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男が乙女ゲームの世界に転生しちゃった?!
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俺は事故死し、乙女ゲームの世界に転生してしまった。
俺が転生した少女の名は猫舐猫子。何ともふざけた名前だ。キツネ顔のくせに、名前に猫が入っているとはな。
俺は乙女ゲームにまったく興味がないというのに、なぜ転生してしまったのだろうか? もしや姉に無理矢理乙女ゲームをやらされていたからか? 姉曰く『私が好きなものは健司も好きにならないといけない』らしい。姉が俺に乙女ゲームをやらせるから、こんな事態になったんだ。
しかし、転生してしまった以上、俺は猫舐猫子として生きなければならない。幸いなことに猫舐猫子は東聖紅緑学園理事長の娘だ。東聖紅緑学園は名門校で全国のお嬢様やお坊ちゃんが集まっている。
そんな学園の理事長の娘だから、何不自由なく暮らすことができるはずだ。ただ一つ問題がある。それは猫舐猫子が男子生徒にモテモテという点だ。男にモテてもまったく嬉しくない。どうせモテるなら女にモテたい。見た目が女だから仕方ないことではあるけれど。
男子生徒に囲まれた学園生活を送らなければならないと思うと、憂鬱な気分になってしまう。
何にせよ俺の新たな人生は始まったばかりだ。
☆☆
俺が教室に入ると、男子たちはそわそわし始めた。女子たちも何やら騒いでいる。
今日はバレンタインデーの日だが、俺は複雑な気持ちだった。なぜなら貰う側からあげる側になってしまったからだ。
席に着くや否や男子に囲まれた。男子たちは期待のこもった目で俺をじっと見つめる。その期待に応えるのは癪ではあるが、チョコは人数分用意してある。もちろん手作りではない。お店で購入したチョコだ。たかだかクラスメイトなんぞのためにチョコを作るなんて馬鹿げている。手作りのチョコよりお店のチョコの方がおいしいに決まっている。俺が購入したのは高級チョコレートだからな。味は申し分ないはずだ。
俺は満面の笑みを作り、男子たちにチョコを渡した。男子たちは嬉しそうな表情を浮かべる。義理チョコなのに喜ぶなんて、そんなに欲しかったのか? まあ、気持ちは分からなくもない。
男子は席に着き、チョコを食べ始めた。これでゆっくりできると思ったのも束の間、今度は女子が近づいてきた。何ということだ。友チョコは用意していない。この場は何とか誤魔化してすぐにチョコを買いに行った方がいいかもしれない。
しかし、それは杞憂に終わる。誰が本命なのか聞いてきただけだった。そんなのいるわけないだろ。俺は女の子が好きなんだ。
女子は次々に男子の名前を挙げ、俺の反応を伺い始める。俺はほんのりと頬を染め、小さな声でやめてと言った。女子たちは申し訳なさそうな表情で謝ってきた。俺も女の役が板についてきたな。
しかし、いずれは選ばなければならないんだろうな。この世界での両親は東聖紅緑学園の生徒と結婚するように言っている。お坊ちゃんが集まっているからだろうな。
俺は将来男と結婚しなければならないのだ。女に転生してしまったばかりに。俺は自分の運命を嘆かずにはいられなかった。どうせ結婚するなら中性的な男子がいい。
俺はふと健太郎を見た。男とは思えないほどキレイな顔立ちをしている。正直女子よりも可愛い。ダメだ、新たな扉が開こうとしている。
健太郎と目が合った。その瞬間、健太郎は嬉しそうな表情を浮かべた。
俺は健太郎の目をじっと見つめ、ニッコリと微笑んだ。
俺が転生した少女の名は猫舐猫子。何ともふざけた名前だ。キツネ顔のくせに、名前に猫が入っているとはな。
俺は乙女ゲームにまったく興味がないというのに、なぜ転生してしまったのだろうか? もしや姉に無理矢理乙女ゲームをやらされていたからか? 姉曰く『私が好きなものは健司も好きにならないといけない』らしい。姉が俺に乙女ゲームをやらせるから、こんな事態になったんだ。
しかし、転生してしまった以上、俺は猫舐猫子として生きなければならない。幸いなことに猫舐猫子は東聖紅緑学園理事長の娘だ。東聖紅緑学園は名門校で全国のお嬢様やお坊ちゃんが集まっている。
そんな学園の理事長の娘だから、何不自由なく暮らすことができるはずだ。ただ一つ問題がある。それは猫舐猫子が男子生徒にモテモテという点だ。男にモテてもまったく嬉しくない。どうせモテるなら女にモテたい。見た目が女だから仕方ないことではあるけれど。
男子生徒に囲まれた学園生活を送らなければならないと思うと、憂鬱な気分になってしまう。
何にせよ俺の新たな人生は始まったばかりだ。
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俺が教室に入ると、男子たちはそわそわし始めた。女子たちも何やら騒いでいる。
今日はバレンタインデーの日だが、俺は複雑な気持ちだった。なぜなら貰う側からあげる側になってしまったからだ。
席に着くや否や男子に囲まれた。男子たちは期待のこもった目で俺をじっと見つめる。その期待に応えるのは癪ではあるが、チョコは人数分用意してある。もちろん手作りではない。お店で購入したチョコだ。たかだかクラスメイトなんぞのためにチョコを作るなんて馬鹿げている。手作りのチョコよりお店のチョコの方がおいしいに決まっている。俺が購入したのは高級チョコレートだからな。味は申し分ないはずだ。
俺は満面の笑みを作り、男子たちにチョコを渡した。男子たちは嬉しそうな表情を浮かべる。義理チョコなのに喜ぶなんて、そんなに欲しかったのか? まあ、気持ちは分からなくもない。
男子は席に着き、チョコを食べ始めた。これでゆっくりできると思ったのも束の間、今度は女子が近づいてきた。何ということだ。友チョコは用意していない。この場は何とか誤魔化してすぐにチョコを買いに行った方がいいかもしれない。
しかし、それは杞憂に終わる。誰が本命なのか聞いてきただけだった。そんなのいるわけないだろ。俺は女の子が好きなんだ。
女子は次々に男子の名前を挙げ、俺の反応を伺い始める。俺はほんのりと頬を染め、小さな声でやめてと言った。女子たちは申し訳なさそうな表情で謝ってきた。俺も女の役が板についてきたな。
しかし、いずれは選ばなければならないんだろうな。この世界での両親は東聖紅緑学園の生徒と結婚するように言っている。お坊ちゃんが集まっているからだろうな。
俺は将来男と結婚しなければならないのだ。女に転生してしまったばかりに。俺は自分の運命を嘆かずにはいられなかった。どうせ結婚するなら中性的な男子がいい。
俺はふと健太郎を見た。男とは思えないほどキレイな顔立ちをしている。正直女子よりも可愛い。ダメだ、新たな扉が開こうとしている。
健太郎と目が合った。その瞬間、健太郎は嬉しそうな表情を浮かべた。
俺は健太郎の目をじっと見つめ、ニッコリと微笑んだ。
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