アニマルたちのほのぼの物語

ゴリ羅はあの子とドラミングする

　一匹のゴリラ――ゴリ羅は森の中を歩いて餌を探していました。歩きながら辺りを見回すと、餌を見つけ、ゴリ羅は思わずドラミングしてしまいました。
　すると背後から驚いたような声が聞こえ、ゴリ羅は反射的に振り返りました。少し離れた地面にメスのゴリラが尻もちをついていました。どうやらゴリ羅のドラミングに驚いて尻もちをついたようでした。
　ゴリ羅は急にドラミングしたことを謝りました。するとあの子は自分の方こそ驚いてごめんなさいと謝ってきたのです。面食らったゴリ羅は慌てふためいてしまいました。
　そんなゴリ羅の様子にあの子は吹き出しました。ゴリ羅は何だか恥ずかしくなって顔が真っ赤になりました。
　それからというもの、ゴリ羅はあの子と会話をするようになりました。あの子の話はユーモラスに富んでいて、とても楽しい時間でした。何度も会話をするうちに、ゴリ羅はあの子のことが好きになりました。
　ゴリ羅はドラミングしながら、あの子に視線を向けます。あの子も同じようにドラミングしながら、ゴリ羅に視線を向けていました。
　ゴリ羅とあの子の視線は交じり合い、同時に微笑んだのでした。