主観の良し悪しでなく正解か不正解かで判断される平等な異世界に人間偏差値25の僕が飛ばされて

中西ユウ

文字の大きさ
20 / 35
一章

因果覿面 ※※(R18G)

しおりを挟む
 なんの前触れもなくそれはやってきた。服を脱がされたわけでもないのに熱のみならず体内を駆け巡る脈動までしっかりダイレクトに伝わってくる。
 これが「やることはちゃんとやらせてもらう」の答えか──。もちろん「耐え続けることだけ」という言葉の目的語も──。どんな呪術を使ってこんなことをしているかは知らないが、そんなこと考えるだけ野暮なほどの事態に何度も直面しているわけで──何を聞いても驚きはしないだろうし、そこまでの興味もない。腰を打ちつけられる衝撃はどんどん激しさを増し、中を穿つそれもパンパンに膨れあがっているのが分かる。そして──。
「うっ……あっ……」
 すぐ横のトイレに駆け込む間もなく、溜まりに溜まったものが放たれた。内部の粘膜はもちろん、奥へ奥へと流し込むように姿なきディルドはピストン運動を繰り返す。今引き抜いたら大変なことになるだろうとの配慮かいまだ犯したりないという不満からかは分からないが、グリグリと内部を押しつけたままさらにその先へと伸びてきた。
 地に縛られるように立ち上がることすらままならず、必死に床を這ってやっと便座にたどりついた。ポタポタと重たい粘液が滴ったかと思えば──、
「やっ……あっ……」
 すぐさま噴水のごとく勢いで漏れ出し、周囲をこれでもかというほどに汚した。否応なしに鼻を突くむわんとした臭い──。自分のもののそれとは比べものにならないほど強烈だったせいか、取り込んだ空気と喧嘩して噎せ返ってしまった。ペーパーで拭いても拭いてもねっとりしたものは落ちないばかりか、むしろその感触が手にどんどんまつわりついてくるようだ。
 それに気を取られている間にまたズンッと身体を突き上げられ、第二波を送り込まれた。どれだけ爆ぜれば満足するのか──、大腸はおろかもっとも長い消化管であるはずの小腸すら満たしていくかのような膨満感──。そして──。
「──うっ!? おぇぇっ……!」
 凄まじいまでの吐き気におされる形でそれは出てきた。視界が潤むなか絶え間なく注ぎ込まれる白濁の汚物。文字どおり息つくことすら許されず、そのまま便座に突っ伏してしまった。異形の姿と化した封水と間近で睨めっこをしていると、不意にあの一言が脳裏をよぎった。
 これを1週間耐え続けろ──か──。混ざりに混ざったものがブクブクと泡立ちながら涎のように滴る口角を皮肉交じりに上げた。意識も朦朧とし、顔ごと突っ込もうとした矢先──、
「──大丈夫ですか!?」
 見計らったようなタイミングで先ほどの4人が駆けつけてきた。
 青髪の男性がこちらの背中をさすり、金髪の男性がトイレをしきりに流すなか、緑髪の男性は「今、水を持ってくる」、赤髪の男性は「ここの主を呼んでくる」とそれぞれ部屋を後にした。なんとも異様な親切心は、ある1つの可能性をより鮮明なものとして、途切れそうな意識に刻まれた。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

希少なΩだと隠して生きてきた薬師は、視察に来た冷徹なα騎士団長に一瞬で見抜かれ「お前は俺の番だ」と帝都に連れ去られてしまう

水凪しおん
BL
「君は、今日から俺のものだ」 辺境の村で薬師として静かに暮らす青年カイリ。彼には誰にも言えない秘密があった。それは希少なΩ(オメガ)でありながら、その性を偽りβ(ベータ)として生きていること。 ある日、村を訪れたのは『帝国の氷盾』と畏れられる冷徹な騎士団総長、リアム。彼は最上級のα(アルファ)であり、カイリが必死に隠してきたΩの資質をいとも簡単に見抜いてしまう。 「お前のその特異な力を、帝国のために使え」 強引に帝都へ連れ去られ、リアムの屋敷で“偽りの主従関係”を結ぶことになったカイリ。冷たい命令とは裏腹に、リアムが時折見せる不器用な優しさと孤独を秘めた瞳に、カイリの心は次第に揺らいでいく。 しかし、カイリの持つ特別なフェロモンは帝国の覇権を揺るがす甘美な毒。やがて二人は、宮廷を渦巻く巨大な陰謀に巻き込まれていく――。 運命の番(つがい)に抗う不遇のΩと、愛を知らない最強α騎士。 偽りの関係から始まる、甘く切ない身分差ファンタジー・ラブ!

