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第3章

楽舞の心

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先輩に無駄な迷惑をかけてしまったかもしれない。朝の登校でのやり取りは先輩がふーんと言った以降話が続かなかった。別に前から仲が良かった訳でもないし、たまたま僕が無理やり家に誘って先輩が乗ってくれてただけで、もしかしたら今日僕が先輩を家に誘わなかったらこの関係は1日でとだえてしまうのかもしれない。

ぼーっとしてた僕は先生や友達に心配され、保健室で休んでいた。保健室の先生の佐田先生は僕が悩んでいることを察して気にかけてくれていた。

楽舞「はぁ、入学早々上手くいかないなぁ、、」

佐田先生「あんまり悩む必要はないとおもうぞ。なんでもいいから話してみ?」

楽舞「僕、実はゲイなんです、、先輩のことを好きになってしまってそれで悩んでて、、」

佐田先生「そうなんだ!この学校で2人目のゲイの子をみつけたぁ、実は先生もゲイで今彼氏と同棲を決めて家を探してるんだよ~!」

楽舞「先生もゲイなんですね、やったぁー!!相談いっぱいできる!」

佐田先生「ちなみに楽舞くんの気になってる子は誰なの?」

楽舞「えっとー、真瞳琥継先輩です!」

佐田先生「げっ!この学校の有名なゲイだよ、こつちゃんはね~」

楽舞「こつちゃん?」

佐田先生「琥継は僕の義理の兄弟なんだよね~」

楽舞「えぇぇ!!」

佐田先生「こつちゃんが中3の時に母と父が仕事の金銭問題でトラブって離婚しちゃって、僕は父さんについてったんだけど、こつちゃんはお母さんのところに行っちゃってね、それで義理の兄弟になったんだよ。」

楽舞「あ、そうだったんだ、、僕、琥継先輩の彼氏になれますかね、?」

佐田先生「頑張れば実るかもよ?」

その時僕は琥継先輩が僕の事をどう思ってるのかが気になって仕方がなかった。そしてそれと同時に琥継先輩がゲイであるということはこの学校内では有名だったことで弱みとして使うには意味がなくなってしまった。

?「失礼します」

佐田先生「どーぞー、どうしまし、、こつちゃん!!」

楽舞「琥継先輩っ!!」

琥継「楽舞っ!何してんだよ!!あと、嵂來やめてくれないか、そう呼ぶの。」

佐田先生「はいはい、んで琥継はどうしたの?また仮病ですかー?」

琥継「ちげーよ、」

佐田先生「もしかして、この楽舞ちゃん の事が気になって来ちゃったとかー?」

楽舞「せん、ぱい?大丈夫ですか、?僕のせいでわざわざ授業の時間削って来てくれたんですか、?」

琥継「違う、普通に頭痛できたんだよ」

佐田先生「ほんとにぃ~?」

琥継「ほんとにうざい、」

佐田先生「え~じゃあベット貸さないっ!」

琥継「はぁ、?わーったよ、頭痛はマジの話ね?そもそも朝あんなにいつものテンションと違ってたらそりゃ心配するだろ。」

佐田先生「そりゃ琥継のタイプのワンコ系の年下だもんねー?」
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嵂來は俺の耳元でボソッっと呟いた。
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楽舞「ちょっ!佐田先生!何話してたの!2人で!!ちゃんと僕にも教えてっ!」

琥継「2人の秘密だから無理だな。」

佐田先生「そーそー、ごめんねー楽舞ちゃーん!」

楽舞「ならしょうがないですけど、、」

その時佐田先生は琥継先輩に何を言ったのか僕には全く分からないけど、多分僕が知ってはいけないことだろうとは察していた。

楽舞「ねぇ、琥継先輩?」

琥継「あ?どーした楽舞?」

楽舞「一緒に、、っ」

佐田先生「すとーっっっっぷっ!!」

琥継
            「んっ???」
楽舞

佐田先生「ここはこつちゃんからじゃーなーいーのっ?」

琥継「あぁ?知るか、」

楽舞「先輩、僕が何を言おうをしたのか分かってるくせにはぐらかさないでください、!」

琥継「べっ、別に、はぐらかそうとした訳じゃないんだよ!!」

佐田先生「はーやーくーこつちゃーん」

琥継「あーあーわーったよ!!」
        「楽舞っ、一緒に帰る、か?」

楽舞「はいっ!帰ります!」

佐田先生「部活のお休みはダメだよー?」

楽舞「わかってますよ!先生と琥継先輩のおかげで立ち直れました!部活を休むなんて!1年生なんだからちゃんと頑張ります!!ね?先輩っ!」

琥継「俺は、、わーってるよ、休む訳ないだろ。」

そして僕は琥継先輩と一緒に帰る約束をした。大好きな先輩と帰れるんだから部活頑張らなくちゃ!!
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