リアル美少女抱き枕

リアル美少女抱き枕

　トアル会社は『リアル美少女抱き枕』を販売した。三次元の美少女がプリントされた抱き枕だった。
　そのリアルさと美少女の天真爛漫な笑顔が受けてたちまち大ヒットした。
　テレビでも紹介され、社会現象にまでなる中、美少女が次々と行方不明になる事件が世間を賑わせていた。『リアル美少女抱き枕』が大ヒットすればするほど、美少女の行方不明者の数も増加していった。
　そんな中、一人のジャーナリストが抱き枕化という特殊な技術を用いて、トアル会社が美少女を抱き枕化させていた事実を突き止めた。行方不明になった美少女は抱き枕化していたことが発覚したのだ。行方不明になった美少女たちは両親からの虐待を受けていたことも判明した。
　トアル会社の社長及び従業員は警察に逮捕されたが、無事に家に帰った美少女はほんの5割に過ぎなかった。残りの5割は利用者の扱いが雑ですぐに破れて捨てられて亡くなっていたのだ。
　だが、美少女たちはトアル会社に感謝していた。
　抱き枕の間だけ、両親の暴力を受けずに済んだからだった。