超絶美形な悪役として生まれ変わりました

みるきぃ
BL
転生したのは人気アニメの序盤で消える超絶美形の悪役でした。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

鎖に繋がれた騎士は、敵国で皇帝の愛に囚われる

結衣可
BL
戦場で捕らえられた若き騎士エリアスは、牢に繋がれながらも誇りを折らず、帝国の皇帝オルフェンの瞳を惹きつける。 冷酷と畏怖で人を遠ざけてきた皇帝は、彼を望み、夜ごと逢瀬を重ねていく。 憎しみと抗いのはずが、いつしか芽生える心の揺らぎ。 誇り高き騎士が囚われたのは、冷徹な皇帝の愛。 鎖に繋がれた誇りと、独占欲に満ちた溺愛の行方は――。

強制悪役劣等生、レベル99の超人達の激重愛に逃げられない

砂糖犬
BL
悪名高い乙女ゲームの悪役令息に生まれ変わった主人公。 自分の未来は自分で変えると強制力に抗う事に。 ただ平穏に暮らしたい、それだけだった。 とあるきっかけフラグのせいで、友情ルートは崩れ去っていく。 恋愛ルートを認めない弱々キャラにわからせ愛を仕掛ける攻略キャラクター達。 ヒロインは?悪役令嬢は?それどころではない。 落第が掛かっている大事な時に、主人公は及第点を取れるのか!? 最強の力を内に憑依する時、その力は目覚める。 12人の攻略キャラクター×強制力に苦しむ悪役劣等生

公爵家の末っ子に転生しました〜出来損ないなので潔く退場しようとしたらうっかり溺愛されてしまった件について〜

上総啓
BL
公爵家の末っ子に転生したシルビオ。 体が弱く生まれて早々ぶっ倒れ、家族は見事に過保護ルートへと突き進んでしまった。 両親はめちゃくちゃ溺愛してくるし、超強い兄様はブラコンに育ち弟絶対守るマンに……。 せっかくファンタジーの世界に転生したんだから魔法も使えたり?と思ったら、我が家に代々伝わる上位氷魔法が俺にだけ使えない? しかも俺に使える魔法は氷魔法じゃなく『神聖魔法』?というか『神聖魔法』を操れるのは神に選ばれた愛し子だけ……? どうせ余命幾ばくもない出来損ないなら仕方ない、お荷物の僕はさっさと今世からも退場しよう……と思ってたのに? 偶然騎士たちを神聖魔法で救って、何故か天使と呼ばれて崇められたり。終いには帝国最強の狂血皇子に溺愛されて囲われちゃったり……いやいやちょっと待て。魔王様、主神様、まさかアンタらも? ……ってあれ、なんかめちゃくちゃ囲われてない?? ――― 病弱ならどうせすぐ死ぬかー。ならちょっとばかし遊んでもいいよね?と自由にやってたら無駄に最強な奴らに溺愛されちゃってた受けの話。 ※別名義で連載していた作品になります。 (名義を統合しこちらに移動することになりました)

魔界最強に転生した社畜は、イケメン王子に奪い合われることになりました

タタミ
BL
ブラック企業に務める社畜・佐藤流嘉。 クリスマスも残業確定の非リア人生は、トラックの激突により突然終了する。 死後目覚めると、目の前で見目麗しい天使が微笑んでいた。 「ここは天国ではなく魔界です」 天使に会えたと喜んだのもつかの間、そこは天国などではなく魔法が当たり前にある世界・魔界だと知らされる。そして流嘉は、魔界に君臨する最強の支配者『至上様』に転生していたのだった。 「至上様、私に接吻を」 「あっ。ああ、接吻か……って、接吻!?なんだそれ、まさかキスですか!?」 何が起こっているのかわからないうちに、流嘉の前に現れたのは美しい4人の王子。この4王子にキスをして、結婚相手を選ばなければならないと言われて──!?

この世界は僕に甘すぎる 〜ちんまい僕(もふもふぬいぐるみ付き)が溺愛される物語〜

COCO
BL
「ミミルがいないの……?」 涙目でそうつぶやいた僕を見て、 騎士団も、魔法団も、王宮も──全員が本気を出した。 前世は政治家の家に生まれたけど、 愛されるどころか、身体目当ての大人ばかり。 最後はストーカーの担任に殺された。 でも今世では…… 「ルカは、僕らの宝物だよ」 目を覚ました僕は、 最強の父と美しい母に全力で愛されていた。 全員190cm超えの“男しかいない世界”で、 小柄で可愛い僕(とウサギのぬいぐるみ)は、今日も溺愛されてます。 魔法全属性持ち? 知識チート? でも一番すごいのは── 「ルカ様、可愛すぎて息ができません……!!」 これは、世界一ちんまい天使が、世界一愛されるお話。

処理中です...