拳法家 ウーミンリン

モモンとパパン

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拳法家 ウーミンリン

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天気予報では、雨のち曇りでしたが、気まぐれな天気なので晴れています。 

洞窟に、拳法家のウーミンリン 五十四歳が住んでいました。

ミンリンは、この洞窟である修行をしていました。
それは、新たな必殺拳、モンキー拳の修得でした。

ミンリンには倒さなければならない強敵がいました。
ベイチェンホという男です。ミンリンより二つ年上でした。
チェンホは、身長が百九十三センチもありました。
屈強な体は、まるで鋼。チェンホがくりだすカマキリ拳は、
ミンリンの門下生全員を倒しました。ミンリンですら歯が
立ちませんでした。

それから、チェンホは勢力をどんどんひろげて、なんと
中国拳法の最高位の師範も打ち破ってしまいました。
中国でチェンホに勝てる者は誰もいなくなってしまいました。
権力を手にしたベイチェンホは、政治、経済そして社会を牛耳るように
なりました。

町や村では、強盗や殺人が横行するようになりました。

チェンホをやっつけないかぎり、もう手はありませんでした。

ミンリンは、チェンホを倒すことを心の底で誓いました。

中国の田舎の更に奥、人がだれもよりつかない洞窟に
一人ミンリンはこもりました。

それから五年の歳月が流れました。(どうすればチェンホを倒すことが
できるか)自問自答の毎日でした。

そしてようやくモンキー拳のヒントを得たのでした。更に一年を
ついやして、ついに念願だったモンキー拳が完成しました。

ミンリンは、すぐに身支度を整え、民を救うべく洞窟をあとに町へ
向かうのでした。

それから、すぐ、ある町にミンリンは着きました。そこの町は
閑散としていて、ひとっこ一人道を歩いている者はいませんでした。
ひどくやせ細った野良犬がふらふらやって来ました。
その野良犬は、ここ数日何も食べていなかったのでしょう、ひたすら
地に鼻をこすっていました。

すると、なんと、その犬の二倍はある、がたいのいい犬にぶつかって
しまいました。
その犬は、やせっぽっちの犬をにらみました。
そして研ぎすまされた歯をみせたかとおもうと、やせっぽっちの犬に
飛びかかりました。

(危ない!!)

ミンリンは助けようと手をのばした時、驚くべき光景を
目にしました。

あのやせっぽっちの犬が狂暴な犬を、まるで毛布で
包んだかのように、ひらりとかわし、宙にういた足を
今度は力いっぱい蹴り上げたのでした。
狂暴な犬はまるでねずみ花火のように空中に
くるくる回って、川の向こうまで飛ばされたのでした。

犬は、しっぽをまいて逃げるしかありませんでした。

ミンリンは、あのやせっぽっちの犬がみせた
この身のこなしこそ、

モンキー拳、、、、改!!!

だと思いました。
モンキー拳に足りなかった最後のピースがうまった感じが
しました。

ミンリンは、これでチェンホに絶対勝てると悟ったのでした。


ミンリンとチェンホの試合は、圧倒的にチェンホが有利でした。
ミンリンは、あのちっぽけな犬といっしょでした。

しかし、ミンリンは、そこにこそ勝機があるとにらんで
いました。
強欲となったチェンホは、必ず無防備に飛びかかってくる、
そこを狙うのだ。

チェンホは、もう立てなくなったミンリンに、最後の一撃を
くりだしたその時でした。

「今だ!!!」。

ミンリンのモンキー拳改がチェンホに炸裂しました。

チェンホは、ぼろぞうきんごとく、スタジアムの場外へ
飛んでいきました。

そして、もう二度と戻って来ることはありませんでした。

ミンリンは試合に勝つことができたのでした。
どれだけ、多くの民が、ほっと胸をなでおろしたことか!

「ありがとう ウーミンリン」。

「ありがとう~!!」。 

             
             おわり
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