!? レンヤきゅんのスカートガン見くんじゃないの!
なんで!? なんであんたが、ユウキ達と一緒にいるわけ!?
いや、女子じゃなく男の娘相手とはいえ一応パンチラ狙いでスカートガン見してたくらいだから、やっぱり保菌者なのか?
うわあああああああああああああああああ!!!!!!!!!!!
なんか! なんか、ものすごーーーーーく!!!
嫌な予感しかしないんですけどおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!!!!!!!!!!!!!!
30
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
ヤンデレ美少女転校生と共に体育倉庫に閉じ込められ、大問題になりましたが『結婚しています!』で乗り切った嘘のような本当の話
桜井正宗
青春
――結婚しています!
それは二人だけの秘密。
高校二年の遙と遥は結婚した。
近年法律が変わり、高校生(十六歳)からでも結婚できるようになっていた。だから、問題はなかった。
キッカケは、体育倉庫に閉じ込められた事件から始まった。校長先生に問い詰められ、とっさに誤魔化した。二人は退学の危機を乗り越える為に本当に結婚することにした。
ワケありヤンデレ美少女転校生の『小桜 遥』と”新婚生活”を開始する――。
*結婚要素あり
*ヤンデレ要素あり
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
クラスメイトの美少女と無人島に流された件
桜井正宗
青春
修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。
高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。
どうやら、漂流して流されていたようだった。
帰ろうにも島は『無人島』。
しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。
男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?
プール終わり、自分のバッグにクラスメイトのパンツが入っていたらどうする?
九拾七
青春
プールの授業が午前中のときは水着を着こんでいく。
で、パンツを持っていくのを忘れる。
というのはよくある笑い話。
わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...
MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。
ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。
さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか?
そのほかに外伝も綴りました。
同じアパートに住む年上未亡人美女は甘すぎる。
ピコサイクス
青春
大学生の翔太は、一人暮らしを始めたばかり。
真下の階に住むのは、落ち着いた色気と優しさを併せ持つ大人の女性・水無瀬紗夜。
引っ越しの挨拶で出会った瞬間、翔太は心を奪われてしまう。
偶然にもアルバイト先のスーパーで再会した彼女は、翔太をすぐに採用し、温かく仕事を教えてくれる存在だった。
ある日の仕事帰り、ふたりで過ごす時間が増えていき――そして気づけば紗夜の部屋でご飯をご馳走になるほど親密に。
優しくて穏やかで――その色気に触れるたび、翔太の心は揺れていく。
大人の女性と大学生、甘くちょっぴり刺激的な同居生活(?)がはじまる。
上司、快楽に沈むまで
赤林檎
BL
完璧な男――それが、営業部課長・**榊(さかき)**の社内での評判だった。
冷静沈着、部下にも厳しい。私生活の噂すら立たないほどの隙のなさ。
だが、その“完璧”が崩れる日がくるとは、誰も想像していなかった。
入社三年目の篠原は、榊の直属の部下。
真面目だが強気で、どこか挑発的な笑みを浮かべる青年。
ある夜、取引先とのトラブル対応で二人だけが残ったオフィスで、
篠原は上司に向かって、いつもの穏やかな口調を崩した。「……そんな顔、部下には見せないんですね」
疲労で僅かに緩んだ榊の表情。
その弱さを見逃さず、篠原はデスク越しに距離を詰める。
「強がらなくていいですよ。俺の前では、もう」
指先が榊のネクタイを掴む。
引き寄せられた瞬間、榊の理性は音を立てて崩れた。
拒むことも、許すこともできないまま、
彼は“部下”の手によって、ひとつずつ乱されていく。
言葉で支配され、触れられるたびに、自分の知らなかった感情と快楽を知る。それは、上司としての誇りを壊すほどに甘く、逃れられないほどに深い。
だが、篠原の視線の奥に宿るのは、ただの欲望ではなかった。
そこには、ずっと榊だけを見つめ続けてきた、静かな執着がある。
「俺、前から思ってたんです。
あなたが誰かに“支配される”ところ、きっと綺麗だろうなって」
支配する側だったはずの男が、
支配されることで初めて“生きている”と感じてしまう――。
上司と部下、立場も理性も、すべてが絡み合うオフィスの夜。
秘密の扉を開けた榊は、もう戻れない。
快楽に溺れるその瞬間まで、彼を待つのは破滅か、それとも救いか。
――これは、ひとりの上司が“愛”という名の支配に沈んでいく物語。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
